3年DVを受け別居後、夫のパーソナリティ障害が判明。3人に1人の女性が配偶者からの暴力を経験しています。もっと社会全体がDVに敏感になってほしい。感じたこと、被害者支援の情報などつづっています。
自己愛性パーソナリティ障害の夫は2度の結婚でDVを繰り返しています。DVは加害者の問題であり、ひいては、パートナーに手を出してもいいという誤った価値観を加害者に植え付ける社会の問題です。
夫の電話を受けた後、ずっと吐き気が続いています。ここまで自分を追いつめる存在って何なんだろう。同居していたころ、夫の存在は恐怖でした。いない日は天国。なのに出先からしょっちゅう電話を掛けてくる。電話が鳴るたび、気持ちが沈みました。3年DVを受け続けたことで、身体には一生消えそうにない傷が、刻まれてしまいました。でも、目に見えない傷、精神的な傷の方が深刻です。精神を病む被害者は少なくありません。DV被害には遭わないのが一番。DVは防げます。このことを何回かに分けてお伝えします。 わが身に起こるとは思わなかった 私は今30代前半です。DVのことを学校で体系的に教わった記憶はありません。スティービー…
夫からのDVに耐えられなくなり、人に相談するようになってからも、私は離婚したくない、夫に変わってほしいと思ってきました。前妻ともDV離婚で、自分を変える気がない夫にDV加害者更生プログラムを受けてほしい、DV外来に行ってほしいと伝え、いつかそうしてくれるものと期待し続けたのです。今振り返ると、とても愚かでした。そんな状態の私が、ハッとさせられた言葉があります。 それでもいいって言ってくれる優しい妻なわけでしょう 視界が開けた 被害者は一刻も早く相談を それでもいいって言ってくれる優しい妻なわけでしょう 旦那さんは変わらないと思うよ。だって、それでもいいって言ってくれる優しい妻なわけでしょう こ…
今回は、DVの話ではありません。最近、ずっと気になっていること。隣室から聞こえる咳の音が日増しに大きくなっている気がするのです。壁が薄いので、よく音が伝わってきます。せき込むのが聞こえるようになって1週間。ベランダが仕切り板一つでつながっているので、洗濯物を干すのすら何となく不安になってしまいました。 隣人が感染者かもしれないときベランダは安全か 自治体のLINEアカウントに質問を送ってはみたが 共同住宅の集団感染を調べる 結局電話で問い合わせ 風邪で気兼ねなく休める社会になってほしい 隣人が感染者かもしれないときベランダは安全か 住んでいる自治体は病床が足らず、検査数も少ないと言われています…
DV被害者だったり、あるいはDV被害者から相談を受けていたり、DVの気配を近くに感じている人に。今はDVがエスカレートする時期であり、なおかつ、給付金の支給を受けるために急いで動かなければならない時期です。情報を得るためにおすすめのツイッターやブログのアカウントを紹介します。はなから諦めムードで、自分から積極的に情報を集めないDV被害者も少なくありません。情報を教え、励ましてあげてほしいのです。 ご自身のDVへの理解を深めたり、情報を得たりするのに使うのも良いですし、なかなか加害者と離れると言わないDV被害者に、こんなアカウントもあるよと紹介するのも良いと思います。 まだ別れるつもりがないDV…
2014年公開の日中合作映画『罪の手ざわり』。オフィス北野も関わり、中国で実際に起きた四つの事件を映像化しました。罪を犯す側の視点から撮っており、人がどのように追い詰められ、行動するのかあぶり出します。オブラートに包まない、生々しすぎる暴力描写に衝撃を受けます。 罪の手ざわり(字幕版) なぜ暴力に走るのか まっとうに生きようとした小市民が追いつめられるリアル なぜ暴力に走るのか 監督はジャ・ジャンクー。もともと生々しい、装飾のない映像を撮る方です。暴力描写にここまで凄味が出たのは、日中合作だったからこそかもしれません。カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞し、キネマ旬報の2013年…
DV被害妻がこのままだとまずいと悟った瞬間*数十年にわたるDVの衝撃
夫のDVに耐えかね、家を飛び出してからも、夫が更生してくれるんじゃないかと期待をしていたんです。夫のせいで病院のたいがいの診療科にかかり、自傷行為までするようになったのに。私は何を考えていたんでしょうね。今思い出すと、本当に愚かでした。夫は過去にDV離婚を経験していて、私とまた同じことになっています。普通に考えたら、期待のしようもない、どうしようもない人間です。そんな人間に期待し、できれば一緒にいたいと思っていた私が、目を覚ました瞬間。それは、あるラジオ番組を聴いていたときでした。 何十年もDVに耐えた女性からの相談に粟立つ 夫への憎悪を糧に生きる怖さ 何十年もDVに耐えた女性からの相談に粟立…
