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青リンゴ観察日記 https://blog.goo.ne.jp/1225greenapple

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。<br>*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*<br>

Yukkanen
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2020/12/28

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  • 第八十二話④

    あれから約二日後、つまり月曜がやって来た。 ミエはカサブタになった上唇をめくって見る。[16歳][かなり敏感なお年頃]ミエは鏡の前で、唇をむにゅっとやってみた。「ん」「ちゅ・・」・・・・・。ミエは一際大きな声で母に「行ってきます!」と言った。「あんた、今日成績表が出る日だからね?!もう調べはついてんのよ!」「わかってるよっ!!」 ミエはプリプリしながら学校へ行った。まだかなり早い時間なのだが。ドサッしん・・・・[そして全てにイライラするお年頃][その中でもファンミエを一番苛立たせているのは・・] チラッ こんなに早い時間に登校するのには理由があった。 キム・チョルが原因ではなくて・・・    主な理由はこっちだ。   ミエは自分とペアで週番を言いつけられた相手の机を見た。 来ている様子はない。  ギリッ・...第八十二話④

  • 第八十二話③

    ミエは唇に手を当てたまま、チョルとキスをした後のことを思い返した。  ありえないことが起こりすぎて、二人ともふわふわと現実感がなかった。ただ心臓の振動だけが、二人の間の空気を震わせる。ミエの上唇から、たらりと一筋の血が流れた。その赤い滴を目にした途端、チョルは現実に引き戻されたようだ。バッ!叫び声が、青い空に響き渡る。「うわああああああ!!!!」ミエが叫ぶならまだしも、誰よりも大きな声を上げたのはチョルだった。そのチョルの狼狽っぷりに、ミエもファニもファニの二人の友人も、思わずポカンと口を開ける。そこからのチョルはすごかった。叫び、項垂れ、突っ伏し、壁に頭をぶつけ・・。「うおおおおおおお!!うわあああああ!!」ブルブル・・・「があっ!!うわぁあああ!!」「ぐああああああああああああああああ!!!!」ミエは...第八十二話③

  • 第八十二話②

    ゆらゆら、と天井で光る星が滲む。というのも、それほどミエが目を血走らせているからであった。昼間起こった衝撃な出来事により、ミエは到底眠ることなど出来ないでいた。[その日の夜、ファン・ミエは・・][まるで全身がプカプカと浮いているような・・]脳裏に、もう何十回と巡らせた場面がプレイバックする。「ぬわぁぁぁ!!いやいやいや!!」ミエは叫びながらガバッと身を起こした。ドアの向こうで母親が「うるさいわよ」と怒っているが、それどころではない。汗がとめどなく流れてくる。「うわあああ!!違う違う違う違う!!」「何が?」「あんた寝ないなら勉強しなさいよ!」「寝るよ!うわあ〜〜〜」「うるさいってば」 ミエはしばらく母とそんなやりとりを繰り返した。昼間起こった出来事に、脳がまったく対応できていないのだ・・。  <幻想と現実>...第八十二話②

  • 第八十二話①

    <ファーストキスの味>  [キスってどんな感じなんだろう?綿菓子みたいに甘いかな?]  [プラムの飴みたいに甘酸っぱいのかな?]  [それとも・・]  彼女らのその問いに、ファン・ミエがリアルに答えます。   時は数分前。  「お兄ちゃーーーーーーん!!」  すごいスピードで迫り来るファニ。  「えっ?!ファニ・・」   チョルは前から来るファニと、後ろにいるミエを助けようと両方に手を伸ばした。 だから両手は塞がって、下りてくる重力に従う他なかったのである。   倒れ込んだミエの顔に、チョルの顔が近づいてくる。 まるでスローモーションのように見えた。   触れた唇は、衝撃のせいで互いの歯まで接触を許した。 ガチッ、と骨と骨が当たる音と振動が伝わる。  そして、この状態である。  ファニの取り巻き(?)が心...第八十二話①

  • 第八十一話④

    時は数十分前に遡る。コトッ「チョルの家、誰も電話に出ないや。みんな出かけてるみたい」パク・ジョンウクは受話器を置いて、ゲーム中のベ・ホンギュに声を掛けた。ここはホンギュの部屋である。「別にいーって。新しい友達とやらと遊ぶのに忙しくて、俺の誕生日なんて興味ねーんだろ」「全く・・子供かって」「はっ!だーれが」拗ねるホンギュと、ため息をつくジョンウク。すると、電話が鳴り出した。 「おい、電話だぞ」「お前が出ろよ」「なんで俺が。ここはお前んちだろ」「そんじゃお前がゲームしといて」  「もしも・・」「ベ・ホンギュ、このクソ野郎」聞き覚えのある声だった。ホンギュは反射的に声の主の名を言い返そうとする。「あんだぁ?イ・・・」が、すんでのところで止めた。ジョンウクに聞かれるとややこしいことになる。ホンギュは子機を持ったま...第八十一話④

