現代語訳 徳川実紀 55 三河武士の諭し方
諫言…諫言にも様々ある。他家ならば、主君を神のように崇め畏れる家もあるのだろうが、ここ、三河は一味違う。家臣、鈴木久三郎の話今川、織田の草刈り場として散々苦しい思いを乗り越え、三河には若い元康君(大殿)が帰参し、稗や粟の粥すら食することも間々ならなかった家臣たちも、今では日々何とか食べることが出来るまでになった。まだまだ東へ乗り出し、旧領を回復するという思いは主従共通の宿願で、今川の弾避けの尖兵にされていた当時の戦とは違い、我らの伝来の地のため…やがては天下を…と意気盛んになりつつある。このことに結束していた今の三河武士は本当に強かった。勝利を重ねたある日、元康君が日課のように楽しみにしている鷹場で鳥を捕っていた者がいたということを奉行から知らされた。それだけではない。岡崎城の濠に放してある魚を捕って食べ...現代語訳徳川実紀55三河武士の諭し方
2024/11/30 09:00