魂に「蓋」をした男と、しなかった男 ＜怪談＞

台湾の民間信仰の一つに、「魂を覆い隠す」＝「蓋魂」というものがあります。 生命や財産を失うなどの、不幸な運命から逃れられないというお告げを受けた人が、法師など…

少女の微笑み ～阿里山農薬毒殺事件③～ ＜実話怪談＞

一家の朝食に農薬が混入、二人が死亡し、四人が昏睡状態に陥った事件。 唯一朝食に手をつけなかった、13歳の娘・湯春花は。 警察に連行され、農薬を混入させたのは、…

13歳少女の殺人 ～阿里山農薬殺人事件②～ ＜実話怪談＞

1970年六月、嘉義県阿里山の平凡な一家で発生した、農薬殺人事件。 容疑者として、三人の人物が挙げられますが。 その一人、湯温成の婿である、江文伯には、しっか…

阿里山農薬殺人事件①

1970年6月のこと。 嘉義県阿里山に住む、先住民である湯一家七人は、朝食の席についていました。 白米、豚肉炒め、卵スープなど、一家は次々平らげて行きますが。…

憑りつかれた少女 ＜怪談＞

日本統治時代、1911年2月のこと。 台南の善化という場所に、蘇水泉という男が住んでいました。 ある時、彼の近所に住んでいた男性が、首を吊りました。 幸い発見…

呪いか、鏡か。 ＜怪談＞

日本統治下の1902年、台中の牛埔仔に住む、黄吉という名の農夫にとって、 家に火事が起こるのが、日常になってしまっていました。 幸いなことに、火事が発生するの…

関帝と霊媒師のお告げ ＜怪談＞

日本統治下の、1905年8月のこと。 台湾島北部の街・宜蘭に住む、陳という男性が、困り果てていました。 彼の家の中には、毎日のように、「紅い服の亡霊」が現れる…

無罪となった殺人 ＜台湾怪談＞

日本統治時代の、1906年のこと。 黄榧という男性が、妻と養母と共に、台北市内の六館街という場所に住んでいました。 幼い頃に親に捨てられた黄榧は、その後、養母…

喉に突き刺さったキセル ＜台湾怪談＞

日本統治時代の、1897年12月のこと。 台北市南部にある河原の街・大稲埕に、40歳前後の王という男性が住んでいました。 普段から、飲む打つ買うの三拍子揃った…

死者の報復 ＜台湾怪談＞

日本統治時代、1905年のこと。 台南の呉という男が、友人の陳との、酒の席の会話の中で。 まず愛人を持って、その上で、正妻を迎えるつもりだ、 と話します。 陳…

憑依の結末 ～雲林霊魂憑依事件③～ ＜実話怪談＞

金門島で戦火に遭い、身一つで台湾本島に向かう船に乗り込んだものの、船は漂流の果てに自分以外全員死亡。 ようやく台湾本島に到着した自身も、そこで漁師達に襲われ、…

憑依の真偽 ～霊魂憑依事件②～ ＜実話怪談＞

1959年。台湾に住む40歳の女性・林罔腰が、突然。 自分は、金門島出身で、一年前に死んだ、朱秀華という名の17歳の少女だ、 と言い出しました。  勿論。 夫…

突然の告白 ～霊魂憑依事件①～ ＜実話怪談＞

1959年のことです。 台湾西部雲林県に住む、林罔腰という名の40歳の女性が。 突然、夫の呉秋得に向かい、奇妙なことを口にしたのです。 実は自分は。金門出身の…

玉山の怪 ＜怪談＞

かつて。 日本最高峰が、富士山ではない時代がありました。 台湾が日本統治下だった時代、台湾にある、標高3952mの玉山が、「新高山」と呼ばれる、日本最高峰とな…

死者の絶えないダム ＜実話怪談＞

台湾西部に、嘉義という街があります。 この街の東北部の小さな山の上に、70ヘクタールほどのダムがあります。 「蘭潭」という名のこのダムは、300年前、当時台湾…

幽霊船よりはっきり見えるもの ＜怪談考察＞

 『東協広場の火事 ～台中の幽霊船①～ ＜実話怪談＞』2019年11月5日。 台中駅前のショッピングモール・東協広場は、いつものような賑わいをみせていました。…

定員まで、あと一人 ～台中の幽霊船③～ ＜実話怪談＞

1995年2月15日、台中駅前のレストラン・衛爾康で大火災があり、64名が死亡。 台湾政府は大急ぎで、消防法などの改革に乗り出したのですが。 第一広場の上に、…

最初の大火災 ～台中の幽霊船②～ ＜実話怪談＞

1995年2月15日夜七時。 バレンタインデーの翌日。台中駅前モールの近くにの西洋レストラン「衛爾康」は、大勢の人々で賑わっていました。 一階も二階も、全ての…

東協広場の火事 ～台中の幽霊船①～ ＜実話怪談＞

2019年11月5日。 台中駅前のショッピングモール・東協広場は、いつものような賑わいをみせていました。 カラオケ、ビリヤード場、ボーリング場などの店に、昼間…

届かない老婆の声 ＜怪談考察＞

 『突然走り出した老婆 ～花蓮神隠し事件①～ ＜実話怪談＞』2014年夏。 台湾東部の町・花蓮を旅行中の、80歳の女性・彭が。 友人達と共に、近くの公園を散策…

監視カメラに映った、紅い服の少女 ～花蓮神隠し事件②～ ＜実話怪談＞

80歳の老婆、彭が、突如山に向かい走り出した後、消息を絶ちながらも。 五日後。 失踪した現場から3㎞ほど離れた場所の、河原にあった巨石の陰に座っているところを…

突然走り出した老婆 ～花蓮神隠し事件①～ ＜実話怪談＞

2014年夏。 台湾東部の町・花蓮を旅行中の、83歳の女性・彭が。 友人達と共に、近くの公園を散策している際。 公衆トイレに行ったきり、中々戻ってきません。 …

裁縫師と死刑囚 ＜怪談＞

清朝の頃。 台南の城西街に、裁縫師をする李という男性がいました。 かなりの職人肌で、縫い目が少しでも乱れると、もう一度最初から縫い直すほど。 こだわりが強すぎ…

亡霊が出でこられない ＜怪談考察＞

 『事件の起こるまで ～白曉燕誘拐事件①～ ＜実話怪談＞』陳進興は、1958年の1月1日、台北市郊外の三重という土地で生まれました。 しかし父母は未婚の状態で…

死者が来る ～白曉燕誘拐事件⑧～ ＜実話怪談＞

1997年4月14日、白曉燕誘拐に始まった事件は、市街地の銃撃戦や、整形外科での惨殺などを経て、 三人の犯人のうち、二人は、警察との銃撃戦の末死亡。 残りの陳…

事件の終わり ～白曉燕誘拐事件⑦～ ＜実話怪談＞

整形外科での三人殺害から一か月弱が経過した、11月17日。 日本人学校、アメリカンスクールがあり、多くの日本人や外国人、富裕層や外交官の住む地区、「天母」のほ…