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2021/12/26

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  • モテるスコッチ12

    「お姉さん、お付き合いして下さい!」なんて男らしく言えたら、ポン太はもっと素晴らしい人生だったのに…ポン太がとった行動は「え?」聞こえないふりをした。そこでもう一度言われたら、さっきのセリフを口に出したかも。そうやって保険をかける、ズルいポン太。そんなポン太に対してお姉さんの反応は「いや、何でもないわ」沈黙より嫌な空気が漂う。2人共話題を変えようと必死になる。その空気を遮断したのはお姉さんの言葉で「今日はありがとう」(これで帰るんだ…)「いえ、楽しかったです」「本当に!?」「はい!」「ありがとう。それからね、あきと萌ちゃんの事これからも見守ってくれる?」「そりゃ勿論はい」「このまま上手くいって…

  • モテるスコッチ11

    ポン太はスコッチの勘違い行動が悪いと思っていたが、それは勿論スコッチの勘違いではなく、あそこにいた皆んなの“計算された行動”であり、何とか2人っきりにさせようと頑張り、ポン太とお姉さんがあれよあれよと思う間もなく2人っきりにさせられた。オドオドするポン太。お姉さんの「送ってあげる」の言葉に更にドギマギするポン太。無理もない、高校生の時に憧れていた友達の綺麗なお姉さん。そのお姉さんが送ってくれるとなれば、そんな事は想像すらしたことないので、テンパるに決まってる。加えて歳を重ねて一段と魅力的になったお姉さんに対し、ポン太の心は躍った。 「こんなおばさんとお茶してたらポン太君の彼女に申し訳ないな」「…

  • モテるスコッチ10

    「ごめんねポン太君」「いえ!大丈夫です」「あきと萌ちゃんの事なんだけど…」「は?」「親友のポン太君から見てどう思うかなあって」「や、普通にラブラブカップルですけど」「身内の私がひいき目で見ても、あきと萌ちゃんって見た目じゃ不自然でしょ?」「そんな事ないと思います」「気使わなくてもいいわよ、ポン太君や涼介君が、あきの顔ネタにして遊んでるのも知ってるから」「すいません!」「ポン太君達を責めてるんじゃないの、本当の事だし、友情が根幹にあるからこそ言えるってわかってるから。男は顔じゃないって言うけどね、あきの父親はダンディなイケメンだし、お母さんも綺麗系で」「お姉さんも凄く美人で」「ポン太君!お世辞は…

  • モテるスコッチ9

    「じゃー、意中の人は誰なんだ?」「まだ聞くか?もういいじゃんか!」萌ちゃんがスコッチに耳打ちする。スコッチはびっくりした顔してから「まさか!でもあの日確かに…」スコッチはわざとらしく咳払いを1つしてから「ポン太君」「呼び方気持ち悪い」「うるさい!先日ここで花見をした夜、俺の鬼…いや姉貴に送ってもらっただろ?2人で何処行ったのかな?」すると、そこに居合せた全員が合唱するように「何処行ったのかな!?」「笑笑笑」「何だよ皆んなして!それ言うんなら俺からも異議申立てがある!」「国会議員みたいな言い方」「その内なるつもりじゃね?」「笑笑笑」「うるさい!いいかスコッチ、そもそもはだな、あの日はお前の姉ちゃ…

  • モテるスコッチ8

    「母ちゃん、一緒にBBQ行きましょうね!」「行く行く!」「恵里も調子に乗るな、相手のいる事だから、楓ちゃんファミリーの同意もらわないと」「もらったよ」「嘘つくな!」「嘘じゃないよ、ほら」恵里ちゃんが携帯画面を見せると《合同BBQするなら、涼介母ちゃんも参加で構いませんか?》《大歓迎です!》「ね、ちゃんと同意もらったでしょ」「あぁ…そだな」「それからほら」恵里ちゃんが得意げにまた画面を見せると、楓ちゃんの楽しそうなお誕生会の様子。「おー!楓ちゃんだ!楽しそうだな」「あっ、私のとこにも!」「萌も連絡先交換したの?」「そう、さっきケーキ屋さんでね」「そういえば、楓ちゃんママってそういう話大好きらしい…

