みなさま、あけましておめでとうございます。何はともあれ、新しい年を迎えられたのはよいことで、おめでたいことです。一方で、元旦から一体何なんだよ!!と日本中から声が上がっているのも事実です。旧Twitter(私は青い鳥が好きだ)では、改元しろ、大仏を建立しろのツイが溢れかえっています。何しろ、令和になってから本当碌な事がありません。失われた30年と呼ばれた平成が懐かしくなるほどです。改元はその昔は珍しくも何...
神社仏閣・日本神話・古代史について語ります。 好きな神様は出雲系・水神様・龍神様。 仏様は定義山西方寺を崇敬。伊達家家臣の末裔です。
スサノオ様・スセリヒメ様・クシナダヒメ様推しです。 日本の神話は現実の古代史を反映している派なので、謎解き記事を書いています。 神話情報に偏りがちなので、考古学方面も勉強中です。 呪術都市仙台の話題も。
古事記によると、アシナヅチも稲田宮主須賀之八箇耳神で、こっちはこっちでいかにも王の名前です。ただし、こちらのスガノヤツミミ神という名は、スサノオがアシナヅチに与えた名前だという記述になっているので、始めから持っていた名なのかどうかわかりません。日本書紀は、本文よりも異文の方に謎解きの鍵が多い気がするので、古事記の《童女》発言と合わせると、スサノオが出雲に来てまず初めの妻としたのは、稲田宮主賛狭之八...
今まで、ヒメヒコ制で統べていたであろう兄妹神を何度も語ってきましたが、同時に姫神の所に婿入りしてきた男神が新たな政治王になる、というパターンも見てきました。例えば 大屋毘古×大屋津比売 ※抓津比売との関係は不明 アシナヅチ×テナヅチ 長髄彦×ミカシキヤヒメ(長髄姫) 射楯神(五十猛)×神屋楯比売(スセリヒメ) ※私見 大年×宇迦之御魂(スセリヒメ?) ※推定 狭穂彦×狭穂姫 ※ヒメヒコで国を治めようとしたが...
《速日》はさておいて、ここから本筋に戻ります。肥国については到底私の手に負える訳がないので、國學院大學にお任せします。また、古事記おじさんの『21世紀の視点で古事記を読む』【27】もお勧めです。筑紫国由来の血筋が「クシ」で、豊国由来の血筋が「トヨ」だとしたら?私は、諸々の理由で、蘇我氏は出雲の系譜なんじゃないかと思っていたんですが、どうしてもその仮説を阻むものがあったのです。それが「豊」。蘇我氏は皇...
以前、ある情報を得て「豊」と「櫛」の元はこれだ!!…と思っていたのにすっかり忘れていて、先日別経路から同じ情報に再度出会ったので、もうコレ運命かもしれない。古事記の国生み神話なんですが、次生、筑紫島。此島亦、身一而、有面四。面毎有名。故、筑紫国謂、白日別。豊国、言、豊日別。肥国、言、建日向日豊久士比泥別。熊曾国、言、建日別。訳:(隠岐と壱岐の)次に、筑紫島(九州)を生んだ。この島は体がひとつで4つ...
祇園信仰の八坂神社がスサノオ様の八王子として挙げるのは以下の順です。・八島士奴美命 - オオナムチ自身かオオナムチの先祖・五十猛命 - 大屋毘古命と同一神とされることもある・大屋津比売命 - 五十猛命の妹・抓津比売命 - 五十猛命の妹・大歳神 - ニギハヤヒ・宇迦之御魂神 - 稲荷神・大屋毘古命 - 五十猛と同一神とされることもある・須勢理比売命 - スサノヲの愛娘として登場するオオクニヌシの正妻これ、確かにスセリヒメが...
……と、タイトル通りのことを、私は予てから思っていました。名前がお揃いの場合がわかりやすいのですが、別の場合も有ります。兄:大屋毘古(オオヤビコ/五十猛)妹:大屋津比売(オオヤツヒメ)妹:抓津比売(ツマツヒメ)兄:長髄彦(別/トミヤビコ)妹:長髄比売(別/トミヤヒメ・ミカシキヤヒメ)兄:大年妹:宇迦之御魂(性別不明だが女神像がある)兄:阿遅鉏高日子根神(アジスキタカヒコネ)妹:下照比売(シタテルヒメ/高...
という訳で、1.コノハナサクヤヒメの火中出産2.その息子ヒコホデミミ尊が妻を失う話3.その息子ウガヤフキアエズの養育に豊玉姫の妹(玉依姫)が当たる。4.養育係で叔母の玉依姫がウガヤフキアエズの妻にスライドする…という三世代に渡る4つのエピソードを、垂仁天皇と狭穂姫、そして謀反を起こした狭穂彦とで、一代で全部やっているのです。この類似は、何かを暗示しているのか、単にテンプレなのか。垂仁天皇の後日談で...
