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2021/12/26

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  • カット工場 秘6

    「ラジオ体操しまーす」漆沢課長のやる気があるのかないのかよくわからない号令で、皆んなが適当にスタンバイする。広くない工場なので整列するスペースなどなく、各自で体操の出来るスペースを確保する。こんな職場でやる気出して体操する人など滅多にいるはずもなく、この工場でもいわゆる“ダラダラ体操”が主流で、工場長も例外ではない。そんな中でも、トメばぁと明光の2人は元気に体操してる。 体操が終わると工場長が当たり障りのない事を話し、朝礼が終わる。毎日ほぼ同じ作業の繰り返しなので特別な連絡事項もなく、工場長の話を真剣に聞く人もいない。 朝礼が終わるとパート陣が漆沢課長を一斉に取り囲み矢継ぎ早に捲し立てる。「課…

  • カット工場 秘5

    「確かに久しぶりだ。わかったテツ、お前の歓迎会も一緒にしよう」「工場長、俺3年目っすよ」「細かい事言うな」「細かいとは思わないけど…」 「トメさんは1人でもこの店に?」「ここは私のキッチンみたいな所だから。家も歩いてすぐそこだし、1人暮らしだからね、つい来ちゃうよ」「トメさん独身なんですか?」「今はね、旦那は亡くなって…もう7年か」「そうだったんですか」「何だい光、お前は私みたいなババアが好みなのかい?」「いや、そういう訳ではないですけど…」「あれ?私今光に振られた?」「かもしれませんね」「笑笑笑笑笑」「そんなつもりじゃあ…」「いいよ、私には猫がいるから」「そうだ、トメさん猫飼ってますもんね。…

  • カット工場 秘4

    「トメさん、去年の“大根男”覚えてますか?」「えっ?大根男…そんなのいたっけ?」「ほら、仕事中に玉ねぎ食べて俺に大根で叩かれたヤツ」「歳かねぇ、覚えてないわ。どんな子だったっけ?」「仕事中に玉ねぎつまみ食いしてたヤツいたじゃないですか」「あー、そういえばそんなのがいたような気がする。えっ?そしたら玉ねぎ男じゃないの?」「そいつ、何回注意しても、なかなかつまみ食いやめないから、俺が頭にきて持ってた大根でヤツの頭をコツンと叩いて、何で叩かれたかわかってるか!って怒鳴ったら、そいつの名前忘れたけど玉ねぎ生で食べてたでしょ、涙流しながら、大根でって」「笑笑笑」「馬鹿!なにで叩かれたか聞いてんじゃない!…

  • カット工場 秘3

    「ひ、光君?ちょっと待て!何で牡丹ちゃんが光君って?」「僕、明光って名前です」「そんな事聞いてんじゃない!どうして牡丹ちゃんが初対面の明君を光君って呼ぶんだ?」「あー、自己紹介したんで」「それで光君?…」「はい!何か?」「あいや、何でもない」「工場長、明君は去年の“大根男”と同類かもですね」「何ですか?大根男って?」「あーいい、こっちの話だ」(俺なんか工場長って呼んでもらえるまで1年半かかったのに…しかも牡丹ちゃんは俺の名前すら知らない)工場長のまあまあながっかり顔を見て涼さんは思った。(工場長、それくらいでショック受けないで下さい。コイツはあろうことか、初対面で牡丹ちゃんとハイタッチまでした…

  • カット工場 秘2

    あまり大きな工場ではないので事務員を雇う余裕などなく、というより他に理由はあるのだが…工場長と課長が事務作業の為、毎日残っている。しかしそこは小さな工場、1時間もあれば終わる。「しかし両極端な2人ですね、笑」「笑、本当にそうだよ!もう名前からして、明光と影野一人?まるで作り話みたいだな 笑」「性格もそうですよね!明君は明るくて元気が良いけど、影野君は本当喋らないし、あの歳でフリーターみたいな感じでしょ?いろいろあったんでしょうね」「とりあえずうちはそんなに難しい仕事じゃないから、それさえこなしてくれれば問題ないから」「影野君は喋らないだけで仕事も普通にやってくれるから問題ないですけど、去年ほら…