  • モテるスコッチ7

    「楓ちゃんがね、スコッチ君見つけた途端に走って思いっきり抱きついたの!」「すこし君モテモテ!」「5歳児ですけど 笑」「萌ちゃん、ライバル現れたね」「楓ちゃんが本気出したら私負けるかもです 笑」「スコッチ、楓ちゃんにハグされて気持ち揺らいだか?」「バカな事言うな」「笑笑笑笑笑」 「これが噂の甘過ぎないけど癖になるケーキ?」「そう、楓ちゃんママもママ友から教えてもらってはまってみたいで」「へー」「はまったのはママだけでなくて楓ちゃんも」「楓ちゃんも?」「そう!楓ちゃんのコメントそのまま言うと、甘過ぎないから飽きずにいくらでも食べられるって」「楓ちゃんがそんな食リポしたの?」「うん、びっくりしたけど…

  • モテるスコッチ6

    「あらっ、こんな時間。ご馳走になってごめんなさいだけど、今から両親迎えに行かなきゃなんで」「あー!こっちこそ勝手に引き止めて、すみません」「ありがとうございました。楓、ご馳走様は?」「萌お姉ちゃん、ケーキありがとう」「楓ちゃん、今日はパパとママとおじいちゃん、おばあちゃんとお誕生日会するんだ、良かったね」「うん!」「じゃ、BBQの話は具体的になったら連絡しましょ。恵里ちゃんとは連絡先交換してるんで」すると萌ちゃんが「あのママさん、私もいいですか?」「えー!嬉しい!」2人で携帯を出してポチポチしてから笑う。「楓も携帯買ってもらったらスコッチ兄ちゃんの電話番号教えて」「笑笑!萌ちゃん、教えてあげて…

  • モテるスコッチ5

    「そう言えば皆さん、あれからBBQ行きましたか?」「いえ、行ってません。あっ!そう言えば、以前約束しましたよね、今度は皆んなで合同でやりましょうって」「そうそう、それまでにスコッチ君は彼女ゲットですよって。ちゃんと叶ったわね」「はい、ママさんのおかげで」「どうかな?皆んなの都合が良い時に」「BBQですか!いいですね、やりましょう!今度はパパさんも是非!」「はい、前回ドタキャンした犯罪者ですからね」「そんな犯罪者って 笑。でも言い方変ですけど、そのパパさんのおかげで、炭に苦労してるママさん達と交流のきっかけになったんですよ」「笑笑、何もしてないパパをおかげだなんて」「でもあの日パパさんがいたら、…

  • モテるスコッチ4

    「楓ちゃん元気だった?」「うん!スコッチ兄ちゃんは?」「元気だったよ。 ケーキ買いに来たのかな?」「うん、今日ね楓の誕生日!」「そうなんだ、おめでとう!それで誕生日ケーキ買いに来たの?」「うん!」「良かったねー、あの萌ちゃん」スコッチが呼び掛けたが、萌ちゃんが自分と同じ考えで行動してると判断し、待つ事にした。同じ考えとは、ささやかながらここで小さなケーキを買って、お祝いしてあげようとしてる事で、楓ちゃんママはかなり恐縮してたが、ケーキを買って強引に自分達の席に連れて来た。「お祝いさせて下さい。楓ちゃんとママさんのおかげで私とスコッチ君はお付き合いする事が出来たんですから」「そんな事ないから。2…

  • モテるスコッチ3

    「すこし君いらっしゃい!今日も帽子とサングラスで来たの?」(何だか微妙な言い方)「萌ありがとう。楓ちゃんと会ったの?」「聞こえてた?」「涼介とスコッチ君の声だもん」 「マジで美味しい!萌ちゃんが言うように甘さ控えめでも超美味しい!」「でしょ!お姉ちゃんに教えてもらったんだよ」「あー、お兄さんのお嫁さんの…麗奈さんだっけ?あれ?まだ入院中だろ」「笑笑笑!何言っちゃってんのスコッチ君!このお店教えてくれたのはスコッチ君のお姉ちゃんだよ!」「えーー!まさか!姉貴がこんなお洒落なケーキ屋さん知ってる筈ないよ」「どうして知ったかは私もわからないけど、本当にお姉ちゃんから教えてもらったんだよ!」「へー…、…

