教育実習期間がもうすぐ終わります。 今年も1名、英語の教育実習生を担当しました。 今年は学校の方針で、実習は3週間でも、授業は10コマまで。 それ以外は授業見学や教材研究などになりました。 始まる前は、うーんあんまり授業の回数は多くないけど、 それでいいのかな？と思っていましたが、 これくらいでちょうどいいのかな？と思いました。 実習生は、まだまだ授業についても、生徒対応についても たくさん学ぶことがあって、大変だから ゆっくりじっくり授業について考えたり 終わった授業について反省したり、 そういう時間って本当に大切なのだなと感じました。 かくいう私が教育実習生だったときは、 なまいきにも、担…

今日は、最近podcastを聞いて、気になったエピソードを。 タイトルがきになって、聞いてみました。 「中学生の英語、過酷すぎませんか。 学習塾に中1どっと増えてます。」 という朝日新聞のポッドキャストです。 omny.fm 冒頭、視聴者の方のお便りを紹介しています。一部引用します。 司会：「小学生と中学生、二児の母です。地方都市で小中学生さん相手の塾講師をしています。難関校の進学を目指すというよりは、苦手な部分をフォローアップする、そういったタイプの個別指導塾です。今年から上の子が中学生になりました。この投稿してくださった方のお子さんが中学生になったんですね。今の英語教育は本当に過酷で、噂に…

評価する能力を育てる。 生徒の評価する能力を育てる。 生徒のアウトプットしたものを、自分で評価する力を育てる。 ・・・なぜこの力が必要なのか？ 自分のアウトプットがいいのか悪いのか、どうしてその評価なのか。 それがわからないと、振り返りしようがない。 それがわからないと、次の目標が適切なものにならない。 それがわからないと、次はどう勉強したらよいかわからない。 けっきょく、評価する能力が育っていないと、 いつまでたっても他人の評価に依存し 自己肯定感も持てず、 勉強に挫折する時がやってくるのではないか。 自分で自分を評価できたら、 いいものはいいと自信をもって信じることがいつかできる。 素晴ら…

毎日の通勤時間、ただ移動するだけなんてもったいない！ 私は最近、この時間を新しい学びの機会に変える、とっておきの方法を見つけました。 その秘密兵器こそ、Googleが開発したAIツール、「NotebookLM」というやつです。 NotebookLMってどんなツール？ NotebookLMは、手持ちのPDFなどのテキストファイルを読み込ませると、それを解析してなんとポッドキャスト風の音声にしてくれる機能をもちます。 まさに魔法のようなAIツールです。しかも最近、ついに日本語にも対応したんです！ これのおかげで、今まで敷居が高かった専門分野の学習が、ぐっと身近になりました。 私の「AI学習ルーティ…

最近、教育現場でもよく耳にするようになった「生成AI」。 新しいツールを恐る恐る試している毎日です。 今回は、私も最近使い始めたGoogleの「Gemini」と「NotebookLM」について、実際に試してみて「おっ！」と思ったことや、「こんな風に使えるかも？」と感じたことを、正直な感想として共有できればと思います。「AIってなんだか難しそう…」と感じている先生方と、何かヒントを共有できたら嬉しいです。 きっかけは保護者へのメール。Geminiに下書きをお願いしてみたら… 先生の仕事って本当に色々ありますが、私が特に時間や気持ちを使うなと感じるのが、保護者の方へのメール連絡です。丁寧に気持ちを…

新年度、新たな挑戦と授業時数の狭間で揺れる想い 新年度がスタートしました。気持ち新たに、様々なことに挑戦したいという意欲に燃えているのですが、いかんせん準備に追われる毎日です。 特に今年度は、これまでとは違う新しい試みをいくつか考えています。しかし、新しい一歩を踏み出すには、やはり勇気が必要ですよね。変化には常にリスクが伴うもの。その中でも、今一番頭を悩ませているのが、年間授業時数の問題です。 年間授業計画を立てる際、まず確認するのは総授業コマ数と、各定期テストまでの授業回数だと思います。もし前期中間テストまでが18コマだとすると、4月から教科書を使い始め、一体いくつのレッスンを進めるのが理想…

