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  • 川上未映子『夏物語』を読む

    川上未映子著『夏物語』(文春文庫か51-5、2021年8月10日文藝春秋発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく、生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。毎日出版文化賞芸術部門受賞、米TIME誌ベスト10/米NewYorkTimes必読100冊/米図書館協会ベストフィクション選出!「第一部(2008年夏)」(約200頁)ともかく東京で出て、ときどき雑文を書いて、月数十万円のバイトでようやく暮らす30歳の夏目夏子は、夫と別れた39歳の姉・巻子と、その娘・11...川上未映子『夏物語』を読む

  • 荻原浩の略歴と既読本リスト

    荻原浩(おぎわら・ひろし)1956年大宮市生まれ。成城大学経済学部卒。広告代理店勤務、フリーのコピーライター1997年「オロロ畑でつかまえて」で第10回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー2005年「明日の記憶」で第2回本屋大賞と第18回山本周五郎賞受賞。2006年に渡辺謙主演で映画化。2006年「あの日にドライブ」、2007年「四度目の氷河期」、2008年「愛しの座敷わらし」、2011年「砂の王国」でいずれも直木賞候補。2014年「二千七百の夏と冬」で第5回山田風太郎賞受賞。2016年「海の見える理髪店」で直木賞受賞。その他、『ハードボイルド・エッグ』『神様からひと言』『僕たちの戦争』『さよならバースディ』『あの日にドライブ』『押入れのちよ』『四度目の氷河期』『愛しの座敷わらし』『ちょいな人々』『オイアウ...荻原浩の略歴と既読本リスト

  • 荻原浩『それでも空は青い』を読む

    荻原浩著『それでも空は青い』(角川文庫お79-2、2021年11月25日KADOKAWA発行)裏表紙にはこうある。「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫に、ある疑いを抱く妻。7歳年上バツイチの恋人との間にそびえる壁をどうにか飛び越えようと奮闘するバーテンダー。子どもの頃から築きあげてきた協力関係が崩壊の危機を迎える双子。外ではうまく喋れずに、じいちゃんと野球の練習ばかりしている小学生……。すれ違ったりぶつかったり、わずらわしいことも多いけれど、一緒にいたい人がいる。人づきあいに疲れた心に沁みる7つの物語。「スピードキング」空がどんなに青くても、日差しが暖かくても、気持ちのいい風が吹いていても、人は死ぬ。……藤嶋が死んだ?ガキの頃から野球ばかりやってきた。中学ではエースで4番。県大会ではベスト4まで勝ち上が...荻原浩『それでも空は青い』を読む

  • 荻原浩『ストロベリーライフ』を読む

    荻原浩著『ストロベリーライフ』(毎日文庫お1-1、2019年11月15日毎日新聞出版発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。農業なんてかっこ悪いと思っていた――父親が倒れ、やむなく家業の農業を手伝う恵介。両親は知らぬ間にイチゴの栽培にも手を出していた。農家を継ぐ気はないが目の前のイチゴをほうっておくことはできない。一方、東京においてきた「農業反対」の妻との間にミゾができ始め……富士山麓のイチゴ農家を舞台に、これからの農業、家族の姿をみずみずしく描き出す感動作。『海の見える理髪店』で直木賞受賞後第一作の長編小説。望月恵介はいくつかの賞を受賞した腕に自信のグラフィックデザイナー。フリーになって最初は好調で収入も激増したが、やがて仕事がなかなか入ってこなくなって、悩んでいた。トマト農家を継がないと言って疎遠になって...荻原浩『ストロベリーライフ』を読む

  • 辻堂ゆめ『答えは市役所3階に』を読む

    辻堂ゆめ著『答えは市役所3階に2020心の相談室』(2023年1月30日光文社発行)を読んだ。光文社の内容紹介「こんなはずじゃなかった」。進路を断たれた高校生、恋人と別れたばかりの青年、ワンオペで初めての育児に励む女性……。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれたのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして、誰にも知られたくない秘密。あなたなりの答えを見つけられるよう、二人のカウンセラーが推理します。明日への一歩のために、私たちは心を映す鏡になればいい。本当も噓も映し出す鏡に。市役所の相談室を訪れた5名の悩みを巡る連作短編集。コロナ禍で苦しんだ人が立倉市役所の「こころの相談室」を訪れ、熟達のカウンセラー晴川さんと、年寄りの正木さんに不満をぶちまける。その後、どうなったかが描かれ...辻堂ゆめ『答えは市役所3階に』を読む

