フロムソフトウェアのダークソウルシリーズや、趣味の民俗学や歴史を、お花畑的に考察するブログです。ソウルシリーズが好きな人、歴史系の話題が好きな人、考察が好きな人、誰でも歓迎です。是非遊びに来てください。
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンだったかもしれない説~14~
闇の力によって様々な国を滅ぼしてきたカアスの手法 まず挙げられるのが、かつての小ロンドを支配していた四人の公王を倒した後に聞ける以下のカアスによる証言である。 闇撫でのカアスのセリフより(四人の公王がいた深淵にて) 貴公…貴公が望むのならば、我が力をも授けよう 闇の王の力、生命喰いの力だ その力で、不死として人であり続け 貴公ら人にはめられた、神の枷をはずすがよい 奴らは、だめだった 真実の価値を知らず、ただ力に慢心した …貴公には、期待しておるぞ カアスと誓約を結ぶことによって生命喰い、つまりダークレイスの力を手にすることができる。 詳しくは語られないものの、このダークレイスの力とはすなわち…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンだったかもしれない説~13~
「四肢の生えた獣姿の世界蛇像」はなぜ獣のような意匠なのか ここまではロスリック国の「天使に似た世界蛇像」および内部事情についての考察だったが、他の読者らも大体の想像はつくといったところではないだろうか。 では次に輪の都にある「四肢の生えた獣姿の世界蛇像」について述べていきたい。 輪の都の世界蛇にそっくりな像 まず輪の都だがこの地は元を辿ると、かつての大王グウィンが小さな人……つまり人間の祖先らに与えた都だ。 大王グウィンと言えばシリーズにおける火継ぎを生み出した神であり、最初に薪の王となった存在でもある。 こうしたグウィンの行いから「火が陰った折には薪となる」ことが不死の使命とされていた。 よ…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンだったかもしれない説~12~
「世界蛇に似た天使像」の正体はカアスとフラムトどちらか 「世界蛇に似た天使像」が示しているのは、フラムトとカアスどちらなのかというのも長らく議論が続いている。 筆者はどちらかというと、世界蛇を模した天使像はカアスなのではないかと考えているが、同時にどちらであっても恐らく矛盾はないのではないかとも考えている。 まず世界蛇の像がカアスであると考える理由だが、その根拠はこれまでのシリーズにおけるカアスの行動と、輪の都に配置されている「四肢の生えた獣姿の世界蛇像」である。 まずロスリック国と輪の都には世界蛇の像があるという共通点がある。 だがそれぞれの国での世界蛇像は全く異なった形で表されている。 そ…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンだったかもしれない説~11~
世界蛇の像は天使信仰の聖人を表している? 前述したように一神教では殉教した等の理由で、聖人認定された人物の像を祭壇の前や通路等に配置するパターンが多い。 ここから世界蛇の像はカアスあるいはフラムトが、天使信仰に殉じたことを示しているのでは、とも考えることができるのではないだろうか。 たとえばダークソウル3の本編において、ロンドールのユリアを倒すと以下のようなセリフを聞くことができる。 ロンドールのユリアのセリフより カアス…貴方の遺志を… この「遺志」というワードからすると、カアスはすでにこの世にいないらしい。 そしてロスリックにはカアスそっくりな世界蛇の像がいくつも建てられている。 すでにご…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンだったかもしれない説~10~
世界蛇に似た天使像と獣姿の世界蛇像 世界蛇に似た天使像はロスリック城の竜狩りの鎧と遭遇するエリア、または大書庫の篝火近くに配置されている像である。 顔形はシリーズでお馴染みのフラムトとカアスなのだが、それに衣服を纏い、羽が付いているという衝撃的な姿のおかげで、非常に高い知名度を誇っていると言える。 羽のはえた世界蛇の像(?) この像は世界蛇に羽が生えたような姿をしているので、聖女ゲルトルードが見えた <天使>とは世界蛇なのではないかという説もある。 その可能性もあるが、この像についてもう1つの可能性を挙げておきたい。 一見、世界蛇像は両側に羽が生えているように見える意匠をしているが、 それは蛇…
「白教の元々の主神は母子像の女神であったかもしれない説と抱かれた赤子の正体を考察」記事を下げました
いつも記事を読んでいただいてありがとうございます。 新年企画でアップした「白教の元々の主神は母子像の女神であったかもしれない説と抱かれた赤子の正体を考察」記事で、誤った内容の記述があったことが確認されたので、 一度下げて内容を修正した後に再アップします。 ご指摘してくれた方、ありがとうございました。未熟な書き手ですみません。 情報に誤りが無いように気を付けていきます。今後ともよろしくお願いいたします。
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンだったかもしれない説~09~
残る天使候補(天使像)についての考察 さて<天使>の正体を考察するにおいて外せないのが、天使像ついての考察である。 ロスリック国には複数の箇所に天使を象った像が配置されている。 これを見るに天使信仰は思った以上にロスリック国内で影響を及ぼしていたと思われる、 筆者は法王サリヴァーンを<天使>と見たが、そうなるとこれらの像は何だったのかとなる。 いくら<天使>の正体を見定め考察ができたとしても、<天使>を象ったと思われるこれらの像は、明らかに天使信仰を意識しているようにも見えるので完全に無視するわけにもいかない。 よって、天使候補と思われる像についての考察も述べていこうと思う次第である。 ただ、…
