chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
オタ録ブログ https://www.otalog.jp/

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメ・マンガ・ゲーム・フィギュアを中心としたカルチャー雑記

オフレット
フォロー
住所
東京都
出身
東京都
ブログ村参加

2019/04/17

arrow_drop_down
  • 2025年 冬アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 桜前線が日本列島を北上する中,2025年冬アニメも全作品が放送を終了した。今年も恒例通り,2025年冬アニメの中から当ブログが特にクオリティが高いと判断した12作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のXのポストをいくつか掲載してある。今回も「中間評価」の記事でピックアップしなかった作品がランクインしている。なお,この記事は当ブログの評価基準において「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨として…

  • 2025年 春アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2025年 冬アニメを振返りながら~

    『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』公式Xより引用 ©︎創通・サンライズ www.animatetimes.com 2025年 冬アニメ振返り ①『アポカリプスホテル』(オリジナル) ②『アン・シャーリー』 ③『 ウマ娘 シンデレラグレイ』 ④『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』 ⑤『薬屋のひとりごと 第2期 第2クール』 ⑥『Summer Pockets』 ⑦『小市民シリーズ 第2期』 ⑧『日々は過ぎれど飯うまし』(オリジナル) ⑨『LAZARUS ラザロ』(オリジナル) ⑩『リコリス・リコイル Friends are thieves of time.』 2025年春アニメの…

  • TVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』(2025年冬)第10話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『Bang Dream! Ave Mujica』「#10 Odi et amo.」のネタバレを含みます。 「#10 Odi et amo.」より引用 ©︎BanG Dream! Project anime.bang-dream.com www.youtube.com 柿本広大監督『BanG Dream! Ave Mujica』各話レビュー第3弾として,今回は「#10 Odi et amo.」を取り上げる。彼女たちの心理ベクトルは錯綜の極みに達し,錯綜しつつもやがてAve Mujicaという1つの“力場”を発生させるに至る。縺れた糸のように寄り集まる彼女たちが奏るその音楽は,不思議な…

  • 2025年 冬アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 『BanG Dream! Ave Mujica』OPアニメーションより引用 ©︎BanG Dream! Project 今回の記事では,現在放送中の2025年冬アニメの中から特に優れたOP・EDを紹介する。タイトルの下にノンクレジット映像を引用してあるので,ぜひご覧になりながら記事をお読みいただきたい。なお,通常のランキング記事と同様,一定の水準に達した作品を取り上げる方針のため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。…

  • TVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』(2025年冬)第8話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『Bang Dream! Ave Mujica』「#8 Belua multorum es capitums.」のネタバレを含みます。 「#8 Belua multorum es capitums.」より引用 ©︎BanG Dream! Project anime.bang-dream.com www.youtube.com 柿本広大監督『BanG Dream! Ave Mujica』各話レビュー第2弾として,今回は「#8 Belua multorum es capitums.」を取り上げる。モーティスと母・森みなみの口から,若葉睦が「多頭の怪物」であったことが明かされる。八幡海鈴…

  • 2025年 冬アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 猛烈な寒波の合間に日差しの温もりが感じられるようになった今日この頃,2025年冬アニメも早くも後半の話数に差し掛かり始めている。今回の記事では,当ブログ独自の観点から2025年冬アニメ注目の作品を振り返りたい。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げよう。 なお「2025年 冬アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを水色にしてある。 www.otalo…

  • TVアニメ『Bang Dream! Ave Mujica』(2025年冬)第6話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『Bang Dream! Ave Mujica』「#6 Animum reges.」のネタバレを含みます。 「#6 Animum reges.」より引用 ©︎BanG Dream! Project anime.bang-dream.com www.youtube.com 近年のガールズバンドジャンルの中でも一際異彩を放つ,柿本広大監督『Bang Dream! Ave Mujica』。「史上最狂のバンドアニメ」の謳い文句通り,放映当初から鮮烈かつ激烈な話数を次々と繰り出している。今回の記事では「#6 Animum reges.」を取り上げる。“あなたは心を支配する”と題されたこの話数…

  • TVアニメ『メダリスト』(2025年冬)第5話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『メダリスト』「score05 名港杯 初級女子FS(後)」のネタバレを含みます。 「score05 名港杯 初級女子FS(後)」より引用 ©︎つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会 medalist-pr.com youtu.be つるまいかだ原作/山本靖貴監督『メダリスト』各話レビュー第2弾として,今回は「score05 名港杯 初級女子FS(後)」を取り上げる。ミケの〈キャラ〉と〈キャラクター〉を掘り下げつつ,ミケと光の演技のカメラワークに大きな差をつけ,光の圧倒的な力量を見せつける。主人公いのりのシーンは少ないものの,サブキャラクターの魅力をたっぷり伝えた優れた話数であ…

  • 「アニメーション映画『ルックバック』原画集」ブックレビュー[書評]:アニメーターたちに賛歌を

    *この記事にネタバレはありませんが,未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。またほとんどの引用画像にはボカシを入れてあります。鮮明な画像をご覧になりたい方は商品の実物をご参照ください。 アニメーション映画『ルックバック』原画集 スタイル Amazon 当ブログの「2024年 アニメランキング」で1位として挙げた,藤本タツキ原作/押山清高監督『ルックバック』。今回紹介するのは,その制作過程で描かれた原画を収めた原画集である。発行元は雑誌「アニメスタイル」の株式会社スタイル。“アニメ様”こと小黒祐一郎の企画・編集というだけあって,他の類似書…

  • TVアニメ『メダリスト』(2025年冬)第1話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『メダリスト』「score01 氷上の天才」のネタバレを含みます。 「score01 氷上の天才」より引用 ©︎つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会 medalist-pr.com youtu.be 「2025年 冬アニメは何を観る?」の記事でもおすすめ作品としてピックアップした,つるまいかだ原作/山本靖貴監督『メダリスト』。3DCG,カメラワーク,手描き作画など,初手から目を見張る作画・演出技術を披露し,すでに“名作”の風格を見せている。脚本は花田十輝,絵コンテ・演出は山本靖貴監督。その技を詳しく見ていこう。 3DCGの演技,手描きの逃亡 大人の後悔,子どもの想い 泣き,笑…

  • 2025年,自分を未来にぶん投げる

    新年明けましておめでとうございます。 マルティン・ハイデガーの実存哲学の用語に「投企(Entwurf)」というものがあって,ジャン・ポール・サルトルの哲学のコア概念でもある。人間はこの世界に受動的に投げ込まれている。これを「被投性(Geworfenheit)」という。しかし同時に人間は,己の可能性に向かって開かれた存在でもある。常に自己を未来の可能性に向かって「投げる」存在。それが人間なのだ。僕はこの「投企」という言葉を2024年のアニメレビューの中で何度か用いた。それはおそらく〈時間性〉,とりわけ〈未来〉を描いた作品が目立ったからだろう。 2024年のオリジナル作品の中でも僕がとりわけ高く評…

  • 2024年 アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品について簡単なコメントを付しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,下の目次から「ランキング表」へスキップするなどしてご覧ください。 2024年アニメの鑑賞数は,TVシリーズが60作品(2クールにまたがる作品は別作品としてカウント),劇場版が21作品(前後編に分かれているものは別作品としてカウント)だった。 以下,「TVアニメランキング(10作品)」「劇場アニメランキング(10作品)」「総合ランキング(20作品)」に分け,当ブログの基準による2023年のランキングをカウントダウン方式で紹介する。視認性を考慮し,TVアニメは青字,劇場アニメは…

  • 2024年 秋アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 今年も早くも年の瀬を迎え,2024年秋アニメの全作品がが放送を終了した。今年も恒例通り,2024年秋アニメの中から当ブログが特にクオリティが高いと判断した8作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のXのポストをいくつか掲載してある。今回は「中間評価」の記事でピックアップしなかった作品がランクインしている。なお,この記事は当ブログの評価基準において「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としている…