  • 夫婦の会話

    「冷蔵庫がときどき変な音立ててるのよ」「えっ、でもあれまだ10年にならないだろう?」「やあねぇ、とっくに10年過ぎてるわよ」「そーか~。家電製品って、10年過ぎるとバタバタ壊れるからなあ。うまく設計してるよな。そうすると、次はなんだ、次に古いのは?」「家具だってもうそろそろなのが多いわよ」「タンスだ。あなたが結婚したときに持って来たんだから、50年近くになるんだろう?この家でもっとも古くて、次にお役御免はあのタンスだな!」そうすると、奥方が変な顔して、じ~~と私の顔を見ていました。「えっ!はい、わかりました」(もっとも古いのは80歳の私です)夫婦の会話

  • 6月(1)の花

    6月5日に届いた花届いた時は、グラジオラスが少し咲いているだけ。でもユリの蕾11個が咲いた図をイメージする!届いたメモ(最初の写真)には、「グラジオラスの先端の蕾は花が咲かないので、2-3輪分切り取ることで下の花が元気に咲きます」とあり、下の写真のように、ビクビクしながら思い切って上から3輪を切り落とした。2日後、白と黄色のユリが咲き始め、少し華やかに。グラジオラスは既にほぼ満開。白いユリは早や開ききって、あとはしわがよって……。4日後、7輪のユリが咲く。さらにまだ蕾が4つある。む!真ん中の黄色いユリがいじけてる。花びらとめしべ、おしべがくっついたままなので、離してやったが、いじけたまま。満開のユリを見て、何か変だと思いませんか?大量虐殺写真。届いたメモに「受粉すると花が役目を終えて急速に萎れてしまいます...6月(1)の花

  • 6月の井の頭公園

    火曜日の10時半、七井橋から池の東を見るもボートはほとんど見えず、緑はいっそう濃くなっていた。池の西のマンションは相変わらずだが、水草が伸び伸び。南側には背の高いハンノキが並ぶ。池の北側から見るとハンノキはまさに屏風。池の北西の地にハンノキ再生の取組を説明した看板がある。「都内で絶滅のおそれがあるハンノキ林が井の頭公園には残されているが、乾燥化や台風で倒れてしまい、再生計画実行中」とある。小さな池、水たまりのまわりにハンノキの子供を育成中。私は絶対反対で、ハンノキ絶滅作戦を遂行したい。実は私、花粉症で、検査したところ、スギ・アレルギーがもっとも強いが、第二位がハンノキなのだ。医者からも「ハンノキは背が高く、遠くまで花粉が飛びますからね」と言われている。ようやく最近治まりつつあると思ったら、関東では1月から...6月の井の頭公園

  • 柚月裕子『合理的にあり得ない2』を読む

    柚月裕子著『合理的にあり得ない2上水流涼子の究明』(2023年3月27日講談社発行)を読んだ。講談社の簡単すぎる内容紹介あの美人探偵・上水流涼子が帰ってきた!頭脳明晰・貴山を助手に、今回も知略と美貌を武器に、難事件をズバッと解決!『合理的にあり得ない上水流涼子の解明』(上水流涼子役は天海祐希で月10(フジテレビ)でドラマ化されている)の続編。上水流涼子(かみづる・りょうこ):殺しと傷害以外はどんな依頼も請け負って解決する「上水流エージェンシー」を経営。頭脳明晰、変装の達人、美人。資格を剥奪された元弁護士。空手の黒帯。貴山伸彦(たかやま・のぶひこ):「上水流エージェンシー」の有能な(秘書・助手・経理)。涼子とコンビを組んで7年。計画を綿密に立てて無駄を省く完璧主義者。東大出のIQ140。イケメン。丹波:新宿...柚月裕子『合理的にあり得ない2』を読む

  • 和田秀樹『老人入門』を読む

    和田秀樹著『老人入門―いまさら聞けない必須知識20講』(ワニブックス|PLUS|新書361、2022年9月10日ワニブックス発行)を読んだ。ワニブックスによる紹介文老いに対する正しい知識がないことで、過度に不安になったり、老いが加速したり、結果的に不幸な老い方をしている人が多くいます。そこで本書では、老年医学の専門家による「これだけは知っておかないともったいない」という必須知識をわかりやすくまとめました。「老いはゆっくりとしか進まない」「筋肉は日常生活で維持できる」「脳の機能は自由時間を楽しめば維持できる」「認知症は過度に心配しなくていい」「With病気という考え方で穏やかな老後を迎えられる」「ほかの高齢者はどういう感情で生活を送っているのか?」「老いは本来、幸せな時間」「老いてからの人生はどんなに奔放で...和田秀樹『老人入門』を読む