山幸彦と豊玉姫の別れとよく似ているというのは、第11代垂仁天皇の御代、《狭穂彦王の叛乱》と呼ばれる事件です。また、このエピソードは、ニニギ尊×コノハナサクヤヒメ、ウガヤフキアエズ×玉依姫、の時代のお話とも不思議なくらい被っています。記紀どちらも大筋は同じなのですが、古事記の方がよく纏まっていると思うので、《狭穂彦王の叛乱》の要点を書き出してみましょう。尚、サホヒコ&サホヒメ兄妹の漢字表記は日本書紀に寄...
今回のお話は、『歴史』カテゴリに入れようと思います。古代日本にあって、姉もしくは妹という存在は、彼女たちの兄弟にとってとても重要で神聖な存在でした。というのは、姉妹が兄弟に神秘的な力を授けてくれる、という信仰があったからです。その信仰の延長線上にあるのが、男女神ペアで祀られていたはずの女神の方が迫害されるという現象です。有名どころでは瀬織津姫様ですね。ネットの普及で封印どころか大人気の女神様に返り...
~注意喚起~ウガヤフキアエズの存在を信じている方は、静かにページを閉じて下さい。不快になっても当方は責任を負いません。コメントもご遠慮下さい。 ---------------------------何故、ウガヤフキアエズが消えるのか。Wikipediaを引用しますが、>『日本書紀』によれば、鸕鶿草葺不合尊が誕生した産屋は全て鸕鶿(う)の羽を草(かや)としてふいたが、屋根の頂上部分をいまだふき合わせないうちに生まれ、草(かや)につつま...
長男からしてスサノオ様のダミーなんですから、残りの4柱もかなり怪しい。天穂日命:出雲臣(いづものおみ)、土師連(はじのむらじ)等の祖神。天津彦根命:凡川内直(おおしかふちのあたひ)、山代直(やましろのあたい)等の祖神。活津彦根命熊野櫲樟日命まあアメノホヒは今でも出雲大社の宮司さんが、末裔であると誇りにしていらっしゃるようなので微妙ですが、豪族って有力な神様の子孫だと自称して偉そうにするものなんです...
記紀共に、宗像三女神はスサノオの子で、5柱の男神はオオヒルメの子ということに落ち着いていますが、これが歴史というリアルなら、いいとこ娘がひとり、男児がひとりかふたり、だと推測します。理由は、宗像三女神が、三位一体の『比売神』だから。日本書紀の異文では出生順がゴチャゴチャで、伝承も複数存在した程度にどの島にどの姫が祀られていたのかも編纂時には不確かだったのでしょう。古事記と先代旧事本紀を読み比べて神...
女神アマテラスとスサノオの誓約(うけい)という謎の占いによって5男3女、計8柱の神々が生まれたのですが、『神話は神話であって歴史ではない』学者様に対して、『神話は歴史を反映している』派の日本神話ファンは、この誓約とやらを神秘的な現象と捉えている人は少数派なのでは?と統計を取った訳でもないのに勝手に思います。日本の神話では、神は産まれるんじゃなくて『生じる』んですよね。或いは、神話の始めの神様は『成...
五十猛を盛大に祀っている神社と言えば伊太祁曽神社で、別名を大屋毘古としているようなのですが、伊太祁曽神社はもとは大屋彦神を祀っていた(五十猛ではなかった)という情報をネットで複数見かけたのですが、断言するソースを見付けることが出来ませんでした。紀国で木の神として信仰されていた大屋毘古に、スサノオと共に木種を持ち帰った伝承を持つ五十猛が習合した、或いは人為的に同神であると習合させた、という説です。確...
スセリヒメはクシナダヒメと同じように、《八》の末子で跡取り娘です。スセリヒメは素晴らしい美女であった模様ですが、オオナムチがスセリヒメを欲したのは、出雲の巫女王か次期女王であったからです。スサノオ様も愛妻家で知られる男神ですが、「その娘を嫁にくれたらヤマタノオロチを倒してやる」という条件を付けたのは、八人姉妹の末っこ姫である美童女クシナダ(古事記表示・童女。日本書紀の異文では母テナヅチはまだ妊婦だ...
スセリヒメ様は、日本書紀は無視、古事記はオオクニヌシとの出会い&結婚エピソードやオオクニヌシと交わし合った歌まで残しているのに、系図には全くその名が記されているので、世間では「まあ子供がいなかったから後の世に関係しないと思われたのだろう」程度の扱いのようです。でも、スセリヒメを完全に葬りたかったなら、日本書紀みたいに「スサノオはクシナダヒメを娶りオオナムチを生みました」とサラッと流せばいいんです。...
