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2021/12/26

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  • 子供達の家パ2

    ハロウィンは日本でもここ10年程前から一気に流行り、特に若者達の盛り上がりは凄まじい。 グッズの販売も盛況だ。 「いろんなのがあるね!」「そうだな、妹達じゃなくても目移りするわ」「幸星、ちょっとはテンション上がった?」「かもな 笑」それでも限られた予算を何とか工面して杉浦家も上条家もほぼ満足の品を選びレジへ向かう。 突然お互いに逃げも隠れも出来ない至近距離でばったり出くわした。「飯杉先生…」「おおー、ああいー!杉浦と上条じゃないか 笑」「先生もハロウィンの買い物ですか?」「おおー、ああ、まあな 笑 お前らもデートか?」「違います!」「何だ2人揃ってムキになって、あはは!別にいいんだぞ、ははは」…

  • 子供達の家パ1

    「今年は合同でやる事にしたの」「やった!沙羅ちゃんと一緒だ!!」「幸星、お金やるから明日必要な物買って来てね、亜夢と一緒に」「何買えばいいの?」「変装グッズと飾り。ある程度家にあるから買い過ぎないようにね。料理と飲み物はお母さん達用意するから大丈夫」「沙羅ちゃんも一緒に行くんだよ!」「えっ、じゃ…」「心配しないで、紗耶香ちゃんにも行ってもらうから大丈夫よ」(またかよ…恥ずかしいんだけど…) 「また、同じメンバーになったね」「やー、別に俺ハロウィンとかそんなに…っていうか」「いやなの?」「いやじゃないけど、六年男子でハロウィンってちょっと恥ずかしい」「えー、今は男も女も凄いじゃん!テレビで渋谷と…

  • 親のいない姉弟1-10

    「びっくりしたわよ!琴乃ちゃんと翔次郎君がこの家に来たなんて。お父さんのお姉さんなのね?追萩さんが」「はい」「本当気の毒だったわね」「はい、まあ」「交通事故?」「ちょっと違うんです。知り合いの結婚式に呼ばれて、東北まで行ったんですけど、大雪で立ち往生して、何時間も止まってたら、排気ガスが車内に入ったみたいで。たぶん2人共寝てた可能性があったと言ってました」「そうだったの…」「中村さんは昔、家の隣に住んでたんですよね?」「隣の隣」「すみません、記憶が…」「仕方ないわよ。そこからここに引っ越したのは…琴乃ちゃんが3年生くらいだったかな?」「はい、確かそれくらいだったと思います。紀香姉ちゃんとお別れ…

  • 親のいない姉弟1-9

    「琴乃ちゃん、保険金もらったの?」「はい」「じゃ、通帳と印鑑私が預かるから渡して」「え?」「当たり前でしょ?未成年が三千万のお金を管理出来る訳ないんだから」「でも銀行に預けておくだけなんで」「あなた達の養育費、毎月いちいち私に払う?一緒に住んでて変でしょ?私が毎月引いておくから」「いくらですか?」「子供はお金の心配しなくていいから」「でも…」「それから一緒に暮らす訳だからルールを決めましょう」「ルール?」「そうよ、まず門限は6時」「おばさん!僕部活やってるから6時は無理だけど…」「私も今度からアルバイトしたいから」「アルバイトするくらいならこの家の手伝いしなさい!翔次郎も部活なんか辞めて、2人…

  • 親のいない姉弟1-8

    「何で泣くの!お姉ちゃんまで泣いちゃうでしょ!」「本当に良い姉弟ね」「そうだな、もし仮に後見人になったとしても、私らの出る幕ほとんどないかもな」「そうね」「翔次郎、そうと決まったらしっかり勉強しなさいよ!もし浪人になったら承知しないからね!」「おいおい、芹丘さん、そんなにプレッシャー掛けちゃ可哀想だよ。今北高は1学年何クラス?」「8クラスです」「減ったなぁ、私の時は12クラスだった。えーとじゃあ300人ってとこかな?」「はい、それくらいです」「後見人として聞くけど」「まだでしょ!」「ごめんごめん、後見人候補として聞くけど、答えたくなかったらいいけど、成績はかなり上?」「大体20番前後です」「お…

