弔い上げと墓仕舞いの件が穏便な内に話が住み、お互いの心の距離も縮まっていい時間を過ごした角田家一同の前に、文子が現れ法要の始まりを告げる。文子 「皆様、法要の…
弔い上げと墓仕舞いの件が穏便な内に話が住み、お互いの心の距離も縮まっていい時間を過ごした角田家一同の前に、文子が現れ法要の始まりを告げる。文子 「皆様、法要の…
さて話を続けましょう。三十三回忌で父親の回忌法要を辞め、父親がこの家のご先祖様として崇める事にした正一は、皆の前で初めて息子としての想いを吐露します。正一 「…
主催の正一が文子の案内で現れます。今は角田家の当主である正一は東京に居を構えており、今出席している聖司、妙子、奈美恵も同様でありました。本家がこの街から出た角…
ホッとした妙子がトイレに行くのと入れ替わりに聖司が帰ってきます。聖司 「なあ、奈美恵。伯父さんから何か聞いてる?」奈美恵 「何を?」聖司 「回忌法要の事さ」奈…
ようやく坊守文子の身の上話が終わり二人きりになった妙子と奈美恵には足のしびれを隠す余裕はありませんでした。この騒ぎが久しぶりに会った二人の距離を縮めます。会う…
「ご住職はお元気ですか」「お元気でねえの」「ご病気ですか」「死んじゃったの」・・・この会話、2年前に住職を亡くなってから寺を訪れる檀家さんと絶えず行われてきた…
聖司が一服の為席を外したのと入れ替わりに正一の姪の赤坂奈美恵と義妹の角田妙子が凍えて走り込んで来ます。奈美恵 「ああ、助かった」妙子 「ウウ・・歯の根が合わな…
住職の様子を聞いた聖司への返答が「死んじゃったの」じゃそりゃあ驚きます。 聖司 「エッ・・・エエ―ッ!」文子 「あれまあ、知らなかったのかい」聖司 「ええ、…
暫くして玄関の引き戸が勢いよく開きます。その瞬間吹き込む風が音を立てます。誰か来たようです。 聖司の声 「今日は」 遠く風の音。聖司の声 「すいませ…
さてこの芝居の舞台は北海道のある町です。時は3月。暖冬とはいえ北海道ですから寒風が吹きすさぶ厳しい寒さの中、角田家の33回目の法事が執り行われようとしています…
さてこの度の公演は角田家の先代当主角田正造の三十三回忌に集う五人の人間物語でございます。まず登場人物の紹介と参りましょう。 まず法事が執り行われる菩提寺泉水寺…
昨日、劇団芝居屋第42回公演「通る道」がお陰様を持ちまして無事千秋楽を迎えました。短期間の公演ながらお陰様で大好評の内に幕を下ろすことが出来ました。御来場の皆…
昨日は劇団芝居屋第42回公演「通る道」の初日でした。初日と言っても今回は三日間公演という短期な公演という事もあり、公開ゲネもやったので実質的には二回公演となり…
本日、劇団芝居屋第42回公演「通る道」小屋入りでございます。この小屋は今を去る22年前に我が劇団芝居屋が旗揚げ公演をした劇場です。青雲の志を持ちこの小劇場から…
本日は3月1日(金)~3月3日(日)に行われる劇団芝居屋第42回公演「通る道」の稽古場稽古最終日です。明日が小屋入り、建て込み、場当たりと忙しいので本日はアル…
昨日はコロナの影響で2019年から行う事の出来なかった後援会会長御臨席の通し稽古総見を5年ぶりに行いました。後援会長のお名前は尾藤真理子さん。何故こんな仰々し…
いや、いよいよ本番八日前です。連日の13時から21時までの一日稽古。一日3回の通し稽古、残り時間の抜き稽古。77歳の老骨にはちょっときついものがあります。です…
劇団芝居屋第42回公演「通る道」の稽古もいよいよ佳境。本番十五日前です。稽古も一日稽古となり、セリフ合わせを含めて、細かい当たり稽古、通し稽古をしています。1…
毎回同じ様な構図になりますが、稽古がはじまり初の土曜ということで稽古終わりに一杯。劇団芝居屋では一週間で稽古を区切って土曜日にまとめたダメ出しをすることにして…
