清水俊史著『ブッダという男』 ⑦(ブッダとはなにものなのか)
この本の眼目である、ブッダは平和主義者だったのか、男女平等論者だったのか、階級差別反対論者だったのか、という3つについて考察してきました。 まず、この本の著者は、今までさんざん強調されていた『ブッダの独自性、先駆性』について疑問を投げかけているのだと思います。 このことは、今までの仏教解釈の間違いであったと私も思っています。 古代においても、現代においても、論点の違いはあっても、ブッダの教えを全くの独自で先駆的なもの、唯一無二、空前絶後のもの、誰からも影響を受けていないもの、それまでのすべてを全否定したもの、と強調されてきた歴史があります。 それは、ブッダ在世中からそういう傾向はあったと思いま…
2023/12/29 09:39