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2019/07/07

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  • 法華玄義 現代語訳 12

    『法華玄義』現代語訳 12 〇漸教と生蘇味 幽谷を照らした太陽は、次に平地を照らし始める。あらゆる影は長く伸びて水に映り、さまざまな形が波の動きに従って現われる。仏の世界は本来一つであるのに、その清らかさに違いが現われ、仏の身は本来一つであるのに、その大きさはさまざまに見える。仏の声は一つなのに、その教えは聞く人によって理解が違う。ある人は畏れ、ある人は歓喜し、ある人はうようになり、ある人は疑いを断ち切る。その仏の神通力も異なって現われる。そのために、仏の世界にも清らかさが異なって見え、教えを聞いても違いが生じ、香木の香りも違い、花を美しいと感じても、執着を生じる者もいれば生じない者もいる。智…

  • 法華玄義 現代語訳 11

    『法華玄義』現代語訳 11 E.標教(標章判教) これより、「判教(はんきょう)」という名称について述べる。「判教」とは「教相(きょうそう)」を判別することである。この名称について解釈するにあたって、この段落を三つに分ける。一にa.根性の融不融の相、二にb.化道の始終不始終の相、三にc.師弟の遠近不遠近の相である。 「教相」の「教」とは、悟りを開いた者が、それを修行中の者に伝えることであり、「相」とは、釈迦一代の各教えの違いを分別して明らかにすることである。 Ea.根性の融不融の相(こんしょうのゆうふゆうのそう) ◎五教と五味(原文には◎や〇をつけた見出しはないが、整理しやすくするためにつける…

  • 法華玄義 現代語訳 10

    『法華玄義』現代語訳 10 (注:ここからは再び、天台大師の講述となる)。 C.標宗(標章明宗) 経典が記された意味を表わす言葉について述べる方法に、三つある。一にa.示(じ)、二にb.簡(けん)、三にc.結(けつ)である。 Ca.示(言葉の意味を示す) 「宗」とは「宗要(しゅうよう)」ということである。いわゆる仏は修行(因)をして、悟り(果)を開いた、つまり仏の因果ということを「宗」という。ではなぜその「宗」の言葉に「要」という言葉がつくのか。修行と言っても数えきれないほど多くあるが、それらをただ「因」という言葉を使えば、その一言でまとめることができる。悟りと言ってもその段階は数多くあるが、…

  • 法華玄義 現代語訳 09

    『法華玄義』現代語訳 09 (注:灌頂の解釈がここに記されている) 私、灌頂が解釈するに、実在の真実の姿を説く教えは、まず、悟っていない人が陥る誤った見解、つまり「真理とは何もないこと」、また「勝手に言葉を作り出して理屈を述べること」、また「真理は複数ある」、また「真理と真理でないものがある」などという誤った見解を破り、また、不完全な悟りの見解を破るのである。 この悟っていない人が陥る見解を破るということは理解しやすい。不完全な悟りを得て、それで良しとしている者の見解を破るということについて、ここで述べることにする。 まず、大乗仏教以前の釈迦の弟子や、ひとりで修行して悟りを開いたとする者たちは…

  • 法華玄義 現代語訳 08

    『法華玄義』現代語訳 08 B.標体(標章弁体) 真実の正体(しょうたい)を表わす言葉について述べる方法に四つある。一にa.釈字(しゃくじ)、二にb.引同(いんどう)、三にc.簡非(けんぴ)、四にd.結正(けっしょう)である。 Ba.釈字(言葉について解釈する) たとえば、「礼」という言葉について考えるならば、「礼」とは「法」である。親を親とし、子を子とし、君子と臣下を区別する。これは「礼」であって「法」である。もし「礼」がなければ「法」ではない。 この世から救われることを示す教えの真実の姿も、これと同じである。善と悪、凡人と聖人、菩薩や仏の区別がある。これらの区別はすべて、真理の法則から出る…

  • 法華玄義 現代語訳 07

    『法華玄義』現代語訳 07 (注:『法華玄義』という題名は、言うまでもなく、『法華経』の玄妙な奥義を明らかにする、という意味である。しかし、前にも述べた通り、天台大師は、「五重玄義」を中心にこの『法華玄義』の講述を進めているのである。したがって、言うならば、「五重玄義」の『法華経』版とも言うべきものである。つまり『法華経版五重玄義』の略がこの書の題名だと言っても過言ではない。このように、まず「五重玄義」そのものの説明が、「七番共解(ななばんぐうげ)」の七つの項目によって進められる箇所となる)。 最初に、「五重玄義」について説くが、それは「七番共解」の七つの項目に分けて説明する。再びその七つの項…