  • カット工場 秘1

    「亜弓さんお疲れ様!」「あっ、お疲れ様でした 笑」「今からお迎え?」「はい」「大変ね、でも親なら誰でも通る道だから、頑張ってね」「はい、ありがとうございます」「困ったことがあったら言ってね、協力出来る事ならするから」「ありがとうございます。じゃお疲れ様でした」 「ママ!」「紫音 笑」「紫音ねー、ママの絵書いた、ほら!」「あらー、紫音上手ね。美人に描いてくれてありがとう」亜弓は紫音を抱きしめる。「だってママ美人だもん!」「紫音!笑」今亜弓にとって1番大事なのはこの子。そして…。「紫音、お買い物して帰ろ!何かお菓子買う?」「あんまりお菓子買うと月末に困るのはママなんだよ」亜弓は驚きを通り越して笑っ…

  • みっちゃんと…6

    『もしもしみっちゃん』『あ、てっちゃん!』『ちょっと遅いけど明けましておめでとう 笑』『あ 笑、明けましておめでとうございます 笑、本当にちょっと遅いね』『しばらくだけど元気?』『おかげさまで元気よ、てっちゃんは?』『みっちゃんのナデナデ効果で元気。前から思ってたこと、新年会とかどうかな~って2人でたけど。でもみっちゃん美人だからすぐ彼氏とか出来るだろうし、躊躇してたんだけど、ダメ元で電話してみた。っていうかみっちゃんさ、彼氏出来たらすぐ連絡して!そしたらちょろちょろするのすぐ辞めるから 笑』『笑、てっちゃんが思ってるほど美人じゃないし、なかなか彼氏出来ないの』『嘘だー!』『本当だよ!てっちゃ…

  • みっちゃんと…5

    「カウンターでも大丈夫?みっちゃん」「私は全然へーき」「じゃ、座ろう。みっちゃんは何呑む?」「私、サワーにしよっかな、てっちゃんは?」「僕はビール。つまみも適当にたのもうよ。」店員を呼んで注文する。ほどなくしてとりあえずビールとサワーがきた。「じゃ、発表するよ」「え、え、え、今?」「だって不合格だったら乾杯じゃ変でしょ?」「あー、まあ…」みっちゃんが少し不安な顔になる。「実は僕が受けた試験ってのは“宅建士”」「えっ?それって超難しくて合格率も低いヤツでしょ!?」「そう、合格率が15%くらいしかないヤツ」「そんな難い試験受けてたんだ!受けるだけでも凄いんでしょ!?」「そんな事ないけど……発表する…

  • みっちゃんと…4

    『もしもしみっちゃん?』『あ てっちゃん 笑、何もしかして国家試験合格したの?』『みっちゃんは何時頃仕事終わるの?出来れば仕事終わりに直接報告したいんだけど都合はどう?』『えー、今教えてくれないの?』『逢ってからのお楽しみって事で!』『焦らすのね 笑、明日ならいいわよ!』『じゃ、この前会った駅の改札の所でいい?』『わかった!』 改札手前でみっちゃんの見つけた信彦は軽く手を挙げる。 みっちゃんもてっちゃん(信彦)を確認すると自分のお腹の前あたりで小さく手を振る。 その仕草に信彦は少しキュンときた。「ごめん、待った?」「そうでもない 笑」「良かった。みっちゃん美人だからすぐナンパとかされて拉致され…

  • みっちゃんと…3

    「御礼だなんてそんなの、いいですから!でもこうやって再会出来たのも何かの縁、軽く一杯行きますか?」「はい!」2人は決して大きくもない傘に無理矢理入って駅前の居酒屋に向かった。 「ちゃんと入らないと濡れますよ、てっちゃん」「みっちゃんこそ、自分の傘なんだから」「笑笑」「そこでいい?」「はい、何処でも!」 「乾杯!!」「改めてお詫びします。てっちゃんを巻き込んで本当にごめんなさい」「いいんですよ!うまく切り抜けたんだし、こうやって再会出来たのも僕は嬉しいです」「でもびっくりしたでしょ!?」「そりゃ最初はちょっとパニクりましたよ!知らない美女が切迫感溢れる表情でこっちに来るんだもん!」「笑笑」「素朴…

