意識の渦が その焦点をいくつも作り出したのはしごく自然発生的な、発し続けられる律動の結果としての現れだった。 それとは別に他動的に行われるものもあった。それらは焦点にカタチを与え、頑丈なスーツのように機能しどこまでも深く潜ることが容易くなり、更なる変化や、新たなセカイを生み出していった。 またしばらくすると、ソースのエッセンスに異物を加えたり、別のものと掛け合わす、または分裂させる。元々の活動形態を見よう見まねで、様々な事が試されていった。 どれが自然発生であり、どれが他動的な結果なのかそこにはもはや意味が無い程にこの宇宙のスタンダードとなっていった。 その後、これによる不都合があったのか無か…
彼を見るのは、ここのところこのアンティークでコジャレタ図書館が多い。 彼が居る、というより彼のホログラムであったり、決められた法則で反応している再生データを見ているようでもある。 リアル登場はなかなか叶わないことなのだろうか。仕方ない、違和感も無いことだしここはジタバタせずに、この状況に任せよう。 そう思った私に、部屋全体がまるで「それがいいね、正解」とでもいうような空気感に包まれる。 なるほど、やりとりは常に幾通りも用意されているんだ。 解っているはずのことにも、さり気なく修正と指導が入ってゆく。 そう、彼は(彼の代理ホロ)この部屋で穏やかに書物を楽しんでいる風を呈しながら念入りに私のフォロ…
その少女は干乾びていた。 植物の蔓のようなものに覆われたその奥薄暗い空間に、少女は横たわっていた。 いつかの日に少女を幽閉したものがいたのだろう。しかしその張本人もやがて居なくなり、そこに横たわるものがあることなぞ遥か昔に誰からも忘れられ、少女は生きたまま乾いていったのだった。 そんなことは決して珍しいことでは無かった。 彼女自身の欠片が、彼女を閉じ込める鍵となっておりそうなると欠片の気が付かないうちに、救出は遂行されねばならない。 少しの刺激で細かく散ってしまいそうな体は細心の注意のもと運び出された。 そして今は、この修復ルームに横たえられている。乾燥した体にすっすらと温もりが戻り始めている…
アンティークな調度品で整えられ柔らかな光で満たされた図書館の一室に彼は居た。 以前に見た、データが入ったBOXがいくつも積み上げられた無機質な空間と違いそこは居心地よく設えられた空間だった。この場所は、彼や私を含む全体の情報が置かれているところのようだった。 彼は棚から一冊の本を手にするとパラパラとページを捲り一枚のメモを抜き取り私の前まで来てニコッと微笑むと、そのメモを目の前に差し出した。 「 次はこれを調べてきてね 」 調べる・・・とは私がそのメモに書かれているであろうわたしたちの断片をキャッチしその断片のテーマをなんらかのカタチでなぞり、自分たちの中へ戻す作業を言っている。 なぞる作業は…
何処かの過去生の自分 何処かの世界の自分 それらは同義語 そんな自分が ここの自分の中で重なって在る時間がある。 キッチンでフライ返しを持つ自分の髪が揺れる時そちらの自分の髪も揺れている。 同期しているのは、動きだけでなく 記憶や感覚、思う事も同時進行で伝わる。 その精度には、私がどれだけ私自身を黙らせる事ができるのかということも絡んでいる。 そしてそんな状況は、いつも唐突にやってくる。今回は、インパクトが強い。 7年くらい前に一度アクセスがあった存在がありそれにより私の世界は一変した。 今回のコレは、彼、だ。とすぐに解った。 彼が何者で何を意図してアクセスしてきたのか知りたいと願ったが、ずっ…
彼はいま、他の存在にその身を委ねていた。 その次元では、他の存在とエネルギー的にも濃く交わる時は互いのどちらかの回復に手を貸す時であった。 相性などはあるが、特定の相手が決まっているわけではなく、必要としている存在と、提供できるものがおり当事者達に合意があれば、それはいつでも起こる行為だった。 その時の交流のエネルギーを敢えて言葉に置き換えるなら「慈しみ」のエネルギーと言えるかもしれない。 まず、提供者から発せられ回復を待つものに注がれる。受け取るその「慈しみ」が身体全体に満ちて行く頃には自らのみの循環では得られない「振動」が「ハーモニー」となり互いを包み込み、それぞれの「コア」がまた一段と輝…
どこの層にも、アセンションを推進しているこの機関である集合、組織は絡んでいる。 そんな、アセンションに大きく関わっているのならディセンションにも深く噛んでいるであろうこの組織の存在感が薄く遠くなる領域がある。 その領域での存在はたちは、独り立つその場が互いに大きく離れており先の組織も、まだ集合としての体を成しておらずこちらに介入してくることもない。 そして、どこにいるよりも自らの波動が 内から一体となってリアルに感じられるそんな場でもある。 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村