  • 川上未映子の略歴と既読本リスト

    川上未映子(かわかみ・みえこ)2007年『わたくし率イン歯―、または世界』が芥川賞候補、坪内逍遥大賞奨励賞2008年『乳と卵』で芥川賞受賞2009年詩集『先端で、さすわさされるわそらええわ』中原中也賞を受賞2010年『ヘブン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞受賞、映画「パンドラの匣」でキネマ旬報新人女優賞受賞2013年『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞2016年『あこがれ』で渡辺淳一文学賞2019年『夏物語』で毎日出版文化賞受賞他の著書に、、『夏の入り口、模様の出口』、『人生が用意するもの』、『すべて真夜中の恋人たち』、『黄色い家』川上未映子訊く、村上春樹語る『みみずくは黄昏に飛びたつ』『夏物語』は40か国以上で刊行が進み(英訳版は『BreastsandEggs』)、『ヘブン』の英...川上未映子の略歴と既読本リスト

  • 川上未映子『黄色い家』を読む

    川上未映子著『黄色い家』(2023年2月25日中央公論新社発行)を読んだ。中央公論新社のインタビュー冒頭の内容説明2020年、20代女性への監禁・傷害の罪で吉川黄美子被告・60歳の初公判が開かれた。その記事を読んだ花は、黄美子との過去を思い、当時一緒だった蘭と会う。今は行方不明の桃子を含め、かつて同居した4人は、警察にいえないことをしていたらしい。物語は1990年代後半にさかのぼり、15歳の花がスナックで働く母の友人・黄美子と出会い、ともに過ごした20歳すぎまでの年月を描いていく。そのような構成の川上未映子『黄色い家』(中央公論新社)は、非合法な“シノギ”に手を染める内容でエンタテインメント性がありつつ、女性4人の共感と齟齬を細やかにとらえている。本作は、どのように生まれたのか。著者に訊いた。(円堂都司昭...川上未映子『黄色い家』を読む

  • SAISONNIER セゾニエ でランチ

    学園都市・国立市の桜やイチョウの並木のある大学通りと、学園通りの交差点にある「フレンチレストランSAISONNIER」でランチした。(写真はパンフレットからお借りしました)フランス語のSAISONはが英語のSeasonなのだろうから、季節という意味なのだろう。何か月も前から予約した方が良いという人気レストラン。15名ほどの会食なので、メニュはいつものランチと違うかもしれない。最初の一皿パン(4人分)ノルウェイサーモンの瞬間燻製グリーンピースのスープ青じそとあんずのグラニテ(シャーベット状の氷菓)スズキのポワレ、フキノトウのバルサミコソースルバーブ(Rhubarb)のタルト、ヨーグルトのシャーベットコーヒーと、右は食べてしまったオレンジのプリン。名札の名前は消しました。緑に囲まれた落ち着いた外観、ゆったりし...SAISONNIERセゾニエでランチ

  • 6月(1)の散歩

    少し濃いめの黄色い花、ヒペリカムだ。明るい黄色い花がけっこういろいろなところで目立つ。ヒペリカムの名を知ると、そこらじゅうにヒペリカムが登場する。花が散ると、真ん中から赤い実が出てくる。(私のブログ20221011より)緑の実となる種類もある。(私のブログ20211122)ひょろっとまっすぐ突っ立ったバラ。八重の白いバラ葉を覆い隠すほどの花、ヒマラヤヤマボウシ(常緑ヤマボウシ)だ。4つの花びらがくっきり。6月はなんといってもアジサイの季節。昔はアジサイと言えば、青いアジサイと、ガクアジサイくらいしか見当たらなかったが、今は種類が豊富だ。ピンクのアジサイ青いアジサイ真っ白いアジサイもなかなか良い少し薄緑色から白に変わるアジサイもある。ガクアジサイも様々だ。周りのガクが白ガクも青濃い青よく見ると、どれも違って...6月(1)の散歩

  • 一色さゆり『神の値段』を読む

    一色さゆり著『神の値段』(宝島社文庫Cい-13-1、2017年1月25日宝島社発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。マスコミはおろか関係者すら姿を知らない現代芸術家、川田無名。ある日、唯一無名の正体を知り、世界中で評価される彼の作品を発表してきた画廊経営者の唯子が何者かに殺されてしまう。犯人もわからず、無名の居所も知らない唯子のアシスタントの佐和子は、六億円を超えるとされる無名の傑作を守れるのか――。美術市場の光と影を描く、『このミス』大賞受賞のアート・サスペンスの新機軸。昭和40年以降メディアにも決して姿を見せず、生死すらはっきりと明かされていなかった世界的コンセプチュアル・アーティスト・河原温の訃報を聞いたことから着想を得て執筆された。謎の世界的巨匠美術家・川田無名を売り出したギャラリーのオーナー永井唯...一色さゆり『神の値段』を読む

