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  • 打たれた杭は自分で抜いて自分で持っていく

    ここに来たのは もう何度目かもわからない この星の片鱗が誕生したばかりでまだカタチも定まっていなかった頃、 様々な種族が入植し、こぞって実験を始めた頃、 打ち捨てられ 流刑地となった頃、 そのずっとあと。 あらゆる層で あらゆる姿で関わった。 そうして どのタイムラインでも ここは一過程に過ぎず 閉じられた先へと既に駒は進められており 固定する杭を全て回収する際に必要な ここは、特別でもなければ特別にするものでもない という視点に立ち返ることを 知ってはいても忘れがちな杭たちが思い出す為の 号令は 時限装置的に 段階的にハートに灯る「愛」の中に込められている。 にほんブログ村

  • ある晴れた日に

    ふと見上げた 空と風の間に 透明に広がる福々しく 柔和な笑顔と目の奥に宿る 決して 甘くはない光 初めて出逢う顔と歩きながらやりとりをするのは 求める手助けと それに対する断りとならばと 差し出される引き換え案件にでしたらと 返す 最終条件 互いの対等な敬いの上にある信頼を確認し交わした約束は 今は まだ。 にほんブログ村

  • 深い海

    深い海がある。 濃厚なエネルギーに満ち 羊水のように 温かく けれども 生命の律動が希薄な 海だ。 纏わりつく宇宙(ソラ)のような静けさの中を ついとこのセカイの住人が渡っていく。 圧の存在を感じさせないほどに優雅にその身を翻して。 この音の無いセカイにも震え 奏でるものは溢れ 彼女たちの耳に届いていた。 そうして 彼女たちは自分が次に取る行動を決めることができたのだった。 だから このセカイに居た事があるものは今も、聴くように 現象を拾っていくのだろう。 連なる特性の現れとしてそこに生まれ 場を移しても また 海を懐かしく想い 時に 恐ろしくも感じつつも 離れがたくもあるのだろう。 にほんブ…

  • 船にて寛ぐ

    もともとクルーの多い船では無かったが 今はほとんどいつも独りだ。 居る場所も、大方決まっている。 心地よく整えられあえて「生活感」という不必要かつ 「本来は無いもの」が導入された場所で寛いでいることが多い。 外では嵐が吹き荒れていた。 その中に出ていき活動することもあったが今回はおさまるのをじっと待っていた。 いろいろなものが吹き飛ばされ流されていくのが船の中にいてもよくわかった。 この嵐が過ぎたあとはまた少し様子が変わっているのだろう。 彼が動くのはその後のこと のようだった。 にほんブログ村

  • 重なるとき

    彼と重なるとき 私は彼の内にあるのではなく 彼の大きさのままに 自身を感じ 確かに自分の温もりの範疇ではない もっと深く 安らぐものに 全身を包まれている クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村

  • 狭間より問うもの、天より奏でるもの

    彼は…彼は今、自分には何ができるのだろうとどうすればいいのだろうかと。考えに考えている。 狭間にいるものとして狭間世界にいる自分と同じくするもの達のことを思い、どうすればいいのかと助けを求めるように 天に、自分の内に息づく今では兄のように感じる 自分の系譜の存在たちに想いを馳せる。 例えば、頭上高く見上げた星空の向こうに居るかのような不敵に微笑むすぐ上の兄ならば、思考を、迷いを一切挟むことなくかつよどみなく 動くのだろう あの暖かく眩しく そのカタチもわからぬ兄ならば軽く手を挙げ微笑むことで周りの景色も輝き始め安らぐのだろう。 更にその先の・・・・・となれば自分には計り知れなく、感知する事すら…

  • 漆黒に広がる

    どこまでも 静寂だけが支配する世界。 その空間に 彼は広がり 存在した。 広大な空間に、核を持たない光としてそれを響かせ そんな自分に満足もしていた。 周囲にはときどき、澄んだな水面に落ちる滴のように、まだ儚げで無邪気にふるふると全体を震わせ輝く小さな存在たちが現れた。 それを感じていることも心地よく興味深く、彼の喜びでもあった。 彼は他にも、様々なものを自らに内包していた。それらは多種多様であり、異なるものたちもそのままに来るものは優しく包み込みその場を提供し また去る者もそのままに解き放っていた。 そうして彼はあり続けていた。 それが 彼が 本来の輝きを放っている姿だった。 クリック♪応援…