  • みっちゃんと…2

    改札を出て地上に上がると雨だった。「え!?」確かに天気予報では所により一時雨と言ってたが(一時って今かよ!? 所ってここかよ!?)そう思ったのは信彦だけでなく、この駅の軒下で雨宿りしてる数百人も全く同じ事を思ったはずだ。「てっちゃん」信彦は先日の図書館での出来事を思い出した。やからに追われた女性を助けた?いや、何とか切り抜けたって表現が相応しいかもしれない。 女性からとっさに「てっちゃん」と呼ばれた。 信彦はそれを思い出し顔に出さず心の中で笑った。ん?誰かもう一回てっちゃんって呼んだ?(すいません、僕はてっちゃんじゃないんで)肩を叩かれ「てっちゃんですよね?」僕をそう呼ぶのはあの人しか…ゆっく…

  • みっちゃんと…1

    信彦は図書館で国家試験を受ける為の勉強をしてた。自宅でもいいのだが、信彦は学生時代から割と図書館を利用してる。 自宅は生活の場でもある環境なので、誘惑もあり、なかなか集中出来ないが、ここはその為の場所なので、わざわざ足を運ぶ事を差し引いても、充分価値があり、モチベーションも上がる。 信彦はその女性と一瞬目が合った。 知らない人だが女性は迷わず信彦に近付いてそのまま信彦の隣に座った。「助けて下さい!」女性の小さいが鋭い声と切迫感溢れる表情で信彦は何かを察し、周りの様子を見る。どう見ても図書館とは縁遠い風貌の男が入って来た。 女性の顔がみるみる強張る。 信彦はとっさに「遅いよ、みっちゃんもう 笑」…

  • 幸星の兄妹愛 2

    「だいたい両親が大したことないのに」「ちょっと幸星!失礼な事言うんじゃないわよ!!」「じゃお母さん、陸上得意だったの?」「いや…お、お母さん は、それ程でも…お母さんは…☆%〒*…」「お父さんは?」「お、お父さんは…スキップすら満足に出来ない」「ね、だから足が早いのは本当に今だけかもしれないって事。で、中学3年の時、推薦の話があったら、その時は前向きに考えようと思う。」「ふーん…理由はそれだけなの?」「まあ、1番の理由はそれだよ。後は友達」「友達ね」「どうせ高校は、ばらばらだろうけど、せめて中学校まではみんなと一緒にいたい。ずっと一緒だったからね」「女子も?」「女子?女子は別に…」「幸星君、君…

  • 幸星の兄妹愛 1

    「幸星、また本借りてきたの?」「うん、図書委員が何も借りないってのもあれだし、ちょっと頑張って借りてる。でも無理してるんじゃないから 笑」「亜夢は?」「寝たよ」「そうなの?幸星ちょっと座りなさい」「座ってるけど 笑」「こっち向いて」「向いてんじゃん 笑、何?」「本当にいいの?」「何が?」「推薦の話だよ、もう正式にお断りしたけど、幸星の中で何も迷いはなかったの?」「決断するまではいろいろ考えたけど、今はもう何もないよ」「じゃ何を考えてたの?全部言いな」「えー!全部!?笑」「あんたお母さんに全部言ってないでしょ」幸星はあきらめたようにため息をついてから「まずね、俺はまだそんな選手じゃないよ」「全国…

  • シャイな若者 4-7

    今日、順一君は久し振りに日替わり定食をしっかりと味わう事が出来た。たぶんここに通い始めた頃以来だと思う。何故味わえなかったかと言えば、あの店員さんの影響が大きい。それは途中から気付いた訳で店員さんがいるとドキドキするようになって、話し掛けられても、まともに返事も出来ない。元々人とのコミュニケーションが苦手だが、相手が店員さんだと特に上手くいかない。どうしてなのか今の順一君にはわからなかった。挙げ句の果てに昨日は、店員さんの優しい見送りに対し“逃亡”という前代未聞の罪を犯してしまったが、そんな最悪の状況の中、桜井ママからアドバイスを、順一さんから勇気をもらって、店員さんにお詫びとお礼を何とか言え…