  • 親のいない姉弟1-7

    「もし、2人共ちゃんと産まれてたら君達と同級生って事だ」「すみません、全然知りませんでした」「笑笑、謝る事じゃなよ、誰にも言ってないんだから」「お辛かったでしょう」「それから君達程じゃないけど、私も20代で両親を亡くしてる」「そうだったんですか!」「母親は私が中学生の時に、父親は私が就職して、初任給でネクタイをプレゼントした翌日に亡くなってね。初任給でプレゼントをする夢が叶ったのがせめてもの救いだった」琴乃と翔次郎は黙って聞いた。「それから」(まだあるんですか?)「女房の郁美は孤児で、施設で育ってね」琴乃と翔次郎は自分達より苦労した2人を心から同情した。「あなた達もそうだろうけど、同情はやめて…

  • 親のいない姉弟1-6

    「じゃあ食べましょう、いただきます」「いただきます!」「遠慮したら郁美に叱られるからね、責任持って食べなよ」「笑笑笑」「!お姉ちゃん、この卵焼き!」「!翔次郎、この味噌汁!」「いいから食べてみて!」「いいから呑んでみて!」「ど、どうしたんだい?2人共」琴乃と翔次郎は、卵焼きと味噌汁を味わってから同時に「お母さんの味にそっくり!」「えーー!」「味がそっくりなのかい?」「はい何か…」「そうなの?私はおしゃもじ先生のレシピを自分なりにアレンジしてるだけよ」「それ!」「びっくりした」「すみません、お母さんもそのおしゃもじ先生のファンでした」「そうだったの?だから味が似てるのね」「はい、味とプラスα」「…

  • 親のいない姉弟1-5

    「皆さんお疲れ様です」「奥さん!どうしたんですか?」琴乃が勤める会社の社長の奥さんは大きめの封筒を掲げて「こんな大事な書類忘れるなんて、社長失格ね」「おい!」「笑笑笑!」あまり大きな会社ではない分、社員と社長との距離も近く、和気藹々とした雰囲気が琴乃にとってとても居心地がよく、社長はじめ皆さんがとても優しい。そして社長夫人もこうやって、たまに会社に顔を出してコミニュケーションをはかってくれる。とりわけ琴乃には積極的に近付き、可愛がってくれる。「琴乃ちゃん元気?」「はい!奥さんもお元気そうで」「そうでじゃなくて、元気なの!」「はいすみません 笑笑笑」奥さんは他の社員の目を気にしながら、琴乃のデス…

  • 親のいない姉弟1-4

    そんな肉親に冷遇されても、親切にしてくれる赤の他人もいるもので、琴乃の勤め先の社長と奥さんが親身になって相談に乗ってくれた。依頼した弁護士も社長の紹介である。 『繁堂さん、色々ありがとうございます!』『追萩さんから電話ありましたか?』『はい、もの凄い勢いで罵られました』『あの人は管理してるお金イコール自分のお金と勘違いしてるみたいですね』『はい、そうなんです』『面談の時に話した以外で、何か冷遇された話とか、お金に関する事ありますか?』『冷遇されたのは仕方ないです、好き好んで養ってる訳じゃないですから。ただ私が働き始めてから下宿代支払ってました』『え!下宿代払ってたんですか?』『はい、でも私らは…

  • 親のいない姉弟1-3

    『はい』『迫萩さんですか?』『そうですけど、どちら様でしょう?』『内容証明ですでにそちらへ届いてると思いますけど』『!』『丸納弁護士事務所の繁堂と申します』『何の御用でしょうか?』『送った書類読まれませんでしたか?』『難しい言葉ばかりで私らには何の事かさっぱり…』『よく読めばわかる内容ですし、身に覚えのある事でしょうから』『……』『芹丘琴乃さんと翔次郎さんから、あなたに預けた御両親の死亡保険金三千万円を返して欲しい。預けたというより半ば強引に取られたと言ってますが』『そんな事ありません!琴乃ちゃん何て事言うのかしら!』『琴乃さんも二十歳になって自立した大人です。私も面談して、しっかりした方だと…