私の男神の推しは圧倒的にスサノオ様なのですが、最近並ぶ勢いで急上昇してきたのが、五十猛兄さんです。←馴れ馴れしい五十猛と言えば、スサノオ様と一緒に新羅に往復した、スサノオ様にとって一番頼りになる逞しい青年(当時)だったことでしょう。その後、二柱の妹姫を伴い、木の種を九州から播き始めて日本中を青山にした神様で、有功神(いさおしのかみ=大変に功績のあった神様)とも呼ばれています。何かもうカコイイ。日本...
この時代、同母のきょうだい結婚はあったと私は考えています。聖徳太子の時代には、異母兄妹・姉弟の結婚はあるあるだった一方で、同母のきょうだい婚は禁忌になっていたようです。しかし、同母の兄妹の悲劇の恋物語が複数散見される程度には、「そういう発想」がリアルに有り得た時代でもあったと思います。有り得た背景は、「同母きょうだいでも結婚出来た時代が過去にあったから」でしょう。兄妹・姉弟のヒメヒコ制が、そのまま...
ところで、古事記では海幸彦をつとめた火照(ホデリ)の名は日本書紀には登場しないのです。逆に、火明は古事記では三兄弟から外れています。日本書紀で古事記の火照ポジションに登場するのは「火闌降/ホスソリ」か「火明/ホアカリ」です。「火明」については既に述べた通りですので、もう兄弟としてカウントしなカウントしなくていいです。ただし、「ホスソリ」は本文にしか登場せず、この時に火酢芹はでてきていないので、発音が...
豊玉姫は「出産を見ないで欲しい」と言われていたのに、櫛に火を付けて覗きに行くとか、やることまんまイザナギじゃんね。イザナミは恥を掻かされたと激怒してイザナギを追いかけましたけど、豊玉姫は真逆に去ってしまうのです。【本文:訳】「もし私を恥かしめることがなかったら、海と陸とは相通じて永久に隔絶することはなかったでしよう。しかしもう恥をかかされたから、どうしてこれから睦じくできましょうか」【異文一:訳】...
その後、所謂海幸彦と山幸彦のお話に入るのですが、古事記の場合は異文がないので、 兄:海幸彦=火照(ホデリ) 弟:山幸彦=火遠理(ホオリ)というキャスティングで固定されます。何の罪もない兄・海幸彦が軽率でチャラい弟・山幸彦にとっちめられる、とても胸糞悪いお話です。胸糞悪いけど、日本の昔話って訳わからん理不尽なのって割とあるような気がするので、本当は記紀とは無関係に存在していたんだと思います。海幸彦は...
サクヤ様はニニギと口も利いてくれないし、夜這いしに行っても中に入れてくれない=レス になった模様です。この後、ニニギはサクヤ様と仲直りしたエピソードも無く、古事記で結構ダメ男の大国主とスセリヒメが仲直りしてイチャイチャエンドしたのとえらい違いです。ニニギ・サクヤ夫妻のこれって、離婚だよね。現代みたいに書類を役所に出すとか必要ないし、そもそも結婚だって妻問いにOKされましたってことだけで、一夫多妻とか...
だったら《天孫》の天火明ことニギハヤヒとその子孫に、そのままヤマトを統治させておけばいいじゃない?なのにニニギ、……本人じゃなくて、何故かニニギの曾孫が現れて「俺が新しく来た天孫だから譲れ」とか訳わからん。さておいて、話はまたニニギ×サクヤ様の御子神に戻します。まだ有るんですよね異文。ニニギから男系末子の流れが目出度くヒコホホデミ尊(ホオリ/山幸彦)に繋がったんだから、もうそれでいいじゃん、と大抵の人...
そして、ニニギがサクヤヒメを見初めるのが何故か「浜辺」なんですよね。目の前海じゃん。何で山の神の娘が浜辺にいるんだろ?母か父か知らんけど、ここは親がワタツミ(海神)の方がしっくりくる場面です。サラッと書かれているけど、意味も無くわざわざ異文まで設けて書くとも思えないので謎です。そして、この異文でバナナ型神話が登場します。堅固な石よりもすぐ腐るバナナを選んじゃったので、人の寿命が云々という神話の定型...
古事記では三柱のみの《大御神》。イザナギ神は、神々の祖。アマテラス実はオオヒルメは皇祖神。アジスキタカヒコネは……神武に出雲とヤマトを奪われて以来、初期の天皇は出雲(賀茂)系の皇后を迎えているのです。4代天皇までの皇后は素人でも系図を辿れるし、どこに書いてあったか8代までは皇后は賀茂系だったとか。つまり、アジスキタカヒコネは皇后という建前の巫女王たちの祖と言いたいのでしょう。出雲の宗家は滅んだのに、...
