この春から職場の責任者が変わり、色々なことが目まぐるしく動いていった。 前の責任者は良くも悪くも空気のようで変化を嫌う人だったが、新しく就任したその人はビックリするほど頭の回転が早く、物事を即座に判断する。これまで停滞していたことが動き出したのは非常に良いことなのだが、そのスピードに付いていくのが物凄く大変だった。容赦なく私は怒鳴られ、同僚も先輩も怒鳴られていた。前々から知っているお局さん曰く「アレでもだいぶ丸くなったのよ」とのことらしいが、穏やかな海しか知らない港には荒れた波を受け止める防波堤は無いのである。飛ばされないように、流されないようにしがみつきながら、こういう感覚は久しぶりだなと感…
年の瀬である。 相も変わらず色々あったな、と1年を振り返る。仕事ばかりしている私だが、それなりに恋愛もしていた。付き合っていた人と年を越し、すったもんだの末に夏に破局し、秋からは彼氏持ちの年下の男と不倫関係にある。相も変わらず幸せになれない恋愛をしているな、と思う。 クリスマスイブの前日に、夏に別れた元カレから誘いがあった。彼からはことあるごとに連絡を貰うが、私からはしない。思い上がりでなければ、おそらく彼は私と寄りを戻したいのだと思うのだが、私にはその気が無い。仕事で忙しいからと彼からの誘いを断る。忙しいのは事実だったが、彼といると疲れてしまうのだ。 甘えたがりの彼、甘えたいけれど甘えるのが…
私は友人とドライブをしていた。 前方には夜の環状線、右手にはハンバーガー、左手にはポテトである。 久しぶりにカラオケに行きたいと思っていた私は、友人を誘って行くことにした。都心部のカラオケは人が沢山居そうだから、と避けたものの、少し外れた店舗は軒並休業中であった。そんな中でローカルのカラオケ屋は営業していたので、昼食後に3時間ほど歌いたい歌を歌った。久々に長時間歌ったせいか喉が少し痛くなった。 歌い終えた私たちは、次にどうするか決めていなかった。私は寄り道ができない。目的が無いと家から出ない私は、カラオケを終えたら何時であろうと帰るつもりだった。友人はこの日は私とのカラオケしか予定が無かったら…
大学時代は遠距離恋愛をしていた。 当時お付き合いしていた彼は電車で3時間かかる距離に住んでいた。彼は仕事が忙しく、来てもらうことが難しかったため、少しでも交通費を浮かしたかった大学生の私は、5時間かけてバスに乗って向かっていた。金曜の深夜にバスに乗り、土曜の早朝に着く。早朝に着いた私は、1人でカラオケに行って、仮眠をとって、時々歌って、彼と会える時間まで待っていた。1人カラオケが最初は恥ずかしかったが、何度かそうしているうちに、1人で受付に向かうことが苦では無くなっていった。 そんな私だが、1人で映画館に行くのはまだしたことがなく、けれど久しぶりに映画を観に行きたいと思った私は、友人に連絡をと…
「もしかして誕生日だった?」 友人から連絡が来たのは、3月も終わろうとしていた暖かい日だった。メッセージを遡ると最後に友人と会ったのは昨年の9月。何度かやりとりをしていたが、やりとりも最後は昨年の11月で終わっていた。 私の誕生日は3月の半ばだよ告げると「ご飯に行こう、何食べたい?」と訊かれたので、仕事に疲れていた私は「優しい気持ちになれるもの」とリクエストした。うるせえという小言と一緒に友人が提案した「じゃあマシュマロだな」を却下し、肉が食べたいと再度リクエストした。優しさと肉が繋がらないと言った友人は、翌月の週末にお店を予約してくれ、半年ぶりに友人と会うことになった。 3月が年度末となる職…
出会い系を使ってゲイと初めて出会ったのは、大学1年生の時だった。 高校時代は携帯電話を持っていなかったので、今や廃刊になってしまったゲイ雑誌や、ゲイの個人ホームページだけがゲイの知識であり、東京には色々あるんだなと思いながらも、私は北海道で生活したいという気持ちのほうが強かったので、北海道の大学へ進学した。私は高校の頃から個人HPを持っていて、インターネットにも割と明るかったため、大学で自分の携帯電話とPCを持ち、自分が好きなように活用できるようになってから、地域の出会い系掲示板を探し出すのに、さほど時間はかからなかった。 mixiやTwitterのようなSNSが無い当時の出会い系掲示板には、…
