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  • まとまった質量を持つ分子雲を作るには? X線連星から噴出する宇宙ジェットで分子雲の粒を掃き集めるといいようです

    今回の研究では、野辺山45メートル電波望遠鏡とASTE望遠鏡を用いた観測により、X線連星“SS433”から噴出する宇宙ジェットの先端領域に複数の分子雲を新たに発見しています。この研究を進めているのは、鹿児島大学理工学研究科天の川銀河研究センター所属の酒見はる香研究員と国立天文台、名古屋大学からなる研究チームです。これらの分子雲の特徴的な構造から分かったのは、宇宙ジェットと相互作用している可能性が高いこと。さらに、これらの分子雲はそれぞれ1つの大きな塊ではなく、観測の解像度では見えないより小さな分子雲の粒が集まってできている可能性も示唆されました。この結果を踏まえ研究チームは、周辺に散らばる小さな分子雲の粒を、宇宙ジェットが掃き集めることでまとまった分子雲を作るという形成シナリオを提案しています。X線連星か...まとまった質量を持つ分子雲を作るには?X線連星から噴出する宇宙ジェットで分子雲の粒を掃き集めるといいようです

  • 中性子星と普通の恒星の連星が作り出す熱核爆発“I型X線バースト”で中性子星の物理的な特性に迫る

    太陽の10~30倍程度重い恒星が一生の最期を迎えると超新星爆発を起こし、その爆発の中心部には極めて高密度な天体“中性子星”が形成されることがあります。中性子星は、主に中性子からなる天体で、ブラックホールと異なり半径10キロ程度の表面が存在。そこには、地球の約50万倍の質量が詰まっていて、一般に強い磁場を持つものが多い天体です。多くが超高速で自転していて、地球から観測すると非常に短い周期で明滅する規則的な信号がとらえられるので、パルサーとも呼ばれています。中性子星は、密度が地球の数100兆倍、磁場が地球の約1兆倍もあります。内部は極めて高密度・高エネルギーな環境なので、正確な性質はほとんど分かっていませんでした。X線で爆発的に輝く天体現象中性子星は宇宙で最も高密度な物質とも言われていて、その表面ではしばしば...中性子星と普通の恒星の連星が作り出す熱核爆発“I型X線バースト”で中性子星の物理的な特性に迫る

  • 宇宙で最初に生まれた星々の中には太陽140個よりも重い巨大質量星が存在していた! 電子対生成型超新星の痕跡で分かったこと

    国立天文台と中国国家天文台などの研究チームは、すばる望遠鏡を用いた観測により、宇宙で最初に生まれた星々の中には太陽140個分以上の重さの巨大質量星が存在したことを初めて明確に示しました。ビッグバン後の宇宙で、どのように星が生まれてくるのかを理解するうえで重要な研究成果になるようです。図1.巨大質量の初代星による超新星爆発のイメージ図。星団のなかで最も質量の大きな星が最初に爆発し、周囲に物質を放出すると考えられる。(Credit:中国国家天文台)初代星には大質量星が多く含まれていた宇宙で最初に生まれたのは、どんな星だったのでしょうか?このことは、ビッグバン後の宇宙でどのように物質が集まって天体を形成するようになったのかを、解き明かすうえで最大の疑問のひとつになっています。最初の天体形成は、ビッグバン後の宇宙...宇宙で最初に生まれた星々の中には太陽140個よりも重い巨大質量星が存在していた!電子対生成型超新星の痕跡で分かったこと

  • 潮汐力による過熱は期待できないけど、天王星の4つの氷衛星にも内部に海が存在する?

    太陽系で2番目に遠い軌道を約84年の周期で公転している惑星が天王星です。天王星は、太陽系の惑星の中では木星、土星に次いで3番目に大きく、木星、土星、海王星に次いで4番目に重い天体。ガス惑星と呼ばれる木星や土星、海王星と同様に、水素とヘリウムを主成分とする大気を持っていて、惑星の分類としては木星、土星、海王星と共にガス惑星(木星型惑星)に含まれ、その中でも氷惑星(天王星型惑星)に分類されています。今回の研究で指摘しているのは、天王星の4つの氷衛星“アリエル”、“ウンブリエル”、“チタニア”、“オベロン”の地下に海がある可能性です。土星の衛星エンケラドスをはじめ、木星の衛星エウロパや海王星の衛星トリトンなどでも、潮汐加熱によって氷衛星の内部に広大な海が存在する可能性が指摘されています。これらの衛星は外殻から間...潮汐力による過熱は期待できないけど、天王星の4つの氷衛星にも内部に海が存在する?