実は、アマテラス系も古事記によれば天孫ニニギからは末子相続(ひとりっ子含む)で、初期の天皇までその傾向が続くので、出雲に限らず天津神勢も末子相続の文化が根強かったようです。それなのに、日本書紀の本文が神武帝の祖父に当たるヒコホホデミ尊(実は神武帝の幼名?と同じ名だったりする)が末子ではなかった、しかも三兄弟の真ん中というのが意外です。日本神話って、「真ん中は空気」って言われているくらいですから。例...
日本書紀に登場する謎の神・火酢芹(ホスセリ)。古事記では火須勢理と表記されます。――――と、安易に同一神とは言えない、という見解があるようです。というのは、古事記ではスッキリと第一子火照命(ホデリ=海幸彦)、第二子が火須勢理命(ホスセリ)、第三子が火遠理命(ホオリ=山幸彦)と言い切っているのに対し、日本書紀の方は本文の他に「一書曰く」から始まる異文が何パターンもあって、火酢芹(ホスセリ日本書紀表記)が...
イチキシマヒメというと、真っ先に宗像三女神が思い付きますが、姉妹の「タキリヒメ」「タギツヒメ」と、水が滾る様を表す判りやすい水神であるのに、イチキシマヒメだけが「斎/いつき」の巫女姫の名前なのが異質です。別名の「サヨリヒメ」もサ=神、ヨリ=寄りつく、という意味でやはり巫女なのです。姉妹ふたりがどちらも水神であり、実際に宗像で海神として祀られているという状況から、やっと水神だと判る。ズバリ言えば、イ...
私、古文の、特に和歌の授業が大嫌いだったんですよね。それは、「掛詞/かけことば」の所為です。掛詞:和歌などにおける、同音異義を利用して1語に2つ以上の意味を持たせる修辞技法の一つ。(wiki)っていうやつで、高校生の時の私は駄洒落じゃんつまんねーと思ってました。どの辺「をかし」なのか全然わかんなかったんですよ。※ 因みに今でも駄洒落じゃんと思っています。でも、古事記は万葉仮名で書かれている程度に駄洒落だら...
得体の知れない女神アマテラスの荒魂だなんて、瀬織津姫が不当に貶められているようで、これだけは伊勢神宮の嘘吐きと悪態をつきたい気分。それに、撞賢木厳之御魂天疎向津媛という名前の意味も考察や意見が割れていて、「長々しい名前だけど結局日向の巫女っていう意味しか無いでしょ」とか、中には「小賢しく天(朝廷)に逆らう田舎女」とか容赦無い解釈もあったりして、あまり評判がよろしくない。※ イツ=神聖・清浄と解釈す...
このブログで何回言ったか覚えていませんが、私はスセリヒメ様推しです。スサノオ様(この御方も推し)の愛娘、出雲の末っ子姫にして誇り高く美しき女王。すせり、という名前までお美しい姫神様を、どうして崇めずにいられましょうか!!嫉妬深い妻としてdisられギリシャ神話の女神ヘラにそっくりなど言う人もいるようですが、だから何です?ゼウスは女という女に出を出しまくる結構どーしようもない天界の王ですが、当然に、后(...
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みなさま、あけましておめでとうございます。何はともあれ、新しい年を迎えられたのはよいことで、おめでたいことです。一方で、元旦から一体何なんだよ!!と日本中から声が上がっているのも事実です。旧Twitter(私は青い鳥が好きだ)では、改元しろ、大仏を建立しろのツイが溢れかえっています。何しろ、令和になってから本当碌な事がありません。失われた30年と呼ばれた平成が懐かしくなるほどです。改元はその昔は珍しくも何...
日本は山がちな国で、移動は海路が王道、という島国ですから、目立つ山があればその山自体が神です。こっちの村ではこの山が神、隣村ではあちらの山が神、なんて当たり前だったと思います。或いは山は神が降りてくる神聖なもので、その神は天神(雷神)だったり穀霊だったりして、里に下りてくれば豊かな実りをもたらしてくれます。また、神が《天》から降りて来るというのは大陸的な発想の信仰で、海の民の神は遠い海から島に漂着...
古事記の系図では、スセリヒメという女神、もしくは女王はスサノオの愛娘であること以外は何も分かりません。母親は不明で子女の記載もなく、被せた異名・ウカノミタマの母は神大市比売という謎の女神で、同母の兄は大年という設定です。八坂神社ではもっと謎の左美良比売(さみら)がスセリヒメの母親で、同母の兄は大屋毘古です。もー!実は神大市比売と左美良比売は同体で、大年は大屋毘古で五十猛で、やっぱり母神は同体で櫛名...