うつ病を悪化させた父は、近く入院したいと病院に相談していました。ところが、実家がある田舎までコロナウイルス感染が広がり、入院できなくなってしまったのです。病状が悪化した責任は、私にもあると思っています。夫から家を追い出された後、実家に帰ったから。何が正解なのか。分からず悶々としています。 私のDVを知った後に病状が悪化した 希死念慮が強く入院するはずだった 入院を断られる 実家に帰ったのは間違いだったのか 行政の支援が受けられず実家に頼った 私のDVを知った後に病状が悪化した 父はうつ病にかかって数年になります。悪化し、よくなり、また悪化する――の繰り返しです。 私は夫から家を追い出された後、…
DV被害者の中には、10万円の給付金を受け取るため、駆け込みで住民票を移す人も多いのではないでしょうか。その時、忘れてはならないのが「支援措置」の手続き。住民票は家族やそれ以外の人でも入手できるからです。戸籍も家族であれば入手できます。新しい住所を加害者に知られないために、手続きを忘れないでください。 住民基本台帳事務におけるDV等支援措置 住民票を移す前に準備が必要 私の経験 役場の窓口が混雑する時間は避ける コンビニや自動交付機で住民票がとれなくなる 期間は1年間 債権者や裁判の相手などは閲覧ができる 住民票の移動はよくよく考えてから 住民基本台帳事務におけるDV等支援措置 正式名称が長い…
最近、夫のことを考えると息苦しくなります。最初、新型コロナウイルス感染を疑ったくらいです。強いストレスがかかると、呼吸困難になるそうですね。色んなことを考えて、悲しくて、苦しくて、息を吸うのを忘れているようなんです。いけませんね。 神経を逆なでする文面 私は仕事の都合上、夫と連絡を取らないといけません。電話は着信拒否にし、メールは受信拒否にしました。それでも、かすかにつながっているところはあって、夫が連絡してきます。 必要なことだけ、淡々と言ってくればいいのです。実のところ、そんなに頻繁に連絡を取る必要もありません。でも、DV加害者はそういう常識が通じる人ではないのです。 あまりにああしろ、こ…
DV被害者になって初めて気づいたこと――穴だらけのセーフティネット 給付金支給の圏外で思う
一律10万円の給付金の支給が話題です。別居中のDV被害者で、住民票で夫と同居したままの私は、果たしてもらえるんでしょうか?多くのDV被害者が同居、別居に関わらず、同じことを考えていると思います。世帯主に支給されたら、そのお金が被害者に渡されることは、まずないからです。 世の中のしくみは、DV被害者に全然優しくない。DV被害に遭い、家にいられなくなって初めて、気付きました。国の調査によると、女性の13.8%、つまり7人に1人は配偶者から何度も暴力を受けたことがあるのです*1。あなた自身や、あなたの身内、友人、知人が被害に遭ってもおかしくない。というか、知っている人の中に必ず、被害者と加害者がいる…
家訓が「思いわずらうことなく愉しく生きよ」である犬山家の3姉妹が主人公。長女の麻子は結婚後7年間、夫の暴力に苦しんできたという設定です。それぞれが恋愛や結婚に思い悩みながらも、より良い明日を求めて歩むさまが描かれます。 思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫) 作者:江國 香織 発売日: 2007/06/01 メディア: 文庫 窒息しそうな家の空気感に共鳴 私は夫からのDVに耐えられなくなりつつあった時期に、本書を手に取りました。女性の視点でDVがどんなふうに描かれるのか、長女の麻子がどういう決断をするのか、知りたかったからです。 麻子が家で感じる息苦しさ、窒息しそうな空気感に共感しま…
中村淳彦監修『証言 貧困女子――助けて!と言えない39人の悲しき理由』を読みました。私はもともと正社員で、結婚を機に退職して契約社員になり、それもやめてフリーランスになりました。夫からのDVに耐えかね、家を出ています。読後感をつづります。 作り物ではない、生の言葉にひき込まれる 自分が「貧困女子」だと読んで初めて気付く 思い出したルームシェア時代 私の貧困女子生活 作り物ではない、生の言葉にひき込まれる コロナウイルスの影響で家にいる間、ネットを見過ぎて通信費が高くつくと嫌だからと書店を訪れ、ジャケ買いしました。900円税別なので、冷静に考えると、ネットを見過ぎて増額する通信費と、どっこいかも…
