法華玄義 現代語訳 55
『法華玄義』現代語訳 55 「無生の四諦」 「無生(むしょう)」とは、一般的に言うところの「真理」から迷い出る程度が軽いために、「真理」に基づいて名付けられた名称である。「苦諦」に逼迫がなく、「集諦」に多くの執着なく、「道諦」に相対的なものはなく、「滅諦」に生滅の形はない。また、苦そのものは空であるということを学び、その他の三つも同じである。また「無生」とは、「集諦」と「道諦」に名付けられる名称である。「集諦」と「道諦」は空である。空であるため、もともと「集諦」も「道諦」も生じないので「無生」である。このように「集諦」と「道諦」が生じなければ、「苦諦」と「滅諦」もない。すべての存在そのものが真…
2022/01/31 14:27