【ダークソウル考察】白教の元々の主神は母子像の女神であったかもしれない説と抱かれた赤子の正体を考察
カリムの司祭たちは声高に主張している。ロイドが白教の主神を僭称したのだと。 (※ロイドはグウィンの叔父とされている神) このカリムという国は作中において異端のイメージが強いが、信徒たちがこのような異論を叫ぶということは、カリムでは白教も信仰されていたのではないかと筆者は考えている。 でなければカリムの司祭たちが、白教の主神について糾弾などしないのではないか。 彼らが怒る理由としては白教の主神が挙げられる。 というのも元々の白教の主神がカリム教徒たちにとって、大切な神であり、 その地位をロイド(あるいは信徒たち)が脅かしたからこそ、 怒りを露わにしたのではないかと思えるのである。 ロイドの盾の指…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~08~
※<吹き溜まりの天使>は樹樹のような見た目をしている(2・3) の続き 樹を思わせる<吹き溜まりの天使>の姿は天使信仰の物語によるものだった? ここで一旦、<吹き溜まりの天使>が召喚されるカラクリについて整理しておきたい。 先程述べたように、<蛹>は<蓋かぶりの巡礼者>から生ずる、言わば成れの果てのような存在である。 そして<蓋かぶりの巡礼者>が宗教者であり、それから生じた<蛹>が<天使>の似姿と思われる<吹き溜まりの天使>を喚ぶのであれば、<蓋かぶりの巡礼者>が信仰する対象は<天使>である可能性が高い。 そして天使信仰は、聖女ゲルトルードが天使から伝えられた物語によって興った信仰である。 ま…
上位者の悪夢は思考の形を観測する能力なのか 我々人間は上位者の悪夢に、お化け屋敷に入れられた人よろしく、なぜ翻弄されるだけなのか。 その原因は今の時点での人間は、宇宙の形を外から眺めることができないからだという仮定を元に、上位者の悪夢を使役する能力について考察してみる。 これを人間の思考に当てはめてみる。人間は宇宙を外側から見るどころか 自身の思考すら物質的な意味で外から眺め、形として捉えることすらできない。 「客観的に物事を考える」と言っても、それすら言わば意識的なもので、 外側から考えてみたという何らかの物証となるものがあるわけでもない。 このように考えると実のところ、人間が思考や意識で感…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~07~
<吹き溜まりの天使>は樹木のような見た目をしている (2・3) 本稿において天使の正体はサリヴァーンではないかと考察している。 だが、ロスリック城にはサリヴァーン像(?)と思われるものの他にも、<天使>の候補と成り得る像がいくつか存在する。 最も知名度が高いのは、世界蛇に羽がついた像だろう。羽自体が<天使>に 繋がる手がかりと考察することができるし、世界蛇自体がシリーズを通して、 物語に深く関わってくる存在であるため、こちらも充分<天使>候補に足る存在だと言える。 また大書庫の入り口にも、王冠を被り羽を生やした男性の<天使>を象っていると 思しき像があるなど、ロスリック城のあちこちに、<天使>…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~06~
・倒しても何度も復活する。蛹を倒すと完全に消滅する(続き) 少々話が逸れるがここで「巡礼者」の意義について、改めて確認しておきたい。 そも巡礼とは簡単に言うと、信仰する宗教の聖地と定められた場所へ参拝する行為である。 巡礼者とは、文字通り聖地を参拝する者のことである。つまり巡礼は何らかの信仰を持っていることを前提に行うのである。 そしてここで登場するのが<蓋かぶりの巡礼者>である。巡礼者というからには、 もちろん彼らも何らかの信仰を持っている信徒ということになるだろう。 さらに言えば、<吹き溜まりの天使>を喚ぶ<蛹>という存在は、<蓋かぶりの巡礼者>を苗床にして生じる存在である。 ならば、<蓋…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~05~
<吹き溜まりの天使>こそが<天使>の正体を示すヒントだった ここまではカバラに関する共通点から、サリヴァーンが天使信仰をもたらした<天使>である可能性を明示してきたが、それではダークソウル本編において、サリヴァーンが<天使>と言える根拠はあるのだろうか。 <天使>の正体に迫るには、無論、本編に登場する「天使」のことを知らねばなるまい。 なぜなら、我々の前に明示されている<吹き溜まりの天使>のみが、今ところ<天使>について知ることができる確かな情報だからである。 ややこしいので本考察では、ゲルトルードが見えた天使を<天使>、DLCのフィールドで遭遇する天使を<吹き溜まりの天使>と表記していく。 …
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~04~
王子ロスリックの蘇生術はカバラによるものだった? 筆者が天使信仰とカバラに注目する根拠はまだある。それは「蘇生」である。 周知の通り、ダークソウル3でも蘇生の魔法を使う人物がいる。 そう、ロスリックの国において「王」の資格を持って 生まれた王子ロスリックである。 王子ロスリックは灰と対峙するボスの一体であり、双王子の片割れとして登場する。 緒戦は兄王子ローリアンとの戦いになる。だがローリアンが倒れると、今度は弟のロスリックも参戦してくる。 彼が参戦することによって闘いの様相が大きく変化する。最たる特徴と言えるのが、先に兄王子が倒されると今度は弟が魔法で兄を蘇生させてくる点である。 まさかの蘇生…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~03~
