カナダの作家マーがレッド・アトウッドの『侍女の物語』『誓願』は、アメリカが神聖国家ギレアデ共和国となったディストピア小説です。女性の人権が剥奪された全体主義国家、「女性たちの1984年」。この記事では、アメリカ合衆国からギレアデ崩壊までを、政治学の知見で考察していきます。
本や映画を中心に哲学的に語っていきます。 ギリシア哲学と政治哲学を専攻したので、ややそちらに片寄るかも(笑) プラトンから神林長平まで! ソビエト映画からシン・ゴジラまで! 大人の社会科見学や、ゾイド、夜のキャバレーまで!
ドラマ「総理と呼ばないで」(田村正和×三谷幸喜)~どうしてこんな政治になった?【名作紹介】
1997年、全11話 過日、お亡くなりになった俳優の田村正和。 代表作として、和製「刑事コロンボ」こと「警部補 古畑任三郎」が挙げられることが多いようですが、個人的に思い出したのが、同じフジテレビの連続ドラマ「総理と呼ばないで」でした。 目
映画「パトリオット・デイ」~対テロ戦争とアメリカ警察を知るために
2016年(米)、ピーター・バーグ監督 「テロだと決めた瞬間に何もかも一変する。この街の問題だけじゃなくなるんだ。マスコミが大騒ぎして、株価にも影響が出て、政治家がしゃしゃり出てきて、お決まりのイスラム教徒への反発も起こる。間違えたら取り返
FAF(フェアリイ空軍)の考察【後編】~妖精の名を冠する空軍の全貌(神林長平『戦闘妖精・雪風』)
★【前編はこちら】 →FAF(フェアリイ空軍)の考察【前編】~妖精の名を冠する空軍の全貌(神林長平『戦闘妖精・雪風』) 目次 1 将官や佐官2 士官だけの軍隊3 超空間通路のリスク 将官や佐官 「刑務所別館」とさえ言われるFAFですが、それ
FAF(フェアリイ空軍)の考察【前編】~妖精の名を冠する空軍の全貌(神林長平『戦闘妖精・雪風』)
「フェアリィ星の戦いは地球の毎日の出来事からは遠く隔たっているように感じられ、ジャムの脅威は忘れられたかのような現代の国際情勢だ。」 『戦闘妖精・雪風〈改〉』、14頁(リン・ジャクス『ジ・インベーダー』)。 神林長平の長編ハードSF『戦闘妖
音楽アニメ「ラーゼフォン」~エヴァではないし、マクロスでもない【名作紹介】
2002年、全26話 「音楽を武器にして戦え!」というと、「超時空要塞マクロス」だと早合点しそうな君! 今回は違うぞ。 目次 1 あらすじ2 多層構造と複雑すぎる人間関係3 エヴァンゲリオンと比較され4 オマージュを散りばめて5 シンプルに
「日本沈没」関連記事まとめ~映画版、漫画版、関連作品(小松左京)
ある日、日本列島が沈んでしまうことがわかったら、日本及び日本人はどうするのか? そんあ悪夢を描いた日本SFのロングセラー『日本沈没』。 映画や漫画、ドラマ化されて、幾度もメディアミックスが展開されています。そんな『日本沈没』に関する関連記事
都内には大型書店がいくつもあります。いるだけで時がゆっくり過ぎてゆく様な、贅沢な時間を過ごせるオススメ店舗を紹介します。 在庫100万冊越えの店舗も含めた、文字通り書店の大艦巨砲主義をご覧ください! 目次 1 八重洲ブックセンター (東京駅
機動警察パトレイバー旧OVA「二課の一番長い日」解説・考察【後編】~自衛隊クーデターの幻想(押井守)
【前編はこちら】 →機動警察パトレイバー旧OVA「二課の一番長い日」解説・考察【前編】~自衛隊クーデターのリアリティ(押井守) 目次 1 米国という最大の「障害」2 最後通牒の謎3 幻想の自衛隊クーデター4 クーデターはデウスエクスマキナか
機動警察パトレイバー旧OVA「二課の一番長い日」解説・考察【前編】~自衛隊クーデターのリアリティ(押井守)
「東京で俺たちを待っていたのは、戦争だった・・・」 前編より(篠原遊馬) 目次 1 あらすじ2 押井守節全開のクーデター劇3 「自衛隊のクーデター」のリアリティ4 自衛隊クーデターの戦術論5 海自と空自、地方の部隊は何をしているのか あらす
「本」をめぐる記事をまとめてみました。 本好きの楽園から、考えたくない未来の話まで。 目次 1 書物をめぐる断想1.1 古典・名著の漫画化の功罪~「お手軽」な反知性主義1.2 西牟田靖『本で床は抜けるのか』~蔵書家の永遠の課題~2 焚書2.
