『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック|夢は壮大、現実は残酷
『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック 大浦暁生/訳 新潮社[新潮文庫] 2024.03.24読了 スタインベックの名作の一つであるが、まだ読んでいなかった。勝手に子ども向けのストーリーかと思っていたのだが、ラストは息を呑むほど苦しくなり心がえぐられそうになった。こうなるしかなかったのだ。この短い作品でこれだけの強烈な印象を残す小説は世にそんなに多くはない。 身体の大きさも頭の良さもまるで正反対のジョージとレニーは、日雇い労働者として各地を放浪している。2人には大きな夢があった。土地を買い、小さな家を持ち、自分たちの楽園としてのびのびと暮らす。レニーはウサギを飼って面倒をみる。 図体が大…
2024/03/31 11:07