  • 織守きょうや『花束は毒』を読む

    織守(おりがみ)きょうや著『花束は毒』(2021年7月30日)を読んだ。文春BOOKSの作品紹介罠、また罠。100%騙される、戦慄ミステリー!「結婚をやめろ」との手紙に怯える元医学生の真壁。彼には、脅迫者を追及できない理由があった。そんな真壁を助けたい木瀬は、探偵に調査を依頼する。探偵・北見理花と木瀬の出会いは中学時代。彼女は探偵見習いを自称して生徒たちの依頼を請け負う少女だった。――あの時、彼女がもたらした「解決」は今も僕の心に棘を残している。大人になった今度こそ、僕は違う結果を出せるだろうか……。背筋が寒くなる真相に、ラストに残る深い問いかけに、読者からの悲鳴と称賛続出の傑作ミステリー。木瀬芳樹:法学部の大学生。正義感が強い。中学生のとき、医学部生だった真壁が家庭教師だった。真壁研一:医者の息子、成績...織守きょうや『花束は毒』を読む

  • ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』を読む

    ディーリア・オーエンズ著、友廣純訳『ザリガニの鳴くところ』(2020年3月15日早川書房発行)を読んだ。表紙裏にはこうある。全米500万部突破、感動と驚異のベストセラーノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女のもとを去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いも...ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』を読む

  • 南杏子『いのちの十字路』を読む

    南杏子著いのちの十字路』(2023年4月5日幻冬舎発行)を読んだ。幻冬舎の紹介文次は、絶対に同じ後悔をしない。明日からも、患者さんのために生きる。悩んでばかりで、自信が持てない、訪問診療所の新米医師・野呂聖二。コロナ禍、在宅介護の現場で奮闘する彼は、ヤングケアラーの過去を封印していた。吉永小百合主演映画『いのちの停車場』原作続編!老老介護、ヤングケアラー、8050問題……。介護の現場で奮闘する若き医師とその仲間たち。愛おしい人を、最後まで愛おしく思って生きられるように――。医師国家試験に合格し、野呂は金沢のまほろば診療所に戻ってきた。娘の手を借りず一人で人生を全うしたい母。母の介護と仕事の両立に苦しむ一人息子。末期癌の技能実習生。妻の認知症を受け入れられない夫。体が不自由な母の世話をする中二女子。……それ...南杏子『いのちの十字路』を読む

  • 5月(2)の散歩

    アマリリス。一本の茎に3輪の大きな花。2~4輪つけるという。道に乗り出してきたホタルブクロ。子供が袋状の花の中に蛍を入れて遊んだから蛍袋の名が付いたとあった(byウィキペディア)。また、「関東では赤紫が、関西では白が多い」とある、本当?ゼフィランサス。別名、雨後に咲くのでレインリリーの方が覚えやすい。ウスベニアオイ。お湯を注ぐと透きとおった青くなり、レモンを浮かべるとピンク色に変るので、ハーブティーとして人気だという。アザレア。ツツジ科ツツジ属のツツジで、西洋ツツジの別名がある。鮮やかなオレンジ色。近接してパチリ。アブチロンらしい。これは木立性種で、他につる性種(ウキツリボク浮釣木)があるらしい。ガクアジサイもいいじゃない。イワガラミとご判定なのだが?近接するとアジサイ科アジサイ属のガクアジサイの一種とわ...5月(2)の散歩

  • 加藤秀俊『九十歳のラブレター』を読む

    加藤秀俊著『九十歳のラブレター』(2021年6月25日新潮社発行)を読んだ。新潮社の紹介ある朝、あなたは突然逝った――。小学校の同級生であったあなたと結婚して六十余年、戦争体験、戦後間もなくのアメリカでの新婚生活、京都での家作り、世界中への旅、お互いの老化……たくさんの〈人生の物語〉を共有してきたあなたの死で、ぼくの人生は根底から変わってしまった。老碩学が慟哭を抑えて綴る愛惜の賦。この本は、戦後日本の代表的な知識人の一人、『社会学』の権威で、『整理学』など何冊ものベストセラーを出してきた加藤秀俊の「ぼく」がすでにこの世界にいない「あなた」に向けて綴った1937年から2019年9月16日までの約80年にわたるラブレターなのだ。2019年9月16日の朝8時、「あなた」を起こしに行った「ぼく」は、既に硬直してい...加藤秀俊『九十歳のラブレター』を読む

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