ユベール・ロベールの廃墟画 —— 廃墟と点景は共に長い時間軸の上にあって...
(Op.20250429/Studio31,TOKYO) 中学・高校と美術部だった割りには、ぼくは、どちらかと言えば絵は下手くそだし、美術史も西洋の宗教画を多少理解する程度で、それ以上の知識は至ってお粗末と言っていい。そんな状況にあって、なぜユベール・ロベールのいわゆる廃墟画にここまで惹かれるのか我ながらその理由を見出すのにしばしの熟考を要するほどだ —— そもそもいつから好きだったのかも今ではもう思い出せない。2012年にフランス大使館の後援でロベールの作品が日本を巡回した時のカタログ——副題『時間の庭』—— が今手元にあって、それを自分でも呆れるくらい飽きずに眺めるときがある。石造りの家屋の歴史の長い国々では、廃墟と言っても日本建築の廃墟とは違い、完全に土に帰ることはない。後世の人たちがその石の廃墟...ユベール・ロベールの廃墟画——廃墟と点景は共に長い時間軸の上にあって...
2025/04/29 09:19