ここ数ヶ月、毎日夜遅くまで仕事をしている。21時を過ぎても「まだ21時か」となり、23時を過ぎた頃に「そろそろ帰る準備をしないと」と私の感覚は麻痺してきている。コロナがどうした、リモートワークなぞクソくらえ、という職場であり、ブラックな職場だと言われれば否定できるものは何一つないが、ようやく仕事が楽しくなってきていたので、体力的に疲れることはあるが、まあ頑張ってやっている。 仕事が忙しくてプライベートが疎かになっているが、そもそも友人が少ないので予定も少ない。そんな少ない予定の中で出会ったゲイに、「あなたにとって仕事って何?」と言われた。 私は少し考えたが、私は仕事は「自分の居場所を守る為のも…
仕事以外であまり外に出る機会が無い私は、服装に悩まされることが多い。どんなところへ何を着て行けばいいかがわからないのもあるが、それ以前に持っている服のレパートリーが少ない。お洒落に疎い私にとっては、スーツ以外の服を着て外へ出かけて誰かと会うこと自体、他の人よりもハードルが高くなる。いっそ決まった格好でしか行けない場所なら気軽に行けるのかと思ったが、いつだか流行った全身白スーツでのパーティーや、某ノーパンスウェットナイトや、お揃いコーディネート旅行なんかの集合写真を見る度に、ここに自分は居られないという気持ちになるので、服装だけの問題ではないような気がしてきた。オシャレな人はいいなと思いながらも…
今の部屋に越して5年近く経つ。前に住んでいた家は隣駅にあり、交通の便はそこまで変わらなかったが、部屋の構造に少し難があったのと、年をとって少し良い部屋に住みたかったのと、色々な踏ん切りをつけて気持ちを整理をしたかったのとで、思い切って引越しをした。その際に家具は冷蔵庫と電子レンジ以外全部変えた。シングルのベッドは良さげなマットのセミダブルにし、地デジ非対応のテレビデオは捨て、パソコン用の机や椅子も一新した。当時付き合っていた人に引越しを手伝ってもらい、結局その人とは私の不貞が原因で別れてしまったのだが、それはまた別の話である。 新調した家具の中で最も買って良かったと思ったのは、洗濯乾燥機である…
最近、週末に会ってご飯を食べる人が居る。5個以上年下だが、落ち着いていて笑顔が素敵な人である。これは恋愛に発展するのかもしれない、と思っていたが、何回か会い、楽しい時間を重ねるうちに、私の中であまり気持ちが盛り上がらなくなってしまった。理由はよくわからない。性的な興味も今はそこまで沸かない。年をとると、恋愛の仕方も変わってしまうんだろうか。そんなことを考えながら、私は友人と電車に揺られていた。 この週末に、私は友人と少し離れたスパ銭に向かった。電車で片道1時間以上、普段はあまり乗らない京王線に乗り、なんだか少し豪華で柔らかいシートに座りながら、私は友人にそんなことを話した。 実は、友人ではなく…
転職先から内定取り消しがあるか心配していたがそんなことはなく、無事4月から新しい職場で仕事が始まったのだが、想像以上の激務が待ち受けていた。転職初日から終業時間は21時を越え、翌日からは22時以降が当たり前になった。東京の緊急事態宣言を受けて、翌週から在宅のスケジュールをグループリーダーが組み、各自予定では週に1回の出勤になっていたが、業務の特性もあって在宅勤務ができたのは4月は2回だけだった。 3月までは定時に上がって有り余った時間を部屋での筋トレに費やしており、おっこれはちょっと筋肉ついてきたんじゃないのとホクホクしていたのも束の間、そんな時間と余裕がなく全然鍛えられなかったため、4月が終…
退職まであと2週間。有給消化もままならず徹夜に近い形で提案書を作らされ、作ってメールを送った挙句に何のレスポンスも示さず提案書の担当箇所を全く作っていなかった担当営業に憤りを覚え、ストレスに任せて甘いものを貪り筋トレもせずに寝た結果、翌朝体重計に乗って絶望した。ストレスに絶望が勝ったのか、甘いものの効果か、一晩寝たら幾分か気が楽になっていた私に、家族のグループLINEに複数の通知が入っていた。 「誕生日おめでとう」 仕事でいざこざしていてすっかり忘れていたが、そういえば今日は私の誕生日だった。 先週までは覚えていて、一人で過ごすのもなんだかなぁと思い、友人に来週ヒマ?と連絡したところ、「週末か…