一般的に、大物主と言ったら大年=ニギハヤヒです。(異論はありますが)でも、事代主ならば、、多分巫女王の兄弟か婿なら誰でも事代主を名乗れます。主を付けなければ、《事代》自体は普通名詞みたいなものだからです。例えば日本書紀の顕宗記に、対馬独自の日神(阿麻氐留/あまてる)を畿内に分祀した経緯が記されていて、 日神、人に著りて、阿閉臣(あへのおみ)事代に謂りて曰はく。「磐余の田を以って、我が祖高皇産霊に献...
実は《タギシミミの反逆》自体がでっち上げで、イスズヒメを強奪して妻にしたのは綏靖天皇なのかもしれません。あくまでも、かもしれないレベルですが、綏靖天皇の皇后・五十鈴依媛で、姉の媛蹈鞴五十鈴媛って、かなり紛らわしい名前です。歴史の反映ならば、諱なんて出すはずがないので肩書きや美称や《神様の名前》を被せて語るしかないので仕方が無いのかもしれません。山幸彦×玉依姫 と ウガヤフキアエズ×豊玉姫 みたいな感...
神代、つまり『神話ですよ』という建前の時代の女王とは巫女王で、婿は政治王なのですが、古代は巫女の方が上位です。巫女は神降ろしをして神と同体になれる存在なので、あくまでも人でしかない男王とは格が違います。兄妹・姉弟によるヒメヒコ統治の場合は、兄か弟が政治を担当し(卑弥呼の男弟みたいな?)、旧大和では御炊屋姫の兄・長髄彦が政治権力をニギハヤヒに譲渡して部下となり、軍事を担当し神武一行と戦うことになった...
うんざりするほど女傑過ぎる女帝・持統天皇は天智天皇の娘ではありますが、天智天皇の皇后・倭姫王(やまとひめのおおきみ)の娘ではなく、妃のひとりである蘇我遠智娘(おちのいらつめ)という蘇我氏の娘です。皇后が蘇我系の皇族で、夫人も蘇我氏の娘。(后>妃>夫人)もうガッツリ蘇我。そのくらい、宗家が滅びてなお蘇我氏は貴種だったのでしょう。皇室と並ぶほどの大王家だったのかもしれません。しかも出雲族系の。初期の天...
《出雲の大己貴》には大国主とかいう偉そうな神名を被せて、地祇の王として抹消しなければならなかった。でも、《大和のニギハヤヒ》は天孫のひとりという高貴な天津神でなければならないんです。出雲という土地自体は皇室にとっては逆らいさえしなければどうでもいい場所ですが、大和国とその周辺はどうでもよくありません。大和はその後末永く皇室と縁を持つ土地で、記紀編纂に関わった天武天皇や持統天皇の時代の都は平城京で、...
タイトルの通りなんですが、「別だよ」っていう意見が多いですよね。少彦名が幽世に行ってしまって途方にくれていた大国主(古事記では大己貴の成長バージョン)の所に、海を光(照)してやって来た神がいて、 「私はあなたの幸魂・奇魂である」 「そうですか。分りました。あなたは私の幸魂奇魂です。今、どこに住みたいと思われますか?」 「私は日本国の三諸山に住みたいと思う」という謎の会話(紀)を交わした結果、《そこ...
90歳のお誕生日おめでとうございます。上皇陛下弥栄。...
ここ2日ばかり、サブジャンル連続1位とか私何かしたっけ?と思っていたら、皇室関係の記事を読みに来て下さった人がいるんですね。なので、最近書いてなかった皇室の記事を書いてみようと思います。ズバリ、タイトルの通りです。愛子さまを天皇にしてはならない。はい、ここで気分が悪くなった方、静かにページを閉じて下さい。様々な考え方の人がいるのが世界というものです。上手に棲み分ける良識を持って頂きたいと思います。...
アジスキタカヒコネは根っこ、《祖》という意味でしょう。子孫には『根子』がつきます。正しい血筋ですよ!という意味かと思います。神武帝から時代が進むと、第七代孝霊天皇の和風諡号が『大日本根子彦太瓊天皇』で、突然根子=正当な子孫です主張が始まります。この『根子』は第9代天皇まで続くので、この世代に何かあったのかも知れません。出雲サイドに生まれながら、『根』の名を持ち迦毛大御神とかオオヒルメレベルの尊称を...
播磨国風土記には、伊和大神(オオナムチと同一視されている)の元へ、あの『コノハナサクヤヒメ』が嫁いできたと伝えられています。『コノハナチルヒメ』ではなく、サクヤヒメの方です。コノハナチルヒメというのは、オオナムチとイコールか?という可能性があるヤシマジヌミの正妻だろうかと思われる姫神です。えっ、宮崎県からわざわざ!?というのは、あまり考えなくていいと思います。海人族的には日向はさほど遠くなかったの...