  • “怖いバービー”の正体は? ブラックホール? 何もないところに突然現れ、長期間に渡って大量のエネルギーを放出している天体

    超新星爆発やクエーサーをはじめ、宇宙には高エネルギーな天文現象が数多くあります。このような天文現象を一度に多数観測することも、観測能力の向上とともに容易になってきました。でも、観測される数が増えたことで、これまでの分類には当てはまらない天文現象も多数見つかることに…新たな謎も増えることになったんですねーこれらの天文現象に関する理解は、今もなお発展途上なようです。突然現れた天文現象“怖いバービー”こぎつね座に現れた天文現象“AT20211wx”も、そんな謎多き天体の1つです。“AT20211wx”という名称は突発天体に付けられるカタログ名になります(ATは突発天体を意味するAstronomicalTransientの略)。この天体は、他にも小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)による“ATLAS20b...“怖いバービー”の正体は?ブラックホール?何もないところに突然現れ、長期間に渡って大量のエネルギーを放出している天体

  • 衛星エンケラドスから噴出している水は土星を取り囲むように分布している! ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で明らかになったこと

    厚い氷の層に覆われた小さい衛星“エンケラドス”。土星の衛星エンケラドスは、2005年の探査機“カッシーニ”による観測以来、注目され続けている天体です。それは、エンケラドスの南極付近には間欠泉があり、水のプルーム(水柱)が時々宇宙空間へと放出されているからです。観測で得られた数々の証拠は、エンケラドスの内部が潮汐力によって加熱されて融けていて、表面を覆う分厚い氷の下に液体の海が存在するという強力な証拠を示していました。興味深いことに海水に含まれているのは、水、塩、シリカ(二酸化ケイ素)、炭素を含む単純な化合物。そう、これらは生命の材料になり得る物質なんですねー土星探査機“カッシーニ”の挟角カメラで2005年7月14日に撮影されたエンケラドス。紫外線・可視光線・赤外線のフィルターを使用して取得したデータを元に...衛星エンケラドスから噴出している水は土星を取り囲むように分布している!ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で明らかになったこと

  • 中性子星の中心部は最も硬いはず! でも、重い中性子星の中心部では物質構成が変化して“柔らかい”核になっている?

    太陽の10~30倍程度重い恒星が一生の最期を迎えると超新星爆発を起こし、その爆発の中心部には極めて高密度な天体“中性子星”が形成されることがあります。中性子星は、主に中性子からなる天体で、ブラックホールと異なり半径10キロ程度の表面が存在。そこには、地球の約50万倍の質量が詰まっていて、一般に強い磁場を持つものが多い天体です。多くが超高速で自転していて、地球から観測すると非常に短い周期で明滅する規則的な信号がとらえられるので、パルサーとも呼ばれています。中性子星は、密度が地球の数100兆倍、磁場が地球の約1兆倍もあります。内部は極めて高密度・高エネルギーな環境なので、正確な性質はほとんど分かっていませんでした。中性子星のイメージ図。(Credit:ESO/L.Calçada)中性子星の内部の様子今回の研究...中性子星の中心部は最も硬いはず!でも、重い中性子星の中心部では物質構成が変化して“柔らかい”核になっている?

  • アンモニア分子の広域観測で発見! 生まれたての若い大質量星によって周囲の分子ガス雲が暖められている現場

    今回の研究では、野辺山45メートル電波望遠鏡を用いて、天の川の“わし座”と“たて座”の境界付近にある赤外線バブル“N49”に対して、アンモニア分子“NH3”の広域観測を実施しています。この研究は、名古屋市科学館の河野樹人学芸員、鹿児島大学、ノースウェスト大学(南アフリカ)、国立天文台、名古屋大学などのメンバーからなる国際研究チームが進めています。解析の結果、この領域で3つのアンモニアガスの塊“クランプ”を検出し、分子ガスの温度分布を得ることに成功。その中でも、特に中央のクランプで温度上昇がみられることが明らかになりした。この温度上昇は何を意味しているのでしょうか。ひょっとすると、ガス塊に埋もれた生まれたての重たい星によって、周囲の分子ガスが暖められている現場を見ているのかもしれません。赤外線バブルの中心に...アンモニア分子の広域観測で発見!生まれたての若い大質量星によって周囲の分子ガス雲が暖められている現場

  • 気になる大気の存在は? ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡がスーパーアースの観測で水蒸気を検出!

    ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡による観測で、太陽系外惑星“グリーゼ486b”に水蒸気が検出されたとする研究成果が発表されました。水蒸気の検出が示しているのは、岩石惑星である“グリーゼ486b”に大気が存在する可能性です。ただ、別の可能性もあるので結論は出ておらず、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡によるさらなる観測が必要なようですよ。今回の研究を進めているのは、アリゾナ大学のSarahMoranさんたちの研究チームです。太陽系外惑星“グリーゼ486b”(手前)と赤色矮星“グリーゼ486”(奥)のイメージ図。(Credit:NASA,ESA,CSA,JosephOlmsted(STScI),LeahHustak(STScI))赤色矮星の近くを公転するスーパーアース“グリーゼ486b”は、おとめ座の方向約26光年彼方...気になる大気の存在は?ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡がスーパーアースの観測で水蒸気を検出!

  • 金属量が少ない恒星を公転する惑星は、生命の出現には好条件?

