今朝男の両親に「今朝男が原因の不妊である」「不妊治療を一度だけ試す」と伝えました。 結婚以来「子供を作れ」と(高圧的ではなく過干渉気味に)言い続けてきた今朝男の父は、なにも言えなくなりました。また孫が1人もいない今朝男の母は「お金なら出すから不妊治療を受けて欲しい」と言いました。 あたしの恐怖心への苦労への配慮がないことにイラッとして、「一度だけですけどね!」と強調しました。 またあたしの両親に話したときは、あたしの親だからこそ、それに今朝男の手前もあったのか、もっと遠慮なく「そんなこと(恐怖心)より、とにかく子供ができるようにがんばりなさい」と言われました。 イラッとして、素直に不妊治療した…
今朝男とは、その後なんども不妊治療の件でケンカしましたね。 今朝男はよく「そんなに嫌なら不妊治療しなくていいよ・・・」と言いました。 あたしはこの言葉がすごく嫌でした。 「俺のせいでつらい思いさせてごめん。でもはなゑとの子供が欲しいから、がんばってほしい」 と言って欲しかったです。 つらい思いを引き受けるのはあたしなんだから、せめて意思決定の責任は引き受けてほしかった。 子作りを始めてからずっとこの不満がありました。 あたしが排卵日を把握して、「ねえ、明日、排卵日だよ」と伝えないと、今朝男はタイミングを合わせることをすっかり忘れてる。 あたしだって子供を持つ勇気が持てないのをこうしてがんばって…
そして説明会が始まったのですが・・・。 あたしは「採卵」「針」というワードを見るだけで気が遠くなってしまうので、それまで採卵について、ネットでも詳細を調べられなかったんですよね。 でもこの説明会で、初めて採卵作業についての詳細を知りました。 以下のような解説図が映し出されたのです。 「・・・あんな・・・長い針が・・・」 わあああっと気があがってしまい、血の気が引いてきました。手足の感覚が麻痺してきて、椅子に座りながらも座位姿勢が保てなくなったので、慌てて画面から目を離し、意識をまったく別の場所(昨日の夕食など)に飛ばしました。 なんとか椅子から崩れ落ちるのは避けられましたが・・・ 体に力が入ら…
今朝男と二人で、Aクリニックの説明会に参加してみました。 会場に並べられた椅子に適当に座る。 つい参加者さんらを観察してしまう。 やはりピチピチジューシィな若い人は少なく、みなさま、お肌に中年の質感を有してらっしゃいました。 (もちろんあたしもよ) 「ああ、このひとたち、みんな不妊なんだなあ」と思いました。 不妊って、なんというか、生活感のある悩み。 女性として薄幸さを感じさせる悩み。 珍しくない話なのに人に知られたくない悩み。 同じ職場の集まり、同じ趣味の集まり、など、集まりには色々なつながりがありますが、同じ悩みの集まりって、なんか不思議なもんだなと思いました。
しかし月日は粛々と経ってゆく・・・。 子供を持つ勇気は持てないままだけど、「不妊治療を一度もやらなかったら、きっとあとで後悔するだろうなあ」という予想はつく。 後悔ってすごくいやですよね。 ありありとその姿は見えるのに、時間という檻で区切られて、手が届かなくなってしまう。 でもやっぱり治療なんて恐い!! コワイコワイコワイ!!! このことをとある友人に話してみたら、 「友達がAクリニックというところで受けて、鎮静剤で寝ている間に採卵してくれたらしいよ?」 と・・・! すぐAクリニックのホームページを見てみたら、確かにその通りでした! 「眠っている間に採卵を行います」って! 「意識さえなければ何…
不妊治療を始める決意がつかなかったのは、 「子供を持ち育て上げるという責任を負う勇気がない」 というのが根本理由でしたが、他にも無視できない阻害要因がありました。 それはあたしの「婦人科系の医療行為への恐怖心」。 たかだか健康診断でエコーつっこまれるだけで、息が浅くなってしまうあたし。 それがなに? 採卵?? 子宮内に受精卵を戻す??? あーーーあーーーあーーーあーーー ちょっと想像するだけで血の気が引く・・・ とても耐えられないと思う。 卵管造影検査でも、声を上げて大泣きしてしまったあたし。 ましてや採卵なんて・・・ きっと診察台の上で、過呼吸になってしまうだろう。 そして治療中にパニックに…
お医者さんから「自然妊娠は難しいです。人の手で、卵子に精子を入れる体外受精が必要です」と説明されました。 不妊・・・治療・・・。 「自然妊娠すれば、強制的に親にならざるを得ないから」 という他力本願の姿勢を、神様はお見通しだったのでしょうか。 不妊治療をするという決断には、 「自分たちは、子供を育てます」 という強い意思決定を求められます。 もうアラフォーに足を突っ込んでいるにも関わらず、まだその決意ができない。 かと言って「子供のいない人生を送ろう」という決意もできない。 ちょうどその頃、別件でかなりゴタゴタしており、とても不妊治療を始められるような状況ではありませんでした。 そのゴタゴタに…