  • 第八十一話③

    事態は急速に進行中だった。ミエの家に今までのミエの奇行をバラしに行くと言うチョルを、ミエは全力で止めなければならない。「ちょっと!!あんたバグったの?!いきなりなんなん?!」「バグってんのはお前だろ」「さっきはその・・キ・・・いや口・・その・・とにかくその・・・しそうだった・・から?」「おい黙れっ!!口に出すんじゃねぇ!!」「してないよ!!してないじゃん!!頭ぶつけただけ!!」「してなくて助かったな!!」 「もししてたら、俺は屋根に上ってお前の正体を全世界に全部暴露してたところだ」ゴゴゴゴ・・と音が聞こえてきそうなオーラを纏って、チョルはズンズンと進んで行く。「ダメーッ!!」「やめて下さいっ!キム・チョル様!!だめっ!!お願いですからっ!!」あと数秒もすれば、チョルはミエのマンションに辿り着いてしまう。[...第八十一話③

  • 第八十一話②

    ビデオは一時停止していた。しんとした静寂がリビングに広がる。チョルとミエは、接触の衝撃にしばし目を瞑っていた。「うう・・・」「う・・頭が・・」パチッ目を開けたその瞬間、数センチの距離にお互いの顔がある。二人は額をぶつけたまま、ピントが合わない相手の顔を見つめた。ドクン、ドクン、と跳ねる心臓の振動が伝わるようだ。相手の瞳に、自分が映っているのが見える。そして唇と唇が、かつてないほどの距離で近づいている——・・・・。 すると次の瞬間、静寂を切り裂くような電子音が響いた。  鳴り響く電話の音に、ようやくチョルの正気が戻った。ひいっ!!「わあっ!!!!」チョルは衝動的にミエを跳ね除けた。ミエはそのままゴロゴロと、台所の床を転がって行く。「ちょ・・あんた・・」「出てけーーーーーっ!!」  [結局事故が起こった]  ...第八十一話②

  • 第八十一話①

    チョルが自分の気持ちを持て余していた時、ファン・ミエはあくびをしていた。「ふわぁぁ」キム家のソファに寝転びながら、先程キッチンに立ったまま帰ってこないチョルを見る。チョルは立ち尽くしたまま、微動だにしない。 ミエの頭の中に、チヘ先生が浮かんだ。「どう?確認した?どうだった?」「気になるでしょ?ね??」”確認”の結果、チョルはこうなってしまったということなのか?ミエの目がキランと光る。「あ、そういえばあんた模試どうだった?また成績上がったりした?」ミエが軽くジャブを入れると、チョルの背中がピクリと反応した。と同時に、電子レンジがチン!と鳴る。「私また落ちたっぽくてさ〜どうしよ〜またお母さんにゲキ怒されるわ。あんたの家も勉強しろって首根っこ掴まれたりする?うちのお母さんもう完全に私の調教師だから」「あんた成績...第八十一話①

  • 第八十話④

    キム・チョルがもしミエのことを好きだとして、その先は一体どうすればいいんだろう?考えたことのないその問いを、ミエは今初めて目の当たりにしている。 <自然ということは>ミエはブンブンと頭を振り、とりあえず考えるのを止めにした。いやいや!ビデオ観よっ! 気づけばビデオの内容は佳境で、バスジャック犯からの連絡のシーンだった。とりあえず字幕を追うミエ。主人公がバスと並走し、事態が目まぐるしく進行して行く。この辺りから、ミエはビデオの内容に引き込まれて行った。おお・・その様子を隣で見ているチョル。食い入るように画面を追うミエ。なんて分かりやすいんだろう。口を開けっぱなしで画面に釘付けのミエを見て、チョルは(よだれ垂れそう)と思って少し笑う。そんな折、画面の中で大爆発が起こった。ドカーン!!「うわぁっ!」驚いた拍子に...第八十話④

  • 第八十話③

    「大人しく観てろよ」チョルに体を近づけすぎて怒られたミエ。けれどさっきのは”自然”さが足りなかったのかもしれない、とミエは思っていた。自然・・自然に・・ミエにとっての”自然”は、父親と一緒にソファに座っている時の自分だ。父のお腹に足を乗せ、ダラダラと自然にふるまっている時の自分・・・。映画は緊迫感のある場面だったが、ミエもある意味正念場だ。ミエは”自然”を意識的に、チョルに対して行った。ドスッ「あー足だるー」これを受けてチョルがどういう風に出るか。結果は・・・   「大人しく観てろって!」「さっきから何なんだよマジで!」どうやら、足を乗せるのは違ったらしかった。では肩を組むのではどうだろう?自然に・・「だからってそんな押しのけなくてもさぁ・・肩痛ぁ・・」そう言いながら、ミエはできるだけ”自然”にチョルの肩...第八十話③

  • 第八十話②

    バッミエはもう一度確かめることにした。Eyetoeye、目と目で通じ合うその確信を探して。じーっ・・「何・・」ミエはひたすら見つめ続けた。チョルがどんな反応を見せるかを見るために。まるで超音波を発しているかのような眼差しで・・・。バッ「なんなんだよ?!」チョルは勢いよく顔を逸らした。「なんか言いたいことがあんのか?ふざけてねーでビデオ観ろよ!借りてきてんだぞ」この反応は・・ほお・・?[この程度なら可能性は低いんじゃ?]そんなチョルの反応を見て、ミエは次の作戦に出る。 <それなら二段階目は>ミエの頭の中で、チヘ先生の教えが響いた。[一段階目の反応で脈があったら][二段階目は、あんたから直接近づくの]ターゲットが一人でいるところを見計らって、自分から意識的に動けとチヘ先生は言った。[偶然じゃなく][自然にね]...第八十話②

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