  • 2024年 TVアニメ話数ランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なく鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 今回の記事では,2024年に放送されたTVアニメの中から特に優れた話数を作品横断的に選び,ランキング形式で紹介する。各話数に関するレビュー記事も併せてご覧いただければ幸いである。 2023年と同様,今年もすべて原作付き作品である。マンガや小説を原作とする作品では,制作者が原作をどう“解釈”するかという点にこそ,アニメーションとしての媒体特性がはっきりと現れる。本記事のシリーズで原作付き作品がランクインしやすいのはそうした理由からだ…

  • アニメと一緒に読んだ本 2024

    言うまでもなく,アニメは映像表現だ。それはもっぱら“観る”こと,つまり視覚を経路として鑑賞されることを目的としている。しかしまたアニメは,例えば小説原作作品のように“語り”から生まれることもある。あるいは,その考察やレビューといった形でーまさしくこのブログがそうなのだがー“語り”を生むこともある。さらにアニメは,キャラクターのセリフという形で“語り”を内包している。アニメと語りの間を隔てる差異は決定的だが,その距離は意外にも近い。両者は異質な媒体として,互いに寄り添い,補い合い,支え合っている。 今年,アニメと一緒に読んだ本たちは,そんなアニメと語りの“遠くて近い”関係を改めて実感させてくれた…

  • 2025年 冬アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2024年 秋アニメを振返りながら~

    『もめんたりー・リリィ』公式Xより引用 ©︎GoHands/松竹・もめんたりー・リリィ製作委員会 www.animatetimes.com 2024年 秋アニメ振返り ①『天久鷹央の推理カルテ』 ②『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』 ③『薬屋のひとりごと 第2期』 ④『SAKAMOTO DAYS』 ⑤『全修。』(オリジナル) ⑥『想星のアクエリオン Myth of Emotions』(オリジナル) ⑦『花は咲く,修羅の如く』 ⑧『ハニーレモンソーダ』 ⑨『BEASTARS FINAL SEASON』 ⑩『メダリスト』 ⑪『もめんたりー・…

  • 2024年 秋アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 『ダンダダン』OPアニメーションより引用 ©︎龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会 今回の記事では,現在放送中の2024年秋アニメの中から特に優れたOP・EDを紹介する。タイトルの下にノンクレジット映像を引用してあるので,ぜひご覧になりながら記事をお読みいただきたい。なお,通常のランキング記事と同様,一定の水準に達した作品を取り上げる方針のため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。 5位:『Re:ゼロから始める異世界…

  • 2024年 秋アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 つい先日まで感じられた夏の残り香もすっかり影を潜めた今日この頃,2024年秋アニメもすでに後半の話数に差し掛かり始めている。皆さんの評価も定まりつつあるタイミングで,当ブログ独自の観点から2024年秋アニメ注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2024年 秋アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを茶色にしてあ…

  • TVアニメ『ダンダダン』(2024年秋)第7話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『ダンダダン』第07話「優しい世界へ」のネタバレを含みます。 第07話「優しい世界へ」より引用 ©︎龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会 anime-dandadan.com www.youtube.com 龍幸伸原作/山代風我監督『ダンダダン』各話レビュー第3弾として,今回はアクロバティックさらさら(以下「アクさら」)の過去が明かされる第07話「優しい世界へ」を取り上げる。当初から序盤の見せ場となることが予想されていた話数だが,結果,期待を遥に上回る大傑作回となった。脚本は瀬古浩司,絵コンテ・作画監督は榎本柊斗,演出は松永浩太郎。その類まれなる演出の技を見ていこう。 “喜劇”か,…

  • TVアニメ『ダンダダン』(2024年秋)第6話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『ダンダダン』第06話「ヤベー女がきた」のネタバレを含みます。 第06話「ヤベー女がきた」より引用 ©︎龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会 anime-dandadan.com www.youtube.com 龍幸伸原作/山代風我監督『ダンダダン』各話レビュー第2弾として,今回は第06話「ヤベー女がきた」を取り上げる。アイラとアクロバティックさらさらの経緯を中心に描いた話数だが,そこにターボババア(招き猫) のマスコット性が加わることにより,本作特有の柔らかなユーモアが生まれている。絵コンテ・演出を手がけたのは,『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATI…

  • TVアニメ『ダンダダン』(2024年秋)第4話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『ダンダダン』第04話「ターボババアをぶっ飛ばそう」のネタバレを含みます。 第04話「ターボババアをぶっ飛ばそう」より引用 ©︎龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会 anime-dandadan.com www.youtube.com 今期,サイエンスSARUがTVアニメ界に1つの快作を引っ提げて参上した。『ジャンプ+』の看板作品,龍幸伸原作の『ダンダダン』だ。すでに第1話から,大胆な色彩設計やダイナミックなアクションなど,アニメならではの表現価値を付加することで原作の魅力をアンプリファイすることに成功している。今回見ていくのは,ターボババアとの決戦を描いた第04話「ターボババアを…

  • 劇場アニメ『ルックバック』(2024年)レビュー[考察・感想]:リフレクションーまなざしの向かう先に

    i'm*このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。 『ルックバック』公式Xより引用 © 藤本タツキ/集英社 ©︎2024「ルックバック」製作委員会 lookback-anime.com www.youtube.com 2021年7月19日,奇才・藤本タツキの読み切りマンガ『ルックバック』は,「少年ジャンプ+」で配信されるやいなや,瞬く間にネットの話題を攫った。それから3年後の2024年,俊才・押山清高の監督のもとでアニメ化された本作が,再び世の耳目を集める話題作となる。2度にわたって世間を賑わせた『ルックバック』は,果たして僕らに何を伝えたのか。…

  • 2024年 夏アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 夏の気配がしつこく残る中,2024年夏アニメはすべての作品が放送を終了した。今回の記事では,恒例通り2024年夏アニメの中から,当ブログが特にクオリティが高いと判断した5作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のXのポストをいくつか掲載してある。今回は「中間評価」の記事でピックアップ作品と異同はない。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているため,ピックアップ数は毎回異な…

  • 2024年 秋アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2024年 夏アニメを振返りながら~

    『ダンダダン』公式Xより引用 ©︎龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会 www.animatetimes.com 2024年 夏アニメ振返り ①『カミエラビ シーズン2 完結編』(オリジナル) ②『君は冥土様』 ③『ダンダダン』 ④『チ。ー地球の運動についてー』 ⑤『ネガポジアングラー』(オリジナル) ⑥『魔法使いになれなかった女の子の話』(オリジナル) ⑦『メカウデ』(オリジナル) ⑧『らんま1/2』 ⑨『Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season』 2024年秋アニメのイチオシは… 2024年 夏アニメ振返り www.otalog.jp www.otalog.jp 今期の作品で特…

  • 2024年 夏アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 『負けヒロインが多すぎる!』OPアニメーションより引用 ©︎雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会 今回の記事では,現在放送中の2024年夏アニメの中から特に優れたOP・EDを紹介する。タイトルの下にノンクレジット映像を引用してあるので,ぜひご覧になりながら記事をお読みいただきたい。なお,通常のランキング記事と同様,一定の水準に達した作品を取り上げる方針のため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。 5位:『小市民シリ…

  • TVアニメ『響け!ユーフォニアム 3』(2024年春)レビュー[考察・感想]:彼女の〈正しさ〉

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。 アニメ『響け!ユーフォニアム』公式Xより引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024 anime-eupho.com www.youtube.com 2015年に始まったシリーズの完結編として大きな話題を呼んだ,武田綾乃原作/石原立也監督『響け!ユーフォニアム 3』(以下『ユーフォ3』)。これまでのシリーズ以上にひりついた心理描写の多かった本作は,一般的な意味での“ハッピーエンド”とは言い難いかもしれない。しかし同時に,シリアスな心理劇に徹し,キャラクターの内面を十分に掘り下げることによっ…