    夏が近づいてくると、紫外線による日焼けを気にする人が多くなりますよね。それは、紫外線が生命にとって有害であり、日焼けは紫外線が皮膚の細胞にダメージを与えたことの現れと言えるからです。さらに、紫外線は細胞の奥深くへと達してDNAを損傷する可能性もあります。太陽からの紫外線の多くは大気中のオゾン層に遮られているので、地球上の生命はオゾン層に守られていると言われています。このため、地球のような岩石惑星を対象とした系外惑星探査では、大気中に存在するオゾンの含有量が、複雑な生命の居住可能性を判断するうえで重要な条件になっているんですねー紫外線は地球大気中のオゾンの「生成と破壊」の両方に関わっている惑星がオゾン層を形成するために、主星である恒星はどのような性質(化学組成)を持つ必要があるのでしょうか?この疑問を解くた...金属量が少ない恒星を公転する惑星は、生命の出現には好条件?

  • 太古の宇宙で見つかる巨大銀河も星屑を再利用して成長を続けている

    銀河で生まれた星の一部は超新星爆発を起こして、その残骸を膨大なエネルギーとともに銀河の外へ放出します。でも、この残骸は再び銀河へと舞い戻り、次世代の星の新たな糧にもなるんですねー今回の研究では、すばる望遠鏡とケック望遠鏡を用いて、この星の輪廻転生を通して成長する巨大銀河の様子をとらえることに初めて成功したそうで。星屑を再利用しながら成長し続ける巨大銀河のイメージ図。超新星爆発やブラックホールの活動によって銀河の外へ放出された星の残骸が再び銀河内部へ送り返されることで、爆発的な星形成が絶えず維持され、より大きな銀河へ成長することを手助けする。背景はマウナケア山頂域に並ぶ、すばる望遠鏡とケック望遠鏡。(Credit:精華大学/NAOJ)太古の宇宙で見つかる銀河はどうやって成長を持続しているのか宇宙の大規模構造...太古の宇宙で見つかる巨大銀河も星屑を再利用して成長を続けている

  • ヘリウム星からの質量降着で引き起こされた“Ia型超新星”からの電波を初検出

    白色矮星が引き起こす超新星爆発“Ia型超新星”から放射される電波が初めて観測されました。さらに、明らかになったのは、この白色矮星の伴星がヘリウムに富む恒星だったこと。このことは、白色矮星が爆発に至るまでの全体像を理解するうえで、大変重要な知見になるそうです。白色矮星が引き起こす超新星爆発“Ia型超新星”白色矮星は、超新星爆発を起こさない比較的軽い恒星(質量は太陽の8倍以下)が、赤色巨星の段階を経て進化した姿だとされている天体です。赤色巨星に進化した恒星は、周囲の宇宙空間に外層からガスを放出して質量を失っていき、その後に残るコア(中心核)が白色矮星になると考えられています。一般的な白色矮星は直径こそ地球と同程度ですが、質量は太陽の4分の3程度もあるとされる高密度な天体です。誕生当初の白色矮星の表面温度は10...ヘリウム星からの質量降着で引き起こされた“Ia型超新星”からの電波を初検出

  • 潮汐力により加熱された系外惑星“LP 791-18d”には火山活動はあるのか? ハビタブルゾーンに位置する地球サイズの惑星を発見

    約90光年彼方の赤色矮星で3つ目の惑星“LP791-18d”が見つかりました。観測を進めて分かってきたのは、“LP791-18d”は周りの惑星や恒星の影響で活発な火山活動が起こっている可能性があること。これまで、地球以外で高温の活火山があることが知られている天体は木星の衛星イオでした。イオは太陽系の衛星の中では最も火山活動が活発なことが有名で、その表面に確認されている火山は400以上、マグマの温度は1000度以上あります。そこからは硫黄を含むガスが放出されているようです。それでは、“LP791-18d”は、どのような環境を持った惑星なのでしょうか?“LP791-18d”はハビタブルゾーンの内側境界付近にあり、地球のように大気を保持している可能性もあるので、今後重要な惑星大気観測のターゲットになり得ると考え...潮汐力により加熱された系外惑星“LP791-18d”には火山活動はあるのか?ハビタブルゾーンに位置する地球サイズの惑星を発見

  • 月の中心部には、ほぼ純粋な金属でできた固体の“核”がある! 過去の大規模なマントル転倒の証拠も見つかった?

    地震活動から見えてくる月の内部構造火山やプレート運動などは存在せず、地質学的には死んだ天体のように見える地球唯一の衛星。その“月”の内部構造は惑星科学における長年の謎になっているんですねー20世紀前半までは、月の内部は地球のような層ごとに分かれた構造をしているのか、それとも火星の衛星フォボスやダイモスのように均質な構造をしているのかも分かっていませんでした。この謎に大きな進展があったのは、NASAのアポロ計画によって月面に地震計が設置されてからでした。地震波の性質(速度、屈折角、減衰の度合いなど)は、通過する物質の性質(密度、温度、固体か液体かなど)によって変化することが知られていて、地球の内部構造は地震波の観測を通して推定されています。月にも“月震”と呼ばれる地震活動があることが地震計の設置により判明し...月の中心部には、ほぼ純粋な金属でできた固体の“核”がある!過去の大規模なマントル転倒の証拠も見つかった?

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