  • モテるスコッチ2

    「涼介!お前の方こそじゃないか!母ちゃんはギリギリなんて言ってないから」「せめてって、そういう意味だろ!すこしは気使えよ!」「悪かったな、ギリギリとか、せめての顔で」「ポン太、そういう意味じゃないから」「そ、そうだよポン太君。すこし君と比べたらポン太君は超イケメンだよー!」「アイツと比べられても、全然嬉しくないです。むしろ比べられた時点で凹みます」「そんな事言ってると、そんなヤツすぐ来るぞ!でなければ電話とか」そのタイミングで玄関のチャイムが鳴る。4人は顔を見合わせて、驚くやら笑うやら。 涼介が玄関に向かうと、スコッチが既にドアを開けてにっこり立っている。サングラスをしてるので目の表情はわから…

  • モテるスコッチ1

    「そんな事があったのー、ポン太君大活躍だったね!」「いや、たまたま搬送先の病院に大学の友達がいただけで、しかもそいつに言われたのが、お前が俺に連絡してもしなくても、変わらずに一生懸命治療したからって。だから俺はべつに役に立ったわけじゃなかったんです」「そんな事ないわよ、友達から連絡があったら気持ちが全然違うはずよ。他の人と差をつけるって訳じゃないでしょうけど」「まぁ、大丈夫で良かったです」「じゃあポン太君の友達が県立病院にいるのね、恵里ちゃんもそこにする?」「母ちゃん!俺と恵里はまだ結婚してないんだぞ!そんな話ここでするなよ!」「じゃあどこですれば良いんだい?」「どこって…だいたい何で母ちゃん…

  • 絢里 伸 則子 隠10

    注文を済ませると佐々本さんが「さっきまでいたお客がまたすぐ来たらお店の人、変に思いませんかね?」「んー、覚えてたらそう思うかもですね。まぁそれは別に気にしなくても大丈夫でしょ、じゃあ反省会しますか?」「反省会…笑」「にれさん、どんな印象でしたか?」「私今、参球商事をネットで検索してみたら、創業は40年前で、事務用品から建設資材まであらゆる分野の総合問屋で従業員は100人だって」「まあまあの会社ですね!ってどの立場で言ってんだって言われそうですけど 笑笑」「じゃあにれさんは、ちゃんとした会社に勤めてるんですね。私の印象では話し方も普通でしたし、絢里に好意を寄せてるのもわかりました」「ですね、だか…

  • 絢里 伸 則子 隠9

    にれさんと絢里が出口に向かうと、伸彦と佐々本さんも会計に。伸彦はそのまま店を出て、2人の尾行を開始。当然の事だが伸彦は探偵ではないので、尾行など慣れてる訳ではないが、たぶん駅に行くという前提だから距離を置いて行く尾行はさほど難しくない。会計で時間差のある佐々本さんには、予想通り駅に向かってると連絡したので後で合流する事になる。 突然伸彦の左手を誰かが握ってきた。びっくりすると同時に、この感触は数分前に…佐々本さんがいたずらっぽい目をして「さっきのお返しです 笑」「そ、そうですか 笑」「やっぱり駅みたいですね」「今日はそこでお別れかな?絢里は電車で帰るだろうけど、にれさんはどうします?一応確認し…

  • 絢里 伸 則子 隠8

    「楡渕さんは?愛称とかニックネーム」「まぁ想像つくと思うんですけど、にれです」「じゃ今日はにれさんでいいですか?」「はい 笑」《にれさんって…センス一緒ですね 笑笑》《やっぱり幼馴染みと親友だから似てくるんじゃないですか? 笑笑》《喜んでいいのかな?》《笑笑笑》「にれさんは実家ですか?」「俺はアパート1人暮らしです。絢里さんは?」「私はずっと実家暮らしで、1度も出た事ありません。1人暮らしは憧れるんですけど中々…」「じゃあ御両親とは良好な関係ですね?羨ましいです」「色々うるさいですけどね、でも料理とか家事全般はなるべくやるようにしてます。昔でいう花嫁修行みたいな事 笑」「それは素晴らしい!」《…