  • 2024年 夏アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 夏の暑さがようやく手心を加え始めたこの頃,2024年夏アニメもすでに大方の作品が折り返し地点に入っている。皆さんの評価もそろそろ定まりつつあるのではないだろうか。今回の記事では,当ブログ独自の観点から2024年夏アニメ注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2024年 夏アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを…

  • TVアニメ『逃げ上手の若君』(2024年夏)第6話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『逃げ上手の若君』第六回「盗め綸旨,小笠原館の夜」のネタバレを含みます。 第六回「盗め綸旨,小笠原館の夜」より引用 ©︎松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会 nigewaka.run www.youtube.com 松井優征原作/山﨑雄太監督『逃げ上手の若君』各話レビュー第2弾として,今回は第六回「盗め綸旨,小笠原館の夜」を取り上げる。市河助房の「地獄耳」という設定を活かした異常な距離感の創出,足利尊氏の圧倒的なカリスマ性と暴力性の絵画的演出。既成のTVアニメ演出の枠に収まらない,自由奔放な発想が光る名話数だ。絵コンテ・演出を手がけたのは,第一回「5月22日」でも原画として参…

  • TVアニメ『逃げ上手の若君』(2024年夏)第1話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『逃げ上手の若君』第一回「5月22日」のネタバレを含みます。 第一回「5月22日」より引用 ©︎松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会 nigewaka.run www.youtube.com 第1話からクオリティの高い作画・演出を繰り出し続けている松井優征原作/山﨑雄太監督『逃げ上手の若君』。監督の山﨑や副監督の川上雄介らをはじめ,“作画アニメ”として定評の高いあの『ワンダーエッグ・プライオリティ』(2021年)のスタッフが多く参加しており,当ブログでも放送前から注目していた作品だ。今回紹介する第一回「5月22 日」は,いくつかのアニメオリジナル要素を盛り込みながら物語を的確…

  • TVアニメ『小市民シリーズ』(2024年夏)第2話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『小市民シリーズ』第2話「おいしいココアの作り方」のネタバレを含みます。また,アニメでは扱われていない原作エピソードについても言及していますのでご留意ください。 第2話「おいしいココアの作り方」より引用 ©︎米澤穂信・東京創元社/小市民シリーズ製作委員会 shoshimin-anime.com www.youtube.com 2024年夏クールの中でも特に注目度の高い米澤穂信原作/神戸守監督『小市民シリーズ』。キャラクターデザインや作画のクオリティはすでにPVによって周知されていたわけだが,本編ではそれに加え,日常の中にわずかな異常を混入させるユニークな演出が目を引く。特に今回紹介…

  • 2024年 春アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 夏の酷暑が猛威を振るい始める中,2024年春アニメもすべての作品が放送を終了した。今回の記事では,恒例通り2024年春アニメの中から,当ブログが特にクオリティが高いと判断した7作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。今回は「中間評価」の記事ではピックアップしなかった作品がランクインしている。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているため…

  • TVアニメ『響け!ユーフォニアム 3』(2024年春)第12話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『響け!ユーフォニアム 3』第十二回「さいごのソリスト」のネタバレを含みます。また原作小説の内容に基づく今後の展開にも触れていますのでご注意ください。 第十二回「さいごのソリスト」より引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024 anime-eupho.com www.youtube.com 武田綾乃原作/石原立也監督『響け!ユーフォニアム 3』各話レビュー第4弾として,今回は第十二回「さいごのソリスト」を取り上げる。原作とは異なる展開に絶賛と困惑の声が相半ばした話数だが,この改変によって生まれた力強い思想と豊かな感情は他に代えがたい価値を持っている。脚本は花田十輝,絵…

  • 2024年 夏アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2024年 春アニメを振返りながら~

    『逃げ上手の若君』公式Xより引用 ©︎松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会 www.animatetimes.com 2024年 春アニメ振返り ①『ATRI -My Dear Moments-』 ②『異世界スーサイド・スクワッド』(オリジナル) ③『【推しの子】第2期』 ④『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』 ⑤『しかのこのこのここしたんたん』 ⑥『小市民シリーズ』 ⑦『先輩はおとこのこ』 ⑧『天穂のサクナヒメ』 ⑨『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』 ⑩『菜なれ花なれ』(オリジナル) ⑪『逃げ上手の若君』 ⑫『負けヒロインが多すぎる!』 ⑬『真夜中ぱんチ』(オリジナル)…

  • TVアニメ『響け!ユーフォニアム 3』(2024年春)第10話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『響け!ユーフォニアム 3』第十回「つたえるアルペジオ」のネタバレを含みます。 第十回「つたえるアルペジオ」より引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024 anime-eupho.com www.youtube.com 武田綾乃原作/石原立也監督『響け!ユーフォニアム 3』各話レビュー第3弾として,今回は第十回「つたえるアルペジオ」を取り上げる。部員たちの間に広がる不穏なディゾナンスが,あすかという存在の間接的な介在を経てコンゾナンスへと至る。この熱いドラマが卓越した脚本と演出で見事な完成度で描き出された話数だ。脚本は言うまでもなく花田十輝, 絵コンテは太田稔,演出は…

  • 2024年 春アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 『響け!ユーフォニアム 3』OPアニメーションより引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024 今回の記事では,現在放送中の2024年春アニメの中から特に優れたOP・EDを紹介する。タイトルの下にノンクレジット映像を引用してあるので,ぜひご覧になりながら記事をお読みいただきたい。なお,通常のランキング記事と同様,一定の水準に達した作品を取り上げる方針のため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。 5位:『う…

  • 2024年 春アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 すでに夏の気配を感じるこの頃。気づけば2024年春アニメもすでに折り返し地点に入っている。ここで当ブログ独自の観点から注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2024年 春アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを桃色にしてある(2クール連続放送の作品に関しては,前クールの「何を観る?」でピックアップしたものは桃…

  • TVアニメ『響け!ユーフォニアム 3』(2024年春)第7話の脚本と演出について[考察・感想]

    *この記事は『響け!ユーフォニアム 3』第七回「なついろフェルマータ」のネタバレを含みます。 第5回「ふたりでトワイライト」より引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024 anime-eupho.com www.youtube.com 武田綾乃原作/石原立也監督『響け!ユーフォニアム 3』各話レビュー第2弾として,今回は第七回「なついろフェルマータ」を取り上げる。濃密な対話劇と映像によって,久美子と真由,それぞれが抱える実存的な〈無〉という状況が見事に表現されている話数だ。脚本はこれまでシリーズ構成と各話脚本を手がけてきた花田十輝, 絵コンテ・演出は『ツルネ』シリーズ監督の他,数…

  • TVアニメ『響け!ユーフォニアム 3』(2024年春)第5話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『響け!ユーフォニアム 3』第五回「ふたりでトワイライト」のネタバレを含みます。 第5回「ふたりでトワイライト」より引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024 anime-eupho.com www.youtube.com 京都アニメーションの代表作として高く評価される,武田綾乃原作/石原立也監督『響け!ユーフォニアム』。シリーズ3作目となる今作では,主人公・黄前久美子らが高校3年生となり,いよいよ物語も終盤を迎えつつある。このいわば物語の時系列の終端において,新たな“異分子”として登場するのが黒江真由というキャラクターだ。今回レビューする第五回「ふたりでトワイライト…

