小説・「アキラの呪い」(14)
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 両親はもうすぐ10時になろうかという頃に合わせて起きてきた。少し遅い朝だった。父が先に起きて、ついでに母を起こして連れてきたらしい。父も母も朝が弱いわけではない。やはり昨日の酒が効いたんだろう。 両親が起床して30分も経たないうちに一悶着あった。姉がゴミ袋に貯めた大量の「ゴミ」を母が目にしたのだった。母は娘を愛していたし、娘が生きてきた軌跡をが失われることを恐れていた。 「晶、これ、どうするの?」 「捨てる」 「……なら、私にくれない?それならいいでしょう」 「捨てるって決めたの」 「あんたが捨てるならもう、あんたのものじゃないわ…
2024/02/29 15:57