仕事の話。 毎月定額で月に10回まで整体をしてもらえるというプランが近所の整骨院にあり、1月頃から週2回ほど整骨院で整体を施してもらっている。ここ2週間は毎日筋トレをしているにも関わらず時折腰が痛むので、どういうことなのかと自分の身体に問いただしたいが、問うたところで腹の贅肉はぶるぶると笑うばかりだったので、整体師のお兄さんに聞いてみることにした。「では身体の筋肉がどう使われているのかをチェックするプランがあるのでいかがですか」と言われ、お兄さんの爽やかさと私のNOと言えない性格がシンクロナイズしたため、1,500円程度のオプション料金を支払い、チェックをして頂くことにした。 キャバクラには行…
食にあまり拘りが無く、私は食べたいものを食べたいときに食べるので、案の定ブクブクと太り、年明けに行った健康診断で体重計に乗った際に自身の歴代最高記録を叩き出し、軽く眩暈を覚えた。ゲイ的にはガッチリでもデブでも無いしできれば細い体系でありたいので、ただのブタになってしまうと危惧した私は、2月の後半から食事の量を減らし、家で筋トレを始めた。外食が多かったので、節約も兼ねて夕飯を家で自炊することが多くなった。 とはいえ料理がそんなに好きではない私は、自炊と言っても人が聞いたら鼻で笑いそうなことしかしない。パスタを茹でて出来合いのソースをかけるだけ、これだけである。「パスタは炭水化物の中でも太りにくい…
電車内で妊婦に席を譲ったら、全然関係ない中年男性が悪びれなく割り込んで座り、更に憎まれ口を叩いたとかいう事象についてTwitterで盛り上がるや否や、ネットニュースになったりなんかもして盛り上がる直前のこと。 私はたまたま友人とそれに近い話をしていた。 先日、お付き合いしていた人と別れた話を友人にしたら、いたく心配してくれ、週末にカラオケに行くことになった。カラオケの前にご飯でも食べようと、近くにある美味しい洋食屋に連れて行ってくれた。相変わらずこういうところはちゃんと調べてチョイスするなぁ、とここ数年はほぼ松屋か福しんでしか夕飯を食べていない私は唸る。福しんで冬に限定で登場するニラそばがお気…
何年か付き合っていた人と、先日別れを迎えた。 彼は別れたくないと言っていたし、私も別れたくはなかった。 彼のことは好きだった。 だけど、お互いにお互いを理解することが本当に難しくなってしまって、私がボロボロになって耐えられなくなってしまった。同じ部屋で暮らしていて、自分が当たり前だと思っていたことが、彼にとっては当たり前ではなくて、なんでわかってもらえないんだろうと思うことが毎日続いた。好きという気持ちだけで今までなんとかやってきていたけれど、自分が大切にしたいと思っていたことを大切にしてもらえない日々を過ごすうちに、好きかどうかもわからなくなってしまった。 彼のほうも理解しようと努力はしてく…
職場の話。 私は現在、大学で派遣職員として勤務している。とはいえ、大学との契約が派遣というだけで、別の会社(ここでは本社と記述する)の正社員である。大学内の業務を業務委託として請負うために、派遣職員という形で所属し、業務の分析を行い、提案し、委託化するといったミッションを持っている。私は、業務委託を請負う本社の正社員なのである。昨年5月下旬に入社したので、まだ1年も経っていない上、全く知らない業種に1人で放り出されたため右往左往していたが、(自分で言うのは憚られるが)持ち前の能力とコミュニケーション力で無難にこなし、しかも新規開拓の職場で1人派遣で入っているところを、4月から2~3人の業務委託…