  • TVアニメ『ダンジョン飯』(2024年春)第17話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『ダンジョン飯』第17話「ハーピー/キメラ」のネタバレを含みます。 第17話「ハーピー/キメラ」より引用 ©︎九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会 delicious-in-dungeon.com www.youtube.com 九井諒子原作/宮島善博監督『ダンジョン飯』各話レビュー第3弾として,今回は金子祥之が絵コンテ,古川晟が演出を手がけた第17話「ハーピー/キメラ」を取り上げる。普段はぽわっとしたキャラのファリンを,兄ライオスをも唸らせるほどかっこいい「キメラ」に仕立て上げた話数。原作の作画に則りながらも,ファリンの「かっこよさ」が程よくアンプリファイされ…

  • 2024年 冬アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 早くも桜の咲き誇る季節となり,2024年冬アニメもすべての作品が放送を終了した。今回の記事では,恒例通り2024年冬アニメの中から,当ブログが特にクオリティが高いと判断した6作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているので,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。また,「中間評価」の記事では…

  • TVアニメ『葬送のフリーレン』(2023年秋-2024年冬)レビュー[考察・感想]:箱庭の中へ

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。 『葬送のフリーレン』公式Twitterより引用 ©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会 frieren-anime.jp www.youtube.com 2023年秋から2024年冬にかけて放送された山田鐘人原作・アベツカサ作画/斎藤圭一郎監督『葬送のフリーレン』(以下『フリーレン』)は,美麗な作画と繊細な演出によって,近年のファンタジー系アニメの中でも群を抜いて高いクオリティを示した。表面的なルックのよさという水準を超え,作品の思想とアニメーションの技法を美しく共鳴させるこ…

  • 2024年 春アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2024年 冬アニメを振返りながら~

    『終末トレインどこへいく?』公式HPより引用 ©︎apogeego/「終末トレインどこへいく?」製作委員会 www.animatetimes.com 2024年 冬アニメ振返り ①『アストロノオト』(オリジナル) ②『WIND BREAKER』 ③『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』 ④『怪獣8号』 ⑤『鬼滅の刃 柱稽古編』 ⑥『この素晴らしい世界に祝福を!3』 ⑦『SAND LAND: THE SERIES』 ⑧『終末トレインどこへいく?』(オリジナル) ⑨『戦隊大失格』 ⑩『響け!ユーフォニアム 3』 ⑪『無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす〜 第2クー…

  • TVアニメ『葬送のフリーレン』(2024年冬)第26話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『葬送のフリーレン』「#26 魔法の高み」のネタバレを含みます。 「#26 魔法の高み」より引用 ©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会 frieren-anime.jp www.youtube.com 山田鐘人原作・アベツカサ作画/斎藤圭一郎監督『葬送のフリーレン』(以下『フリーレン』)各話レビューの第3弾として,今回は「#26 魔法の高み」を見ていこう。絵コンテ担当は斎藤圭一郎監督,原科大樹,岩沢亨,演出担当は『天国大魔境』(2023年)監督の森大貴である。戦闘シーンを中心に,〈対峙〉 の緊迫感を巧みに表現した話数である。 フリーレン vs コピーレン…

  • TVアニメ『ダンジョン飯』(2024年冬)第7話・第8話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『ダンジョン飯』第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」と第8話「木苺/焼き肉」のネタバレを含みます。 第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」第8話「木苺/焼き肉」より引用 ©︎九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会 delicious-in-dungeon.com www.youtube.com 九井諒子原作/宮島善博監督『ダンジョン飯』各話レビュー第2弾として,今回は宮島善博監督が絵コンテ,中野広大が演出を手がけた第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」,および米森雄紀が絵コンテ,下平佑一が演出を手がけた第8話「木苺/焼き肉」を取り上げてみよう。この2つの話数では,作画面でも物語面でも随…

  • 2024年 冬アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 ついこの間,年が明けたばかりだと思っていたのだが,気づけば2月も終わろうとしている。2024年冬アニメもほとんどの作品がクール半ばまでの放送を終えた。ここで当ブログ独自の観点から注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2024年 冬アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを水色にしてある(2クール連続放送の作品に…

  • 2024年 冬アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 『僕の心のヤバイやつ』第2クールOPアニメーションより引用 ©︎桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会 今回の記事では,現在放送中の2024年冬アニメの中から優れたOP・EDを紹介しよう。タイトルの下にノンクレジットの映像を引用してあるので,ご覧になりながら記事をお読みいただければ幸いである。なお,通常のランキング記事と同様,一定の水準に達した作品を取り上げるため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。 6位:『アン…

  • 『葬送のフリーレン』フリーレン〈キャラ(クター)〉考察

    *この記事はネタバレを含みます。 『葬送のフリーレン』公式HPより引用 ©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会 伝統的なファンタジーの舞台設定を用いつつ,穏やかな日常風景と細やかな心の機微を描く『葬送のフリーレン』。その独特な世界観を解釈するに当たって,主人公フリーレンのキャラ(クター)理解は不可欠である。今回の記事では,フリーレンの〈猫〉〈ずぼら〉〈オタク〉〈時間感覚〉といった成分に注目しつつ,このキャラ(クター)のユニークネスを分析したいと思う。 なお,本記事における〈キャラ〉と〈キャラクター〉という用語に関しては,以下の記事を参照頂きたい。 www.otalog…

  • TVアニメ『ダンジョン飯』(2024年冬)第3話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『ダンジョン飯』第3話「動く鎧」のネタバレを含みます。 第3話「動く鎧」より引用 ©︎九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会 delicious-in-dungeon.com www.youtube.com TRIGGER初のマンガ原作アニメとして注目される,九井諒子原作/宮島善博監督『ダンジョン飯』。すでに評価の定まった名のある原作をベースとしつつも,TRIGGERらしい躍動感を加味した優れた作品だ。今回の記事では,菅野一期が絵コンテ,中野広大が演出を手がけた第3話「動く鎧」を見てみよう。 躍動 構図 菅野一期と中野広大の技 作品データ 商品情報 躍動 TRIG…

  • 劇場アニメ『窓ぎわのトットちゃん』(2023年)レビュー[考察・感想]:僕たちの〈トットちゃん〉

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。 『窓ぎわのトットちゃん』公式HPより引用 ©︎黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会 tottochan-movie.jp www.youtube.com 『窓ぎわのトットちゃん』(以下『トットちゃん』)は,黒柳徹子の自伝的小説を原作とするアニメーション映画である。実在の人物や出来事を扱ったリアリズムをベースとしつつ,子どもたちの身体運動をアニメーションならではの技法によって細やかに表象し,戦争前夜の日本における小さな〈自由〉を美しく描いた傑作だ。 あらすじ トットちゃん:自由な身体…

  • TVアニメ『姫様“拷問”の時間です』(2024年冬)第1話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『姫様“拷問”の時間です』「EPISODE #01」のネタバレを含みます。 『姫様“拷問”の時間です』「EPISODE #01」より引用 ©春原ロビンソン・ひらけい/集英社・国王軍第三騎士団 himesama-goumon.com www.youtube.com 今期ギャグアニメ枠の中でも特に注目される春原ロビンソン・ひらけい原作/金森陽子監督『姫様“拷問”の時間です』(以下『ひめごう』)。金森監督が絵コンテ・演出を手がけた「EPISODE #01」は作画と演出のクオリティが極めて高く,初手で本作の魅力を印象付けた優れた話数である。 凛々しい姫様とユルい姫様 トーチャーの食事:エロ…

  • 2023年 アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品について簡単なコメントを付しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,下の目次から「ランキング表」へスキップするなどしてご覧ください。 2023年新作アニメの鑑賞数は,TVシリーズが58作品(『スパイ教室』『呪術廻戦』『ダークギャザリング』のように2クールにまたがる作品は1作品としてカウント),劇場版が22作品だった(『劇場版 美少女戦士セーラームーン Cosmos』など前後編に分かれているものは1作品としてカウント。TVアニメの劇場先行上映やOVAに相当する作品も「劇場版」としてカウント)。 以下,「TVアニメランキング(10作品)」「劇場…

