川村伸寛です。 僧侶向け仏教学習メルマガ「サルブツ通信」を発行しています。 専門は「親鸞浄土教(浄土真宗)」ですが、人間の宗教行為すべてに関心があります。
1989年6月4日。天安門前広場の様子を、芝居を書きながら、テレビで見ていた。デモに集まる人々のさわやかな顔を見ているうちに、なんだか落ち着かない気持ちになってきた。「みんな、逃げろ!」と、思った。「この人たちは殺される。」そんな気がした。不安な気持ちが、どんどん膨れ上がり、「お願いだから、逃げてくれ!」と、祈るような気持ちで見ていると、画面が乱れた。戦車が人間の上を走った。遠く香港から、デモの人たちを勇気付けていたテレサ・テンの、悲痛な叫びが忘れられない。1997年に迫った「香港返還」を前にして、香港の人たちを、大きな不安が襲った。台湾人は奮い立ち、「祖国台湾」を求めた。それからの香港は、投げやりなほど明るかった。自分たちの「未来への不安」を、笑い飛ばそうとしているかのようだった。ジャッキー・チェンは、早々に...香港のこと
閉じこもっているうちに、春は過ぎ、もう、ほぼ夏になってしまいました。夏と言えば、「お盆」ですね。昨日、台湾のことを考えていたら、他にも色々と思い出しました。華人社会では、旧暦の七月を「鬼月」と言います。早い話が、日本のお盆と一緒で、「死者があの世から戻ってくる月」だということです。「鬼」は「死者」のことですね。死んだ台湾のばあちゃんに、「鬼月だから、飛行機に乗るな、危ない、台湾にいろ」と、よく叱られたものでした。「死者」が「あの世」から「この世」に戻って来て、色々と悪さをする。だから、事故が起きやすい。そんな理屈です。人々は戻ってきた死者が悪さをしないように、たくさんのお供え物を捧げ、ご機嫌をとります。仏教とは関係の無い習慣です。道教と言うよりは、自然発生的に練り込まれて出来上がった慣習、と言うべきですかね?こ...仏典に見る経済学、なのか?
数年前、台湾のばあちゃんが亡くなり、葬儀に戻りました。台湾の葬式は、儒教・道教に仏教いっちょガミ、という華人圏スタイルでしたが、近年、日本のように専用の葬儀場で行う仏教スタイルが増えています。葬儀の前々日、台北に着くや、さっそく、葬儀に向けた儀式や準備に追われることになりました。台湾の法事は、立ったり座ったり、一緒にお勤めしたりと、参列者はたいへんです。私は僧侶なので、「師傳」と呼ばれ、家族とは別席に座らされ、逆に動けません。渡された経本は『地蔵菩薩本願経』だったと思います。経本には「ボフォモフォ」という台湾の発音記号でカナがふってありますが、読めません。なので、「嘘だろ・・・・・」と、思いながら、一応、文字を目で追っていました。なんで、「嘘だろ」と、思ったかと言えば、それは、そのお経の内容が、ちょっと、あれだ...マッチポンプはずるいと思う。
ある時、両親に尋ねてみたことがあります。「浄土真宗をどう思う?」と。私は在家出身なのですが、両親とも、所謂「家の宗教」は浄土真宗でした。すると、父「生意気だ。」私「なんで?」父「善導だけが正しい、とか言うだろ?」私「善導独明仏正意(善導独り仏の正意を明かす)?」父「そうそう、そういうところ。」次は母です。母「私、嫌い。」私「なんで?」母「だって、蓮如?あいつ、女、馬鹿にしてるでしょ?そういうやつ、大っ嫌い。」私「え?馬鹿にしてる?」母「してるでしょ。なに?女は字が読めないとか・・・・・」私「ああ、一文不知の尼入道?」母「それよ、それ。本当に、失礼。女をなめてる。」と、こんなご意見をいただくことになりました。お聖教の文言が、意味も含めて、耳に残っているところを見ると、二人とも、法事の最中、ボーっとしていたわけでも...母に「浄土真宗嫌い!」と言われた。
サルブツ通信で、「個性を煽るな」と名曲『世界に一つだけの花』と我らが『阿弥陀経』をかけた、よくある法話を叱ってみたら、≪Q≫「死にたいヤツは死んでみろ!あっちの世界は平和だぞ」になりませんか?というご質問をいただきましたので、お応えいたします。≪A≫「厭離穢土欣求浄土」という思想ですから、浄土教は、基本則として、「死ぬのを止められません」というか、「死にたい」気持ちを抑止できません。しかし、「痛み」を共有することはできるはずです。「痛み」から何が生まれるのかは、人それぞれです。私の関知するところではありません。問題は、「社会が個性を受け入れない」「違っていると虐められる」という事実を棚上げして、個性を賛美するという無責任です。社会を変えることができないのであれば、人が変わるしかありません。「人は変われる」「人は...「個性を大切に」は、強者の論理ではないかと思う。
