【旧作】完全な人間を目指さなくてもよい理由【再読】
マイケル・J・サンデル(林芳紀・伊吹友秀訳),2010,完全な人間を目指さなくてもよい理由──遺伝子操作とエンハンスメントの倫理,ナカニシヤ出版.(9.23.23)遺伝子操作、ホルモンや薬物の投与による身体とその力(筋力と知力)のエンハンスメント(増強・強化)は是が非か、サンデルは、病気の治療や健康の増進以外の、他者より卓越するためのエンハンスメントに非を唱える。なぜなら、わたしたちは、生命の被贈与性(giftednessoflife)を前提として生きている、すなわち生来的に他者より優れていようが劣っていようが、そのあらかじめ与えられた属性をお互い無条件に承認して生きているわけであり、だからこそ、天賦の能力により莫大な富を得たとしても、それを自らが独占して当然だという思い上がりは抑制され、社会連帯としての...【旧作】完全な人間を目指さなくてもよい理由【再読】
2023/09/23 19:51