  • 法華玄義 現代語訳 06

    『法華玄義』現代語訳 06 これよりは、「五重玄義」の「通」の解釈であり、その解釈においては、「七番共解(ななばんぐうげ)」を用いて進めて行く。 (注:『法華経』を「五重玄義」によって解釈するのが『法華玄義』の内容であるが、まず「通」として、「五重玄義」の概論が述べられる。しかし、前にも述べられていたように、「五重玄義」はすべての経典の解釈方法であり、『法華玄義』では『法華経』のみをその対象とするということである。そのため、結局、「五重玄義」とは何であり、なぜ「五重玄義」で経典を解釈するのかという「概論」は、「仏教概論」のような内容になる。そして、この「通」の解釈の分量が『法華玄義』の前半を占…

  • 法華玄義 現代語訳 05

    『法華玄義』現代語訳 05 (注:これから『法華玄義』の本文となる)。 釈名第一(しゃくみょう・名称を解釈する) 弁体第二(べんたい・全体を述べる) 明宗第三(みょうしゅう・記された目的を明かす) 論用第四(ろんゆう・霊的力を論じる) 判教第五(はんきょう・釈迦一代の教えの中の位置を判断する) この五重玄義の五つの項目をもって、あらゆる経典を解釈するのであるが、そこに「通(つう)」ということと「別(べつ)」ということがある。 「通」とは、「同」という意味である。「別」とは、「異」という意味である。あらゆる経典を、同じくこの五つの項目で解釈するので「同」という。そしてもちろん、各経文はさまざまに…

  • 法華玄義 現代語訳 04

    『法華玄義』現代語訳 04 (注:これ以降、天台大師の二番目の「序」となる。最初の天台大師の「序」は、『妙法蓮華経』という題目についての論述であったが、今回の「序」は、この『法華経』で説かれる内容そのものについての序文となる)。 この『妙法蓮華経』は絶対的次元についての非常に深い奥義が秘められた経典である。その経典の中に「この教えは目に見える形で示すことはできない」「この世は常に移り変わっているように見えるが、実はこの世は常に変わらない絶対的次元を表現するものである」「(この経典の教えは)過去現在未来の仏たちが悟った内容である」とある通りである。さらに「私は瞑想を修行する道場において、最も根本…

  • 法華玄義 現代語訳 03

    『法華玄義』現代語訳 02 (注:ここからは、天台大師の「序」の箇所となる) この『妙法蓮華経』(=『法華経』)の「妙」とは、「不思議」すなわち、人間の思考では理解することができない、という意味である。 「法」とは、相対的世界にいる人間を表わす「十界(じっかい/じゅっかい)」と、同じく相対的世界の万物の在り方を表わす「十如是(じゅにょぜ)」と、その相対的世界に合わせて相対的な姿として現わされた仏のである「権(ごん・仮という意味)」と、絶対的世界の目に見えない永遠の仏である「実(じつ・真実の姿という意味)を指す。 (注:十界と十如是は、天台大師の思想を形成する最も基本的な用語であり、これから何度…

  • 法華玄義 現代語訳 02

    『法華玄義』現代語訳 02 (注:ここからは、天台大師の「序」の箇所となる) この『妙法蓮華経』(=『法華経』)の「妙」とは、「不思議」すなわち、霊的真理は人間の思考では理解することができない、という意味である。 そして「法」とは、「教え」という意味である。また、その教えは三つに分けてみることができる。ひとつは、人間の霊的状態を10通りに分けた見方(十界・じゅっかい/じっかい)であり、ふたつめは、すべての存在の在り方を10通りに分けた見方(十如是・じゅにょぜ)であり、みっつめは、真理を直接表現する方法(実・じつ)と、その真理をわかりやすく伝えるための方便(ほうべん・巧みな手段という意味=権・ご…

  • 法華玄義 現代語訳 01

    『法華玄義』現代語訳 01 天台大師智顗(ちぎ・538~598)講述 灌頂(かんじょう=章安灌頂・しょうあんかんじょう・561~632)筆記 〇 私、灌頂がこの書を記すに至った経緯を述べる。 大いなる教えが東に伝えられて来た歴史において、いったいどれくらいの人たちが、釈迦から教えを受けることなく(注:釈迦は過去の人物となっているから、当然教えを直接受けることはできない)、仏の教えを理解したであろうか。 たとえ、悟ったとしても、完全な霊的瞑想に入って、陀羅尼(だらに・人間には理解できない真理の「ことば」)を得た者がいたであろうか。 たとえ、悟りの智恵と瞑想を得たとしても、これをこの世に広めた人が…

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