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ともしび①
大正時代の小学校は、六年制の尋常小学校だった。尋常小学校を卒業すると、恵まれた者は中学や工業学校・商業学校に進んだが、制約のある者は師範学校を目指したりした。師範学校には〈卒業後の一定期間教壇に立てば授業料を免除する〉という恩典があり、貧しい家庭の者にと
2022/10/31 10:00
天秤の詩②
天秤の詩 原点編より ↑鍵山さんは「ローヤル」(現在のイエローハット)という自動車部品販売業の社長であった。田舎から東京に出てきたものの、学歴はなく、友人・知人もいない。資金もなければ、自社商品が特別だというわけでもない。しかしながら【整理整頓清潔・誠心
2022/10/30 10:00
天秤の詩①
映画【天秤の詩】を観た。ストーリーをかいつまんで説明する。近江の少年が修行の第一歩として〈鍋蓋の行商〉を命じられる。だが夕陽が沈もうというのに一個も売れない。途方に暮れる。諦めかけたが、ある老婆の苦労を察して手伝い、自分の素直な心境を吐露したところ「買っ
2022/10/29 10:00
線路を守ろう③
会議終了後、施設部長が本社課長に「どうですか?」と聞いたところ、「判らない・・しかし・・」「九州にあれしかおらん、というなら、それで話を進めてくれ。」となったらしい。数日後、施設部長から電話がある。「久しぶりに麻雀でもしようや。」と。門司港の山腹にある料
2022/10/28 10:00
線路を守ろう②
次の手を打たねばならないが、人材がいない。本社は門司局の施設部長に「九州は後任についてどう考えているのか?」と質問。それに対して部長は私の名前を出したらしい。本社課長は「その名前は聞いたことがない」と言ったそうだ。当然であろう。当時経理の仕事をしており、
2022/10/27 19:48
線路を守ろう①
その当時、鹿児島局の線路保守状況は最悪レベルに落ち込んでいた。その最大の原因は公労委が下した認定と勧告である。つまり当局が推進している生産性向上運動は不当労働行為であり、直ちに中止すること。当局は組合側との団体交渉は勿論、現場でも作業計画等を協議されたし
2022/10/26 10:00
女は強い
義理母(当時80代)を囲んでの御食事会の想い出を記す。伴侶の長兄がリーダーだ。その他義兄・義妹やその伴侶達で賑やかである。妻からは「仕切ってはいけないよ。」と釘をさされている。勿論そのつもりでいる。末席で静かに酒を飲む。山鹿の街中で昼食。帰りは玉名駅から13
2022/10/25 10:00
菊花展
同じ町内に、九十歳を超えたYさんという方が御夫婦で過ごされている。殆ど毎日外出されているので、「どこへ行くのだろう?」と思っていたら、どうやら郊外の娘さん宅らしい。そこで菊作りに精を出していらっしゃるようだった。そのYさんから「橘通りの店の屋上で菊花鑑賞会
2022/10/24 10:00
九州は下手だねえ③
壁際には新潟からの米が米俵として積まれていた。手前には広島の銘酒が並び、その横には岡山から送られてきた果物籠が。一瞬、元禄時代の浅野家や赤穂浪士のことが頭をよぎったが、それを口に出してはおしまいだ。仕事のことは何も口にせず、その席を離れた。しばらくして、
2022/10/23 10:00
九州は下手だねえ②
仔細を聞いてみると「他局のやり方を勉強しろ。」と言うのである。どうやら予算をしっかり頂戴している局は、それなりの礼を尽くしているらしい。門司に帰り補佐と相談したところ、早速知恵を出してくれた。【ふぐ刺し】を提供する、というアイデアである。捌きは主席が担当
2022/10/22 10:00
九州は下手だねえ①
九州総局・予算管理室での私の仕事は設備投資関係だったが、施設関係の修繕費も受け持つようになった。決算関係は事務職員が担当するので、予算獲得が主務となる。その当時、線路の保守点検は極度に悪化し、放置すれば列車脱線事故・多数の死傷者が発生しかねなかった。事故
2022/10/21 10:00
前向き後ろ向き②
自分史が話題になったことがある。出版社がその執筆をあおったと思われるが、最近はあまりお目にかからない。理由は「面白くない」ことに尽きると思う。戦前・戦中・戦後を生き抜いてきた人たちは皆それぞれに辛酸をなめてきており、他人の経験や感想を聞いたからといって、
2022/10/20 10:00
前向き後ろ向き①
作家で精神科医のなだいなださんは、亡くなる2日前のパーティーで、ワイン片手に来年の抱負を語っていたという。このことについて、ある女性エッセイストが「これまでのことを振り返って懐かしんでいる人より、最後まで自分が出来ることを見つけ、自分の可能性を追求する人
2022/10/19 10:00
萩と津和野
秋半ば、阪急交通社主催の「萩・津和野食べ・飲み歩きの旅」に参加した。定員45名のバスに42名の参加だから、まず満席といってよいだろう。その中でお一人様参加は私だけ。二人用の席を独占する。天候は雨。強風波浪警報が出ているし、気温も低めだから行楽日和とはいえ
2022/10/18 10:00
経理の世界へ③
筑肥線・前原駅までの複線電化工事が完成したのはそれから四年後。なぜそんなに早く完成したのだろう。篠栗線の電化工事が完成したのは国鉄がJRに移行してから。反対の声がなかったのも不思議である。ところで少額の工事予算は局に配分されており、中規模の予算は総局が握っ
2022/10/17 10:00
経理の世界へ②
私は考える。まず経営のこと。極端な赤字路線で、他に代替輸送機関があるところに限っては廃止してよいだろう。各管理局にはその担当部署があるのだから、もう少し積極的に動くべき、総局企画室は旗を振るべきと進言したのだが、その動きはない。人口の都市集中化は進むだろ
