季節は年が移り変わり新年を迎え、仕事初めがあっという間に訪れた。全てをキュヒョナに告白し、この日をどう迎え、どんな顔をしてキュヒョナに会えばいいかなんてまったく分からなかった。結局僕達はお互いにどこか気まずさを感じながら仕事をし、以前のような関係には戻ることはできなかった。どこか心苦しさを感じつつも、僕はどうすることもできずに日だけがただただ過ぎて行くばかりだった。ふと、カレンダーを見るともう1...
(Jongwoon side) キュヒョンが1人で暮らすマンションを訪れ、部屋の合鍵で鍵を開けた。クリスマスイブにコロナ感染とかつくづく気の毒に思ってしまう。いや、あいつに恋人なんていないから別に気の毒に思う必要はない。シーンと静まり帰った廊下を歩き、キュヒョンの寝室のドアをノックしそっと開けた。「キュヒョナ、大丈夫か?」俺の声にキュヒョンはベッドから身体をゆっくり起こした。「…ヒョン?来たんだ…コロナ移ったらどう...
『僕達、たまにこうやって会いませんか?』彼と連絡先を交換して数週間が過ぎた。気付けば明日はもうクリスマスイブ。でも、だからと言って連絡する勇気も無く今に至る。なんであんなこと言っちゃったんだろ…『好きになったら困る』とか言われてなんか屈辱感半端なくてやっぱり思い出すと恥ずかしかったり悔しかったり。無駄に携帯にある彼の番号をもう消そうとも思ったけどそこまでしなくても?と思ってしまう。いや、せっかくの...
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季節は年が移り変わり新年を迎え、仕事初めがあっという間に訪れた。全てをキュヒョナに告白し、この日をどう迎え、どんな顔をしてキュヒョナに会えばいいかなんてまったく分からなかった。結局僕達はお互いにどこか気まずさを感じながら仕事をし、以前のような関係には戻ることはできなかった。どこか心苦しさを感じつつも、僕はどうすることもできずに日だけがただただ過ぎて行くばかりだった。ふと、カレンダーを見るともう1...
「僕達、マッチングアプリで出逢ったんだ」「…え…?」こんなこと言ったら、きっとキュヒョナに嫌われてしまうかもしれない。けど、全てを隠さずに話すと僕は決めた。「恋人にフラれてむしゃくしゃしていた僕は、女のふりをしてマッチングアプリを利用しておじさん達からお金をもらおうとしてたんだ。いわゆる、パパ活ってやつかな…」「…お前が…?」キュヒョナは酷く動揺していた。無理もない、親友がパパ活なんて受け入れられるは...
彼に抱かれた熱がまだ身体に残る中、ベッドに入って眠りにつこうとしていた。彼の匂いが染み付いたシーツを嗅いで、もう会いたくなってしまう。その時、電話が鳴った。相手はジョンウンさんだ。もう時刻も日付けが変わろうとしていた。どうしたんだろ…?「もしもし?」『もしもし?寝てた?』なんだかやけに元気の無い声に心配になってしまう。「どうしたんですか?こんな遅くに?」『いや…またリョウギの声が聞きたくなって…...
真っ白なシーツの上でベッドを軋ませ、互いをどこまでも求め合う。もう何回共に達しただろうか?汗ばんだ身体を揺らし、快楽に溺れていた。激しさを増す吐息を重ね、絶頂を再び迎えようとしていた。「…あっ…はぁ…リョウギ…!」彼の細い指に俺の指を絡め、どこまでも熱く火照ったその指先からの熱を感じる。肌と肌がぶつかり合う音が卑猥さを増す。「….あぁっ…ジョウンさん…もっと…来て…」瞳を潤ませ熱く火照ったリョウクの身体が...
(Jongwoon side) 今まで生きてきて、自分の頭の中を100パーセントも占める存在なんて誰もいなかった。四六時中相手のことが頭から離れなくて、そんな会いたくて堪らない存在がいるだけで嬉しい。恋をすると、どこか色を失っていた毎日が本当に色鮮やかになる。いつも見ている何気ない風景が鮮明に見え、心が弾む。それだけでも、自分がやっと人間らしくなれたんだと嬉しくなる。今年度の仕事納めも無事に終わり、次の日は特に予定...