  • 絢里 伸 則子 隠7

    最近の盗聴器は性能が格段に向上して、別に盗聴目的で買った訳ではないが、マイクをタバコケースでカムフラージュして受信機はテーブルの真ん中に置いてイヤホンを繋ぎ、伸彦と佐々本さんが同時に聴いてる。側から見ればカップルが仲良く音楽を聴いてるようにしか見えない。伸彦と佐々本さんは声を出さずに携帯で会話する。《聞こえますか?》《はい!絢里がすぐ側にいる感じです》《ニラ君じゃなかったですね 笑》《にれふちさんだって、珍しい名前ですね》《たぶん樹木の楡にふちは渊かな?》《ああー!そうかもですね、さすが大牟田さん!》《名刺交換してましたね》《本当にまだお互いによく知らない同士なのかも》《どんな印象受けましたか…

  • 絢里 伸 則子 隠6

    「あの、誤解されないように最初から言っておきますけど、その幼馴染みは男性ですが、お互いに恋愛感情は全く、全くありませんから。今朝も喧嘩して来ました」「仲良いですね」「いや!喧嘩したんですよ 笑」「その年齢で喧嘩するなんて、仲が良い証拠です。そんな幼馴染みがいるなんて羨ましいです」「楡渕さんは、異性の幼馴染みとかはいないんですか?」「笑笑 居ない事もないですけど、そこまで濃い関係の人はいないですね」「濃くはないです 笑笑。何て言えばいいか…お互い1人っ子で、一緒に育った感じで、兄妹みたいな感覚に近いかもです」「そうなんですか」「子供の頃は兄と妹ぽかったですけど今は完全に姉と弟です 笑笑」「その人…

  • 絢里 伸 則子 隠5

    「遅れてすみません、渡すタイミング逃してつい…」楡渕が名刺を差し出した。「すみません、私も」絢里も慌てて名刺を出す。「楡渕光純、にれふちこうじゅんです、読み難くてすみません」「にれふちこうじゅんさん…はい、納品伝票で楡渕さんの名前があるのは知ってたんですけど、何てお読みするのか…聞くのも失礼かなぁって 笑」「そんな事ありませんよ。栗部さんは、くりべあやりさんでよろしいですか?」「はい、栗部絢里です」絢里がちょこんと頭を下げる。「素敵な名前だと思います」「いえ!そんな…楡渕さんこそカッコいい名前です」「何かあれですね、週に何度もお会いしてるのにお互いフルネーム知らないってのも…」「でも職場関係な…

  • 絢里 伸 則子 隠4

    佐々本さんはびっくりするも、マスク越しでもわかるくらいに顔が赤くなる。 そして握られた手を握り返すと、今度は伸彦の顔が真っ赤っ赤になる。 手を繋いだ事ですっかり舞い上がり、歩き方もぎこちない2人は周りから見れば、何とも不自然に映った。 「楡渕さん!」 「栗部さん、今日はありがとうございます、楽しみにしてました。」 「こちらこそ、お誘いありがとうございます」 「すみません、僕の都合でランチだけで…」 「いえ!」 「じゃまず行きますか?今から行くとこはファミレスだからひと通りあると思いますけど、栗部さんは何系が好きですか?」 「私ですか?そんなに好き嫌いはないかな?肉も魚も好きですし、麺類、御飯物…

  • 絢里 伸 則子 隠3

    「大牟田さん!おはようございます!」「さ、佐々本さん お、おはようございます」伸彦の思い過ごしかもしれないが、今日の佐々本さんは絢里と遊んでる時よりお洒落で、一段と綺麗に見える。暫く見惚れてる伸彦に「今日は宜しくお願いします」佐々本さんが可愛らしくお辞儀をする。「こ!こちらこそ宜しくお願いします」「今日は大牟田さんとデートだ!…」「えっ?」佐々本さんが慌てて「いえ!何でもありません!」(えーっ!大牟田さん、本当に聞こえなかったんですか?せっかく勇気振り絞って言ったのに、2回も言える訳ないじゃないですか!大牟田さん…)(今のは空耳?違う、はっきり聞こえた“デート”って)伸彦は咄嗟に聞き返した事を…