桜のつぼみも膨らみ始め、春の訪れを感じる今日この頃。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。 僕にとって、この3月は文字通り「激動」の1ヶ月でした。 我が家に新しい家族が！ 何を隠そう、3月1日、我が家に第二子となる元気な男の子が誕生しました！ 新しい命の誕生は、何度経験しても感動的で、胸がいっぱいになります。 とはいえ、現実には感動ばかりに浸っている暇はありません。妻の入院・退院の付き添い、上の娘（イヤイヤ期真っ只中！）の保育園送迎、そして勤務先では年度末の試験処理、成績付け、教室の引き継ぎ準備…と、まさに目が回るような日々。 そんなこんなで、あっという間に3月も終わりを迎えようとしています。 育…

タスクベースの英語の教科書を発見しました。 こちら、早稲田大学の鈴木祐一先生が書かれておられる教科書です。 Abax ELT Publishing 鈴木先生といえば、最近出たこの本も買いました。 あたらしい第二言語習得論: 英語指導の思い込みを変える 作者:鈴木 祐一 研究社 Amazon 帯にも書いてあるとおり、「入門」という感じでけっこう知っていることもありましたが、逆に知らないことがあると、とっても新鮮で印象に残りました。 で、話は戻ってThe SNOOP detective school : Interactive tasks for English learnersという本ですが、A…

2025年は生成AIを使って授業をやってみようということで、いろいろと活用方法について考えています。 世の中、生成AIがブームで、いろいろとありますね。 とりあえず、Geminiをお試しで有料版を契約してみました。 授業準備で、相談事などを雑にGeminiに聞いてみると、意外と参考になって、今のところ役に立つな、という印象です。 例えば、新年最初の授業で、冬休みどうだった？という会話をしようと思い、次のように聞いてみました。 「"Did you have a good winter vacation?"と中学生に質問したら、どんな回答が返ってくると思いますか」 Geminiの回答 中学生が「D…

タスクベースの言語指導(以下、TBLT)の理念に基づいて作られた教科書を使って、高校3年生に授業を行いました。 授業がそろそろ終わりになるので、ここで教科書の使い勝手や実践について記録をまとめようと思います。 ということで、使用した教科書がこちら タスクで教室から世界へ[ブック1]ーGetting Things Done [Book 1] Tasks for Connecting the Classroom with the Real Worlー 作者:Paul Wicking,田村 祐,加藤 由崇,小林 真実,松村 昌紀,横山 友里 三修社 Amazon 102ページ、1700円です。（プラ…

現在、中学校3年生の英語の授業では、スピーキング指導を実施中。 4人グループでのディスカッションをさせています。 ディスカッションの内容としては、 ・グループで冬休みに勉強会を開くことにしました。どんなことをいつどこで行いますか。話し合ってください。・来年の遠足はどこにいくべきですか。目的・場所・内容を話し合ってください。 のように、生徒同士が意見を出し合い、話し合いの中でよりよい選択を決定できるか（決定できるようにコミュニケーションをしているか）をみています。 時間内に答えを決める、話し合いが終わることを目標としていないということも大切です。中には、はやく決まればいいと思っている生徒もいます…

データ駆動型学習的なものをやってみました データ駆動型学習とは、GoogleのAI、Geminiによると、 英語で「data-driven learning（DDL）」といいます。データ駆動型学習とは、パソコンと検索ソフトを使って英文データベース（コーパス）から学習ターゲットの単語や文法項目を検索し、その検索結果を観察して語法や文法規則を自ら発見して学ぶ学習方法です。海外では大学生以上を対象として利用が広がり効果を上げています。 とのことです。生徒がパソコンと検索ソフトを使っているわけではないのですが、 教員の教材づくりに活用させてもらいました。 西垣 知佳子先生（千葉大学教育学部教授）を中心…

8月10日〜11日は、大阪にある大阪商業大学にて行われる英語授業研究学会の全国大会のため新幹線で移動。 その前日ごろにあった巨大地震注意報の関係で、新幹線が遅くなったり止まったりするという報道があり、到着時間が遅くなってしまうのではと気をもんでおりました。 ですが、当日は5分遅れで新大阪着！すばらしい！ それにしても、大阪は、というか日本は、どこも暑いのだなというしょうもない感想。 新大阪から、大阪商業大学の最寄りの河内小阪（かわちこさか）駅まではだいたい40分ほど。 おおさか東線に乗る。新大阪駅もこの時期はとても混んでいる。 電車の中で、停車した駅の駅名をみても、読めない駅名が多い印象。 放…