仕事納めの帰り、事務所近くの居酒屋でキュヒョナと待ち合わせをした。キュヒョナが来る前に僕はチャミスルの瓶を一つ空け、飲んでいた。僕とジョンウンさんのマッチングアプリでの出会いは否定されるかもしれないけど、恋人に発展したことはきっと受け入れてくれるよね?それにしても、話しがあるって言ってたけど話しって何だろう…?少しの緊張と共に、良いが回り始めた頃キュヒョナが店に入って来た。「リョウギごめん!待っ...
事務所に、お歳暮を持って年末の挨拶に来たチョン社長を目にしてあの日の記憶がフラッシュバックする。『リョウクくん、ジョンウンくんとデートかね?』あの日のデートの目撃者……非常にまずい!!「チョン社長じゃないですか!昨年は大変お世話になりました!」キュヒョナが背後からチョン社長に挨拶をする。「こちらこそ、昨年は大変世話になった。君達に感謝している」チョン社長にあの日の話題を出されないうちに、ここはキュ...
(Ryowook side) 朝、目が覚めると彼の綺麗な横顔がすぐそばにあり心臓が飛び跳ねる。「…そういえば…」昨日はだいぶ酔ってたけど記憶はちゃんとある。どうもお酒を飲んでしまうと大胆になってしまうから困る。昨日の夜の出来事は一つずつ整理する。僕達の関係ってどうなったんだっけ…?僕は彼に好きだと伝えたことは覚えてる。でも、彼はどうだったっけ…?『君と恋をしたいと思う』その言葉を思い出す。ってことは…ジョンウンさ...
『あなたにまた抱かれたいです…』色付いた視線を向けられ、その紅く染まる頬に触れてみたい衝動を抑えきれないくらいに甘い誘惑に惑わされ、その誘惑に負けてしまいそうだった。「一瞬の衝動で関係を持てばきっと後悔する。それに、『割り切った関係でもいい』なんてそんなこと言うもんじゃない。君はだいぶ酔ってるみたいだ。今日は帰ろう」「そんなの…ジョンウンさんあなたほんと酷い人ですね…」「何が…?」「じゃあ何で今夜僕を...
(Jongwoon side) 今まで、誰かと一緒に過ごす時間はどこか退屈だと感じて来た。恋人になった女性のどうでもいい自慢話しや誰かの噂話し。早く時間が過ぎないかといつも時計を気にしていた。けど、彼と過ごす時間はそうじゃなかった。彼の存在が全然邪魔じゃなくて、このまま時が止まってしまえばいいのにと思えるくらいに穏やかで優しい時間だった。その中に感じる胸の鼓動。彼を見つめて揺れる鼓動に焦りを感じた。キュヒョンが...
(Ryowook side) キュヒョナと初めて出逢った日のことを今でも鮮明に覚えてる。少し人見知りな僕に、フワッと笑顔を向けてくれた彼の姿を。彼に当たり前のように惹かれ、恋に落ちた。でも、その恋心は彼への嫉妬と劣等感で壊れてしまうことになる。誰にも打ち明けることもなく、ひっそりと閉じてしまったこの恋心をキュヒョナのお兄さんに語る日が来るなんて、夢にも思わなかった。「今日は荷物一緒に持ってもらってありがとうご...
クリスマスイブの華やかな街中を、買い物袋を手にぶら下げて歩く。正直、クリスマスイブに買い物袋をぶら下げているなんて俺達くらいだろう。「すみません…買い物袋なんか持ってもらって…恥ずかしくないですか?」「まあ、正直クリスマスイブにこんな姿は恥ずかしいかも」俺は冗談混じりに笑う。「すみません…」「いいよ。君のこんな姿見たらほっとけるわけがない」それに、こんなことキュヒョンが知ったら怒られるかもしれない...