メルキゼデクとサリヴァーンは共に「罪を裁く」権能を持つ 「正義を司る権能」は世界の神話でもよく見られるが、こういった権能を持つ存在は多くの場合、人間の罪を計り、罪が重ければ裁きを与えるという共通項がある。 キリスト教では大天使ミカエルもまた、人間の魂を秤にかけるとされている。 さらに黙示録で予言された終末の日で、人々を天国に招くか、 反対に地獄へ叩き落とすかを判ずるのは、神ではなく天使なのである。 正義と平和の天使であるメルキゼデクもまた、「正義」を司る以上、 罪を裁く権能を持つと解釈できるわけだ。 そしてサリヴァーンであるが、彼もまた、「罪と裁き」に関連する特徴がある。 サリヴァーンとはアノ…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~02~
カバラと天使信仰は共に<天使>からもたらされた 伝承によるとカバラは預言者アブラハムが天使メルキゼデクから伝授された天界の秘密、あるいはモーセがトーラー(律法)に記しきれなかった部分を口伝としたものであるという。 カバラの成り立ちにおける実際の歴史と伝承の整合性はさておき、 カバラの伝説はダークソウルにおいて天使信仰が興った経緯と非常に似通っている。 カバラ →アブラハムが天使メルキゼデクから伝授され、近代西洋魔術に大きく影響を与えた 天使信仰 →<天使>に見えたゲルトルードによる書付が源流となり、ロスリックを中心に広まった このように並べてみると、それぞれの成り立ちにおける類似性がより明らか…
【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンで元ネタはカバラの天使だったかもしれない説~01~
<天使>はダークソウル3で初登場した存在である。まず本編でテキストによる天使信仰への言及があり、その後リリースされたDLCにおいて、その姿がお披露目となった。 DLCにおける天使は、人に似た形の躰に羽が付いた、我々の世界でも馴染み深い「天使」に似た姿をしている。 とはいえ、天使についてわかっていることは極少ない。ロスリックから端を発した天使信仰は、結局のところどういった信仰であったのか、その詳しい概要については杳として知れない また信仰の源流と思われる聖女ゲルトルードが見えた<天使>という存在が、DLCで遭遇する天使だったのかさえも判然としない。 さらに言えばフィールドに漂う、あれらの<天使>…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~20~
本編のテキストには何も語らぬニトの本心が隠されている? ニトは長らく人間に枷を嵌めたことを後悔していたのではないか。 そう考える根拠はいくつかある。とはいえこれも筆者の憶測が多分に 入るので、それを前提で読んでいただきたい。 まずはダークソウル2に登場するミルファニトの存在である。 歌い手である彼女たちからはこのような証言が得られる。曰く、 「大いなる死者から歌を授かり、闇と死に囚われた者たちを慰めるために歌っている」 <神の枷>を嵌めていたのはニトであるが、人間たちの死を軽々しく思っていたわけではないことが見て取れる。 己の力で死に追いやった人間たちの魂を慰めることで、少しでも贖罪に繋げよう…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~19~
ニトの<誓約>で難易度が上がるのは、火の試練を阻害するためだった 初対面ではニトは敵対しない。彼の眠る領域に入っても玉座(?)から動くことはない。 侵入者たる不死が領域を探索し、彼の眷属であろうスケルトン達を返り討ちにしてもである。 また墓王ニトは誓約を結ぶことができ、独自の武器や奇跡を贈呈してくれる。 だがフラムトから<王の器>を受け取った途端に敵対し襲い掛かってくる。 ダークソウル本編におけるニトの主な挙動をまとめるとこのとおりである。 そしてここに、これまで述べてきた筆者の見解を加えて考察をしていこうと思う。 ニトに関する筆者の私見をまとめたものは以下の通りである。 人間から王のソウルを…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~18~
おとなしく寝ていたニトが襲いかかってきたのは、不死を薪にしないためだった? ダークソウル1では結局、何も知らぬ不死によってニトは討たれる。 だがそれについて後悔は無かったのではないか。 墓王ニトはシナリオ上、必ず対決することになる。しかしその流れを よく見ると、ニトは通常の敵とは明らかに異なる挙動をしている。 まず初対面では不死がニトの領域に入ったとしても、攻撃されることはない。 それどころか<墓王の誓約>を結ぶことができ、武器まで贈呈してくれる。 このことからニトはたとえ<神の枷>が外れかけ、人間が不死化したとしても、グウィンのように敵対する意志は無かったと解釈できる。 その理由は先述したよ…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~17~
<神の枷>による拘束が緩和された状態こそが「亡者」だった 筆者は人々にダークリングが現れたのは、墓王ニトが自ら<神の枷>を嵌める役目を終えたからであると考察した。 ではニトが<神の枷>を嵌めなくなったら、その後はどうなるのか? <神の枷>は人に寿命をもたらす機能があった。それを嵌めなければ人の寿命は無くなる。 すなわち「不死」となり死ななくなるのである。 そして先ほども述べたように亡者になっても人は「死なない」……つまり「人の亡者化」は<神の枷>による拘束が緩くなったことによって起きた、副産物的な現象なのではないか、ということなのである。 そう考えればダークリングが現れて人々が亡者し、死ななく…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~16~