4月に育休から復帰したと思ったら、あっという間に夏休みになりました。 この夏は、中3の授業を担当していることもあって、補習を行っています。 対象生徒は10名ほど、みな英語が苦手だという生徒です。 ところが、アンケートをしてみると、10名中2名しか、英語が嫌いという生徒がいませんでした。 てっきり、もっといるものであると思っていましたが、意外でした。 さて、この夏の補習ですが、多くの方が想像するような、先生主導で教え込みで基礎を叩き込むということはしません。 ではなにをするか。 夏期補習は、生徒それぞれが学習に取り組めるようにこの夏を過ごしてもらう1つの機会とします。 加えて個別に面談をし、生徒…

今日は吃音についてです。 吃音というのは、言葉がでにくくなって困っている状態のことです。 例えば、"I, I, I, I think..." とか、"アーーーーーーイ think" とか、".............I think"などのようなパターンがあります。 吃音の児童生徒と英語の授業をする場合、どんなことに気をつけたらよいでしょうか？ 参考にしたのはこちらのサイトです。 www.kitsuon-portal.jp ここには、英語授業に限りませんが次のようなことが書かれていました。 1．話すのに時間がかかっても待つこと 2．話し方のアドバイスをしてはいけない（ゆっくり、落ち着いて、緊張し…

今回は英語教育のお話というよりは一般的な教育の話です。 結構、ナイーブな（繊細な）話というか、解決が難しい、話すのに勇気がいる、真面目な話です。 タイトルにもあるとおり、声の小さいマスクをかけた子どもたちの話です。 みなさんの学校にもいないでしょうか。 「マスクをかけて声が小さいこども」ではないです。 元々声が小さいのに、マスクをかけてさらに声が小さくなってしまっている子どもです。 はじめに言っておきますが、そういう子どもを非難しているわけではありません。 そういう子どもに育ててしまったのは、我々大人や社会のせいであると、指摘したいのです。 声の小さい子どもたちは、さまざまな理由で声が小さいの…

新学期が始まりました。 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。 私は現在、2023年4月から始めた育児休暇を経て、 2024年4月1日に職場を復帰したところです。 保育園のお迎えにあわせて、勤務時間を変更させてもらいました。 毎朝8時ごろに出勤し、16時半に退勤する生活を2週間やってみましたが、 かなり忙しいですね。 担任業と久しぶりの授業と育児とで、体が休まる気がしません。 ですが、1年間育児休暇を取らせていただいたので、職場には感謝しかありません。 この感謝の気持ちは、生徒への教育という形で恩返しさせていただくという決意で これからのお仕事を進めるつもりです。 で、ここからは英語の授業の話で…

自分の英語学習では、最近これに取り組んでいます。 「大学入試 無敵の英単語 PINNACLE 420」 大学入試 無敵の難単語 PINNACLE 420[音声DL付] 作者:山崎 竜成,駒橋 輝圭,萩澤 大輝 アルク Amazon 大学入試とは書いてあるものの、普通に社会人向けの英単語帳というレベルで 載っている単語がやや難しめ。 それでも、難しめのほうがやりがいがありますね。 この単語帳の使い方は、この本が推奨している使い方の通りです。といっても2種類あって、ひとつはしっかり学習したい方向け。自分はあまり時間も確保できないと思ったので、効率よく学習したい方向けの方法で次のとおりです。 1．別…

授業動画を撮った後にどうするか。 自分の授業を振り返る必要が出てきた時、どのように振り返るか。 自分の授業を撮影して、後で見返すと色々発見がある。 それはただただ流し見でもいいけども、最近は分析に近いことをやっています。 で、分析をする前に下準備をする必要があります。 教師や生徒がしゃべっていることを文字にすることです。 どのようにやるのが効率がいいでしょうか？ 1．Youtubeにアップロードすること 2．ELANやPraatというソフトを使うこと 3．Youtubeで自動作成された字幕をコピペする 1．Youtubeにアップロードすること もちろん、非公開です。利点はいくつかあります。 ま…

英語教師の多くは、英語が得意で大好きで教師になる人が大半ですので、自己の経験から「単語のスペリングなどは努力すれば誰でもできるものだ。覚えられないのは、本人の努力不足で怠けているからだ」と考え、「テストすれども指導なし」「叱責／激励すれども指導なし」の人が多いのが実態です。実は英米の小学校ではnativeの子ども達に丁寧に何年もの時間をかけて指導しています。単語の綴りが覚えられず、テストで点が取れないのが、入門期の中学生の躓き、英語嫌いになる最大原因ですが、その大半は教師による「落ちこぼし」と言わざるを得ません。 引用は大学HPから。 ということで、母校の神奈川大学の教育講演会に行ってきました…