(Jongwoon side) キュヒョンが1人で暮らすマンションを訪れ、部屋の合鍵で鍵を開けた。クリスマスイブにコロナ感染とかつくづく気の毒に思ってしまう。いや、あいつに恋人なんていないから別に気の毒に思う必要はない。シーンと静まり帰った廊下を歩き、キュヒョンの寝室のドアをノックしそっと開けた。「キュヒョナ、大丈夫か?」俺の声にキュヒョンはベッドから身体をゆっくり起こした。「…ヒョン?来たんだ…コロナ移ったらどう...
『僕達、たまにこうやって会いませんか?』彼と連絡先を交換して数週間が過ぎた。気付けば明日はもうクリスマスイブ。でも、だからと言って連絡する勇気も無く今に至る。なんであんなこと言っちゃったんだろ…『好きになったら困る』とか言われてなんか屈辱感半端なくてやっぱり思い出すと恥ずかしかったり悔しかったり。無駄に携帯にある彼の番号をもう消そうとも思ったけどそこまでしなくても?と思ってしまう。いや、せっかくの...
なんだか昨日彼に会ってから、恋も始まってないのにフラれて頭の中でグルグルと考え過ぎて眠れるはずもなく、今日の朝に至る。事務所で眠気覚ましのコーヒーを淹れ、席に座り軽くあくびをした。そうだ…彼はノンケだからああいう言い方になるのも無理はない。彼なりの自己防衛ってやつ?彼の表情や言葉にときめいていたのは確かだ。それを察しちゃったかな…?ハイスペック男子が自分に自信が無いわけがない。でもなんか悔しい〜!...
彼は僕の本当の姿を知りたいと言ってくれた。だから、彼に伝えてもいいんじゃないか…「ジョンウンさんあの…僕は性同一性障害なんです。だから、僕は恋愛対象が男なんです」こんなこと、キュヒョナと親くらいしか知らない。あまりよく知りもしない彼にカミングアウトするなんて危険行為だとは分かってる。「だから、この前のことであなたが責任を感じる必要は全くはありません。誘ったのは僕だし…」「…ああ…そういうことか…」「引...
(Ryowook side)目と目が合った瞬間、心臓の鼓動が足早に動きだしていた。『君の本当の姿を知りたいんだ』せっかくあの日のことを忘れかけていたのにどうしてそんな言葉を…「でも…ジョンウンさんに申し訳なさすぎて合わせる顔がありません…」「本当の君を知ればもっと許すことができるかもしれない」そうだ…正直にちゃんと彼に伝えればいいんだ。あの日の気持ちも全て全部…「じゃあ…隣に座ってもいいですか?」「ああ」追加注文し...
(Jongwoon side) 週末は、カフェでゆっくりコーヒーを飲みながら本を読むのが好きだ。普段は保険会社の営業として慌ただしい日々を過ごしているから、カフェの心地良い空間とゆっくり流れる時間がたまらなく好きだ。クリスマスを前にして街中が賑わう週末、いつものようにカフェで本でも読もうと立ち寄った。カフェ巡りは趣味の一つでもある。このカフェは、こだわりのコーヒーと落ち着いた雰囲気が印象的で気に入っていた。その...
(Ryowook side)「お互いにとって毒のような存在か……」僕は、ハァっと深いため息をついた。彼に言われた言葉なんてもう忘れてしまえばいいのに、そんなことできないくらいにどうやら僕は深く傷付いているようだ。仕方ない…自業自得なんだ自業自得。全部僕が悪いんだ。「どうした地面に穴が空きそうなくらいため息ついて?」キュヒョナに深いため息を見られてしまいドキっとなる。「いや…何でも…」「俺には言えないようなことでも...
(Jongwoon side) 会計事務所から職場に戻り、気持ちを落ち着かせる為に熱いコーヒーを一口飲んでフゥっと息を吐いた。クールな表情を装っていたが、内心は全然穏やかではなかった。まさか、彼がキュヒョナのいる事務所で働いているとは…あの子、やっぱり年齢も詐称してたんだな…つくづく呆れてしまう。そこまでして金が欲しかったのか?ふと、上着のポケットに押し込まれたお札を思い出した。「一応罪悪感はあったんだな…」お札を...
