法華玄義 現代語訳 36
『法華玄義』現代語訳 36 ②「因」の段階の高低の四つの難点について 次に、『般若心経』(注:現在広まっている玄奘訳ではなく鳩摩羅什訳『摩訶般若波羅蜜大明咒経』)にあるように、「般若波羅蜜(はんにゃはらみつ・最高の智慧という意味)」は、「無上明咒。無等等明咒(この上ない呪文であり比べるものがない呪文という意味)」である。仏道の高みを目指す者はこの上ない教えを求めるべきである。したがって『法華経』以前の経典の「因」である修行者に対する教えは低いということはない。『大智度論』に「大乗仏教の求道者である菩薩はこの世の人間の次元を超えて、肉体を持たない霊的存在として菩薩の行を行なう」とある。このように…
2021/12/31 23:18