  • 絢里 伸 則子 隠2

    「のぶあんたも頑張りなって!でも則子はきっぱり諦めなよ、誰か好きな人がいるみたいだから。だいたいあんな綺麗な則子がさ、のぶを相手にするはずないんだからね。実際振られてんだし」「何だよさっきからペラペラペラペラ好き勝手喋りやがって!俺はな、まだ直接振られたわけじゃないんだからな!」「諦めが悪いねぇのぶは。いい?則子はのぶの目の前で誰か好きな人がいるって言ったんだよ。つまり、大牟田さんは諦めて下さいって言ってると同じなの」「俺は別に…」「それをいつまでも佐々本さん、佐々本さんって」「言ってないし」「とにかくね」「いいからあっち行けよ!俺は忙しいんだから、お前の相手なんかしてる暇ねえ!」「何よその言…

  • 絢里 伸 則子 隠1

    なかなか眠れない理由としては、心配事、精神的不安、眠るには相応しくない環境、不眠症等いろいろあるが、昨晩伸彦が眠れなかった理由は、そのどれにも該当しなかった。伸彦は…嬉しくて嬉しくて眠れなかったのである。それもそのはず、伸彦が以前から密かに想いを寄せてる(本人は密かなつもりでも、幼馴染みの絢里にはとっくにバレている)佐々本則子さんと念願のデート!…ではなく、伸彦の幼馴染みで佐々本さんの親友でもある絢里が、ある男性から食事に誘われた事を知りかつて元彼からDVを受けた絢里が心配だから、隠れて様子を見に行く約束を交わした2人。だからはっきり言ってデートではない。しかし伸彦の頭の中は完全にデートモード…

  • シャイな若者5-2

    「お見舞いとか行ってもいいですか?」「えっ?いや、大した入院じゃないからあれですけど、でも田口さんなら安奈ちゃんも喜ぶかな?」「迷惑ですか?」「そんな事 笑、安奈ちゃんね自分が骨折したってのに、田口さんにしばらく会えないってしょんぼりしてたんですよ」「嘘ですよ」「嘘じゃないですよ!何も持って行かなくてもいいですから、顔だけでも出してください」「本当に行ってもいいんですか?」「はい、是非お願いします。今日はもう遅いんで明日か明後日にでも!」「わかりました。それで、そのー…名前とか…」「だから安奈です。石栗安奈」「あっ、じゃこのお店の名前“石栗食堂”…お2人がご両親で?」「ほぼそうだけど違うんです…

  • シャイな若者5-1

    順一君はいつもより元気に店の引き戸を開けた。「こんばんは!」(あれ?)おばさん店員さんは、順一君がいつもの店員さんの姿が見えないのに気付いたとすぐに察し「いらっしゃいませ、えっと田口さん?」「はい…」「すみません、安奈ちゃんしばらくお休みなんですよ」「安奈ちゃん…?」「あれ?名前聞いてなかったですか?」「あの…安奈ちゃんって…」「うちの看板娘、お客さんの中では田口さんと一番仲良かったからてっきり名前とか」「そんな…仲良くだなんて…」「それでね、実は安奈ちゃん入院しちゃったんです」「えーーっ!!にゅ、入院!?ど、どこか悪いんですか?」「骨折しちゃって、腕の骨をね。」「そうだったんですか…可哀想に…

  • カット工場 秘12

    「敵か味方か探ってますか? 笑。まぁ、仕方ありませんよね」「……」ホッチキスで綴じた3枚のA4の紙を御園に渡す。「この工場に野菜を納めてる業者のリストです。法人じゃなく個人もいます。見てわかるようにほとんどがあなたと同じ“水増し請求”です」「!」「当事者のあなたなら、おわかりでしょうが室界の指示で強制的にやらされてるのが実状ですね」御園が初めて口を開いた。「やっぱり私だけじゃなかったんだ…どうやってこの資料を?…」「室界のデスクの引き出しから盗みました。勿論コピーだけして戻しましたよ」「あなたは室界さんや私達を税務署とかに…」「そんな事はしません。安心して下さい、私はどちらかといえば“あなた側…