サルブツ通信で、こんなこと↓を書いたら、「南無阿弥陀仏!生きてるの、苦しいです!」「南無阿弥陀仏!それでも生きてる、ありがとう!」「南無阿弥陀仏!もう、煩悩に振り回されたりしません!」「南無阿弥陀仏!私が愚かでした!」さあ、もう一周り・・・・・・・。いや、こんなこと、みんなでやってたら、絶対カルトだと思われるよね。でも、これ、みんな、「念仏って何?」の答ですよ。Q「お念仏の否定?」という意味に取れてしまいました。念仏否定ではないですよね?という、ご質問をいただきました。混乱させて申し訳ありません。Aもちろん、念仏否定ではありません。どちらかと言えば、これ、思い切り皆で楽しくお念仏していると、「カルト」だと言われてしまいかねない、今の風潮を嘆いているのですよ。私が何者かわかってる方々は、そんな心配はしていないでし...イェー!南無阿弥陀仏!サルブツ通信質問コーナー
もう、40年以上前の話です。今は亡き親友の親父に真顔で言われました。「夜道でおかしなものと出会ったら、いいか、般若心経を称えるんだぞ。」と、力強く。私が、中学三年の頃ではないかと思います。当然、自分が僧侶になるなどとは、夢にも思ってはいない頃です。当時、この親友親子は、夜毎、すさまじい抗争を繰り広げていました。決まって夕食時、親友母から電話が来て、「止めて―!」と、叫ばれます。慌てて駆けつけると、そこはまさに修羅場。木刀の親父と、金属バットの親友が、互いのタマを取るべくやり合っています。睨み合いなどではありません。本気で振り回しています。私とて、そんなところへ素手で向かうほど、馬鹿ではないので、赤樫のヌンチャクか、サイ(十手みたいな沖縄の武器)を装備しています。「さて、どうやって止めようかな?」と、しばらく様子...般若心経の謎【サルブツ通信41より】
葬式が無い!は、コロナさんのせい?【サルブツ通信番外編0010】
「葬式が無い!」と、嘆く声があちこちから聞こえてきます。葬式も通夜も、三密っちゃ三密ですからね。このご時世、自粛も致し方ないと思います。が、自粛では無しに、「これ幸い」と、お葬式をすっ飛ばされる方も相当数いらっしゃるようです。もともと、「葬式なんて、意味ないんじゃね?」と、思っていらっしゃった方々ですね。「なんで、坊主に金を盗られなきゃならねえんだ?」と、思ってらっしゃった方々とかね。世間体以外に、葬式を出さなければならない理由を見出せない方々には、まさに、幸運だったと思います。それではいけませんよ、という話をするつもりはありません。むしろ、「俺でもそうする」と、思います。コロナ以前から、「葬式が減ってきた」「葬式出さない人が増えたんで困る」「焼いて終わりだもんな。今の奴らは冷たいよな」などと、世間の風潮につい...葬式が無い!は、コロナさんのせい?【サルブツ通信番外編0010】
映画『ブランカとギター弾き』本編映像1http://www.transformer.co.jp/m/blanka/【ブランカとギター弾き2015】フィリピンのストリートチルドレンが描かれた、素晴らしい作品です。これも、アマゾンプライムで観られます。私、主にフィリピン人に、無理矢理、観せまくってます。泣く率100%ですよ。数年前、クリスマスシーズンのフィリピンで用があったので、クリスマスだからと日本で駄菓子を買い込み、それを小袋に詰めて、孤児院を周ることにしました。いくつ周ったか忘れましたが、非常に勉強になりました。ある種の孤児院にとっては、「孤児は商品なんだな」と、気付かされたのです。従順で利発な子供たちが、小綺麗に整えられて並ぶ。選ばれた子供しか入れない孤児院。「これは違う。」と、作戦を変更し、ガッチャガチャ...映画『ブランカとギター弾き』2018
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