叩かれている安倍昭恵夫人の大分旅行について、DV被害者として感じることがあり、つづります。旅行の是非を論じるものではありません。 夫を気にしない身軽さがうらやましい 夫を優先しDVに遭い家を追われた 首相は良い夫なのでは? 妻である以前に自由意思を持った人間 夫を気にしない身軽さがうらやましい 安倍首相がコロナウイルスへの警戒を呼び掛けた矢先に、昭恵夫人が大分に旅行していたと報道され、批判が相次いでいます。 私はこのニュースを見たとき、ちょっと自分の理解を超えていると思うと同時に、昭恵夫人をうらやましく感じました。そんな気持ちになったことに、自分でも驚きました。 昭恵夫人は「こういうことをした…
勇気を振り絞って逃げたDV被害者が、また加害者の影響下に置かれないために、やってはいけないことをまとめます。私自身、やってしまって後悔したことが少なくありません。被害者は普通より判断力が落ちていたりするので、もし周囲に加害者から逃げた被害者がいたら、気遣ってあげてください。 加害者に連絡を取り続ける 場所が特定できる情報や写真をSNSにアップする 郵便を新居宛てに転送する 通販の送り先の住所を変えないで注文する 加害者に連絡を取り続ける 加害者からの連絡はブロックするのがいいと思います。「思います」というのは、事情によってはそうもいかないからです。 私は事情があって、夫からのメールだけは受けな…
DV被害者が加害者から抑圧された状態を脱するには、加害者と離れ、冷静になる必要があります。ですが、往々にして被害者が離れたがらなかったり、あるいは離れるのをあきらめていたりするので、両者を引き離すのは容易ではありません。加害者と離れるのが重要なこと、でも被害者にそう決断させるのは容易でないこと、周囲からの支援が必要だということを、多くの方に知ってもらいたいのです。 放したがらない加害者と離れたがらない被害者 離れなければ加害者は更生しない 夫の支配から逃れて見える世界が変わった 放したがらない加害者と離れたがらない被害者 被害者は、加害者の考え方を内面化して自分を責めたり、加害者からの精神的、…
2017年に公開された満島ひかり主演映画『海辺の生と死』。これは島尾敏雄と後に妻となるミホの出会いと恋に落ちるさまを描いたもの。原作は、ミホが記した同名の小説です。一方、夫の敏雄は、激しい愛で結ばれて夫婦となった二人の成れの果てを『死の棘』にまとめました。日本文学史に残る名作で、ぜひ多くの方に手にとってほしいと思います。 死の棘 (新潮文庫) 作者:敏雄, 島尾 発売日: 1981/01/27 メディア: 文庫 精神を病んだ妻に許しを請い続ける夫の心理 夫の不倫を知ったミホは精神に異常を来たします。どうしたらいいか分からず右往左往する敏雄と二人の子供たち。不倫をしたけれど、妻を愛している。妻を…
西舘好子『表裏井上ひさし協奏曲』を読みました。私は井上ひさしのファンです。小さい頃は「ひょっこりひょうたん島」を見るのが楽しみで、中学生になると『青葉繁れる』『モッキンポット師の後始末』『ブンとフン』『吉里吉里人』と読み進めていきました。妻との間にDVがあったらしいと、なんとなく知っていましたが、詳しく知ろうとしたことはなかったのです。夫からのDVに耐えかねる状態になって初めて、井上ひさしがどんな夫だったのか知りたいと思い、本書を手に取りました。 西舘好子『表裏井上ひさし協奏曲』ハイブリッド型総合書店honto.jp 前半は痛快な出世譚 暴力をふるった因果としての孤独 平和と人間愛を語りながら…
今週のお題「わたしの部屋」 毎朝、起きると軽いパニックを起こす。自分がどこにいるか分からなくなるのだ。2月に家を出てから、知人宅やカプセルホテル、木賃宿と、点々と泊まり歩いた。この6畳間に落ち着いてしばらくになるけれど、起きて数分間は自分がなぜここにいるのか分からなくなる。布団の中で身をこわばらせ、自分がここにいる事情を思い出し、周りに誰もいないのを確認する。ここは、わたしの部屋でありながら、まだわたしの部屋になり切っていない。 近しい人しか知らない本当の居場所 世間では世帯ごとのマスクの配布が始まったとか。でも、私には関係のない話だ。私がここに住んでいることは、本当に近しい人にしか伝えていな…
コロナウイルスの影響による外出自粛や経済的な困窮で、DVが増えています。DV被害者の目から見ると、マスコミの報道ぶりは、DV加害者の肩を持つものだと感じます。特に、読んで何とも言えない気持ちになったのが、FRIDAY DIGITALに4月8日に載った記事です。 headlines.yahoo.co.jp 本当に一般の人が起こした悲劇なのか 「外出自粛を余儀なくされている一般の人が実際に起こしたDVの悲劇だ」と言いながら、告白するのは中堅出版社の社員。つまり、内輪ネタ。引っかかりを感じながらも読み続けると、延々、妻に暴力をふるった社員の言い訳が続きます。ストレスが積み重なり、妻の遠慮会釈ない言葉…