人の亡者化は「死せる運命からの解放」による影響だった? ダークリングが現れたことによって、人は亡者に変ずるようになった。 筆者が述べたようにダークリングが現れたのは火の陰りが原因ではなく、ニトが人に<神の枷>を課すことをやめたのが原因であるのならば、人が亡者になるのもまたニトが自分で「役目を終えた」からであると言える。 しかしニトが枷を嵌めるのをやめたのにも関わらず、ダークソウル開始時点においても、全ての人々がニトのように「完全な不死」に至ったというわけでは無いようである。 さらに言えば人が亡者になることにより、世界は大混乱に陥っており、ダークリングが体に現れた者は不死院送りにされる始末である…
いつもお世話になっております。 遅れましたがTwitterのアカウントについてのお知らせです。 先月あたり急にTwitterにログインできなくなってしまい、 対処しようと奮闘してみましたがダメでした。 新しいアカウントを作り、しばらく試用してみたところ 問題なかったので以後はこちらのアカウントで更新通知いたします。 https://twitter.com/loran_bourbon 今後ともよろしくお願いいたします。
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~15~
火が陰ったとき、墓王ニトの反逆が始まった 火の時代は太陽の光の王グウィンを筆頭とした、神々の時代であった。 そしてそれは人間たちが<神の枷>を嵌められ、王族である神々に支配される時代でもある。 すなわち火の時代では人間である限り、未来永劫決して神々の足元から抜け出すことはできないのだ。 神々は人間たちに真実を隠したまま、数百年あるいは数千年の間、自分たちが犠牲になることはなく人間を薪(人柱)にして、火の時代を継続してきた。 そんな神々の様を元人間のニトは、どのような感情で見ていただろうか。 人でありながら長き苦難と多くの死を越え、<薪の王>への道を歩んできた不死の身になってみれば、神々の欺瞞は…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~14~
<神の枷>の正体は<死の枷>だった 人間が本来の能力を封じられたのは、椎骨に<枷>としての細工がなされたからである。 本来の能力とは当然<不死>を指す。つまり椎骨への細工で課せられた <神の枷>とは、転じて人間に死をもたらす<死の枷>なのである。 墓王ニトのテキストより あらゆる生の死を司る墓王ニトはその力のほとんどを死に捧げている それでもなお、そのソウルは大きく王の器を占めるに足るものだ 上記のテキストによるとニトは「その力のほとんどを死に捧げている」という。 それは全ての人間に死をもたらす<神の枷>を嵌めているとも解釈できる。 以上の情報からも、筆者は人間に枷を課す細工を行っていたのは、…
いつもお世話になっております。連絡手段がないので、Twitterから アクセスする方々に向けて、ここで書かせていただきます。 何故だかわかりませんが、Twitterにログインできなくなって しまいました(`;ω;´) ※2020年2月25日 よって、現在Twitterを介しての投稿通知ができない状態です。 パスワード変更しようとしているのですが、メールアドレス等を入力しても、申請画面に戻ってしまい、パスワード変更もできない状態です(詳しい方助けてください…) 再びログインできるよう現在対処中です。 その間Twitterでの活動もできないため、コメントなどの返信もできない状態です。すみません。 …
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~13~
ニトの眠りは世界に何をもたらしたのか <火継ぎ>の試練は、最終的にグウィンが散らばった王のソウルを、不死(主人公)から回収するための隠れ蓑に過ぎない、と筆者は考察する。 sirius369.hatenablog.com だがニトが抹殺対象になる理由とはなんだろう?彼がグウィンとの協定に従い、人間に枷をはめていたのであれば、ますます始末する道理はない。 だがグウィンはそんなニトを容赦なく、何も知らない不死に王のソウルを回収させる<火継ぎ>の試練に組み込んだ。 これは言うなれば、グウィンがニトとの協定を破棄したも同然である。 グウィンは火の時代を継続させ、太陽の光の王として君臨し続けることを望む。…
【ダークソウル考察】五行思想で考察したら、<ロザリアの指>が特定できたかもしれない説~7~
※ご注意※ 以降の考察では<暗月の剣> <青の守護者>と<ロザリアの指>の敵対関係に関する考察も述べていきますが、決して誓約同士の不仲を煽る意図はありません。また他プレイヤーのロールプレイに口を挟むつもりもありません。あくまで筆者個人の考察による内容ですので、その点をご留意いただいた上でお読みいただきますようお願いいたします。 誰も知らぬところで暗月の神は「二枚舌」を使っていた <青ざめた二枚舌>のテキストでは「嘘」を強調する文言として「神騙り」のほかに、「二枚舌」という言葉も記載されている。 筆者はこの<青ざめた二枚舌>というアイテムの存在に引っかかりを感じてならない。 アイテムテキストにお…
【ダークソウル考察】五行思想で考察したら、<ロザリアの指>が特定できたかもしれない説~6~
※ご注意※ 以降の考察では<暗月の剣> <青の守護者>と<ロザリアの指>の敵対関係に関する考察も述べていきますが、決して誓約同士の不仲を煽る意図はありません。また他プレイヤーのロールプレイに口を挟むつもりもありません。あくまで筆者個人の考察による内容ですので、その点をご留意いただいた上でお読みいただきますようお願いいたします。 なぜ<ロザリアの指>はグウィンドリンを偽りの神と見ていたのか? <暗月の剣> <青の守護者>の誓約者たちが神を騙っているのだとして、 なぜそんなことをするのだろうか。 <青ざめた二枚舌>のテキストから単純に考えるならば、 <暗月の剣> <青の守護者>の誓約者たちは神では…