弟の話。 年末年始に特に予定は無く、一人で紅白を観るのもなんだか味気無いなと思い、仕事を納めてから割とすぐに、実家に帰ることにした。母に訊いたところによると、年が明けてからは、弟家族も妹家族も実家に集合するとのこと。家族、という表現をしたが、弟も妹も結婚しており、共に子供が3人ずつ居る。つまり私にとっては甥と姪が、両親にとっては孫が、現在6人いる。両親と私を含めると、年始は13人が実家に居ることになる。 年末は両親と3人でのんびりだらだら過ごし、年が明けて妹家族が到着してから一気に実家は嵐のようになった。妹の子供は一番大きくて5歳、一番下は0歳。遊ぶ、笑う、喧嘩する、泣く、眠るを繰り返し、あら…
弟の話。 「今度東京に行くんだけど よかったらご飯でも食べない?」 弟から連絡が来て衝撃が走った。 弟と二人でご飯を食べる。 それだけ聞けば大したことないと思われるかもしれないが私にとっては一大事だった。 なにせ弟とは普段全く連絡をとらず二人だけでご飯など行った事が無い。 LINEの履歴を見てみると、弟から最後に連絡が来たのは2年前。しかもその内容は「年賀状を送るから住所を教えて」というものだった。 とはいえ、弟から誘ってくるなんてこれは何かあるのかと勘繰ったが折角なので会うことにした。自分はその日仕事だったので終わった後に職場の近くで待ち合わせて適当に居酒屋で一杯呑んだ。 私は今年になって転…
今まで付き合ってきた人は付き合う前に身体の関係があったが唯一そうでなかった人がいた。 付き合った人としかしないと言われ付き合ってから初めてしたのだが結局私の不貞で別れ話になった時に 「あなたとのセックスは最悪だった 全然気持ちよくなった」 と言われたのは生涯忘れないと思う。 下世話な話だが、私は付き合う人の条件として「セックスが飽きない」を挙げている。 他にも色々条件はあったりするのだが長続きする要素のひとつとして私の場合はこれがある。 私と友人はあまりそういった話はしないが友人は当時付き合っていた彼氏とセックスが無いことを悩んでいた。 正確に言えば、友人というよりも友人の彼氏のほうが悩んでい…
友人と出会って1、2年経った頃だろうか。私は友人に旅行に誘われた。 「来月、俺の誕生日なんだけど 一緒に旅行に行かない?」 行き先は某避暑地。1泊2日のお泊り旅行だった。 「でもさ、誕生日なんだから 私じゃなくて彼氏と行ったほうが 良いんじゃないの?」 「そこなんだが」 友人には当時彼氏がいた。しかし遠距離恋愛であったので私も会ったことがなく、どんな人物なのかもよく知らなかった。 「最近上手くいってなくてさ しばらく連絡もとってない」 元々は彼氏と2人で行く予定だったらしく旅行の計画を1人で立てていたのだが、関係が微妙なので一緒に行くのをやめて他の人を誘うことにしたらしい。 「誕生日だし、それ…
友人との出逢いはTwitterだった。 当時はまだ今ほど始めている人が少なく私も手探りで呟きながら良い出会いが無いかと探しながらなんとなく使っていただけだった。 学校とかで休み時間になると自然と人が集まるタイプっているけど人が増えてある程度の数になると現実でもインターネット上でもカリスマというかアイドルというかキラキラした人が出てくる。 それはTwitterでも同じで。まだツイドルなんて言葉が生まれる前。脱ぎ垢や裏垢という概念が存在しない頃。 面白いことを言う人達のことをネタクラスタなどと呼び始めていた頃。みんな同じ時期に始めたはずなのにぼちぼち注目される人が出始めていた。 彼は、少なくとも私…
SNSで炎上する案件が増えている。TwitterはSNSではないという話があるがここでは十把一絡げにしてSNSとしよう。 炎上について様々な意見があるが私は「奥ゆかしさの消失」だと思う。 ダイバーシティが叫ばれ同性パートナーシップが登場しLGBTうんたらな話が賑わう昨今で時代錯誤だと言われるかもしれないが私が伝えたいのはそういうことではない。 "I love you"を"月が綺麗ですね"と言ったり"私と結婚してください"を"君の作る味噌汁を毎朝飲みたい"と言ったりはたまた "真冬の寒い深夜頃"を"電気ストーブの低いノイズと 君の寝息がとける頃"と言ったりなんていうか、私はそういうのが好きだ。 …