金色に輝く 光の帯に導かれ その 陽だまりのように暖かな 道を 昇る 笑顔 の 満ち足りたこと。 生まれる前に 贄となり 屠られ 結界と共に 封じられた 命が 還るところは また 生まれいずるところより 星の軌道を越え 遠くへと伸びていればと 新たな旅に着けることを祈り そっと 船尾を押し 見送るひとときは やがて 空へと霧散し 少しばかりの苦みを残して行ったのだった。 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村
果たして、神さまとはじーさんみたいななりのだろうか? 確かに このじーさんたちは 全く笑っていない目でニコニコしながらいろんなものを 生みだしたりはしたが 眼光鋭く渋めの面持ちでもっともなことを述べたりはするが 神さま ではない。 まず 神さまって 必要か? 久しぶりに訪ねてきた じーさんに ・・・・・・・ああ、きっと 激励でもしてやろうか そんなところだろうが 縁側の温めのお茶くらいの 愛を送られて そんなだからか、妙に納得して心が座る、今日の午後。 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村 chichian-333.jimdo.com
ここは 宇宙の外れ。 とうか、宇宙の外れというのもオカシイか。 あまり騒がしくない比較的静かな場所、というのが近い。 ○○群や △△群 ××群からも遠く離れている。 これらの群に属することを好むものもあれば苦痛とするものもあり 属する時期もあれば 敢えて離れることもある。 今の自分はどちらかというと好みでもあり、そうしている時でもある。 それなりに細々とやることはあり暇を持て余すということは無い。 たまに手を休めて外を 視る。 真っ暗な向こうから 微かに届く音がある。 その音をしばし眺めたのちまた 手元に視線を戻し、続きの作業をする。 まだ 少し この時間は必要なようだ。 クリック♪応援してい…
ハコに戻るのは存外簡単だ。 普通にボンヤリと暮らしていれば、気が付けばそこはもうハコの中だ。 普通にしているのが悪いのではなく普通にだけしていると、ハコに誘われやすい仕組みになっているから、だ。 ハコの中というのはやはり窮屈で、オトも聞こえづらい。モゴモゴとこもっていて、本質がわかりにくくなっている。景色もどこか煙っているようだ。 あとは、酸欠になる。そうなると、いろいろなものが巡らなくなりどんどんと潤いが奪われていく。 ハコから出るには、外へと放射され垂れ流しになっている自分のエネルギーを内側へと循環させるのもいい手だ。 慣れていれば それをきっかけに出ることもできるだろう。 クリック♪応援…
この領域は、全体の中の管制官のようなものだ。 そしてそこと多くの時間を交わすのかどうかというのは個体の性質から発するベクトルと、その瞬間の個体の状態、個体の居るセカイの状況を掛け合わせたところから決まって行く。 その管制官的領域の彼は今、お気に入りの快適なソファーに横たわっていた。 胸の上には、1ページも読んでいない本がうつ伏せに広げられている。 ここのところ、彼の仕事はそう多くはなかった。これまでのような多岐に渡る活動を終え関わる案件が激減していたし、 セーブもしていた。種を蒔いたら、後はごくたまに様子を見るくらいしか用はなかった。 ところが久しぶりに大きな動きがあるらしい。その動きは、即こ…
わたしはいずれ消えるよ そう言っていた彼が本当に消えてしまってから長いときが経ち、ようやく、午後の穏やかな光と共に届いたメッセージは・・・ 私のエッセンスは 大海原に流れ出す川の水の中の砂金のようなものだ。 あなたの傍を横切ることは稀だろう。 それでも、私はあらゆる気配の中に在ってあなたを片時も忘れずに 抱き続けている。 あなたを取り巻く世界ごと抱き締めている。 数多に届く不可視な光線の ひとつとして 私は あなたの元へと降りて行く。 繰り返し繰り返し あなたの揺れる眼差しの先へと 降りて行く。 ・・・囁くようで、春の花のように 儚げな香りがしたのだった。 にほんブログ村
彼は説明を続けた。 ハート自体が 次元を越えて繋がる為の装置だ。 製造元の意図に基づいた 多種な機能が装備され越えない為の制御装置も搭載されている。 これを使いこなす為にはどのルートで装着したかによりマニュアルが違う。大きく分けて二つのルートがあり、そこからまた細分化されている。 大枠のひとつは、正規ルートだ。製造元が直接取り付けている。この場合は操作方法もシンプルかつ単純だ。更に、多くのテクニカルサポーターが投入されている。しかしリスクとして、製造元の範疇から出ることは容易ではなくなる。何より、製造元の意図を反映することが優先されているからだ。まあ、出ることを目的としていた場合のリスクだが。…