  • 親のいない姉弟1-2

    「僕もお姉ちゃんの笑ってる顔大好きだし、その内素敵な彼氏が現れて、結婚する時は…僕がお父さんの代わりにバージンロード歩くよ。お姉ちゃんと腕組んで堂々と」「翔ちゃん…泣泣泣」「何で泣くんだよ!笑笑」「だって…だって翔君がそんな事考えてるなんて思ってもなかったから」「嫌なの?」「嫌なわけないでしょ!嬉しいに決まってるじゃん、翔次郎のバカ!」「バカって言わなくても…」「翔次郎がそんな事考えてたなんて…」「じゃあバージンロードは1人で歩くつもりだったの?」「いや、そもそも結婚なんてまだ考えてなかったから」「今から考えておかないと、すぐおばさんになるよ」「おばさん言うな!」「笑笑笑」「その前にまずは素敵…

  • 親のいない姉弟1-1

    「やっと2人だけになれたね」「うん、でもお姉ちゃんお金大丈夫?」「翔次郎は心配しなくても大丈夫だから!お姉ちゃんに任せなさい!」「それが心配なんだよ」「言ったな!ガキのくせに!」「笑笑笑、お姉ちゃん僕もう高2だよ」「お姉ちゃんにとってあんたはいつまでも可愛い弟なんだから」「ガキって言ったじゃん!」「ガキはお姉ちゃん語に訳すと、可愛い弟って意味なんだよ」「笑笑、まぁそういう事にしておいてあげる」「素直でよろしい翔次郎君!」 「これで良かったんだよね?」「うん、お父さんとお母さんも賛成してくれるはず」「だよね!僕もうあんなおじさんとおばさんの家なんか2度と行きたくない!」「そうだね、でもそれってこ…

  • シャイな若者5-8

    病室に行くと4人部屋なのに石栗さんしかいなくて個人用のカーテンも開いていた。「こんばんは」「あっ、田口さん来てくれたんだありがとう 笑」怪我をしてるのに石栗さんの笑顔はほんとに素敵だと思った。「他に誰もいないんですか?」「はい、他の病室に移ったり退院したり。たまたま今日は1人、個室です 笑」「そうだったんですか。えっ!石栗さんパズル…もう、そんなに!?」「笑笑、暇ですから 笑」「それにしても早過ぎ!」「ちょうどいい感じの難易度で!良かったです、ありがとうございました」「そんなに喜んでもらえたら僕も嬉しいです」 「あっ、昨日の話」「えっ」「昨日看護師さんが来て話が途中で終わったでしょ?続き聞いて…

  • シャイな若者5-7

    アパートに帰った順一君は早速YouTubeで甲斐バンドを検索した。「あった“安奈”1979年だ」再生して聴いてみる。 聴き終わると順一君は涙が出た。恋愛経験がほぼ無い順一君でも切なさが伝わってくる。石栗さんのお父さんが、この曲に自分の想いを重ねて、10年越しにやっと恋を実らせ安奈さんが産まれ、どんなに幸せだっただろう。しかしその10年後に交通事故で亡くなるとは…しかも愛娘の誕生日に…なんて惨い。そんな境遇の中でも石栗さんは、途中は知らないが今は明るく、あんなに素敵な笑顔で看板娘をしっかり務めてる。あのおじさんとおばさんの愛情と、本人の心の強さだろう。それにひきかえ僕は、親が離婚したとはいえ、特…

  • 絢里 伸 則子 挑8

    「どうせあれでしょ、お前のお母さんは綺麗なのにお前は?とか思ってるんでしょ?それはのぶの主観的な見方で、周りからは似た者親子って言われるんだよ!」「お前、お父さんにそっくりじゃんか」「女の子は父親に似ると幸せになるの」「じゃあ、早くなれ!」「笑笑笑」「のぶには私が幸せに見えないの?」「彼氏もいないのにか?」「恋人いないのはのぶも一緒でしょ?でも私はもしかしたらもう少しで…」(一丁前に恥ずかしがりやがって!俺のほうこそもしかしたら…)伸彦がそう思いながら佐々本さんをチラッと見るとほんの一瞬目が合った。「恋人がいるいないだけで幸せかどうかなんて…」「それはいない人のひがみ。さっきは恋人がいないのは…

  • 絢里 伸 則子 挑7

    「ドライブ行くからって車に乗った途端、美涼ちゃんが好きです、お付き合いして下さい!って。もうムードもへったくれもないのよ」「笑笑笑」「何かお父ちゃんっぽくてわかるかも」「それでおばさんは直ぐに返事したんですか?」「無理よ、成人式でちょっと会っただけで、良いも悪いもわからないのに返事なんか出来ないでしょ」「ですよねー」「まずは今日1日一緒に過ごして、お返事はそれからって事に」「それから徹の必死のエスコートが始まったんだろ?」「そう!何とか私とお付き合いしたかったのね、もう必死で 笑笑笑。車のドアは開けてくれるは、食事する時割り箸は割ってくれるは。今じゃ全然やってくれないけど!」「笑笑笑」「可笑し…