元旦から続く震災や事故に心が沈みがちですが、そうかといってそこに甘んじてはいられません。やるべきことをやるという事で劇団芝居屋第42回公演の公演稽古が本日か…
昨年はお引き立ていただき有難うございました。お陰様で二月と十月の公演を無事終えることができました。本年もよろしくお願い板います。
第十五場 同日・一時間後仮の借りの乾杯から一時間。健三夫婦も良いコンコロ持ちになった頃でございます。 綾子 「ハイ、おでんお待ちどうさま」瑠香 「来た来た。こ…
第十四場 八月七日夜分・立飲み横丁 三澤の一件が落ち着きを見せて約一か月。感染状況も落ち着きを見せ始め、的屋稼業も軌道に乗り始めていた。今日は三年ぶりの花火大…
第十三場 同日・午後 幾久に金を貸す条件通り、三澤に直接会った総一は三澤に釘を刺します。 総一 「あんたが三澤さんですか。初めましてあたし磐田金融の社長やって…
健三が借用書にサインをしようとするその刹那、走りこんでいた幾久は健三を問い詰めます。 幾久 「ちゃんと分かるように説明しておくれ」健三 「あの・・・実はですね…
第十二場 七月五日昼・磐田金融事務所 その1 仁が凛子に電話をした翌日。総一は上機嫌に念書を携えた健三を迎えました。 総一 「今、お前大きな事に手を出してるそ…
第十一場 同日夜中・電話 健三と総一の瀬村組に対する想いの深さを知っている仁にとって、公園での出来事は胸に秘めて置くには大きすぎました。 仁 「ああ、凛子さん…
第十場 同日・公園凛子達が心配する健三は仁と共に夜中の公演にいました。三澤の追い詰められた状況を聞いた健三は、その共同出資金を工面するために嘗て先輩として瀬村…
第九場 七月三日夜・瀬村組村山健三宅・茶の間 三澤の件が起こった翌日の夜であります。順調な三澤の進捗状況に気を良くした凛子と大輔はその後の状況を楽しみに健三宅…
第八場 七月二日・道・電話時はその刻みを止めません。健三との協力体制を整えてから三澤は精力的に各的屋組合の説得に奔走しています。 純一 「粂崎地区はこれでよし…
第七場 六月二十四日夕方・公園 三澤と健三が手を組んでから10日。この事は立飲み横丁の連中には最早周知の事実。買い出し帰りに公園で一休みの幾久と綾子の間にその…
第六場 六月十四日後午後・瀬村組村山健三宅・居間六月の例祭が終わって十日後、凛子達に健三から急な招集がありました。何事かと訝っている二人の前に少し慌てた様子…
残念ながら日本ベスト8ならずという結果でしたが、ナインの健闘に拍手。といった所でこちらも負けずに行きたいと思います。5 同夜・公園 祭りも無事終わり、立飲み横…
はてさて巷ではサッカー日本代表がベスト8を掛けた今夜の決戦に話題沸騰です。是非頑張って貰いものです。てな訳で、第四場へと参ります。 第4場 六月四日・立飲み横…
さて、昨日の続きでございます。大親分に褒められいい気持ちになった新参の金吾。先輩の新司がカチンとくる口を叩きます。 金吾 「でも、組に入れてもらってから的屋の…
第三場 五月二十日瀬村組村山健三宅・居間 六月の海道神社の例祭の開催が決定しましてね、瀬村組もその準備にかかります。なにせ三年の空白があり、会場も試しという事…
さて第2場「三つの情景」から三つ目の話。「夜道」的屋商売の再開を人知れず喜んでいる場違いな人間がいます。表の商売は磐田金融という金融会社を経営する磐田総一。こ…
なんやかやありまして中断してしまいましたが気を取り直してまいりましょう。第二場 「三つの情景」の二つ目。瀬村組配下大村組大村大輔宅・茶の間 三年振りの祭りが開…
いまだ実感として湧かないのですが、我が妻利枝と一緒になって50年になりました。いわゆる金婚式です。子供たちの計らいで箱根の小田原ヒルトンに一泊旅行に行ってきま…
第2場 同日深夜・三つの情景ひとつめの情景 横丁で幾久達が三年振りの露店の試験的開店を祝ったその深夜の事でございます。ここは港北露天商組合長三代目瀬村組組長村…