  • 命懸け、ということもある

    命懸け ということもある。 彼は自分のシップにある、白い部屋にいた。この船の「回復室」であり、中心部の近いところにある。つまり、彼自身の中心近くにあるということだ。船は彼自身なのだから。 白い部屋にポツンと出現している縦長な空間に彼は横たわり段々と心地よさへと移って行く気怠さに身を任せていた。 彼はよくこの部屋に様々なものたちを招き入れた。小さくコロコロと可愛いものから大きな図体で、のっそりと動きながら押しつぶしにかかるもの、大暴れで身体についた泥を部屋中に巻き散らかすものまでいろいろだ。 だいたいは、酷く汚れておりそんな自分の姿に怯え一時的に我を見失い途方に暮れているものたちだった。 (深い…

  • 果たされた約束

    久しぶりに訪れたその場所は 彼が主として近隣のものたちを治めていた土地だった。 足を一歩踏み入れると、もうそこには旧知の顔たちが両脇にずらりと、 恭しくも喜びに満ちた表情で並んでいた。 「よう戻られました」 目に涙を浮かべているものもあった。 それはそうだろう。 人では無い彼らは、主のいない場所で、 主からの「この土地を守れ」といういいつけのままに いつ終わるともわからない時の中で、 ただただ主との再会を待ちわび過ごしていたのだから。 「すまなかったね」 柔らかな暖かさを感じさせる笑みで、彼は答えた。 人では無いが、人のように熱を持ち 時に姿カタチを変えながら存在する彼は この土地を、人々を、…

  • 草原にて

    腰くらいまでに伸びた草がいちめんに広がっている。 どこまでも青々とした草原と その上を渡る爽やかな風が このセカイの全部だ。 ところどころ、なだらかな丘になっていて 時折そこに寝転がって眠ることがある。 誰にも邪魔されない 僕の密かな楽しみだ。 揺れる草の音 通り過ぎていく風 ここの風は 体の細部を通り抜けて行き そして 目覚めた時には 癒され 程よく力が抜け 完全にチャージされている。 ここは 誰もが訪れることのできる それぞれの 草原なんだ。 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村

  • 竜使いの防人

    ゴツゴツとした岩に覆われた大地 たまに突き出る 山も 乾き赤茶けた色をしている。 その星は小さく 彼が竜に乗り飛べば、僅か二日で全てを見て廻ることができた。2日という単位もまた、ところによりその長さを変えるのだが。 辺境の地であるそこで、彼は守り手として独りきりで永らく暮らしている。この星に彼ら以外に住まう者は無い。独りではあるが、他の地に居る仲間とは意識下では繋がっており、必要であれば情報交換などはしている。 唯一の同居人である竜との関係は淡々としており主従でもなく、友でもなくあえて言うなら、仕事仲間のような距離感であり、 彼が跨り竜は飛ぶ、それ以上でもそれ以下でもない関係だ。 そうして彼ら…

  • 13番目のセカイ

    彼がその窓から覗いているのは 13番目のセカイだろうか。 「 まあそれにしても 随分と育ったものだねえ 」 既に在るものは 厳密には決して消えてしまったりはしない。 痕跡は、必ず残るもの。 どうしても無かったことにはならない。 影響はついてまわる。 「 詰まるところ、ヤリヨウだな。 」 どうしていけばいいのか。 問い続ける。 できることは そこを諦めないこと、ぐらいだろう。 それが、これまでの これからの 彼らが出した結論だ。 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村

  • 希望とは冗談みたいなもの

    何度眺めても同じものとしか思えない けれども今しがた届けられた新しい報告書の束を 無造作にテーブルに放り出し、 いつものようにその上で足を組んで大きく伸びをする。 彼のいるセカイは、どこの軸にも行く事が容易く、 彼自身はそれを得手としていたため、 上からも下からも重宝がられ、 仕事を選んでいるつもりが結局何でも屋のようになっている状況である。 まるで中間管理職のようだな。 彼の旧知の仲間のセカイを真似て呟いてみる。 彼のいるセカイは全体の中でも、 その特性ゆえ他のセカイから大きな期待をかけられていた。 しかし、そもそも、 そのような処置、処理が必要になった原因はもっと上の方とはいえ、 より混乱…

  • 駆ける彼

    彼の別名は 韋駄天、もしくは strider(足早に大股で歩く人)なのではないだろうか。 というほどに、彼はその広い活動領域をいつも駆け抜けている。 神出鬼没。 どこにでも、行く。 プロジェクト全体の中で、 細かく分かれた段階を管理、運営している。 具体的に材料を揃え動かし、 目標へと誘う。 機動部隊の要。 彼はその分かれた「段階」から全体を読み、知り得た事を精査分析し、また、自らの動きへと還元していく。 そんな彼の視界には 遥か遠くの点滅と 何も無い空間に張り巡らせるように交差する無数のライン。 その中を彼は今日も至って地味にさり気なく、 けれど韋駄天の如く駆け抜ける。 クリック♪応援してい…