  • シャイな若者 4-6

    順一君はまだ迷っていた。だって桜井ママは店員さんは怒ってないと言ったけど、何を根拠に言ってるのかわからないし、そもそも桜井ママは店員さんのこと知らないじゃんか。いつもなら最寄駅から真っ直ぐ定食屋さんに行くのだが今日はなかなか歩が進まない。別に用事もないのにコンビニに寄って、たいして読みたくもない雑誌を眺める。不意に桜井ママの言葉が頭をよぎった。“あんた何やってんのよ!”それは桜井ママの言葉であり、そして順一さんに“お前何やってんだ!”と本当に言われたような気持ちになり、とても不思議な感覚だった。そうだ、助けてもらった順一さんの為にも、ここでこんなことしてられない。順一君は読んでた(開いていただ…

  • シャイな若者 4-5

    『桜井ママ…』『どうしたの順一君』『僕…僕!』『順一君、ちょっと落ち着きなさい。ちゃんと話聞いてあげるから、ね!何があったの!?』『今日定食屋さんの店員さんが、せっかく見送りしてくれたのに、僕、僕恥ずかしくて、挨拶もしないで走って逃げて来ちゃった』『まぁ…』『僕、情けないです、人として最低限の礼儀も出来ないなんて。店員さんに申し訳ないから、もうあの店には行けません』『順一君、何でそんな逃げるほど恥ずかしかったの?』『よくわからない…』『お見送りされて嫌な気持ちだった?』『嫌じゃありません!』『じゃ、嬉しかったの?』『うーん、嫌とか嬉しいとかより、どうしようって思いが強かったかも…』『店員さんは…

  • シャイな若者 4-4

    店員さんが素敵な笑顔を見せてる(はずな)のに、どうしても目を合わせられない。順一君はこれを何とか克服しようとしてるが、なかなか出来ない。これが出来ればもっと前向きに生きられるはず…桜井ママが言うように素敵な財産になる。お茶をすすりながらそんな事を考えた。店員さんは他のお客さんの対応に行ったので少しドキドキが収まったので順一君は帰る事にした。 レジに向かう。店員さんが他のお客さんの対応をしながら「田口さん、ちょっと待って下さい」順一君はまた店員さんとの“触れ合いタイム”を期待した。恥ずかしいくせに。しかし、もう1人のおばさん店員さんが「いいよ、お客さん待たせたら申し訳ないよ。はい、ありがとうござ…

  • シャイな若者 4-3

    「こんばんは」「こんばんは田口さん 笑、いらっしゃいませ」「きょ、今日は寒かったですね」店員さんは少し驚くも、すぐに笑顔で「そうですね、寒かったですね~!田口さんはお仕事で外とか出るんですか?」「た、たまにです」「風邪とかひかないように 笑」「ども」これ以上の会話は厳しい。自分から話し掛けておきながら、何てだらしないんだと自分を責めた。店員さんが他のお客さんの対応に行ったので順一君は少しホッとしたくせに何故か店員さんを目で追う。店員さんと会話したいのにドキドキして話せない。桜井ママなら普通に話せる、ほぼ母親に近い人だから。職場の人とも少しずつだが何とか話せるが、どうしてこの店員さんとはドキドキ…

  • シャイな若者 4-2

    店員さんと触れ合って嬉しかった気持ち。桜井家の“3人”にもてなしを受けて嬉しかった気持ち。同じ嬉しい気持ちでもちょっと違う、何かが…その何かが今の順一君にはまだよく理解出来なかった。それでも順一君の足取りは軽く鼻歌までも!自分で驚いて少し笑った。(鼻歌なんて、いつ以来かも憶えてないな…僕、どうしたんだろう)アパートに着くまで鼻歌はやまなかった。 『桜井ママ、こんばんは』『あら、順一君こんばんは、何かいい事あったの?』『いや、べ 別に何でもありません!』『そう?随分嬉しそうな感じしたからね、私の思い過ごしかしら?』『そうですよ、桜井ママの思い過ごしです。僕は別に何も変わってません 笑』『あら?あ…

  • シャイな若者 4-1

    「いらっしゃいませー あ、いらっしゃいませ田口さん 笑」「こんばんは 笑」(昨日よりは少しスムーズに言えたかな?)「こんばんは 笑笑、お仕事お疲れ様でした 笑」(ええー、そんな事言われたらどう答えたらいいかわからないじゃん)「あっ、どうも」(それくらいしか言えないよ…何か気の利いた事言えれば場も和むんだろうけど…例えば店員さんも毎日お疲れ様とか…無理無理無理無理、桜井ママになら普通に言えるんだけどな)「…さん、田口さん」「っあっ!はい!」「笑 、いつものでよろしいですか?笑」「あっ、はい日替わりお願いします」「はい、お待ち下さい、日替わり1でーす!」携帯を開く。順一君は時間のある時はニュースか…