さて不妊検査の結果、なんと今朝男に原因があることが発覚。 不妊っていうと、自然と、女性側に問題があると想像してしまうものなのですね。 まさかの男性不妊という現実を知り、ふたりとも驚きました。 当然ながら、今朝男はショックを受けました。 今朝男は、子供の頃からとある身体的なコンプレックスも抱えていたので、それと勝手に紐づけて、「自分は生物として劣等である」という判断をしてしまったようです。 折しも秋の初め。 店頭にはさまざまな種類のブドウが並んでいる時期でした。 「種なし」というシールを見るたびに、今朝男は落ち込んでいました。 しかしここは時間薬。 しばらく経つと、あたしも「種なし」のシールを指…
あたしはとにかく婦人科系の検査が大嫌い。 会社の健康診断でも、婦人科健診のたびに、つらい思いをしていました。 ある年は、子宮頸がん検査の直後に、オリモノにうっすら血が混じっているのを見て、貧血になったほど。 不妊検査のひとつに、卵管造影検査がありますよね。 初めてその検査内容について知った時、また貧血になりました。 それぐらい、苦手。 そのあたしが、恐怖心にムチ打ち、卵管造影検査を受けたのですが・・・ 検査台に乗せられた時点で、両目から大粒の涙がとめどなく流れ始め・・・ 事前に夫同伴の許可をもらっていたので、隣で今朝男が私の手を握りながら、「これが終わったら旅行行こうね。そうそう、去年の旅行も…
子作りを始めたら、すぐに子供ができると思っていました。 自分が妊娠・出産して子育てする、というビジョンは相変わらず描けないままでしたが、避妊していないのだから、あとは物理的に勝手に物事が進み、強制的に親にさせられるものだと思っていました。 しかし2年経ってもまったく妊娠しない・・・。 すでにあたしはアラフォーの領域に入っていました。 夫婦で相談し、不妊検査を受けてみることにしました。
再婚して数年経ち、30代半ばになってくると、さすがに「妊娠・出産のタイムリミット」が気になるようになりました。 そしてやっと夫婦二人とも子作りする気持ちになれました。 つまり、避妊をやめたのです。 自分としては、ここまで来られたあたし、偉い、と思っていました。 あんなに生きること自体に無気力だったのに、就職できて、結婚もできて、しかも子供を持つという選択ができた。 額の汗をぬぐいながら、「ふー」と息を吐くイメージ。 もうすでにこの時点で、努力に努力を重ね、富士山を登り切った気持ちでした。
初婚でとっても痛い目にあい、「もう二度とあんな目にあいたくない・・・」と心を入れ替えて努力した甲斐が出て、数年後には、現夫である今朝男と再婚することができました。 この時点で、すでに30歳を超えていました。 でもまったく「子供がほしい」と思えず。 巷で有名な「結婚後数年は、夫婦二人の生活を楽しむ」という大義名分に寄りかかり、避妊していました。 夫婦ともに、子供を持つということが「自由を奪われる人生のタスク」にしか感じられませんでした。 幼稚な、似た者夫婦でした。
そして初めてできた年下の彼氏と、20代半ばで結婚しました。 いろいろ人間的に欠陥だらけだったあたしは、結婚式なんて社会的スキルを求められるイベントなんてとてもやる気になれず、入籍だけしました。 しかしわずか1年半で破局。 あの頃のあたしにとって、結婚は、一生の依存対象を得るための手段でしかなかった。 「夫婦の信頼関係を作る」 「家庭を守る」 「子供を産み育てる」 なんて発想、嘘じゃなく、これっぽっちもありませんでしたね。 寂しいからという理由で、元夫の仕事を休ませたり、友人との交流を妨害しているうちに、元夫に泣きながら離婚を通達されてしまいました。
幼少の頃、おままごとで、御飯つくったりぬいぐるみを背中におぶったりされました? あたしはしてないんですよ。 いろんな草を集めて、石で潰して、「魔女の毒」とか言って青汁を作ったりはしたけどね・・・。 そう、「ママになりたい」という願望のない子だったのです。 ましてや小学生高学年ともなると人生全般に無気力に育ってしまい、親になるどころか結婚も、ましてや生きる気力さえも萎えておりました。 高校生になっても洒落っ気ひとつないあたしを、父は秘かに心配していたようです。 でもそんなあたしも大学生になると化粧するようになり(父は秘かにほっとしたらしい)、23歳で初めての彼氏ができました。
紆余曲折を経て、高齢でママになりました。 あたしは「はなゑ」。 夫は「今朝男」。 高齢になるまで時間がかかってしまった理由は、不妊症だったことよりも、親になる勇気がなかったことでした。 でもやっと親になる勇気・意思が育ちました。 それまでの紆余曲折について記したいと思います。
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