詐欺と武略の境界
敗戦間もない混迷期。「真相箱」やら何やらに影響された国民が、嘗ての政府や軍人を、嘘と虚像と捏造の総本山と糾弾し、「大本営発表」の空々しさをあげつらうのが流行りになっていた時代。 とある保守派論客が逆上気味に吼えたところの、 「戦争中に本当のことを言うような阿呆な政府が、世界のいったい何処にある」 この一言が忘れられない。 左様な所業に及ぶが最後、みずから「敗け」を招き入れるに等しい愚行ではないか、と。 なるほど確かに勝利を志向する上で、情報統制は不可欠だ。 (フリーゲーム『ミッドナイトシンドローム』より) ジョン・ウィンダムの筆を借りれば、「正直こそ最高の策なりといい始めた人が、果たして集団士…
2025/05/31 17:09