  • 絢里 伸 則子 挑6

    「俺は幼馴染みだから何とも思わなかったけど、徹はもう美涼のこと可愛い可愛いって。」「そういう話が気持ち悪いんですよ」「純愛だよ、のぶさん!」「それでもやっぱり…」「のぶさんと絢里ちゃんは幼馴染みだけど、そういう感情とかは?」「は?」「だから男と女の感情みたいな」「ある訳ないですよ、笑笑笑。屁みたいなもんですから」「屁とはなよ!そんな下品な事ばっかり言うからモテないんだよ。好きな人がいるみたいだけど」「えっ!のぶさん、誰か好きな人いるの?」「おい絢!適当な事言うな!もし言ったら侮辱罪で牢屋にぶち込んでやる!」「そんなに興奮しないでよ」「お前が思ってる中の誰でもないから」「誰でもって1人しかいない…

  • 絢里 伸 則子 挑5

    「今日はお揃いで何会ですか?のぶさんがいるから女子会でも無さそうだし」「今日は絢里の恋愛相談です」佐々本さんが言うと、マスターはびっくりして「えっ!絢里ちゃんはのぶさんと…」「そんな訳ない!」絢里とのぶが同時に大声で否定したので、驚きを通り越して、笑ってしまった。「阿吽の呼吸で言葉もシンクロするし」「やめて下さい!」「笑笑笑、そういうところ。違うんですか?ずっとそう思ってました」「そう思うのは金輪際一切やめて下さい」「私も?」「お母ちゃんこそ絶対思うな!」「あなた達、ずっと一緒だったからね。芳恵さんもそう思ってるわよ」「とにかく1億%ないから」「無理しなくていいのに」「無理じゃない!」「笑笑笑…

  • 絢里 伸 則子 挑4

    「お母様だなんて、うちのお父ちゃんにも伸彦にもお母ちゃんてしか呼ばれたことないから照れちゃうわ。何だかお姑さんになったみたい 笑笑笑」「お母ちゃん!そんな事言ったら佐々本さんに失礼だろが!佐々本さんすみません」「いえ、別に」(いえ別に?ドウイウイミダ?)「のぶ顔真っ赤っ赤 笑笑笑」「本当だー。伸彦お前今日はどうしたのかな?」(それ以上聞くな、ババア!) 「今その彼氏とはどんな状態?」「お付き合いはしてません。先日誘われて1度食事しました」「どんな感じの人?」「仕事関係で取引先の人です。週に何度かお会いするんですけど、優しい人です」「顔はどんな感じ?例えばうちの伸彦よりイケメン?」「いや、イ…

  • 絢里 伸 則子 挑3

    「いらっしゃいませ!大牟田さん!どうも!お久しぶりですね。のぶさんも」「お母ちゃんの“バーター”大牟田伸彦です…」「伸彦、お母ちゃんはマスターとちょっとお話あるから先にあっち行ってな」(仕切るなババア!) 「佐々本さんこんばんは」「大牟田さん!こんばんは 笑」(いつ見ても佐々本さんは綺麗だなー、笑顔も超絶可愛い!)「のぶ、私には挨拶しないの?」「毎朝してるじゃんか!」「屁理屈!男性がドライブに誘うって、相手の女性のことが好きだからって事だよね?」「いきなり本題&自慢か!」「誘われたんだよねー」(柄にもなく恥ずかしがりやがって)「行けばいいじゃんか」「それだけ?何か無いの?お前は相手のことどう思…

  • 絢里 伸 則子 挑2

    お母ちゃんが伸彦の電話を奪い、スピーカーボタンを押す。『もしもし絢里ちゃん?』『おばさん!こんばんは』「俺の電話勝手に……」『こんばんは、絢里ちゃん今どこにいるの?』『友達と太郎にいます』『お友達?』『はい、私のお母さんが倒れた時にも家に来てた則子です』『あー!佐々木則子さん!』『佐々本則子です』『あっ、ごめんなさい。そういえばあの時たくあん渡しそびれたわね。まあ、それどころじゃなかったからね』『その節は本当にありがとうございました』『元気になって本当に良かったわ』『こんばんは、佐々本です。先日はありがとうございました』『佐々本さん、今日は絢里ちゃんとワイワイ楽しんでるの?』『今日は絢里の恋愛…