  • カット工場 秘11

    「いらっしゃいませ、工場長!皆さん盛り上がってますよ!」「だろうね」工場長がお座敷席に目をやる。「騒いで迷惑かけるなと言ってるのに」「これくらい普通ですよ」「ごめんね牡丹ちゃん」「大丈夫です 笑」工場長は牡丹ちゃんの可愛い笑顔に年甲斐も無く少しドキッとしたが、その感情を隠すように頷いてからお座敷席に向かう。「盛り上がってるね!」「工場長!」大袈裟な拍手に照れる工場長。「工場長、今日はありがとうございます」「ありがとうございます!」工場長は軽く右手を振って空いてる席を見つけて座る。おばちゃんが早速グラスを待たせ、ビールを注ぐ。「では今日の主役の工場長」「おい!主役は明君だろ、何の席かわかってる?…

  • カット工場 秘10

    「日頃から陰でババァなんて言ってるからつい出るのよね」「だから言ってませんから!」「光は?私達がババァだと思ってるの?」「そんな事ありません!」「因みに光のお母さんは何歳?」「えっと45歳だったかな?45です」「ひ、光 もっとおつまみ頼みなさい」光の母親の年齢を聞いて全員負けを認め、この話題はババァによって強制終了させられた。 「牡丹ちゃーん!」「はーい!」牡丹ちゃんがサンダルの底を軽快に鳴らして座敷に来る。「はい!何か?」「お刺身と唐揚げを人数分お願い。あとねビールが1.2.3…それも人数分ね」「はい、皆さん 私に注文しても構いませんけど、マスターが頑張ってタッチパネル導入しましたから、どう…

  • カット工場 秘9

    いくら明光でもバイトの自分に2日連続で歓迎会してくれるなんて恐縮極まりない次第だが、今日も工場長がスポンサーになってくれる事と、何よりパートのおばちゃん達の、圧倒的なパワーにびっくりしながらも、喜んで参加する事にした。光を本当に歓迎したいのか、それともただ酒を呑みたかっただけなのか…「光、昨日は偶然だったかもしれないけど、今日は最初から歓迎会のつもりで行くからね。私らは1度家に帰って着替えたり、準備してから次郎ちゃんに行くから、光もお風呂入って着替える時間はあるからそうしな」「えっ?お風呂に入ったほうがいいんですか?」「そりゃそうだよ。世の中何があるかわからないからね 笑」「何があるんですか?…

  • カット工場 秘8

    「何を頼むんですか?」「お金よー!昨日は工場長が全部出したって言うから今日の分も出して下さいと」「ちょっと無理なんじゃ…笑笑」「そんな事ないわよ!従業員には平等であるべき。だから亜弓さんもおいでよ、あー!紫音ちゃんも一緒にくれば!」「すみません、紫音はそういう所に行くと興奮しちゃって、夜寝てくれないから…私は結構ですから皆さんで 笑笑」「そうなの?じゃまたいつかタイミングが良い時にね」「はい、是非 笑」 漆沢課長が苦笑いを浮かべながら事務所に入って来る。「全く、圧倒されます 笑」「どうかした?」「いやー、パートの連中ですよ。私らを除け者にして、自分らだけで光の歓迎会だなんてズルいって言い始めて…

  • カット工場 秘7

    「昨日の事情聴取しなきゃね」「でも皆んながたまたま次郎ちゃんに行くってのも変よね?」「変じゃないわよ、この辺で呑むと言ったら次郎ちゃんしかないでしょ」「そっか、それもそうね」「笑笑笑笑笑」 一方涼さんとテツは工場長の奢りをいい事に呑み過ぎてしまい、2人して2日酔い。「テツ、俺今日具合悪いから午前中はあまり動けない」「午前中動けないのはいつものことじゃないっすか」「うるさい!あたた、頭が痛い。これ労災にならないかな?」「なる訳ないっすよ。俺も我慢してるんすから涼さんもお願いしますよ」「¥÷☆〒…影野くん、昨日人参やってるからわかるよね?」「はい…」影野は小さく返事をして黙々と作業を始めた。「テツ…

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