【予告編】女神は受難を与えたまう 第1部

【予告編】女神は受難を与えたまう 第1部

お待たせしております。『女神は受難を与えたまう第1部』の予告編をアップいたします。気になる子、親しくなりたい子がいて、その子に近づきたいばかりに帰り道で一緒になるようそれとなく時間を調節したり、回り道をしたりするのは、よくあること。中学二年になった最初の教室で、矢田部瑞樹は一人の同級生に恋心を抱いた。とんでもない恥辱の運命に巻き込まれるとも知らずに――新学年初日の朝礼で担任の挨拶が終わり、生徒それぞれの自己紹介の段になって、瑞樹はようやく彼女の名前を知った。「松本るうなっていいます。どうぞよろしく」けだるい感じで椅子を無造作に引いて立ち上がると、振り子のように上半身を前後に軽く揺らしてから、やや前傾の姿勢で自己紹介をした。「今度担任が女の先生で、すっごく新鮮な気持ちです。なぜかわたし、いっつも男の担任ばっかりだ...【予告編】女神は受難を与えたまう第1部