大和し うるわし
ヤマトタケルの自伝 32 わたしは尾津崎を出て、大和へ向かって歩いていた。従者に支えられ、杖を突いて、おぼつかない足取りで・・・ 「ああ・・・わたしの足は三重にも曲がってしまったようだ・・・つかれた・・・」 わたしは立ちどまってつぶやいた。 「ヤマトタケルさま!しっかりしてください!大和はもうすぐです!!」 従者らは必死に、わたしを励ますように声をかけている。 「ああ・・ありがとう・・・大丈夫だ!さあ、行こう!」 わたしは口ではそうは言って再び歩きだす。しかし高熱で意識は薄れ、目の前はかすみ、ますます足取りは遅くなっていく。 ・・・ああ、もう動けない・・・ わたしは能煩野に至ったとき、ついに倒…
2022/12/28 19:25