うの華4 22
早く、早く…。遂には焦れて、私はうんうん、もう、と声に出すと、玄関で地団駄段を踏んだ。そんな私の様子に、店中にいた清ちゃんの母はその異変に気付いた様だ。彼女はこちらに背を向けた儘、振り向きもせずしんとして佇んでいたが、背中越しに頃合いを伺うと、そそっと階段に登り口に移動した。「向こうさんに早く来いって。」そう言っておくれ、と彼女は憚る様な言い方で2階に声掛けした。2階からは何かしら返事があったのだろう、苛ついた雰囲気に変わった彼女は、次にきっとした感じで上を見上げると、「本格的におかしくなって来てる。」、「私と変わって。」、等、上を見上げる顔付きにも懇願する様子が見られた。私はと言うと、そんな清ちゃんの母の様子を垣間見ながら自分の抱え込んでいる問題に悩み続けていた。う〜ん、う〜ん…。頭を抱え込んで唸る私の姿に、...うの華422
2022/01/12 11:51