父→息子、という形で絶え間なく続いてきた(建前の)皇統が、仁徳帝×磐之媛の子供達の代から、兄弟間の皇位継承が出てくるのです。※ 例外:成務天皇→仲哀天皇(ヤマトタケルの子)の時には叔父→甥の継承となったが、ヤマトタケルの説話自体は数人のヤマトの英雄を統合した架空の人物という説がある磐之媛が産んだ4人の皇子のうち、3人が天皇となります。応神天皇のwikiにある系図を見て頂きたいのですが、皇后を立てることなく...
『日向髪長媛』という阿多の姫を応神帝が息子に譲ったということは、まだ皇太子ではなかった大鷦鷯皇子がいずれ皇位を継ぎ、聖帝とよばれるほどの治世を築くということを予見させるエピソードだったのだと思います。『髪長媛』を得た大鷦鷯皇子は仁徳天皇となり、磐之媛を立后します。これで、仁徳天皇は『カミ』と『ナガ』と『イワ』と『アタ』を手に入れました。彼の治世には、様々な試練が訪れますが、いずれも乗り越えて平安へ...
先日、家族で「47都道府県の白地図を全部埋められるか?」という遊びを思い付いてやってみたのですが、ごめんなさい。全正解は東北と関東だけで、ほかはちょこちょこ間違えました。つか、行きませんもん。京都・奈良は学生時代に行きましたけど、新幹線に乗ったら途中はよくわからないものです。ちなみに、正解は以下の通りです。私はとことん出雲贔屓ですが、海人系出雲族が大和まで勢力を伸ばし、先住のナガスネ兄妹のところに婿...
スサノオ:稲田宮主夫妻(アシナヅチ・テナヅチは結構すごい異名を持っている)の末娘クシナダヒメをゲットで須佐と須賀の王オオナムチ:スサノオの末娘のスセリヒメをゲットして出雲王…という構図を見ると、出雲族って単なる末子相続じゃなくて、母系の末子相続だったりしない?と思います。以前『神話にはどうして兄と妹しかいないのか?』という記事を書きましたが、これで合っていていれば女児が産まれている場合、必ず女児が...
御歳神(ミトシ)も情報が少ないです。ただし、向日神とも言われ、神社伝承では神武皇后とイコールになっていますが、これは多分正しいと思っています。日に向かうとか太陽神と向かい合うとかいう大袈裟な感じじゃなくて、嫡妻(むかいめ)だから向日神なのでしょう。スセリヒメも出雲大社で『御向社/みむかいのやしろ』に祀られているのと同じです。横に逸れますが、有名な撞賢木厳之御魂天疎向津媛(つきさかきいつのみたまあま...
『仁徳天皇と大国主の鎮魂』シリーズの執筆が長引いて重くなってきたので、気晴らしに日頃の疑問を記事にして見ます。※ シリーズはちゃんと〆まで書く所存です日頃の疑問。日本の神話に関心を持った人なら、一度は必ず考え込んだであろう、謎。神様だからって世代が合わなすぎる件。私の最推し女神様はスセリヒメなのですが、もうここから既に躓きます。スサノオ様(男神最推し)の愛娘なのに、何でスサノオ様の6世の孫と結婚し...
1冊目の『石神さんを訪ねて 出雲の巨石信仰』と、2冊目『続 石神さんを訪ねて 出雲神話から石見の巨石信仰へ』があります。とにかく石、石、石、岩、岩、岩、の本で、新聞の連載記事を元に編集された本です。地元や一部のマニアのものだと思われた巨石信仰(※作中引用)の連載の大反響に驚いて2冊の発行となったそうです。確かに私はマニアを名乗るのもおこがましい浅学で、出雲となると遠すぎて土地勘ゼロ、っていうか関西以西...
まずは、筆者のあとがきより引用させて頂きます。>私の乏しい読書量で言うのも気が引ける が、これまで読んできたさまざま な『古事記』に関する著作 から、磯わたる風の香や、潮騒の響きを感じたことは、多くはない。>『古事記』で語られている神話は、どの角度からアプローチするにしても、海からの視点抜きには見えてこない。そうした思いから、核になるポイントのいくつかに焦点を当てて本書を書いた。(引用終わり)そして、...
タカミムスビが、国譲りの後もなお、大国主(大物主?)に、まだお前信用できねーから俺の娘と結婚しろや、ということで新妻になったのが三穂津姫(ミホツヒメ)で、名の由来は美保(ミホ)に住んだから、……というのですが、本当かなあ?ミホツヒメの子孫は語られていないし、既にミホススミという女神がいたので似た名前の女神を設定して打ち消そうと出してきたか、ミホススミ=ミホツヒメ=タカミムスビの娘で天津神だよ~という...