【ダークソウル考察】五行思想で考察したら、<ロザリアの指>が特定できたかもしれない説~5~
※ご注意※ 以降の考察では<暗月の剣> <青の守護者>と<ロザリアの指>の敵対関係に関する考察も述べていきますが、決して誓約同士の不仲を煽る意図はありません。また他プレイヤーのロールプレイに口を挟むつもりもありません。あくまで筆者個人の考察による内容ですので、その点をご留意いただいた上でお読みいただきますようお願いいたします。 暗月の剣・青の守護者の誓約者たちを二枚舌と評する<ロザリアの指> ここで誓約<暗月の剣> <青の守護者> <ロザリアの指>の特徴をおさらいしておきたい。それぞれの誓約についての基本的な概要は以下のようになる。 <暗月の剣> <青の守護者> 誓約中の効果 闇霊に侵入されて…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~12~
グウィンが不死を封じたのはニトの<折れない心>を怖れたからだった 結論から言ってしまうと、グウィンに人間の不死を封じようと決意させたのはニトである。 だがおそらくはニトがグウィンに不死を封じろ、と意見したのではないと筆者は考える。誤解を避けるために一応ここで前置きしておく。 先述したように、むしろニトと協定した上で人間の不死を封じるように促したのはグウィンだと思われる。 グウィンはわざわざ死の神に頼んでまで、際限なく生まれる人間の不死性を封じた。 ここで注目したいのは一部の人間ではなく、全ての人間に対して 枷を嵌め、封印を施したという点である。 ここまで来ると度を過ぎているとかいうレベルではな…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~11~
死の神ニトによって人間は不死ではなくなった? さて、残るはなぜ神代では不死だった人間が、火の時代では不死で無くなっているのかの謎だが、その謎を解く鍵を握っているのは、ずばりニトである。 より具体的に言うならば人間から不死を無くすよう依頼したのがグウィンで、それを請け負ったのがニトという図式である。 まずグウィンとニトの両者が繋がっていたと考える根拠は、 闇撫でのカアスが語る<神の枷>という文言と、 ダークソウル3に登場するアイテム<枷の椎骨>である。 闇撫でのカアスのセリフより(ダークソウル1) 貴公…貴公が望むのならば、我が力をも授けよう 闇の王の力、生命喰いの力だ その力で、不死として人で…
【ダークソウル考察】五行思想で考察したら、<ロザリアの指>が特定できたかもしれない説~4~
グウィンドリンは本当に<ロザリアの指>だったのか? グウィンドリンが<ロザリアの指>となる動機は、充分すぎるというほどあった。 しかし動機があっても、グウィンドリンが<ロザリアの指>であったと結論づけることはできない。 動機の次に肝心なのは、 グウィンドリンはロザリアの指として活動していたのか?という点、 そしてグウィンドリンは生まれ変わりを果たしていたのか?という点 である。これらの点について説明できなければ、グウィンドリンが小指を担当していたという説は成り立たなくなる。 本編の主なストーリーでは、グウィンドリンと<ロザリアの指>との関係が語られることはない。 しかし、彼らに関連する情報の中…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~10~
誰も知らぬ小人は、すでに不死ではなかった 神代のニトと誰も知らぬ小人には実は大きな違いがあった。 それは<不死かそうでないか>である。 順序を追って考えてみよう。ニトは古き神代の人間だった。その当時の人間は不死だった。 だが後世となる火の時代の人間は不死ではなくなっていた。 これこそが人間であったニトと、誰も知らぬ小人を線引きする境界だったのだ。 筆者はニトと人の歴史は、ダークソウル本編では大きく端折られてしまっていると考える。 このせいでニトの詳細がよく見えず、さらに人が不死で無くなった事情にもついても非常にわかりにくい構成になっていると。 特にオープニングはかなり走り気味にダークソウル世界…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~9~
なぜ神になったニトが<人間の祖>ではないのか ニトが元人間であり神代の不死でもあったのならば、その他の人間たちもまた王のソウル争奪戦に挑んだであろうことは想像に難くない。 しかし思い返してみれば、ニトが古き時代の人間だったのなら、 ダークソウル本編で<人間の祖>と語られた<誰も知らぬ小人>はどうなるのか。 オープニングの流れから見て、<最初の死者ニト>と<誰も知らぬ小人>は、ほぼ同時代の存在に見える。 であれば、だ。ニトと誰も知らぬ小人が明確に区別されているような 描き方をしているのは何故なのだろう? 両者を比べても王のソウルを得た実績からして、ニトが<最初の死者>であると同時に、<人間の祖>…
【ダークソウル考察】五行思想で考察したら、<ロザリアの指>が特定できたかもしれない説~3~
五行によって「小指」を割り出すことはできたが…… 以上が五行説を元に、グウィンドリンが<ロザリアの指>であったと考える筆者の考察である。 だがこれだけの情報で結論づけるのは、筆者自身としてもまだ早いのではないかという思いがある。 とはいえ、五行説の情報からこれ以上の確証は得られなかった。 今度こそ、どん詰まりの万事休すか。筆者もそう思ったが、それはまだ早計であった。 五行説はあくまで本編で語られなかった、<ロザリアの指>を示す手がかりでしかない。 つまり五行は真相の全てを語っているわけではないのである。 本編で語られなかった要素を補っているに過ぎない。 ヘイゼルの場合は、ダークソウル本編内にあ…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~8~
