[Ⅶ296] 老いの意味論(4) / 老化の科学(2)
(5-4)細胞はエネルギー代謝をして活発に働けば働くほど、必然的に反応性に富んだフリーラジカル(遊離基)という反応基が生じる。これは活性酸素の類である。活性酸素は、タンパク質、核酸,脂質などの体の構成成分に強力に反応し、過酸化物を作り出す。このフリーラジカルの生成は、突然変異、DNAの障害、異常タンパク質の生成など、さまざまな老化現象に関与していると考えられている。先述のテロメアの短縮にも関与しているらしい。また脳神経系細胞のアポトーシスによる死にも関係しているかもしれないとされている。(5-5)胸腺は人間のあらゆる臓器の中で最も老化を鋭敏に映し出す臓器である。胸腺は臓器の構造は生まれる前にすでに完成している。十歳代までは胸腺は重量を増して最大三十五グラム程度に達するが、その後は年齢とともに縮小し、四十歳...[Ⅶ296]老いの意味論(4)/老化の科学(2)
2024/05/31 18:17