第八十七話③
朝、まだ早い時間帯にチョルとミエは向かい合っていた。突然現れたチョルに、ミエは驚きを隠せない。「え・・?」「な・・何?てかなんでこんな朝早く来てんの?週番でもないのに・・」もっともなツッコミをされ、幾分緊張するチョル。どもりながら言葉を紡ぐ。「あ・・そ・・その・・」ミエの方にもその緊張が伝わってくる。「え?その?・・その何?」「そ・・」「そ?」チョルは吹っ切れたかのように顔を上げると、そのままズンズンとミエの方に向かってきた。「それ、俺が持ってやるよ、ほら」「え?いや別にいいよ!」「一人で持てるし!そんな重くないし!こんなのなんでもな〜い」ミエはそう言って、小走りで走った。顔が燃えるように熱い。なんでもない・・なんでもないのに・・!今は顔合わすのも・・しかしそうは問屋が下ろさなかった。チョルは大魔王オーラ...第八十七話③
2023/05/31 23:00