本編で明かされることの無かった、墓王ニトの成り立ち ニトの歴史は不死(主人公)の歩みの中にあった。 こうして考えると、ダークソウルの始めからあった篝火システムや、 不死が人間性・ソウルを集める意味もちゃんとあったのだとわかってくる。 これまでダークソウルの仕様として見てきた、不死にとっての世界を生きる手段は、かつてのニトにとっても同じ意味を持つものだった。 あのように骸骨が折り重なっている姿をしているのも、 火に挑み、幾度も火に焼かれ、それでも人間性を啜り(すすり)ながら自分を強化していった末の姿なのかもしれない。 あるいはあの無数の骨の中には、人間だけでなく神や巨人、竜も含まれている可能性も…
【ダークソウル考察】五行思想で考察したら、<ロザリアの指>が特定できたかもしれない説~2~
五行説は残る<ロザリアの指>を特定するための重要なヒントだった? こうして<黄色指のヘイゼル>は、人差し指を担当していたことがわかった。 だが一つ腑に落ちないことがある。なぜ<ロザリアの指>の誓約者の中で、ヘイゼルだけがこのような名を持たされたのかという点である。 他のメンバーは素直に薬指の、中指の、とわかりやすい名前である。 しかしその中で唐突に<黄色指>という名前が現れ、しかもその意味は 五行に照らし合わせないと解読することができない。 これはなんなのか、と戸惑うところだが、実はこれこそがヒントだったのではないか。 要するに一見暗号のようなネーミングこそが、<ロザリアの指>を特定するための…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~7~
不死のニトは何度も火に挑み、王のソウルを獲得した 墓王ニト。ダークソウル1の開始時点では、人骨が幾重にも折り重なった姿をしているが、彼は元不死の人間であった。 先に述べたように、ニトは墓王となる前は「闇から生まれた幾匹か」と同じような存在でしかなかった。 古き時代の世界では生と死の明確な区別はなかった。だがあるとき火が熾ったことにより、様々な差異が生まれた。 火に惹かれたニトは何も知らぬままに火に触れた。だが火は金を剋する。その理によってニトは焼け死んだ。 これによって<死>が明確な形としてこの世に現れたのである。 だがこの時、古き時代の人は古竜と同じく不死であることも判明した。死んではまた起…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~6~
シャラゴアが語る、誰も知らぬ小人の過去 以上の考察から今まで多くのことが不明だった、墓王ニトに関する情報が大分明らかになってきたのではないだろうか。 ここでもう一つ考察で明らかにしておきたいことがある。 それは誰も知らぬ小人が、なぜ金行に当てはまるのかについてである。 大分先に述べたが、筆者は誰も知らぬ小人もまた、 ニトと同じく「金行」であるとした。 これまでニトの考察にかかりきりだったので、ここいらで 誰も知らぬ小人がなぜ金属性であるのかも述べておこうと思う。 とはいえダークソウルの考察に明るい読者であれば、誰も知らぬ小人について説明することなど、ほとんど無いように思えるかもしれない。 一応…
さて、グウィンの考察シリーズがひと段落ついたところで、 ここでは今回の考察を通して、自分がグウィンに感じたことを綴ってみたいと思います。 あくまで私の考察から感じたことなので、その点はご了承ください。 (シリーズの最初記事はこちらから↓) sirius369.hatenablog.com まず前置きしておきたいのですが、 私は決してグウィンが嫌いというわけではありません。 今回の考察シリーズはグウィンの”嘘”を暴くような方向性の 内容となっているので、確かにグウィンアンチ寄りの内容になった感が 否めませんが、単に”自分が正義”というつもりで書いたわけではないです。 グウィンがしたことは決して拍…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~5~
<最初の死者>は不死であるがゆえに蘇った こうしてニトの死因についての理屈は明かされたわけだが、 まだ解くべき問題が片付けられたわけではない。 筆者がこれまで述べてきたように、ニトは王のソウルを得る前に <はじまりの火>によって死んでいた。だから<最初の死者>となった。 次なる謎は、ニトは死んだのになぜ活動しているのかである。 ニトはダークソウルのあらすじから、<最初の死者>と号されているというのにピンピンしている。 <死者>とは一体……と普通ならば途方に暮れるところである。だがそれは<ソウルシリーズ>の世界観を知らぬ者であれば、の話である。 我々はこのシリーズを通して、<死>の概念などもはや…
【ダークソウル考察】五行思想で考察したら、<ロザリアの指>が特定できたかもしれない説~1~
<ロザリアの指>は、生まれ変わりの母ロザリアと結ぶことができる誓約である。 この誓約には他にない特徴がある。それはロザリアと誓約した者には、 <指>に纏わる名前が与えられることである。 ダークソウル3本編で判明している<ロザリアの指>誓約者(メンバー)は以下のようになる。 <ロザリアの指> 薬指のレオナール 中指のカーク 黄色指のヘイゼル ここで注目したいのが黄色指のヘイゼルである。 薬指のレオナール、中指のカークと来て、 なぜかヘイゼルだけが<黄色指>と名付けられている。 黄色指のヘイゼル。なんとも唐突なネーミングである。 黄色指などという言葉は辞書を探しても無い。 完全にダークソウルでのみ…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~9~
