ちょっと深く、されど、受験日本史において本当に必要な情報だけを紹介する、全ての受験生に贈る高校日本史ブログです。 —桓武天皇が選んだ遷都の先はなぜ「京都」であったのか。― 自信を持って説明できますか?
【官物・臨時雑役とは?】租税賦課方式の一大転換と国司の変容&‘‘売官売位‘‘の風潮【論述対策】
さて、これまでずっと見てきたように、奈良時代の律令政府は農民たちに対してあまりに重すぎる負担をかけてしまったがために、 農民たちの間で偽籍、浮浪・逃亡などの納税忌避手段が一般化し、朝廷は戸籍・計帳に基づいた人民支配が困難になってしまいました。 そしてそれ以降、公地公民制を基本理念とする律令制は徐々に弛緩していきます。 もちろん朝廷もただ指をくわえてその崩壊を見つめていたわけではなく、例えば桓武天皇や醍醐天皇のように、 深刻な状況を打開すべく、果敢に改革を行った人物もいました。 しかしそれでも結局、朝廷にも律令制の瓦解を食い止めることはできず、平安時代の半ば頃、 10世紀の前半~半ば頃において、朝廷は自ら、律令制を放棄する道を選ぶので
【摂関政治の一時的復活】朱雀天皇の時代の出来事について解説!
延喜の治を行った醍醐天皇の跡を継いだのが、第61代天皇朱雀天皇です。 そのあとには、これまた有名な天暦の治を推進した村上天皇が続きます。 センターでも頻出レベルの醍醐天皇・村上天皇に挟まれ、教科書や参考書等ではイマイチ存在感薄目な朱雀天皇ですが、 実は朱雀天皇が在位していた930~946年の間には、日本史において重要な出来事がいくつか発生しているのです。 今回は、朱雀天皇の時代における出来事について簡単に触れていきたいと思います! 目次― 1.一時的な摂関の復活 2.律令制の崩壊と租税賦課方式の一大転換 3.東で西で、大反乱。承平天慶の乱の発生 1.一時的な摂関の復活 死の間際に譲位した醍醐天皇の跡を受け、即位を果たしたのが朱雀天皇
【論述対策】平安時代における律令制の弛緩&崩壊に対する朝廷の対応【桓武天皇の改革・直営田の設置・醍醐天皇の改革】
飛鳥時代末期より徐々に成立してきたとされる律令制ですが、奈良時代の半ば頃から少しづつ弛緩していったと言われています。 理由は、律令制の根幹を支える存在である農民たちに対して、朝廷があまりに大きな負担をかけすぎたからです。 律令体制下において、ピラミッド構造の最下層かつ最多数を構成する農民たちは、租・調・庸・雑徭・兵役・・・などなど多種多様な課役を負担したのですが、 この負担があまりに大きすぎたために、生活に困窮した農民たちの間では、偽籍や浮浪・逃亡、私度僧といった納税忌避手段が一般化し、 そのために、国家は、戸籍・計帳に基づいた人民の把握が困難となり、「公民制」が崩壊してしまったのでした。 そして、公民制の崩壊は同時に、口分田の荒廃
【論述対策】奈良時代における農民負担の増大と公地公民制・律令制の弛緩&崩壊【後編:公地制の崩壊】
当記事は、奈良時代における公地公民制・律令制の弛緩・崩壊についてまとめた、前編・後編のセット記事です。 ⇓⇓⇓ぜひとも、まずは前編からご覧くださいませ。 【論述対策】奈良時代における農民負担の増大と公地公民制の崩壊&律令制の弛緩【前編:公民制の崩壊】 さて、まずは前編の復習から簡単にいたしましょう。 律令には、租・調・庸・雑徭・・・などなど多種多様な農民負担が規定されていたのですが、 成人男性(とくに正丁)に偏重したこれらの諸負担は、貧しかった農民たちにとって非常に重いものであり、 徴税から逃れようとした農民たちの間では、偽籍や浮浪・逃亡、さらに私度僧といった納税の忌避手段が一般化するようになります。 朝廷による戸籍と計帳に基づいた
【論述対策】奈良時代における農民負担の増大と公地公民制の崩壊&律令制の弛緩【前編:公民制の崩壊】
さて、「公地公民制」の理念のもと、飛鳥・奈良時代における朝廷は中央集権的な体制の建設を進めていったのですが、 飛鳥時代の終わりごろから徐々に成立されたとされる律令制は、奈良時代半ばごろからだんだんと弛緩(しかん)していき、 天皇を中心とした、この「公地公民制」は徐々に崩壊していくのでした。 一体何が問題であったのでしょう。 今回の記事では、奈良時代を語る上で非常に重要である【公地公民制の崩壊による律令体制の弛緩】について、紹介していきます。 古代日本の「税制度」「土地制度」を理解する上で、その根幹となるテーマです。 ここが分からないと、平安時代半ばごろに徴税方式が転換された理由や、中世的な土地制度へと移行した背景などが非常に理解しづ
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