互いに昂り始めた熱は冷めるはずもなく、街外れにあるホテルへとやって来た。人生30年近く生きてるとこういう場所は初めてではないはずなのにやけに緊張してしまう。部屋に入るなりキュヒョンに背中を抱かれ、俺の耳に唇を寄せその唇が滑り落ち首筋に辿り着く。「…あっ…まだシャワー浴びてない…」「もう1分1秒も我慢できないんですけど…」キュヒョンに軽く首筋を吸われただけで身体がビクんと揺れる。何だか今日はいつも以上に身...
どのくらいの時間二人で飲んだだろうか?すっかりリョウクは酒に酔い潰れ、そろそろ失恋のヤケ酒も終わりを迎える時間だろう。「リョウギ、大丈夫か?」「はい…」フラフラ状態のリョウクの肩を抱き、外に出た。「….よかったら僕の家で飲み直しませんか…?まだまだ失恋のヤケ酒は足りないみたいです…」「まじかよ…これ以上飲んだらお前ヤバいだろ?」「今夜は一人でいたくないんです…責任取ってくださいよ〜…」リョウクが俺の腕に...
週末で賑わう店内に入り、リョウクと横並びにカウンター席に座った。とりあえず互いにビールを注文し、乾杯をした。見た目は酒なんて弱そうなリョウクだが以外と好きらしく、見ていて気持ちの良い飲みっぷりだった。酒を飲みながらリョウクの仕事の相談に乗った。やっぱり俺の感じた通りリョウクは仕事熱心で純粋な子だと言うことに間違いは無かった。「ジョンウンさんありがとうございます!結構自分で抱え込んでしまうタイプなん...
週末の土曜の夜、今更約束を断われるはずもなくリョウクとの飲みは仕事が終わったらそのまま一緒に店まで一緒に行くことになっていた。「ジョンウンさんすみません、ちょっと仕事でミスってしまってヒヤリハット書かないといけないので下で待っててもらっていいですか?」「ああ、分かった。ロビーで待ってるから」「分かりました!急いで行きますから!」荷物をまとめ下へ降り、ロビーのソファーにでも座ってリョウクを待とうと...
なんか知らないが…俺めちゃくちゃキュヒョナを怒らせてしまったのか…?見たこともないようなキュヒョンの表情に身震いしながら部屋の扉の前までやって来た。「じゃあ、着替えてシャツ持って来るからちょっと待っ……」「言ったじゃないですか、俺が脱がしてあげるって…」部屋の鍵を開けるなりキュヒョンの唇が重なって来てそのまま倒れるように玄関で抱かれる。「…んっ…キュヒョ…ナ…待っ…」息ができないくらいのキスを浴びせられなが...
少し残業をし、帰るのは8時前になってしまった。今日の夕飯はどうしようか?とぼんやり考えながら職場を出ようとした時だった。「あれ?ジョンウンさん今帰りですか?」「キュヒョナ?まだいたのか?」「はい、少しトラブルがあって遅くなりました。良かったら今日も俺の家に…」「お前の家には絶対行かない!!今日はゆっくり寝たいんだ」「そうですか」キュヒョンがクスリと笑う。「じゃあ、家まで送って行きます。夜1人歩かせ...
「どうしよう…着替え持って来てないんだけど…」次の日、昨夜キュヒョンに抱かれて眠気とダルさの中朝食を食べている途中、着替えがないことに気づいた。昨日はキュヒョンの家に泊まるつもりじゃなかったから着替えなんて用意してるはずもなく、かと言って昨日の服を来て行くわけにも行かず。「今から家に服を取りに帰って来る。急げば始業時間までには間に合うよな?」「ジョンウンさん大丈夫ですよ。俺の服貸しますから」「キュヒ...
(Jongwoon side)全ては嘘から始まった。俺は、同僚達との罰ゲームに負けある男に愛の告白をするという悲惨な罰ゲームを背負わされた。木っ端微塵にフラれるのが目的だった。けど、その男は…俺のことを密かに愛していた。 今年も厳しい寒さの冬を終え、春が訪れ5月になろうとしていた。俺は1年で1番この季節が好きだ。暖かいからとか新しい出逢いがあるからとかじゃなくて、また1つ先輩になれるからだ。長男気質とでも言うのだろ...