闇の王となる結末を選んだ場合の考察 ダークソウルでは主人公の選択によって、 火継ぎをするか・闇の王になるか、いずれかの結末が描かれる。 闇の王ルートでは火を継がないという選択をするので、そちらの場合は以下のテキストのような理由で、グウィンや騎士たちが襲い掛かってきた、とも解釈できる。 灼けたロイエスの大剣のテキストより 灼けたロイエスの騎士の大剣 その刀身は火で焼け焦げている 彼らにかつての意思はなく 炎を乱そうとする者を駆逐するだけである たとえそれがかつての友であったとしても 闇の王であることを選択する場合は、はっきりと神々と敵対することになるので、むしろこちらの方が襲われる理由としては普…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~8~
『最初の火の炉』で襲い掛かってきたグウィンの真意 ダークソウルにおける最後の闘いの舞台となるのが『最初の火の炉』。 その中枢部で不死を待ち構えているのが薪の王グウィンであり、問答 無用で激しい攻撃を浴びせてくる。 大王の力は全盛期の頃より遥かに衰えており、そこにいるのはもはや、燃料としての寿命が尽きかけている薪の王である。 だが傍から見れば、グウィンは火継ぎをしにきた主人公の邪魔をして いるようにしか見えない。 薪として燃え尽きるのは時間の問題なのだから、火継ぎをするならば、早く済ませた方が良いはずである。 一体なんのためにグウィンは主人公に襲い掛かってきたのか。 グウィンの狙いは不死(主人公…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~4~
ニトだけが<はじまりの火>で死んだのはなぜか だが一つ大きな疑問が湧き上がる。<はじまりの火>から王のソウルを 得るには、先述したように火に触れることが前提条件となる。 ならば無論ニトだけでなく、他の者たちにも同じ条件が課されている はずである。 ニトが<はじまりの火>に触れることで焼け死んだのであれば、グウィンらとて例外なく焼け死ぬハメになるはずだが、王のソウルを得た者たちの中で<死者>と呼ばれているのはニトだけだ。 なぜ他の者たちは、火によって死ななかったのだろう。 しかし、この疑問に対する突破口を与えてくれるのが五行思想であった。 ここで先に挙げておいた、「ニトは五行において金行」という…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~3~
五行思想で見えてくる<はじまりの火>とニトの関係 グウィン・イザリスの魔女・ニト・誰も知らぬ小人を五行の属性に当てはめたことで、(この考察における)ニトの死因を解明するための準備は整った。 ではずばり言おう。ニトを殺したのは<はじまりの火>である。 ニトはダークソウルの世界において、おそらく初めて<はじまりの火>に焼かれ、死んだ存在であると思われる。 ニトが冠する<最初の死者>という号はまさにそのままの意味だった。 <最初の死者>には「はじまりの火によって最初に死んだ者」という意味が密かに込められていたのである。 そのような説を挙げる論拠が先程述べた五行思想における、グウィン・イザリスの魔女・…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~2~
ダークソウル世界と五行説の共通性 筆者はこれまでの考察で、ダークソウル世界やグウィンの成り立ちを、木火土金水の五行に当てはめてきた。 もちろん今回もこの手法がベースとなっている。その上でまず提示しておきたいのが、勢力及び種族ごとにおける属性のワイプ分けである。 例として筆者はダークソウルにおける時代の流れが、以下のように五行に相当すると考察している。 五行の流れ 木→火→土→金→水のループ ダークソウルの時代の流れ ・古き時代(金→水) ↓ ・ダークソウル1 グウィンらが王のソウルを得て火の時代を興す 不死が薪になり火の時代を継続 (木→火) ↓ ・ダークソウル2 不死が薪になり火の時代を継続…
【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~1~
墓王ニトこそが、<初めて火によって死んだ人>だった ダークソウル1のオープニングで、墓王ニトは<最初の死者>と語られている。 確かに骸骨そのものの見た目といい、およそ生者とはかけ離れた姿である。 だがここでまた疑問がよぎる。普通死んだのであれば活動を停止する。 ましてや骨だけで動くことなどありえるのだろうか。 だがニトは骸骨の姿でありながら、生者のように活動できている。 それともダークソウルの世界では、人間は死んでも尚活動し続けることができるのだろうか。 世界観をざっと見直してみたところ、ダークソウルの世界では、 なんらかの理由で生者が死んだ後、活動を停止するという概念は、我々の世界と共通する…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~7~
<悲劇の大王>グウィン 不死の古龍たちとの激しい戦いを制し、世界の王者となり、なんでも 思いのままにしてきたグウィンが何をそんなに怖れ、薪となったのか。それはほかでもない、 "太陽の光の王"の称号を剥がされ、太陽の神でない自分の真実が、白日の下に晒されることを怖れたのである。 これまでグウィンは太陽の光の王とし最高の地位に在った。だが火が陰り、神々の時代に終わりが見えてきた。 今こそ世界を照らす太陽の神の力が必要とされるという時だが、彼は 偽りの太陽の神なので、火を生みだすことができない。 それがバレてしまえばどうなるか。これまで秘密にしてきたことが 明らかになることを考えたとき、グウィンは恐…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~6~