2022/10/16 10:00
経理の世界へ①
国鉄が設備投資を行う際の手順は、各鉄道管理局・工事局から九州総局の予算管理室を経て本社に上申する仕組みとなっている。従前は投資管理室という部門があり、そこで工事計画書の審査を行っていたのだが、合理化によって予算管理室に統合され、技術者は一名だけとなってい
2022/10/15 10:00
毎日まいにち②
夕刊の目玉は毎日数独というパズル。初級と中級がある。初級の場合、最初は二時間ほどかかっていたが、いまでは二十分程度で解けるようになってきた。パソコンと違って作品を第三者に披露することもない。単なる自己満足の世界だが、認知症になる時期を遅らせるという効果は
2022/10/14 10:00
毎日まいにち①
朝六時起床、コーヒーを飲みながら新聞を読む。一面トップ記事に目を通すのは勿論だが、欠かせないのは川柳の欄。世相を反映した作品が多いけれども、ほのぼのとした世界に誘い込んでくれるものもある。満面の 笑みでドンジリ 走る孫彼を取り巻く人々の温かい気持ちが伝わ
2022/10/13 10:00
局長との論争③
局長は、一般工事において従来パターンの工法にこだわるお人であった。鹿児島本線・伊集院の複線化工事がそうである。この地域の地形は複雑だ。固い地質・安山岩が聳え、海との境界に平地はない。そこに単線鉄道と片側一車線の国道三号線が走っている。まず安全性。そして経
2022/10/12 10:00
局長との論争②
リニアの実験は有人か無人か、有人であれば地震のことを考えなければならない。前提条件を整理しましょう、耐震強度をどの程度にしましょうか、と提議したところ「地震はどこでも起こる、そんなことはどうでもよい」という局長の意見。その根拠は、東大の誰々先生が言った、
2022/10/11 10:00
局長との論争①
鹿児島勤務の後、下関工事局土木課の補佐として発令され赴任した。工事局とは国鉄土木部門のメッカであり、ここには土木技術者を中心に千人近い社員が所属していた。その一員に加えられたとは有り難い。主な担当は日豊本線中津以南の複線化工事と、鹿児島本線伊集院地区の複
2022/10/10 10:00
高岡温泉に行く②
ふと見ると壁にチラシが貼ってあり、毎月・第一土曜日の午後一時から歌謡ショー開催、とある。会場は何処だろうとキョロキョロしていると、離れた部屋で和服に身を包んだ女性がチラチラ。その部屋まで足を運んだ。演壇のあるその部屋には80人ばかりの老人が座っている。や
2022/10/09 10:00
高岡温泉に行く①
2017年7月1日、今日の最高気温は33度になるという。温度も高い。どこかに出かけよう。そうだ、高岡の温泉には未だ行ったことがないから、そこに行ってみよう。バス乗り場を探すのには少々苦労した。資料にバス停・橘通り3丁目通過の時刻が記載されていたので10号線を
2022/10/08 10:00
書②
「努力すれば誰でも一定の線までは行きますよ。」というのが氏のお答え。そうか、努力が足りなかったのか。氏は言葉を続ける。「問題はそれからです。」「人が認めるような書は何かが必要です。」「それは心でしょう。」「心の修行を積んでこそ、書が生きてくるのです。」納
2022/10/07 10:00
書①
人には得手不得手がある。私の小学生時代、不得手な課目は図工・書道であった。いま私に図画を書かせたら、おそらく小学生以下であろう。幼稚園児並にいくかどうか。もっともこの分野は生活や仕事に直結していないから幸いである。工作もいまもって進歩がない。職場では事務
2022/10/06 10:00
猿回し
懇意になった骨董屋さんから頂いた細工物のやきものに【猿回し】という作品がある。その苦渋に満ちた表情は人生の苦しさ、哀しさを訴えようとしており、見るものをして考え込ませる作品のように思う。我が家へ帰る道すがら、今日も実入りがなかった、飯はどうしよう、猿に与
2022/10/05 10:00
鹿児島にて④
M保線区長から相談があったのは「雨が降るたびに線路が狂う、見て欲しい。」という内容だった。早速、現地調査。路盤の下は頁岩(けつがん)。清武川に向かって30度の角度で傾いている。雨が降ると頁岩の上を路盤が滑る、一種の地滑り。すぐ対策を執りましょう、となった。
2022/10/04 10:00
鹿児島にて③
自分中心に考え、勉強することは楽しいことでもある。私はまず鹿児島特有の事例から取り組むことにした。鹿児島大学・建設省・県・道路公団等で組織したシラス土壌研究会に加入。なるほど、なるほど。シラスは凝灰岩ばかりでなく、凝灰岩から砂質土に至るまで分類され、その
2022/10/03 10:00
鹿児島にて②
私としては土木陣営の全体的な底上げをしたいと考え、まず全保線区の対象者を一堂に集め、3日間の日程で講習会を開催してみることにする。初日は私ひとりで。少々疲れたので2日目の午前中はI助役に頼んだ。彼は鹿児島局の土木部門で序列がトップの男。やってくれると思った
2022/10/02 10:00
鹿児島にて①
転居の荷造りは殆ど徹夜だった。伴侶は述懐する。結婚してから13年で11回の転居。車窓に流れる南国の樹木を見ながら このような生活がいつまで続くのかと考え込んだ、と。鹿児島での職名は〈施設部構造物検査技師兼鹿児島構造物検査センター所長〉という長ったらしいも
2022/10/01 10:00
2022年10月 (1件〜100件)
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