読者の皆様へ青い鳥を最後までお読みいただきありがとうございました♡途中、だいぶ更新に間が空いてしまいましたがそれでもお待ちいただき読んでくださった皆様本当にありがとうございました(╹◡╹)一度閉館したものの、何故か書かなくなったら書きたくなるとい事態に陥りお恥ずかしながらも戻って来てしまいました。お話を考えたり書くのは大変ですが、やっぱり妄想は楽しいです。今回のお話しはクリスマスのお話しでしたがもう春...
(Yesung side) 朝、目が覚めたら何だか不思議な感情に襲われた。ずっとずっと、長い夢を見ていたような…それに、酷く誰かを愛していたような…「何で俺はこの部屋で眠っていたんだ…?」自分の部屋ではなく、使われていない空き部屋で眠りから覚めた。ドアをノックする音が聞こえシウォナが入って来た。「イェソン様、こんな所にいらっしゃったんですか?部屋に姿がないので心配しました。朝食の時間はとっくに過ぎております」「す...
この苦しみから解放されたくて、魔女から受け取った薬に口を付けた。あなたに触れられないのなら…あなたが誰かといずれ結婚するのなら…僕は鳥に戻り全てを忘れることにしよう。そう覚悟を決めて薬を口に含んだ。けど、その薬を飲み込むことはできずに結局吐き出し水に流して捨ててしまった。イェソン王子と過ごした日々を忘れることなんてできない…いや、忘れたくなんかない。全てを忘れて鳥に戻るくらいなら僕は….その時、ドアを...
(Rowook side)人間になってどれくらいの月日が流れただろうか…?もしかしたら僕は、人間として生きる時間があまりにも長過ぎたのかもしれない。あの人のそばにいれるだけで、ただそれだけで良かったはずなのに僕の心はどんどん欲が増して行った。あの人に触れてしまえば僕は雪となって消えてしまうのにその手に触れてみたくて、触れてほしくて、心が壊れてしまいそうなくらいに苦しかった。『明日、俺と一緒に踊ってくれないか?』...
リョウクは不思議な人間だ。まるで心が通じ合っているかのように森の動物達と会話している時がある。それに、歌うのが好きなリョウクの歌声は、まるで鳥のさえずりのようにどこまでも美しい。リョウクが森で生まれ育ったかのように森と共存しているかねように感じることもある。リョウクを探しに森を訪れた。リョウクは昔から城の隣にある森が好きでよく訪れていた。以前はこの森でよく一緒に遊んでいたが、最近は森で本を読むの...
リョウクを見つめる1人の若い男の家臣。俺は、その男の首根っこを力強く掴んだ。「わぁっ…!!イェソン様どうされましたか!?」「お前、今リョウギの尻をいやらしい目で見てただろ?」リョウクへの男の視線が気に食わなかった。「そんなの誤解ですって…!!」「イェソン様、手を離してあげてください。その者はそのような卑猥な人間では決してありません」「…すまない…」リョウクの言葉に掴んでいる手をスルリと離した。いつか...
(yesung side) 今年もまた、秋が終わりを告げこの国に冬がやって来る。冬と言ってもこの国は比較的1年を通して温暖な気候なので厳しい寒さは無い。国の王子として、次期国王として宿命を持って生まれた俺は今年で15の歳を迎えていた。そして、今年もイエス・キリストの降誕を祝うパーティーが城で賑やかに行われる。いくつになってもクリスマスは心がわくわくするものだ。たくさんのご馳走を囲みながら城のもの達がダンスを踊る。...
(プロローグ) 昔々の物語です。ある国の城の隣りにある森の中に、それはそれはとても美しい青い鳥がおりました。誰もが見惚れる程の美しい青い羽を持ち、その瞳も吸い込まれてしまいそうな程の青い瞳をしていました。それ程までに美しい姿を持つ鳥は、度々人間に狙われることもありました。そして、ある日森の中に足を踏み入れた人間の矢に身体を射られてしまい、そのまま地面へと叩きつけるように落ちてしまいました。「ヒヒ、こ...