  • 2023年 秋アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 2023年の師走もあっと言う間に過ぎ,2023年秋アニメもほぼすべての作品が放送を終えた。今回の記事では,恒例通り2023年秋アニメの中から,当ブログが特にレベルが高いと判断した9作品をランキング形式で振り返ってみよう。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているので,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。 www.otalog…

  • 2023年 TVアニメ話数ランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 今回の記事では,2023年に放送されたTVアニメの中から特に優れた話数を作品横断的に選び,ランキング形式で紹介したいと思う。原作に“解釈”を施し大胆に再構成したもの,逆に原作に忠実でありながら原作の持ち味をブーストしたもの,演出担当の個性を前面に押し出したものなど,どれも見応えのある話数である。各話数に関するレビュー記事も併せてご覧いただければ幸いである。 それぞれのタイトルは,水色=冬アニメ,桃色=春アニメ,赤色=夏アニメ,茶…

  • アニメと一緒に読んだ本 2023

    アニメを観る。キャラクターや物語のどこかに,一種の既視感がある。当然のことだが,創作において完全な“オリジナル”は存在しない。すべてのーーそう,文字通り“すべての”ーー創作が,過去の創作の部分的な模倣であり,再構成である。その模倣と再構成の手順が“オリジナル”なのだ。 頭の中の情報を検索する。大昔に読んだ本や大昔に観た映画がヒットする。確かに似ている。SNSで検索すると,他にも同じように感じている人が少なからずいる。見知らぬ人と同じ思いを共有できたことにささやかな喜びを感じる。 でも僕はたいていそこで満足できない。脳内であれSNSであれ,「検索」という行為はインデックスという表面的な情報をピッ…

  • 2024年 冬アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2023年 秋アニメを振返りながら~

    『ダンジョン飯』公式Twitterより引用 ©︎九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会 www.animatetimes.com 2023年 秋アニメ振返り ① 『異修羅』 ②『うる星やつら 第2期』 ③『俺だけレベルアップな件』 ④『休日のわるものさん』 ⑤『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』 ⑥『ダンジョン飯』 ⑦『BURN THE WITCH #0.8』 ⑧『ぶっちぎり?!』(オリジナル) ⑨『僕の心のヤバイやつ 第2期』 ⑩『魔法少女にあこがれて』 ⑪『メタリックルージュ』(オリジナル) 2024年冬アニメのイチオシは… 2023年 秋アニメ振返り www.o…

  • 2023年 秋アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 『葬送のフリーレン』EDアニメーションより引用 ©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会 今回の記事では,2023年秋アニメの優れたOP・EDを紹介する。タイトルの下にノンクレジットの映像を引用してあるので,ご覧になりながら記事をお読みいただければ幸いである。なお,通常のランキング記事と同様,一定の水準に達した作品を取り上げるため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。 5位:『SPY×FAMI…

  • TVアニメ『呪術廻戦 渋谷事変』(2023年秋)第41話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変』「#41 霹靂-弐-」のネタバレを含みます。 「#41 霹靂-弍-」より引用 ©︎芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会 jujutsukaisen.jp www.youtube.com 芥見下々原作/御所園翔太監督『呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変』各話レビュー第3弾として,今回は「#41 霹靂-弐-」を取り上げよう。絵コンテ・演出は,土上いつき,伍柏諭,山崎晴美の3名である。膨大なエネルギー量の破壊と徹底的なまでの絶望を個性あふれる演出技法で描いた傑作である。 廃墟を包含した街 モブの破壊 “赤”の破壊 穿たれた穴:生の零度 土上いつき,伍柏諭,山…

  • 2023年 秋アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 異常な酷暑に悩まされた今年も残りわずかとなり,2023年秋アニメはほとんどの作品がクール半ばまでの放送を終えた。ここで当ブログ独自の観点から注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2023年 秋アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを茶色にしてある。 www.otalog.jp 1. 『新しい上司はど天然』 2…

  • TVアニメ『薬屋のひとりごと』(2023年秋)第4話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『薬屋のひとりごと』「#4 恫喝」のネタバレを含みます。 「#4 恫喝」より引用 ©︎日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会 kusuriyanohitorigoto.jp www.youtube.com 中国風の王宮を舞台に薬屋の娘・猫猫が活躍する様を描いた日向夏原作/長沼範裕監督『薬屋のひとりごと』。ユニークなキャラ(クタ)ーと物語に加え,リッチな作画や演出が目を引く“上手い”アニメとして注目を集めている。今回の記事では,ちな演出回の「#4 恫喝」を取り上げよう。一見地味な話数に思えるかもしれないが,猫猫を中心とした人物たちの芝居を丁寧に演出しつつ,そのキャ…

  • TVアニメ『呪術廻戦 渋谷事変』(2023年秋)第37話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変』「#37 赫鱗」のネタバレを含みます。 「#37 赫鱗」より引用 ©︎芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会 jujutsukaisen.jp www.youtube.com 芥見下々原作/御所園翔太監督『呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変』各話レビュー第2弾として,今回は「#37 赫鱗」を取り上げる。絵コンテ・演出は,ともにTRIGGER出身の荒井和人と砂小原巧。アニメオリジナルのシンボリックな演出を随所に散りばめ,渋谷というトポスとキャラクターたちを重ね合わせながら,原作の魅力を最大限にアンプリファイした素晴らしい話数となった。 渋谷-トポスという状…

  • TVアニメ『葬送のフリーレン』(2023年秋)第6話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『葬送のフリーレン』第6話「村の英雄」のネタバレを含みます。 第5話「村の英雄」より引用 ©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会 frieren-anime.jp www.youtube.com 今回は山田鐘人原作・アベツカサ作画/斎藤圭一郎監督『葬送のフリーレン』(以下『フリーレン』)各話レビューの第2弾として,第6話「村の英雄」の演出を見ていこう。絵コンテ・演出は,『Fate/Apocrypha』や『天国大魔境』などに参加し,本作でもアクションディレクターを務める岩澤亨。Aパートのダイナミックなアクションに加え,Bパートの日常芝居が光った優れた話数であ…

  • 2023年 夏アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 殺人的な残暑がようやく終わり,2023年夏アニメもほぼすべての作品が放送を終えた。今回の記事では,恒例通り2023年夏アニメの中から,当ブログが特にレベルが高いと判断した9作品をランキング形式で振り返ってみよう(今回は「中間評価」の記事では挙げなかった作品がランクインしている)。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているので,ピックアッ…

  • TVアニメ『葬送のフリーレン』(2023年秋)第1〜4話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『葬送のフリーレン』第1話「冒険の終わり」第2話「別に魔法じゃなくたって…」第3話「人を殺す魔法」第4話「魂の眠る地」のネタバレを含みます。 第1話「冒険の終わり」より引用 ©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会 frieren-anime.jp www.youtube.com 2023年秋アニメ最有望株として注目される,山田鐘人原作・アベツカサ作画/斎藤圭一郎監督『葬送のフリーレン』(以下『フリーレン』)。初回は「金曜ロードショー」の枠内で4話連続2時間スペシャルで放送され,作画,演出,音響,劇伴等あらゆる面において,斎藤率いるアニメ班の技量の高さを見せ…

  • 劇場アニメ『アリスとテレスのまぼろし工場』(2023年)レビュー[考察・感想]:生きよ,永遠のデュナミスたちよ

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。 『アリスとテレスのまぼろし工場』公式HPより引用 ©︎新見伏製鐵保存会 maboroshi.movie www.youtube.com 岡田麿里2作目の監督作品となる『アリスとテレスのまぼろし工場』(以下『まぼろし工場』)。本作には,内的・外的閉塞感や停滞感,そこからの離脱といった,これまでの岡田作品で描かれてきた自意識の問題がいっそう色濃く表れている。わかりやすいエンタメ要素で希釈することなく,いわば“岡田エッセンス”の原液を提示した本作は,決して口当たりのよい娯楽作品とは言い難いが,それだけに岡田…