  • 独身最後の日2

    田所家の長女詩織は明日結婚式を挙げる。娘との約束の今日、母親があの思い出深いグラタンを忘れる筈がない、この人も忘れてなかった。「母さん、詩織は?」「あちらのお家に行ってるよ。夕方には戻るけど」「じゃ、今夜はグラタンか…」「駿作!あんた覚えてたの!?さすがお兄ちゃん!」「いや、忘れてたけどさっきふっと思い出したんだ」駿作は少しぶっきらぼうに言うとキッチンを出て行った。母親はニヤリとして小さな声で「隠れシスコンめ」そう言って笑った。 「ただいま!」「詩織?おかえり、早かったわね」「うん、何か手伝おうか?」「いいわよ、もう出来るから」「今日の晩御飯何?」「あんた白々しく聞くわねぇ!10年前にリクエス…

  • 独身最後の日1

    やっぱりお母さんのグラタンおいしい…ここ最近でも一番……」「詩織、なんで泣きながら食べるの 笑」「お母さんだって泣いてるじゃん 笑」「2人共うるさい!」「お父さんまで泣いてる! 笑」「詩織、独身最後のグラタンだから♯@☆&」「お兄ちゃんが一番泣いてるよ 笑」「独身最後の晩御飯はお母さんのグラタンって決めてたの、あの日から」あの日とは… 田所詩織は高校一年生の時白血病を患い、早速家族でドナー検査をしたところ、両親とも不適合だったが兄の駿作の型が適合した。思春期でもあり普段はろくに会話もしない兄妹だが、この時兄の駿作は医者に向かって「骨髄でも脊髄でも血液でも、何でも提供しますから妹を、大事な大事な…

  • トトロさん?2-12

    「薔薇岡さん、もう少し時間があるなら写真とかどうですか?僕三脚待ってるんで」「ああ!いいですね、是非」「斗真君写真撮る?」「うん、撮る!」まずは全員で1枚撮るのだが誰が斗真君の隣に行くか少し揉めたが、それは当然ながらパパとママだった。斗真君を両親が挟んだ以外は薔薇岡家と若者がバラバラに混ざり合い、1つの仲間か大家族にも見える。次に薔薇岡家の強い要望でトトロさんが薔薇岡家の中に1人加わる。助けてくれた御礼と記念に是非と言われ、斗真君を膝に抱いて、薔薇岡家がそこを囲んだ。その後はいろいろなパターンでそれぞれが撮り合う。アンダーソンと桜ちゃんが斗真君を挟んで撮ったり、斗真君おばあちゃんが翔馬君と腕を…

  • トトロさん?2-11

    「これトトロさんの車?」「そだよー」「へー、凄いなー!あっ!ここにも猫バス!」車の天井に設置された猫バスのティッシュボックスを指差す。「斗真君よく見つけたねー、凄い!」智香ちゃんに褒められて、満面の笑顔になる斗真君。「じゃあ斗真君出発するよー」「いいよ、出発進行!」「笑笑笑」「斗真君、次止まったら今度はママと一緒に帰るんだよ、約束出来る?」「うん、約束する」「偉い!斗真君お利口さん」智香ちゃんに頭を撫でられて、はにかむ斗真君。それを見て一段と、斗真君を可愛く思う智香ちゃん。 「トトロさん、あの紅葉までってどれくらいだったっけ?」「15分くらいだったかも…はっきりとは覚えてないけど」「じゃあ斗真…

  • トトロさん?2-10

    「すみません、何かいたずらでも?」「いいえ!」お姉さんが斗真君ママに耳打ちする。斗真君ママがびっくりすると、お姉さんは右手の人差し指をたて、唇に当てた。斗真君も真似をして、喜んでしーのポーズをとる。智香が目線を合わせるように膝を床につけて「斗真君何したの?教えてよ」「ダメー!内緒!」「笑笑笑笑笑!」 「本当にお世話になりました」斗真君のおばあちゃんが頭を下げると、薔薇岡家もトトロさん一行も、皆んなでお礼を言った。「いえ!あんまりおかまいもせず、こちらこそありがとうございました」「館長さん、また改めて来させていただきます」「是非おいで下さい、お待ちしてます」「館長さん、温泉と食事最高でした!」「…