  • 絢里 伸 則子 挑1

    『伸、太郎に来てよ!』『お前なー!毎回毎回迎えに来いだの、送って行けだの人間として恥ずかしくないのか!いい加減にしろ!』『迎えに来いなんて言ってないでしょ!のぶに会いたいって人がいるのよ』『その手には乗らない。この前もそんな事言って太郎のマスターだったじゃんか、騙しやがって』『騙してって失礼ね!マスターは本当に伸さんに会いたいって言ったんだよ』『お前が聞いたからだろ!そりゃ商売だ、そう聞かれたら会いたいって言うに決まってるだろ、お前の低レベル作戦にまんまとはめられた』『そんな言い方しないでよね』『結局、お前を連れて帰ったじゃんか。詐欺罪で牢屋にぶち込んでやる!』『そんな事で怒らないでよ』『そん…

  • シャイな若者5-6

    「僕とそのご夫婦が勝手に思ってるだけかもしれませんが、同じ23歳で名前も同じ順一さん」「えっ!田口さん23歳なんですか!?」「はい」「私も23歳です!!笑」「そーなんだ!?たぶん同世代かなーとは思ってたけど!」「ごめんなさい、話途中でしたね」「おそらく、その順一さんは生きたくても5歳までしか生きられなかったのに、君は自殺するのか!とんでもない!!って、自分の両親に頼んで僕を救ってくれたと思えて仕方ないんです。石栗さんもそう思う事ありませんか?あっ、これってもしかしてお母さんの仕業?とか」「あります!」突然ナースに声を掛けられた。「あら石栗さん彼氏?」「あっ、いえ、その…」安奈の顔がみるみる赤く…

  • シャイな若者5-5

    「12月24日は私の誕生日で、そして私の両親の命日でもあるの」「!!」順一君はしばらく言葉が出てこなかった。「運命って酷いですよね、わざわざ私の誕生日に…って思ったんですけど、あのおじさんとおばさんが親代わりっていうか、ほぼ親です 笑、超可愛がってくれて。それが鬱陶しい時期もありましたけど今は感謝しかありません」「そうだったんですか…でも石栗さん、どうしてそんな話僕に?」「どうしてかな?おばさんが私の両親の事話したからかな?おばさん何か感じてるみたいで」「何をですか?」「何かわかるようなわからないような…」「あの、じゃ僕も少し話しますね。僕の両親は離婚して母親と暮らしてたんですけど、何かうまく…

  • シャイな若者5-4

    「あ、えと石栗安奈です。なんか古臭い名前でしょ?」「そんな事ないです!僕は素敵な名前だと思います」「あ、ありがとうございます。お父さんが付けた名前で、甲斐バンドの…今で言うパクりですよね 笑」「甲斐バンド…パクリ?」「わかりませんよね、40年も前の歌ですから」「へー」「昔“甲斐バンド”って人気グループの歌手がいて“安奈”って、クリスマスに因んだ曲がヒットしたんです。私のお父さんが、その曲とお母さんを重ねて、でもお父さんシャイだからお母さんに好きって言えなくて10年」「10年…」「クリスマスになるとその曲聴きながらお母さんを強く、強く想ってたみたいで」「何だか切ないけどいい話ですね」「その“安奈…

  • シャイな若者5-3

    「あっちのラウンジ行きましょ」「あ、はい」 「びっくりしました!まさか田口さんが来てくれるなんて 笑」「昨日店に行ったら、おばさんが教えてくれて」「そうなんだ、でもこんな格好で恥ずかしい、すっぴんだし」「僕もすっぴんですから」「笑笑、田口さん面白い!おばさんから何か聞きましたか?」「骨折して入院したって」「家で階段踏み外して 笑、足じゃなくて手でまだ良かったかも、しかも左手で」「でも痛いでしょ?」「だいぶ和らぎました。おばさんあと何か言ってましたか?私の生い立ちとか…」「あ はい、ご両親が事故で亡くなったと…」「他には?」「あとは別に…あ、お店に飾ってあるパズル。全部石栗さんが作ったって!それ…