  • 2023年 秋アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2023年夏アニメを振返りながら~

    『葬送のフリーレン』公式HPより引用 ©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会 www.animatetimes.com 2023年 夏アニメ振返り ① 『悪魔くん』 ②『新しい上司はど天然』 ③『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』 ④『カミエラビ』(オリジナル) ⑤『薬屋のひとりごと』 ⑥『シャングリラ・フロンティア』 ⑦『進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)』 ⑧『葬送のフリーレン』 ⑨『PLUTO』 ⑩『星屑テレパス』 ⑪『ミギとダリ』 2023年秋アニメのイチオシは… 2023年 夏アニメ振返り www.otalog.jp w…

  • 2023年 夏アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 『ホリミヤ -piece-』OPアニメーションより引用 ©︎HERO・萩原ダイスケ/ SQUARE ENIX・「ホリミヤ -piece-」製作委員会 2023年夏アニメも早くも終盤の話数に差しかかっている。最終的なランキング記事の前に,ここでOP・ED のランキングを発表しておこう。タイトルの下にノンクレジットの映像を引用してあるので,ご覧になりながら記事をお読みいただければ幸いである。なお,通常のランキング記事と同様,一定の水…

  • 『あの花』『ここさけ』『空青』:岡田麿里脚本〈秩父三部作〉における〈回帰〉と〈離脱〉のアンビバレンス[考察・感想]

    *この記事は「リアルサウンド」に掲載された記事を加筆・修正したものです。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』のネタバレを含みますので,必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読み下さい。 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』より引用 ©︎ANOHANA PROJECT 今秋(2023年9月15日(金)),岡田麿里監督・脚本『アリスとテレスのまぼろし工場』が公開される。本作には,閉塞感や停滞感といった,岡田自身が抱えていた自意識の問題が強く反映されており,それは彼女のこれまでの作品の多くで反復され敷衍され深化されてきたテーマでも…

  • 劇場アニメ『アリスとテレスのまぼろし工場』(2023年)試写レポート[考察・感想]

    この記事には,公式に発表されている情報以外のネタバレはありませんが,事前情報や先入観がまったくない状態で鑑賞されたい方は,鑑賞後に本記事をお読みください。 『アリスとテレスのまぼろし工場』公式HPより引用 ©︎新見伏製鐵保存会 maboroshi.movie www.youtube.com 2023年8月某日。残暑という名の酷暑に痛めつけられながら,僕は都会のビル街を足早に歩いていた。向かうは日比谷のワーナー・ブラザーズ試写室。とある方のご好意で,先から期待していたある劇場アニメを試写する機会をいただいていたのだ。 その作品は岡田麿里原作・脚本・監督『アリスとテレスのまぼろし工場』。なにせ「岡…

  • 劇場アニメ『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』(2023年)レビュー[考察・感想]:“開く”ユーフォ,“呼吸”するマリンバ

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読み下さい。 『響け!ユーフォニアム』公式HPより引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 anime-eupho.com www.youtube.com 『ユーフォ』シリーズ4年ぶりの新作となった武田綾乃原作/石原立也監督『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』(以下『アンコン』)。部長という立場になった黄前久美子が,「アンサンブルコンテスト」参加に向けて奮闘する姿を描いた短編映画である。これまでのシリーズから制作メンバーの異同はあるが,その優れた描写力は相変わらず健在だ。 あらすじ 「無…

  • 2023年 夏アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 日本列島では相変わらず終わりの見えない酷暑が続く中,2023年夏アニメはほとんどの作品がクール半ばまでの放送を終えた。ここで当ブログ独自の観点から注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2023年 春アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを赤色にしてある。 www.otalog.jp 1 『AIの遺電子』 2 …

  • コメント機能について

    最近、スパムコメントが増えてきたので、コメントを非表示にさせていただきます。記事へのご意見等は「はてなブックマーク」にお願いいたします。

  • TVアニメ『わたしの幸せな結婚』(2023年夏)第6話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『わたしの幸せな結婚』「第六話 決意と雷鳴」のネタバレを含みます。 「第六話 決意と雷鳴」より引用 ©2023 顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会 watakon-anime.com www.youtube.com 2023年夏アニメの中でも高い評価を得ている顎木あくみ原作/久保田雄大監督『わたしの幸せな結婚』。とりわけ小出卓史が絵コンテ・演出を手がけた「第六話 決意と雷鳴」は,クール折り返しのここぞという話数で美麗な作画と巧みな演出を繰り出し,美世,香耶,清霞らメインキャラクターの魅力をいっそう際立たせた。その優れた演出術を詳しく見ていこう。…

  • TVアニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』(2023年夏)第29話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『呪術廻戦 懐玉・玉折』「#29 玉折」のネタバレを含みます。 「#29 玉折」より引用 ©︎芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会 jujutsukaisen.jp www.youtube.com 芥見下々原作のTVアニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』は,監督が第1期の朴性厚から御所園翔太に交代し,演出方針が大きく変化したことでも注目を集めている。今回の記事では,絵コンテ:御所園翔太/演出:なかがわあつしによる「#29 玉折」を観てみよう。五条&夏油の回想編である「懐玉・玉折」の最終話とあって,様々な演出技術が披露された見所の多い話数となった。 距離 モブ=das Man,あるいは“サル…

  • TVアニメ『スキップとローファー』(2023年春)レビュー[考察・感想]:ブルー&イエロー,キャラメル&塩。

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。また,TVシリーズ以降の物語に関するネタバレ(原作第5巻)もありますのでご注意ください。 『スキップとローファー』公式HPより引用 ©︎高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会 skip-and-loafer.com youtu.be 高松美咲原作/出合小都美監督『スキップとローファー』(以下『スキロー』)は,2023年春アニメの中でも最も注目された作品の1つと言っていいだろう。典型的な美形キャラや恋愛メインのストーリーといった“売れ筋”要素に頼らず,キャラ(クター)の魅力や繊細な心情描写で…

  • TVアニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(2023年夏)第1話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『天国大魔境』「#10 アキラ オブ ザ デッド」のネタバレを含みます。 「#1 アキラ オブ ザ デッド」より引用 ©︎麻生羽呂・高田康太郎・小学館/「ゾン100」製作委員会 zom100.com www.youtube.com 麻生羽呂・高田康太郎原作/川越一生監督『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』の放送が始まった。当ブログでは当初から注目していた作品だが,監督の川越が絵コンテ・演出を手がけた第1話は,巧みなレイアウト,強烈な色彩,ハイセンスな劇伴と,きわめて情報量の多い演出によって期待を上回る仕上がりになっていたと言える。その卓越した技を詳しく見ていこう(…

  • 2023年 春アニメOP・EDランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 以前,当ブログのアニメレビューでは「OP・ED」という評価項目を設けていたのだが,作品全体を評価するに当たり,オープニングとエンディング自体を得点化することにあまり意味がないと判断し,現在は項目から外してある。しかしその一方で,OP・EDが本編の解釈に影響するほど強い印象を持つことがあるのも確かだ。よって2023年春アニメから「OP・EDランキング」を記事にすることにした。タイトルの下にノンクレジットの映像を引用してあるので,ご…

  • 2023年 春アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 2023年春アニメもすべての作品が放送を終え,すでに夏アニメの放送が始まっている。今回の記事では,恒例通り2023年春アニメの中から,特にレベルの高かった10作品をランキング形式で振り返ってみたい(今回は「中間評価」の記事では挙げなかった作品がランクインしている)。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているので,ピックアップ数は毎回異な…