"王"の称号がグウィンを薪にした グウィンが木行の雷の神であり、火を得るには自らを薪にするしか方法 が無かったとしても、薪となる理由としてイマイチ弱いという点は 認めざるを得ない。 なにせ<火継ぎ>で薪になった者の末路は、火による永劫の苦しみで あることが、ダークソウル3で判明している。 薪は燃え尽きるまで薪であって、その苦痛から解放されるには、火の無い炭にでもなるしかない。 だがグウィンは太陽の光の王であり、火の時代においては神々の頂点に立つ支配者である。 燃料となる薪など、いくらでも用意できたはずだ。それでも尚、彼は 自ら薪となる道を選んだ。 ここで先述した残りのキーワード“恐怖”がカギに…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~5~
グウィンは火継ぎによって創造の理を書き換えた。 五行説では木から火が生ずる。木が火を得るには燃料になるしかない。 筆者はダークソウルの世界の理も、概ね五行説に沿っているものと考えている。 この根拠については、いずれ他の記事で書いていくつもりなので、 詳しいことは割愛するが、五行説で言えば、火の時代はまさに火行を指している。 筆者の考える、ダークソウル世界の時代の流れは以下のようになる。 グウィンが火の時代を興す(木→火)→火の時代(火)→火が陰り灰が跋扈する(火→土) ダークソウル世界の成り立ちが五行思想に沿っているならば、ここでも火を得るには可燃物が必要である。 つまりグウィンが太陽の神では…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~4~
大王グウィンが自らを薪にしなければならなかった切実な理由 太陽の光の王グウィンは、自らを薪として<はじまりの火>に火に焼べた。 それは火の時代の陰りを予見し、火を絶やさぬためである。 かくして火はまた勢いを取り戻し、世界はまた火の時代を迎える のである。 これが正史での大王グウィンが薪となった顛末であり、ダークソウルにおける火継ぎシステムの始まりでもある。 素直に受け止めれば、この話はここでおしまいだが、ここであえて 陰陽五行説に基づいてみると、これまた予想外な考察が浮かび上がってくる。 それはグウィンが薪にならざるをえなかった本当の理由である。 彼がはじまりの火の薪になったのは、決して彼自身…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~3~
五行説から考察する大王グウィンの成り立ち 太陽の光の王グウィンそのものが太陽では無かった。つまり太陽神を 偽った神であったとしたら。 グウィンが太陽神であることが、これまでの長いダークソウルの歴史で一貫してきた通説だけに、あまりにも飛躍しすぎていると感じる。 ましてや陰陽五行説によって、グウィンが太陽の神ではないという 考察が本当に成り立つのか。しかるべき結論が見出せるのか。 それを可能にするには、まずは固定された思考の壁から、意識を解き 放つ必要がある。 そこで肩慣らしに、グウィンが持つ大雷の力を、五行説から考察 してみよう。 五行説におけるグウィンの属性を考察する これまでの考察で、グウィ…
【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~2~
もちろん一介の神であったならば、そこまで自分の本質を偽るのは容易ではない。 だがそれを可能とする者が一人だけいる。 世界の支配者であり神々の王グウィンである。火の時代の創始者である彼の権力を以てすれば、自分の来歴をいくらでも飾り立てることは可能である。 現に彼は自分の長子を正史から抹消している。そして長子を覚えている存在は人間の中では誰もいなくなった。 ここに来て、ダークソウルにおける雷の奇跡、つまり大王の神話は グウィン本人による粉飾であったとしても、おかしくはないという 考えに至るのである。 ダークソウルシリーズに登場するシャラゴアは、グウィンの成れの果てと思われる存在について、こう述べて…
五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~1~
ダークソウルシリーズにおいて、グウィンは太陽の光の王とされている。 それがダークソウルシリーズの”通説”として、定着しているので、 このシリーズを知る誰もが、グウィンを太陽の光の王として認識して いるだろう。 だがグウィンは本当に太陽王なのだろうか?筆者はグウィンの正体に ついて考察を進めていくうちに、このような疑問を抱き、やがて いくつもの論拠を見つけるに至った。 そしてグウィンの正体を暴く鍵として見出したのが、五行思想である。 五行思想とは簡単に言うと、陰陽学と五行学の二つの学問が合わさったもの。 「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」 と木火土金水の順に…
風神雷神図屏風 Wikipediaより 五行思想は中国から渡ってきた思想で、春秋戦国時代から続いているとされています。 陰陽学と五行学という二つの学問が合わさったもので、陰陽五行説として体系化したのは孔子であると言われています。 五行では 「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」 という木火土金水の順に万物の流れを、表しています。 これらの五行の中で、「木」と風神雷神に関する面白い共通点を見つけました。 一般的な風神雷神と言えば仏教における、袋を持った風神と太鼓を背負った雷神を連想するでしょう。 日本における仏教での風神雷神は、仁王像のように、二人一組で扱われま…
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