  • モテるスコッチ17

    『何の因縁かわからないけど、お互い片親同士が恋人になって、私は娘が出来て嬉しいんですけどね』『私も母ちゃんが大好きでーす』『本当に羨ましいです。BBQで直接お会い出来るのが楽しみです』『こちらこそ宜しくお願いします。あら、楓ちゃんのお誕生会なのに、長々とすみません』『いえ!こちらからお電話したんです。こちらこそすみませんでした』『楓ちゃんバイバイ!』『バイバイ、スコッチ兄ちゃん!』 「楓ちゃんは結局、スコッチ兄ちゃんが1番好きなのね?」「萌ちゃん!俺は楓ちゃんをそんなふうに見てないから!」「スコッチ、自惚れんな」「そうだよスコッチ君、私がそんなふうに思ってると感じたの?」「いや、そうじゃないけ…

  • モテるスコッチ16

    『迷子になった楓を見つけてくれた…すこしさんて方は…』「パパ!すこしさんじゃなくてスコッチ君」(母ちゃんと同じ間違いしてる)スコッチが恥ずかしそうに手を上げ『あー、俺です どうも』『楓がスコッチ兄ちゃんって言うもんですから、てっきりイケメンの外国人かと…』(おい!わざわざイケメンなんて言うな!まるで、あなた不細工ですねって言ってると同じだ!…確かに不細工だけど…)『俺が見つけたのはたまたまですから』『それから炭に火を着けていただいたり、楓と遊んでくれたり、本当にありがとうございました。どうしても断れない仕事が入ってしまいまして、すみませんでした』『炭への着火は好きですし、楓ちゃんについては、俺…

  • モテるスコッチ15

    「なんだかんだ言って、お前は姉ちゃんが大好きなんだな」「やめろ!気持ち悪いから」「スコッチ君!お姉ちゃんを気持ち悪いなんて言ったらバチが当たるよ。親よりもスコッチ君のこと思ってくれる、優しいお姉ちゃんでしょ!」「ごめん萌ちゃん、本気で気持ち悪いって言ってる訳じゃなくて…」「私がお姉ちゃんを凄くリスペクトしてるの知ってるでしょ」「うん、まあ…」(萌ちゃん、もっと違う人をリスペクトして下さい) 萌ちゃんの携帯が鳴る。画面を暫く見てから「ねえ、楓ちゃんのパパが、先日のお礼言いたいって」「私は別にお礼される事は…」「母ちゃんは無関係だろ!」「笑笑笑」「そんなお礼なんていいのに」「あの日、自分がドタキャ…

  • モテるスコッチ14

    「だから母ちゃんが、すこし君のお姉さんの立場だったらと言ってるだろ、何歳違い?」「3歳違いです」「ポン太何で知ってるんだ?」「だからそん時の会話で知った」「3歳差ならそうなっても別に問題ないね」「涼介母ちゃんまで何言ってるんですか!」「母ちゃんはポン太君とすこし君のお姉さん、良いと思うよ」「俺も!」「私も!」「私も!」「だから何もないから!」「次はいつ会うんだ?」「そんな約束してない」「連絡先交換しなかったのか?」「………」「したんだコイツ!ちゃっかりとまあ」「そういう流れになったから%÷♪…」「連絡先交換したって事はこの先があるって意味だよな」「でも今時、連絡先交換なんて普通だよ」「そうなの…

  • モテるスコッチ13

    「お前よくまぁ1時間も一緒にいたな!怖くなかったのか?大体姉貴と何話してたんだ?」「普通にお茶しただけだよ!怖い訳ないじゃんか。優しいお姉さんだぞ」「惚れたか?」「ば!馬鹿言うな!優しいって言っただけじゃんか。それを惚れ¥♪☆〒…」「何言ってんだポン太?」「何でもない」「1時間も何喋ってたんだ?俺なんか姉貴と3分以上喋ったら具合悪くなるけど、ポン太は変わってる」「変わってるのはスコッチの方だ。あんなに優しくて弟思いの良いお姉さんじゃないか」「ポン太、お前は騙されてる」「俺を騙してどうすんだよ」「世間から良く見られようとしてる…か、ポン太の事好きなのかも」「ポン太に春が来た!」「からかうな!もう…

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