老子道徳経 71
第七十一章知病(強知の病)知りて、知らずというは上なり。知らずして、知るというは病なり。夫唯(ただひと)り病を病む。是を以て病まず。聖人の病まざることは、其の病を病むを以て、是を以て病まず。知らないことを、知っているように言ったり、知っているように装ったりすることの多いのは、古から今日に至るまで変らないようであるが、これは、自分を物識だと思われたいたいとか、知らないと恥だとか、知らないと軽視されるとか、何れも強い競争心から起こっていることである。しかし、このことは、人を欺き、自分をも欺くことであって、いつかは偽がわかり、信用を失うことになるのは免れ難いことである。誰でも悪いことだと知りながら、知らないことを知っているように装うのであるから、これは万人に共通にある、心の病とも言うべきものである。以上に述べた...老子道徳経71
2024/03/31 06:30