不安 恐怖は、それを喚起するはっきりとした外的な対象が存在する感情である。その一方、不安は、漠然とした怖れの感情である。とりとめもなく、どうにもならない困惑や焦燥そのものであるといえるかもしれない。K.ゴールドスティンは、破局的な状況が迫った際、人が味わう主観的な体験と定義している。不安は多少とも身体的表出を伴い、動悸、発汗などから瞳孔拡大に至るさまざまな自律神経症状を呈する。 不安は、人間にとって避けることのできない心理的な現象であり、自分を守るために必要なシグナルとして有効であるが、これが過剰になり、止めどなく溢れ出すようになると病的不安と呼ばれるようになる。病的不安は、重いうつ状態に現れ…
好訴者(こうそしゃ) もともと活動性の高さを背景に、権利侵害など何らかの屈辱的な出来事が引き金となり、その後の人生のすべてを訴訟と闘争に捧げようとする人のこと。独善的な正義感に基づいて、ひたすら告発・訴訟・闘争などを展開する。E.クレペリンは、本物の好訴者と仮性の好訴者(抗争者)を区別し、E.クレッチマーは好訴者を増長した誇大性と捉えた。 好訴者は、通常、精神病質的な人格の延長にあると位置づけられており、統合失調症や躁病、妄想性障害などが時折示す好訴性は「症候性好訴妄想」として区別される。 奪われ、傷つけられた現実に理不尽さと被害感を強めて、その払しょくを求め続けている。
無力者(むりょくしゃ) K.シュナイダーの精神病質人格類型の一つ。無力者は、自分自身のことを全く信じていないため、些細な身体の変化を過度に気にしやすく、結果、何かと気疲れしがちで、楽しみを感じることができない。身体的・心理的なストレスに敏感。 無力者の中には、心身症型のタイプ(心理的な理由によって多彩な身体的障害を起こす)と神経衰弱型のタイプ(過度な自己観察の結果、疲れすぎてしまう)がある。 無力感・不信感が自分に向けられ、何かと気にしいで、勝手に疲へいしがち。自分のことにいっぱいいっぱい。生きづらい。
敏感者(びんかんしゃ) E.クレッチマーによると、敏感者とは、強い感受性を持つものの、感じ取ったものに縛られて適切に処理できない人である。また、無力感を抱く一方、高い理想自我を備えているため、罪悪感や屈辱感を抱きやすい。対人関係の場合、敏感関係妄想にまで発展してしまう。K.シュナイダーも、精神病質人格の中で自信欠如の一亜型として敏感者をあげている。 ちなみに過敏者と敏感者は基本的に同じ特徴を備えているが、敏感者の方がより病的である。 何かと気にしいな上、すぐに自分は駄目だと思い込みやすい。ときにそれが病的な水準にまでいたる。
1.心因性うつ病 心因性うつ病には、狭義の概念と広義の概念がある。狭義の概念は、もともとJ.ランゲが提唱したものである。J.ランゲは、内因性うつ病、反応性うつ病、心因性うつ病の3つに分けた。反応性うつ病は、抑うつに至るきっかけに遭ってうつ状態を生じさせたものである。「そりゃあ、仕方がない。」と了解できる。それに対し、心因性うつ病は、抑うつに至る明確なきっかけはなく、もともと抑うつを引き起こさないはずの心因によってうつ状態を生じたものをいう。「え、そんなことで?」抑うつ状態に至る。これはH.フェルケルの神経症性うつ病やP.キールホルツの消耗性うつ病と重なる。 その一方、広義の心因性うつ病は、身体…
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