  • ヒーラー

    白い砂 細かい泡に縁どられた水際に 彼は立っていた 足首に茶色い標識が巻き付いている他は 何も身に着けていない 彼は一日に数回この浜を訪れ 身についた 不浄というにはまだその予感ほどの 汚れのようなものを洗い流すのだった 華奢でありながらも長身で 髪は薄い色で肩の下まで伸び 肌は白く美しく 涼やかな面に控える瞳は 透明な光を放ち静かだった 彼はヒーラーだった 乞われるままに 人に、生き物に、空間に、事象に 癒しを施していた いつの頃からだろうか 人々が 自ら癒すことをやめ 繰り返した実験の結果 ヒーラーとしてのみ生まれ存在し早くに去って行くものに 全ての癒しの力を託すようになったのは そうして…

  • 繋がるもの。同期し動くもの。

    この世界では ソラを飛ぶ事は容易だった。 それができるものにとっては、だが。 意識を、ほんの数ミリ動かす。いや、その必要すらない。 飛びたい。そう思う前に、既に身体はソラの中にあった。 彼は、 浮き上がった一瞬の静けさが好きだった。 其処には、平穏 があった。 今までの何もかもが嘘のような、 此れから起こる事など、太古の種族の遠い記憶のように感じられた。 彼は味わう。 味わわずにはいられない。 この静寂の瞬きに 恍惚と魅せられる。 が。 それは もうそこに居る。 流れるような動きと共に彼が繰り出す 衝撃。 と。 四方より一斉に襲いかかる 殺意の刃。 彼が常に身を置く世界は 彼を愛して離さない。…

  • 風吹く懐かしの丘の上で

    そこは 一時的保護の為に用意された場所だった。 自分はどれほど眠っていたのか。 随分と永いときが流れたようだ。 そのままでは彼と云う欠片は、 全体の中から消滅してしまう程のダメージを受ける事が懸念され、 打開策が出るまで凍結されていたのだ。 そうして長い時間見守られようやく解放された彼は、 かつて幾度となく立った丘のホログラムの中で、 心地よく穏やかな風を感じていた。 彼が居た世界は、あらゆる世界の歪みが集積され、 そこからまたその歪みと混沌が 各世界へと運ばれて行くようなところだった。 つまり、低位、高位クリエーション界の皺寄せが この中位クリエーション界に押し寄せていたのだ。 勿論、同じ次…

  • 律する者の

    彼女の欠片たちは押並べて、その人生を一族の為に捧げていた。 それは時に、統べる者の責務であったり、 仕える者の義務としてであったりとその立ち位置は都度変化したが、 結局のところ彼女の犠牲の上に彼女の在する集団が消滅を免れたり、延命されたりしたのだった。 それを彼女や彼らは、自分の使命として何ら迷いもなく受け入れ、 真っ当することに大きな意義を見出していた。 が、そこに喜びはあっただろうか? 本来なら、自らの強い好奇心のままに自由に数々の土地を訪れ、 様々な出逢いに心を震わせていなかったか? 深く追求し形として成したいものはなかったか? その仕上がりを、自分に宇宙に捧げたくはなかったか? いずれ…

  • 風の中の古の装置

    この星での調査も 今までにこなしてきた多くのものと差異は無く、 なるべくその星に適したカタチで なるべく少ない人数で(今回は2名 )降り立ち、 調査しデーターを持ち帰るというものだった。 相棒と、幼い姿でその役目をこなしているうちに 彼はあることに気づいたのだった。 ここはどこか、知っている今はもう無い星と似たところがある。 豊かな可能性の中に、 今は片鱗すら見せなくともしっかりと根付く 危うさが確かに存在していた。 だから彼は決めた。 それらを調和の中で回避していく助けとなる装置を できる限りの中で設置して行こうと。 そして、たまたまその装置は彼の得意としているものでもあった。 相棒を見送り…

  • 水晶の星

    そこにあるのは 鉱物のような形態の ものたちだった。 動かず、時にほのかに揺れる光を放ち 音もなく歌うように声をかけあう。 そんな存在が、このセカイの住人だった。 彼らは 彼女たちは 動かず自ら何かをするという意志をあまり持たないため 容易く採取され 移植されていった。 映されたのちも 彼らの性質は変わらない。 微かなゆらぎで歌い、自発的意思を持たず、ただじっと 風を 宇宙(そら)を 星を 受け止め ただ ただ 僅かに 首をかしげ それらを見つめ続ける。 それが、彼らの在り方だった。 クリック応援していただけると励みになります

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