  • トトロさん?2-9

    トトロさん一行と薔薇岡家がフロントに行くと、偶然にも他のお客さんは誰もいなかった。「お世話になりました。精算お願いします」斗真君のおばあちゃんが薔薇岡家のロッカーキーをまとめてフロントに出し「こちらの皆さんの分も一緒で。皆さんもどうぞキーを出して下さい」「そんなそんな!ダメです」「孫の命の恩人に対してせめてもの御礼です、さっ どうぞどうぞ!」「いや、命の恩人はトトロさんだけですから、うちらは何も…斗真君に遊んでもらっただけなんで」「それじゃあ私どもの気が済みません」「いや、ダメです!」そんなやりとりをフロント前でしてると「すみません!」フロントのお姉さんが大声を出したのでとりあえず落ち着いた。…

  • トトロさん?2-8

    「どうしてけんがアンダーソンに謝るの?」「会話の流れを読めないアンダーソンが悪いんじゃなくて、友達なのにそれを理解してないけんのほうが悪いんだ」「そうかもな、僕達はそうやって友達のバランスを保ってるんだ」「変なバランス!」「笑笑笑」「そっちの女子にだって“そういう子”がいるだろう?」智香ちゃんと姫ちゃんはすぐにピンときて「私達はそんなに変なバランスじゃないもん!」と言うが、当の“そういう子”は自分の事を言われているなんて全く気付かず、けんと智香ちゃんの会話をニコニコしながら聞いている。それを見たけんと智香ちゃんは2人共口を開け、高速瞬きをした。「そういう子って誰ですか?」(あんただよ!)だが桜…

  • トトロさん?2-7

    「ねえ皆んな、こちらの御家族は薔薇岡さんって名前なんだって!」「へー!花の薔薇ですか?」「はい、そうです」「凄く珍しいし、上品な名前ですね、俺なんか志村ですよ」「あなたがさっき智香ちゃんが言ってた志村けん君?」「皆んなそう言ってますけど健康の健で志村たけしです」「そうなんですか」 「薔薇岡斗真君!」「はーい!」「斗真君自分の名前書ける?」「薔薇岡は書けないけど、とうまは書けるよ」「凄いな斗真君!」「との字が裏返しですけど 笑笑」「斗真君左利きですか?」「はい」「けん、何で知ってんだ?」「聞いた事あるんだ、左利きの子供あるあるだって」「へー」「私も小学校3年生くらいかな?薔薇岡の字を泣きながら覚…

  • トトロさん?2-6

    「そちらの方、外国人?」「笑笑、いいえ、日本人です」智香はテーブルにあったアンケート用紙とペンを見つけて「ちょっと拝借しますね。アンダーソンの苗字は下村っていうんです」そう言って紙に“下村”と書き「下村の下は英語でアンダー、そして下村の村は音読みでそん、合わせてアンダーソンです」「あー!なるほど。よく考えましたね」「私もアンダーソンに会うのは今日で2回目なんで、誰が考えたかは聞いてません」「へー、で 智香ちゃんの幼馴染みがけん君ね」「はい、本名はたけしですけど」「え?」智香はまたもや紙に“志村健”と書いて「あの“志村けん”と同じ読み方が出来るんで、昔からけんです。いかにも小学生が付けそうなニッ…

  • トトロさん?2-5

    食事が始まると、会話は何故か智香と斗真君のおばあちゃんが主になった。可愛い斗真君はすっかり女子の人気者に 「斗真君可愛いですね」「私らも斗真が初孫なもんでもう」「そうでしょうね、他人の私達が見ても可愛いんですから。幼稚園でもモテモテじゃないんですか?笑笑」「笑笑、それはあれですけど…皆さん学生の頃のお友達か何か?」「はい、私達女子3人が同じ大学のサークルで、男子は別の大学の仲間なんですけど、私とこのけんが小学校からの幼馴染みで」「まあそれで!」「はい、お互いに仲間を連れて先日呑み会したんです。」「じゃ、知り合って間もないの?」「はい」「若いっていいわねぇー、すぐ仲良くなって…あっ、ごめんなさい…

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