人事労務を生業とする社労士に聞かせる「モノ」の話
月刊社労士には童門冬二の、歴史から学ぶビジネスのあり方的な連載がある。説教くさいし、孫氏や孔子など偉人をたとえに出す話は好きではないし、日本の武将や商人の話はなおのこと、好きではない。なので読み飛ばしていた。しかし、1月号の連載のタイトルは「落ちた鐘にも意思がある」ではないか。人の心は不得意であるが、私は物は好きである。とはいえ、人相手の仕事をしている社労士向けだ、たいして面白くもないだろうと期待もせずに読み始めた。江戸時代、河村瑞賢という大工が増上寺の落ちた釣鐘を直す仕事をバカ安で落札したのである。瑞賢は信心深い性格であり、それが万物に及んでいる。万物にも生命があり、意思がある、と思っている。だから、落ちた鐘にも落ちようという意思があった、ととらえる。自力では戻れないので人の力を頼らざるを得ない。工事が必要と...人事労務を生業とする社労士に聞かせる「モノ」の話
2022/02/17 19:09