なぜDVをずっと、ひどいと何十年も受け続けて、逃げないのか。普通の方はこう思うでしょう。私自身、夫から3年にわたって暴力を振るわれながらも、逃げませんでした。なぜ逃げられない、別れられないのか、お話しします。逃げない被害者も悪いと切って捨てるのは、やめて頂きたいのです。 加害者の考えを内面化してしまうから いいときもあるから 正常な精神状態でなくなるから 人に相談しづらいことだから 人間関係を狭められるから 経済的に依存している、あるいはさせられるから 子どもがいるから 加害者の考えを内面化してしまうから これはDV被害者に限らず、ブラック企業に勤め続ける人なども当てはまることだと思います。加…
もし身近にDV被害者がいたら、伝えてほしい情報をまとめました。公共と民間の支援やサービス、一時避難先として使える宿泊費の安い施設など。DV被害者は相談をするまでの過程で疲れ切っていることが多いです。自分で調べる気力もないとき、友人、知人から情報を教えてもらったことで、私はとても励まされ、勇気づけられました。 コロナウイルスの影響で、公共の支援機能が今後落ちてしまうと予想されます。家族や友人、知人からの支援が大切な時期になります。 公共の支援 ・相談窓口 ・警察のDV相談窓口 ・弁護士会などの無料法律相談 ・法テラス 民間の支援・サービス ・自立生活サポートセンター・もやい ・民間のDV被害者支…
日本では女性の3人に1人が配偶者からの暴力を経験しています。地域によってはもっと多いところもあるようです。実は、あなたの周りにもDVの被害者や加害者がいる。多くの被害者が誰にも相談しなので、周囲が気付いていないだけなのです。もしDV被害者が勇気をもって踏み出したら、つまり相談したら、どう受け止めてほしいか、自分の経験からご紹介します。 相談されたらしてほしいこと ○ 1.同じ目線で話してください ○ 2.話を聞いてあげてください ○ 3.最善だと思うアドバイスをしてあげてください ○ 4.力になってあげてください してほしくないこと × 1.夫婦だから我慢しろと言う × 2.あなたにも悪いとこ…
コロナウイルスの流行で、DVが増えると同時に、被害者を救うセーフティネットが機能不全になりかねないと心配されています。ただ、それ以前に、支援の仕組み自体に問題が少なくありません。私自身、支援の網から見事にもれた過去があります。 私自身が枠組みに収まりきらない被害者だった 行政の相談窓口は基本平日の昼のみ 離婚の意思がないと支援対象にならない 一定の貯蓄があると支援対象にならない 色んな人を支援できる仕組みに *追記* change.orgで東京都知事にDVや虐待被害者への支援体制を求めるキャンペーンが行われています。賛同をクリックして頂ければ幸いです。 私自身が枠組みに収まりきらない被害者だっ…
コロナウイルスの影響による外出自粛や経済的な困窮で、DVが国内外で増えています。何が起こっているのでしょうか。被害者を救うために何ができるのでしょうか。 海外でDVの通報が2、3倍に DV被害者は日ごろから孤立させられている 感染拡大で一層孤独になる被害者 DVは被害者のせいではない 暴力で支配するのが楽だから繰り返す 被害者のせいではないと伝えて ひどい状態でも被害者は声を上げられない 海外でDVの通報が2、3倍に 感染拡大が日本より早く進んだ中国と欧米でDV被害の増加が報告されています。DVの相談が中国で通常の3、4倍になった、フランスで外出規制が始まった最初の一週間で通報が3割増しになっ…
コロナウイルスで外に出づらい状況が続いています。日本も含め、世界中で増えているのがDVです。加害者が家にいる時間が長くなり、生活リズムの変調や仕事の減少によるストレスを被害者にぶつけるからです。私自身は、3年間にわたるDV夫との同居から、コロナ流行直前に抜け出すことができました。もしあのまま留まっていたらと思うと、ぞっとします。DVが増える今だからこそ、多くの人にその実情を知ってもらいたい。身近に気がかりな夫婦や家族がいたら、放置せず行動してほしいと切に願います。 コロナウイルスの影響で絶望的な状況に置かれる女性たち 女性の31.3%は配偶者からの暴力を経験 気になったら通報や相談を コロナウ…
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