若紫/小柴垣のもと/北山の垣間見 『源氏物語』現代語訳

若紫/小柴垣のもと/北山の垣間見 『源氏物語』現代語訳

日もいと長きに、~ 日もいと長きに、つれづれなれば、夕暮れのいたう霞かすみたるに紛れて、かの小柴垣のもとに立ち出で給ふ。人々は帰し給ひて、惟光朝臣これみつのあそんとのぞき給へば、ただこの西面にしも、持仏据ゑ奉りて行ふ尼なりけり。簾すだれ少し