ここで思い出されるのが、八重垣神社の壁画です。スサノオとクシナダヒメ、そして両親のアシナヅチ・テナヅチ夫婦。……という微笑ましい一家に加えて、何故か女神アマテラスとその娘イチキシマヒメ。スサノオ様が困り顔のように見えるのは、検索画像がたまたまそう見えたのでしょうか。実物を見たことがないのでよく分かりません。でも、クシナダヒメ様が何やら機嫌が悪そうだ、という感想は今まで何回か見かけたことがあります。そ...
ここでは同一説は脇に置いて、ヤガミヒメも正妻スセリヒメ様の宮にひとりでのこのこやって来たのではないということです。大国主がヤガミヒメを因幡から連れてきたんです。ヌナカワヒメの地元にはには悲劇の伝説があり、オオナムチから逃げて殺されたり自死したり、夫がいたが戦争になり殺されたりと、古事記のエロいロマンスとは程遠い状態なのですが、『能登半島まで来たところで逃げた』→『オオナムチが部下に追わせた』という...
私がかねてから気になっていたのは、大国主が何人の姫にしたところで、遠距離結婚ではその姫が産んだ子供が自分の子であると、どうやって納得するんでしょうか?ということです。結果的に特定の女性が寵姫になりふたりでイチャイチャならほぼ間違いないのでしょうが、元々政略結婚なんですから色っぽい歌を贈り合ったところで動機は打算です。伝えられているだけでも大国主を振った女は2人いる(ヌナカワヒメの地元伝承を入れると...
大国主は、大袈裟であるにしてもどうして180人とか181人とか子を設けることが出来たのか?当然に、それは妻の数も多いからです。大袈裟でなく、本当に180人くらいいたとしたら、妻神も最低20人は必要でしょう。少なくない!?と思われそうですが、この時代は避妊なんてありません。不妊症の女性もいる一方で(スセリヒメは子が記されていない為、子供なしとされることも多い)、多産の人は多産です。オオトシ妃・天知迦流美豆比売...
さて、本来の物語は不明ながら、人々に愛され親しまれるようになった福の神・ヒルコ。ヒルコのままで祀られていることもありますが、良くあるパターンは七福神のエビス様です。釣り竿と鯛をを抱えて満面の笑顔の、でっぷりとしているのもまたふくふくしい感じの、福しか感じないような神様です。えびす、という名前はエミシとかと同じで、中華様が自分たち以外は全て蛮族として勝手につけた蔑称に由来するそうですが、どうして蔑称...
日本書紀の異文には、大雨の中スサノオは蓑笠(みの&かさ。なまはげみたいなアレ)を纏ってとぼとぼ歩き、宿を求めても「お前悪い神じゃん。泊めねーわ」と断られるシーンもあります。そうした苦難を経て天を去り下界に降ってみると、泣いている夫婦&美少女を見付けて、ヤマタノオロチから守って助けてやろうとスサノオは思います。巨大な怪物を仕留める為に知恵を絞り策を練り、戦うのが冒険と試練のストーリーです。スサノオは...
『かそいろは 哀れと見ずや 蛭の児は 三歳(みとせ)になりぬ 脚立たずして』(両親はあわれと思わなかったのだろうか。ヒルコは三歳になっても、一人で立ち上がることもできなかったのに)この歌を作ったのは大江朝綱(おおえのあさつな)という9世紀終わり~10世紀の人物であるので、その頃にはヒルコが可哀想という共通認識が広まっていたことになります。その後民衆受けするのは堅苦しい(?)日本書紀ではなく物語性の強...
刺国若比売=クシナダヒメ天之冬衣神=スサノオ刺国大神=テナヅチ・アシナヅチの《稲田宮主○○之八箇耳》という(○○にはスサorスガが入る)であれば、記紀あわせて天之冬衣神×刺国若比売で子は大己貴、という構図が成立します問題は、古事記のオオナムチには、八十神(やそがみ)と言われるほど数多くの兄が存在します。古事記を合体させてヤシマジヌミ=オオナムチだとすると、ヤシマジヌミにも数多くの兄弟がいなくては辻褄が合...
※ 大己貴=八島士奴美神だとすると~シリーズの最終話は明日の更新でup致します --------------------そして、タイトル通りです。wikiからそのまま引用します。この航空写真の下の文章>1975年度(昭和50年度)撮影の国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成写真左には伊達家の守護神が祀られている鹽竈神社左右宮が仙台城に相対するように南南西を向けて置かれ、主祭神が祭られている鹽竈神社別宮...