私は以前、友人との話をマンガにしてTwitterに載せていたことがあった。 絵は時々描いていたが久しぶりでしかもマンガを描きだしたので文字列での私しか知らない人にはビックリした事案かもしれない。 3月で仕事を退職し転職活動をしていたのだが日中朝から晩まで転職活動はできずどうしても時間を持て余してしまう。私の性格上ダラダラ過ごしてしまうのでいつか買おうと思っていて買えなかったペンタブとお絵描きソフトを購入し腐る前に趣味に没頭することにしたのだ。 「エッセイストになったの?」と知人から言われたがエロやギャグを描く力が無いので淡々と友人との話を描いていただけだ。 マンガを20個ほど描いたところで私と…
私はイケメンではない。 以前、元彼に私の容姿レベルを聞いた際「程よく手を出し易いブス」と揶揄されそれはそれで腹が立つ表現ではあるがつまり客観的にもイケメンではない。 そんな私は恋愛を確率論で考える。あの人と知り合える確率はこれくらい。セックスができる確率はこれくらい。付き合える確率はこれくらい。 その確率とフられたときのダメージを天秤にかけて動くのである。 イケメンはサイコロを振らない。 容姿が評価され得をする世界では私の用いる天秤など使わなくとも大抵の男は手に入れられるのである。 好意をもたれることが多い分自分への接し方がどうあるかで好意の有無を判断できる余裕もありそれがしばしば魅力に輪をか…
とても良い天気である。 GWに山登りをするために私と友人は電車に乗っていた。 久しぶりの非日常な世界に私は幾分興奮していた。行く前は腰が重いけれどいざ行くとなんだかんだ楽しめる。 「Twitterとか見てるとさ 色んな人がドコ行ったココ行ったって やっぱりなんだか羨ましいんだよね」 殆ど旅行に行かない私は本音を漏らす。行けばいいと思われるかもしれないが行く友達も行きたい場所も思いつかない。 友人は「そうだよね」と言った後、「たしかに、何人かで旅行って 楽しそうだし、いいよね」と続けたが、私は疑問を感じていた。 「そういえば、よく旅行とか行くけど 大抵1人か2人で行ってるよね?」 そうなのだ。友…
いくつになっても、怒られるのは嫌だ。 悪いことをしたときに注意されあわよくば叱咤され、叱責され嫌な気持ちになったことはおそらく誰にでもあると思う。 そして怒られた時は怒っている相手を嫌いになるのもよくある話だと思う。 その結果、人の行動基準は「怒られるか」「怒られないか」になり優しい人の定義は「怒るか」「怒らないか」になったりする。 友人は、好き嫌いがハッキリしている。 いや、好き嫌いと言うのは正確ではない。彼の中での善悪が非常に明確なのである。 あれは良い。これは悪い。 しかもなんとなく、とかではなく1つ1つの判断に根拠をもっている。そしてそれを相手にズバッと言える。 それが故か優柔不断な姿…
人と会うのが苦手だ。 といっても会うこと自体は苦手でなく初対面でも割と会話はできる方だと思う。 行きたい場所が無いのだ。 幼い頃から絵を描いたりピアノを弾いたりゲームをしたりとにかくインドアな生活をしていた為か外に遊びに行くことについてはそもそも行きたいところがないので計画すら立てられない始末である。 かといって外に行くのは嫌ではなく誘われれば尻尾を振って付いていくし行ったら行ったで楽しめるのだ。 ただ、何をしたいかと訊かれてもアレがしたいコレがしたいという欲求が他の人よりも極端に少ないと思う。 でもSNSとかで誰かがどこかで何かして楽しそうにしている姿を見るといいなぁ~とも思う。が、自分から…
友人の家でなんとなくだらだら過ごした後なんだか小腹が空いたと主張したら「何か作ろうか?」と言ってくれたが手間をかけさせて悪いかなと思い「外で食べたい」という私の一言で外食をすることになった。 来た時は晴れていたのに今はどんより曇り空。 「なんだか雨が降りそうだね 傘もってきてないや」その言葉が引鉄になったのかどうかそれはわからないが、友人が話し始めた。 「傘を買う彼氏が許せなくてさ」 数日前の話。友人とその彼氏は、私たちと同じように友人の家を出発したところだった。 駅までは歩いて10分。家を出て5分くらいしたところでポツポツ雨が降ってきた。 「家に戻って傘を取りに行こう」 友人が彼氏にそう提案…
「ブログリーダー」を活用して、うしじまさんをフォローしませんか?