映画「8人の女たち」(フランソワ・オゾン監督)~綺麗な花には棘がある【名作紹介】
2002年(仏)、フランソワ・オゾン監督 目次 1 あらすじ2 クローズドサークルに集まる大女優3 歌って踊って4 美しい花には棘がある あらすじ 1950年代、フランス。 大雪に見舞われた郊外の大邸宅、クリスマス・イブの朝、その家の当主マ
映画「パターソン」感想~詩は何のために書くのか?(『山月記』を傍らに)
「もしかして、あなたもパターソンの詩人ですか?」 (本編より) 2016年(米)、ジム・ジャームッシュ監督 目次 1 あらすじ2 バス運転手か人喰い虎か3 誰もが詩人である4 沖仲仕の哲学者5 詩は「閉じる」だけでいいのか?6 詩はどこに「
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カナダの作家マーがレッド・アトウッドの『侍女の物語』『誓願』は、アメリカが神聖国家ギレアデ共和国となったディストピア小説です。女性の人権が剥奪された全体主義国家、「女性たちの1984年」。この記事では、アメリカ合衆国からギレアデ崩壊までを、政治学の知見で考察していきます。
突然のローマ教皇の崩御で、首席枢機卿のローレンスは、教皇選挙(コンクラーベ)を取り仕切ることに。しかし、そこは、権謀術数渦巻く「戦場」だった…
「ウルトラマン」シリーズは、ほぼ見ないのですが、お付き合いで観ることになった、今回の「ウルトラマンアーク」は、いやはや面白かったですね。特に、第22話「白い仮面の男」には唸らされました。これ、子供に理解できるのか?という訳で、今回は、この22話の感想と考察をつらつらと。
2024年最大の問題作。現代アメリカの分断が臨界点に達して、内戦状態に突入したら?そんな衝撃作「シビル・ウォー」の背景を徹底解説します。
人類がキャッチした謎のパルスは、深宇宙から発信されたものだった!果たして、そこに書かれたメッセージは?驚愕の真実が明かされるファーストコンタクトSF
もし再びアメリカ連邦議会が襲撃されたら、一体どうなるのか?最悪の状況とは?米国で行われたシミュレーション・机上演習をドキュメンタリー化。その結末は、第二の南北戦争、内戦なのでしょうか?
もし再びアメリカ連邦議会が襲撃されたら、一体どうなるのか?最悪の状況とは?米国で行われたシミュレーション・机上演習をドキュメンタリー化。その結末は、第二の南北戦争、内戦なのでしょうか?
自衛隊批判で知られる3年B組金八先生スペシャル「贈る言葉」。政治学の見識から、この内容を解題しいく記事の2回目です。カール・シュミットや古代ギリシアを参考に考えていきます。
1980年代に放送された「3年B組金八先生」のスペシャル「贈る言葉」は、卒業生の自衛官任官を教師たちが全力で阻止しようとする異例の内容でした。今回は、この作品を政治学の知見を基に解題していきます。
児童文学の傑作、ミヒャエル・エンデ『モモ』。この物語には、古代ギリシアの哲学者プラトンの哲学との強い親和性があります。今回は、『モモ』の物語を、プラトン哲学で読み解いていきましょう。
2012年、米 バイオハザード・シリーズに出てくるアンブレラ社は、ゾンビの基本原則の中でも抜きん出た企業の無能さを晒している。この多国籍企業の政治力が明白なものである一方で、その組織 としての能力は非常に疑わしい。 D・ドレズナー『ゾンビ襲
新規開店やリニューアルする書店には、カフェテリアが付き物になりました。しかし、本当に、書店とカフェは相性が良いのでしょうか?
カルト的な人気を誇るオーストラリア映画のご紹介です。ピクニック先で、3人の美少女は、なぜ忽然と姿を消したのか?ミステリーと官能で彩られた傑作です。
「何人もによって書かれたものかね?」 「そうらしいです。―この、一番最初にのっているものは、一番筋が通っていて、内容は一番ショッキングです」 小松左京「お召し」より※1 目次 1 あらすじ2 最高傑作かもしれない3 伏線の巧みさ4 向こうの
埼玉を壮大にディスった映画「翔んで埼玉」。この作品を世辞額の視点から考察してやろうという無謀極まりない試みです。キーワードは「天皇制」(マジで?)
時代を色濃く反映する動画投稿サイトの世界。 従来の常識では考えられないような企画が次々生み出される世界ですが、最近、「私人逮捕系YouTuber」なるものが流行(?)しているようです。 これは、YouTuberが、痴漢をしていると思われる人
自衛隊に「統合司令部」を設置することになりましたが、これを「令和の大本営」と批判する声もあります。しかし、その批判は的を射ているのでしょうか?そもそも大本営とはどんな存在だったのでしょうか?
カルト的人気を誇った90年代のデンマークのテレビシリーズ「キングダム」が25年ぶりに帰ってきました!待望の完結篇を見届けに、いざ劇場へ!
津川雅彦=徳川家康の名演が光る、傑作NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」(1995年)を、紹介します!
(2023年7月15日執筆) 無防備の国民には友しか存在しない、と考えるのは、馬鹿げたことであろうし、無抵抗ということによって敵が心を動かされるかもしれないと考えるのは、ずさんきわまる胸算用であろう。 カール・シュミット『政治的なものの概念
2012年、米 バイオハザード・シリーズに出てくるアンブレラ社は、ゾンビの基本原則の中でも抜きん出た企業の無能さを晒している。この多国籍企業の政治力が明白なものである一方で、その組織 としての能力は非常に疑わしい。 D・ドレズナー『ゾンビ襲
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