オオナムチに弟妹がいても、母親がスサノオ様の嫡妻で出雲女王であるクシナダヒメの子なのですから、せめて政治王の地位を優先して継ぐ権利があったというのもありそうな話なのですが、問題なのはオオトシとウカノミタマの母神が神大市比売という、真意が甚だしいことを示す名を持ち、無視出来ない地位を持っていたと思われる(しかし謎の)女神だということです。オオナムチ×女王クシナダの息子だからといって、ヤシマジヌミは簡...
古事記と日本書紀の記述が一致しない。なんていうのは、困ったことにあるあるなのですが、ふと今回のタイトル通りのことを思ったのです。実は私、オオナムチの出自については結構持て余していました。古事記の記述によると、スサノオ×クシナダヒメで生まれた子は、ヤシマジヌミ一柱のみです。そして、スサノオ×オオイチヒメの間に生まれた子はオオトシとウカノミタマです。スサノオ様の神裔として語られるのはこの三柱だけなのです...
片やオオヤマツミの娘で天孫の妻である女王。片やオオクニヌシの娘で兄とそっくりな天津神の妻であった、きっとスセリヒメ後継者。どうして、同じ名前を持っているのでしょうか?わかりません。こんな記事を書いておいて何ですけども、気付いた時私は驚くばかりだったのです。サクヤ様の神阿多都比売は知っていて、まるで出雲の神屋楯比売(スセリヒメ)と対を成すような存在だなとは思っていたのですが、シタテルヒメについては夫...
その、サクヤヒメと同じ異名を持つ姫。一般的には《下照姫/シタテルヒメ》の名で知られている、オオクニヌシ×タキリヒメの娘で、同母の兄はアジスキタカヒコネ。兄と同じ顔の男と結婚しちゃった不思議なお姫様です。(そして夫の喪屋を兄に吹っ飛ばされたという不憫)そして、異名も不思議です。並べますと下照比売、高比売命、下照姫命、高姫命、稚国玉、等下にいるのか上に居るのかどっちだよ、と微妙にイラッとする名前です。で...
コノハナサクヤヒメと言えば、地上に降りて何もしてない(エピソードが無い)ニニギ尊が、ナンパしてプロポーズを一気にやった絶世の美女です。あまりの美しさに、和歌のひとつも贈るのを忘れたほどです。コノハナサクヤヒメは、推定3人姉妹(イワナガ・チル・サクヤ)で阿多の地で育ち、その3姉妹の中では末っ子だったと思われます。よく出雲は末子相続と言われますが、系図を見る限りでは高天原勢も結構末子相続です。イワナガ...
古語で海をワタと言ったんだよ、っていうのは正しいと思うのですが、『わた』と『うみ』はどう読んでも聞いても近くない。『わた』と『うみ』の語源は別経路から入って来たように感じます。そして、世間一般では意外にも『うみ』の由来が謎で、『わた』が何であるかの方がよく知られているようです。私がごちゃごちゃ言うよりも、こちらの日本語の起源について(58)を読んでくれた方が早いです。※ 『うみ』の語源は先程紹介し...
《須佐之男=須佐の女王の夫》ならば、歴史上何代も続いていた可能性があるので、あまり世代を気にしなくてもいい神様だと思います。スサノオの数々のエピソードをお上の検閲で殆ど削られてしまった出雲国風土記が、かろうじて『神須佐乃烏命』と書き残したスサノオという祖神の名、或いは複数の出雲王のイメージの習合は、一体となって祖霊信仰の対象であったのではないかと思います。そうであるならば、オオヤマツミの娘・テナヅ...
イワナガヒメ登場は異文二以降です。異文二では、オオヤマツミは父と記述され、イワナガヒメは妹だけ召されたことを恥じて、子孫の命は短く散るだろう、と呪ったことになっています。異文六でやっと、古事記風味な物語が登場します。ニニギ尊 「あの波頭の立っている波の上に、大きな御殿を建て、手玉もころころと機織りをしている少女は誰の娘か?」事勝国勝長狭(ことかつくにかつながさ古事記の塩土老翁) 「大山祇神の娘たち...
サクヤ・イワナガ姉妹がふたりだけで同じ宮殿にいたのは、同母の姉妹だからなのでしょう。尤も、スセリヒメ様は根の国でパパ・スサノオと一緒に暮らしていたようなので、父の手元で育つこともあるのかもしれませんけど。っていうか、しばらく前に仰天したのが、日本書紀でニニギがサクヤ様をナンパした場面です。皇孫がこの美人に、「あなたは誰の娘ですか?」と問われた。すると、「私は天津神が大山祇神(おおやまつみのかみ)を...