  • “Big Change”ーある天才酔いどれアニメーターの話:第206回アニメスタイルイベント「ANIMATOR TALK 磯光雄」レポートに代えて

    「デンスケ」のTシャツを着たその男は,少々はにかんだ笑顔を浮かべながらも,唯一無二のオーラをたっぷりと纏いながら登壇した。雑誌「アニメスタイル」が企画するトークイベントである。 『電脳コイル』公式Twitterより引用 ©︎磯 光雄/徳間書店・電脳コイル製作委員会 磯光雄。『機動戦士Zガンダム』でデビューした後,『機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争』第1話冒頭の伝説的な作画で鮮烈な印象を残しつつ,「フル3コマ」「磯爆発」など独自の表現技法を繰り出して日本のアニメ表現に革命をもたらした。『電脳コイル』『地球外少年少女』では原作・監督・脚本を手がけ,その卓越したストーリーテリングで多くのフ…

  • 2023年 夏アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2023年春アニメを振返りながら~

    『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』公式Twitterより引用 ©︎麻生羽呂・高田康太郎・小学館/「ゾン100」製作委員会 www.animatetimes.com 2023年 春アニメ振返り ① 『AIの遺電子』 ②『アンデッドガール・マーダーファルス』 ③『いきものさん』(オリジナル) ④『五等分の花嫁∽』 ⑤『呪術廻戦 懐玉・玉折』 ⑥『SYNDUALITY Noir』(オリジナル) ⑦『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』 ⑧『ダークギャザリング』 ⑨『Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-』 ⑩『無職転生 Ⅱ ~異世…

  • TVアニメ『天国大魔境』(2023年春)第10話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『天国大魔境』「〈#10〉壁の町」のネタバレを含みます。 『天国大魔境』「〈#10〉壁の町」より引用 ©︎石黒正数・講談社/天国大魔境製作委員会 tdm-anime.com www.youtube.com 今回の記事では,石黒正数原作/森大貴監督『天国大魔境』各話レビュー第3弾として,絵コンテ・演出:五十嵐海による「〈#10〉壁の町」を取り上げたい。TRIGGERに籍を置く五十嵐の演出回とあって,デフォルメやパースをキツめに利かせるなど,極めてユニークな話数となった。また原画担当の個性をあえて際立たせた演出方針も,この話数に独特な風格を与えている。 デフォルメ 分散型アニメーション…

  • TVアニメ『スキップとローファー』(2023年春)第9話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『スキップとローファー』第9話「 トロトロ ルンルン」のネタバレを含みます。 『スキップとローファー』第9話「トロトロ ルンルン」より引用 ©︎高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会 skip-and-loafer.com www.youtube.com 今回は高松美咲原作/出合小都美監督『スキップとローファー』各話レビュー第2弾として,第9話「トロトロ ルンルン」を取り上げたい。久しぶりに家族のもとに帰郷したみつみの安堵感,素朴でパストラルな情景描写,それと対照的な志摩の仄暗い心情などが丁寧に配置された名話数である。 距離:リチュアル 安堵:主観≒客観 憂鬱:陰と陽…

  • TVアニメ『天国大魔境』(2023年春)第8話の演出について[考察・感想]

    *【注意!】この記事は『天国大魔境』「〈#08〉それぞれの選択」のネタバレを含みます。また,今後の展開を暗示する書き方をしている箇所もありますので,事前情報がまったくない状態で今後の話数を楽しみたいアニメ勢の方は,最終話までご覧になった後に本記事をお読みになることをお勧めいたします。 『天国大魔境』「〈#08〉それぞれの選択」より引用 ©︎石黒正数・講談社/天国大魔境製作委員会 tdm-anime.com www.youtube.com 今回の記事では,石黒正数原作/森大貴監督『天国大魔境』各話レビュー第2弾として,絵コンテ:藤田春香/演出:仲野良による「〈#8〉それぞれの選択」を取り上げたい…

  • 2023年 春アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 当初から期待作の多かった2023年春アニメもほとんどの作品がクール半ばまでの放送を終え,評価も大方定まってきたと思われる。ここで当ブログ独自の観点から,目立った作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2023年 春アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを桃色にしてある。 www.otalog.jp 1 『ウマ娘 プリ…

  • 『スキップとローファー』岩倉美津未〈キャラ(クター)〉考察

    *この記事はネタバレを含みます。 『スキップとローファー』公式HPより引用 ©︎高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会 今期(2023年春)の学園アニメの中でも大きな注目を集めている高松美咲原作/出合小都美監督『スキップとローファー』。絶妙なキャラクターメイキングと繊細な演出・芝居が光る良作だ。今回の記事では,本作の主人公・岩倉美津未の〈キャラ(クター)〉を分析してみたい。ポイントは〈内面キャラ〉〈黒沢ともよ〉〈土地の記憶〉である。 なお,本記事における〈キャラ〉と〈キャラクター〉という用語に関しては,以下の記事を参照頂きたい。 www.otalog.jp 〈キャラ〉としてのみつ…

  • 劇場アニメ『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章』(2023年)レビュー[考察・感想]:壁,力,愛

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読み下さい。 『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』公式HPより引用©︎ Princess Principal Film Project pripri-anime.jp www.youtube.com 『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』シリーズ3作目となる第3章では,アーカム公(リチャード)という“新たな力”が本性を現したことで,アルビオン王宮内の情勢はいよいよ混乱を極め,ノルマンディー公という“壁”が彼ら/彼女らの前に立ちはだかる。己の正義を貫こうとする「白鳩」たちにとって,…

  • TVアニメ『スキップとローファー』(2023年春)第1話とOPアニメーションの演出について[考察・感想]

    *この記事は『スキップとローファー』第1話「 ピカピカ」のネタバレを含みます。 『スキップとローファー』ノンクレジットOPより引用 ©︎高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会 skip-and-loafer.com www.youtube.com 高松美咲原作/出合小都美監督『スキップとローファー』は,田舎の中学から東京の高偏差値高校に進学した天然才女・岩倉美津未を中心に繰り広げられる学園コメディである。監督の出合が画コンテ・演出を手がけた第1話「ピカピカ」は,爽やかな画作りと繊細な演出が光るたいへん優れた話数であり,SNS等でもすでに高い評価を得ている。詳しく見ていこう。 青,…

  • TVアニメ『天国大魔境』(2023年春)第1話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『天国大魔境』「〈#01〉天国と地獄」のネタバレを含みます。 『天国大魔境』「〈#01〉天国と地獄」より引用 ©︎石黒正数・講談社/天国大魔境製作委員会 tdm-anime.com www.youtube.com 石黒正数原作/森大貴監督『天国大魔境』は,「大災害」によって廃墟と化した世界を舞台に,異形の化物と戦いながら「天国」を探し求める2人の若者の姿を描いたポストアポカリプス作品である。すでに第1話から優れた作画と演出で視聴者を魅了し,SNSを大いに賑わせている話題作である。今回の記事では,その「〈#01〉天国と地獄」の演出について詳しく見ていく。 天国と地獄 地獄の中の“日常…

  • 2023年 冬アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 2023年冬アニメもほぼすべての作品が放送を終えた(たいへん残念なことだが,一部COVID-19の影響で放送延期となった作品もある)。今回の記事では,恒例通り2023年冬アニメの中から,特にレベルの高かった7作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているので,ピックアップ数は毎回異なることをお断りして…

  • 2023年 春アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2023年冬アニメを振返りながら~

    『【推しの子】』公式Twitterより引用 ©︎赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会 www.animatetimes.com 2023年 冬アニメ振返り ① 『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』 ②『王様ランキング 勇気の宝箱』 ③『【推しの子】』 ④『カワイスギクライシス』 ⑤『君は放課後インソムニア』 ⑥『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』 ⑦『この素晴らしい世界に爆焔を!』 ⑧『地獄楽』 ⑨『事情を知らない転校生がグイグイくる。』 ⑩『スキップとローファー』 ⑪『天国大魔境』 ⑫『贄姫と獣の王』 ⑬『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』(オリジナル) ⑭『山田くんとL…

  • TVアニメ『お兄ちゃんはおしまい!』(2023年冬)レビュー[考察・感想]:バッグに付けたマスコットのように

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。 『お兄ちゃんはおしまい!』公式Twitterより引用 ©︎ねことうふ・一迅社/「おにまい」製作委員会 onimai.jp www.youtube.com ねことうふ原作/藤井慎吾監督『お兄ちゃんはおしまい!』(以下『おにまい』)は,男→女というTSFのギミックを巧みに用いつつ,ガールズトークのカジュアルな楽しさを描いた作品である。12話という小品ながら,日本アニメが培ってきた〈日常系〉ジャンルの魅力を凝縮した秀作となった。 あらすじ 〈日常〉と〈変身〉 害虫から美少女へ 日常と〈日常〉 『おにまい』の…

  • TVアニメ『お兄ちゃんはおしまい!』(2023年冬)第9話のクリスマスシーンの演出について[考察・感想]

    *この記事は『お兄ちゃんはおしまい!』「#09. まひろと年末年始」のネタバレを含みます。 「#09. まひろと年末年始」より引用 ©︎ねことうふ・一迅社/「おにまい」製作委員会 onimai.jp www.youtube.com ねことうふ原作/藤井慎吾監督『お兄ちゃんはおしまい!』(以下『おにまい』)の各話レビュー第3弾として,絵コンテ・黒沢守,演出:秋山泰彦による「#9. まひろと年末年始」のクリスマスシーンに注目してみたい。クリスマスらしいきらびやかで美しいシーンであると同時に,巧みな構図とスマホカメラによる相互的な視点を導入した,たいへん見応えのあるシーンである。 シンメトリー/アシ…

  • 劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』(2022年)レビュー[考察・感想]:「新しい生命」

    *このレビューはネタバレを含みます。必ず作品本編をご覧になってからこの記事をお読みください。 『THE FIRST SLAM DUNK』公式Twitterより引用 ©︎I.T.PLANNING,INC. ©︎2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners slamdunk-movie.jp www.youtube.com 原作者・井上雄彦が自ら脚本・監督を務めた劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』。当初,声優陣の一新と主役の交代によって大きな物議を醸した本作だが,その洗練されたアニメーション,繊細な芝居,類まれなドラマメイキングによって,結果として…

  • 2023年 冬アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 2023年冬アニメもほとんどの作品がクール半ばまでの放送を終えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響により,一部の作品は放送延期の憂き目をみているが,ひとまずここまでの段階で目立った作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)要注目作品をいくつか取り上げる。 なお「2023年 冬アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを水色にしてある。 www.otalog.j…

  • 絵/画を“読む”快楽

    もっぱらアニメに関する記事をものしている僕だが,美術展の類にはそこそこの頻度で足を運ぶようにしている。要はビジュアル・アート全般が好きなのだ。 ちなみに僕は,それ自体がアート作品として成立している絵画を〈絵〉,アニメやマンガのように,作品全体の構成要素として機能している視覚要素を〈画〉と読んで区別しているが,かといって〈絵〉と〈画〉がまったく別世界のメディアであるわけではない。〈絵〉も〈画〉も,結局は視覚を通して何らかの意味(あるいは無意味)を伝達している。だから僕には,アニメもマンガも絵画も同じ“視覚芸術嗜好”という関心の平面で捉える瞬間がたびたびある。美術展を鑑賞することと,アニメを観るこ…

  • TVアニメ『お兄ちゃんはおしまい!』(2023年冬)第4話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『お兄ちゃんはおしまい!』「#04. まひろとあたらしい友達」のネタバレを含みます。 「#04. まひろとあたらしい友達」より引用 ©︎ねことうふ・一迅社/「おにまい」製作委員会 onimai.jp www.youtube.com 今回の記事では,ねことうふ原作/藤井慎吾監督『お兄ちゃんはおしまい!』(以下『おにまい』)の各話レビュー第2弾として,柿木田隼人が絵コンテ・演出を手がけた「#4. まひろとあたらしい友達」に注目してみたい。前回取り上げた伊礼えりの第4話と比べれば,構図や画角といった点では比較的おとなしめの作りだが,丁寧な日常芝居が目を引く優れた話数である。 変身その1:…

  • 『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』ブックレビュー[書評]:「痛みを乗り越え,一歩を踏み出す」

    THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE (愛蔵版コミックス) 作者:井上 雄彦 集英社 Amazon 2022年に公開された劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』は,原作者の井上雄彦自身が監督・脚本を務め,自作の大胆なリメイクに挑んだ作品として大きな注目を集めている。今回紹介する『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』(以下『re:SOURCE』)は,井上による作業過程やインタビューを掲載した一種の制作資料集である。映画を鑑賞しただけでは見えてこない試行錯誤の跡を知ることで,『THE FIRST SLAM DUNK』という作品の理解をいっ…

  • TVアニメ『お兄ちゃんはおしまい!』(2023年冬)第2話の演出について[考察・感想]

    *この記事は『お兄ちゃんはおしまい!』「#02. まひろと女の子の日」のネタバレを含みます。 「#02. まひろと女の子の日」より引用 ©︎ねことうふ・一迅社/「おにまい」製作委員会 onimai.jp www.youtube.com 現在(2023年冬)放送中のねことうふ原作/藤井慎吾監督『お兄ちゃんはおしまい!』(以下『おにまい』)は,“お兄ちゃんが妹になる”というTSF設定の妙に加え,OP/EDを含めた卓越したアニメーション技術がコアなファンの間で話題となっている。とりわけ伊礼えりが手がけた「#02. まひろと女の子の日」は,構図や芝居などの点でひときわ見応えのある話数となった。詳しく見…

  • 温故“創”新:「新しい命」への待望

    新年明けましておめでとうございます。 ラーメン屋に行ってラーメンを注文したら,ミラノ風豚骨パスタが出てきた。 などということが仮にあったとして,僕はそういう状況がさほど嫌いではない。というよりも,積極的に評価すらしたい。ましてそれが美味であれば。 昨今,昭和時代のアニメ作品のリメイクが増えている。おそらく理由は単純で,この時代の作品をリアルタイムで楽しんでいた世代の視聴者層が分厚いからだ。しかし過去作品を何らかの形でリサイクルする場合,どうしても付きまとう問題がある。過去作品に忠実であるべきか,それとも新機軸を打ち出すべきか。忠実と新機軸の配分をどうすべきか。 多くの視聴者に注目されるべく,無…

  • 2022年 アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品について簡単なコメントを付しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,下の目次から「ランキング表」へスキップするなどしてご覧ください。 2022年新作アニメの鑑賞数は,TVシリーズが48作品(『SPY×FAMILY』『サマータイムレンダ』など2クール作品は1作品としてカウント),劇場版が27作品だった(『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』など前後編に分かれているものは1作品としてカウント。OVAに分類される作品でも,劇場で先行公開したものは「劇場版」としてカウント)。 以下,「TVアニメランキング」「劇場アニメラ…

  • 2022年 秋アニメランキング[おすすめアニメ]

    *この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。 今年も早年の瀬となり,秋アニメもほぼすべてが放送を終えた。期待作の多かった今クールの作品をみなさんはどうご覧になっただろうか。今回の記事では,恒例通り2022年秋アニメの中から,特にレベルの高かった10作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,最終話の評価によって,「2022年 秋アニメ 中間評価」ではピックアップしなかった作品が含まれることをお断りしておく。ま…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、オフレットさんをフォローしませんか?

ハンドル名
オフレットさん
ブログタイトル
オタ録ブログ
フォロー
オタ録ブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用