彼女が好きな場所は 触れたら 懐かしさと 朝陽のような温かさに涙が溢れてしまう場所 律動が 調べとなりそれ以降へと波及していくセカイ 柔らかな絹のような波が 寄せては返し 宇宙の呼吸のように 満ちていくセカイ 花のように 現れ揺れては香り 寄り添い在る セカイ にほんブログ村
彼の恨みと怒りは治まることがなかった。 毎日欠かさず何キロも歩いて、急な岩ばかりの山を頂上まで登り、天を仰ぎ唾を吐いていた。 山を降りると、泥でできた貧相な家に籠り誰とも関わらず生きていた。 彼は本意でなかった経緯で今があることを深い部分に刻み覚えていたし、今の自分は「神」から打ち捨てられたと、見捨てられたと感じ惨めな気持ちの末の、恨みつらみの中だけで生きていた。 確かに、彼が「記憶」している「本意でない経緯」は、ここに降りる前に起こった真実であったが「見捨てられた」という思いは、勘違いでしかなかった。 決して「自分自身」は「自分自身」を見捨てることも失望し打ち捨てることも無い。 時に真実と勘…
ルールとして アトラクションを楽しむための ルールとして記憶を閉じて 投下した。 そう、あくまでも沢山ある「ルール」のひとつであり自分に「必要」であるかどうかは 別の話し。 また、アトラクションを楽しむことを目的としない場合もこれに沿わなければならない。 その上で、自分のしたいように進めていく。 事情は立場に合わせてみな違う個性も違う目指すことも違うみな一様ではない刻々と変化もする そこを起点としての「思い出す」であり「どうしたいのか」ということ。 ルールはあくまでもルールであり全てでもなければ 絶対でもない。 にほんブログ村
垣間見た、自分とソースを同じくする欠片のセカイはこちらと同じ時間軸のような感覚で存在していた。 やがて、自分という認識は無いが確かに同じ欠片同士である彼も こちらが見ていることに気づいたのだった。 アイコンタクトならぬ ハートを通じて交わす会話は 自分たちのセカイが、現在どのようにリンクしているのかを伝えあっていた。 ハートの中に雲の向こうに隣り合う空間に 彼の存在と 彼の今が息づいていた。 にほんブログ村
優雅に装飾された何本もの大きな柱に支えられた白く巨大な建造物の前の階段に彼は座っていた 建物と同じく彼にも色は無く その目元には 優し気な光が射してはいるが一見すると 冷たく感じるような面立ちと空気感である。 この場所にはあらゆるセカイの記録が保持されており彼はここの管理人のようだった。 管理人といっても彼が特段何をするというわけでなくいわば、彼がここの「鍵」であり、建物自体が彼であるともいえた。 白く静謐な空間で 「 そしてここは あなたにとっての聖域でもあるのだから時々は来るといい 」 彼は涼やかに微笑んで、そう云っていた。 あれから随分と長く行っていなかったと思い出したのは ついさっきの…
特別よく何かをしたようだ という時や 大きな調整が入る時に微睡んでいると 宇宙船の中に居ることがある。 という感覚になる、という理解でも。 今回は、白いコクーンの中で休んでいたようだ。 宇宙船の中の部屋は(もっと他の表現の方があっている気もするが、平易に表すにはこれがいい)ひとつの次元にあるだけではなく、それは宇宙船自体もそうだが、それとも別に個々に層をまたがり存在する。 というのか、そうさせたりもする。 今回もそんな一室で、調整されていたようだ。 こんな時はごく短い時間でも目覚めると(完全に寝てはいないけど)身体も意識もかなりスッキリしている。 スッキリはしているが、エネルギッシュになるとい…
自身の内側深く降りていくとき いくつもの層を感じることもできるだろうけど そこも気にとめず ただゆったりと静かに その空気感を撫でながら 深く深く入っていく。 微かな温もりを捉えたら それは 内から外から と セカイを拡げ 時にさり気なく 時に圧倒的な存在感で 肉体を含めて 包んでいく。 自身と一緒にセカイも動く その有様を感じつついつもの時を刻む 日々。 にほんブログ村
そこに行こうと思ったのは 決して好奇心からではなかった。 それには、リスクがあまりに大きすぎて割に合わない。 自分たちのしでかした後始末。 端的に言えば、そんなところだ。 ここに来るずっとずっと前の段階 「ソウル」といういれものを纏ったときに起因する トラブルの回収作業に ピッタリの現場であり演習場として ここはあった。 もうそのことも うっすらとした 影みたいなものだが。 にほんブログ村
例えば、自分の身を守る時には 幾通りもの所作が 「詩」 のように織り込まれている。 時には、 魔物と呼ばれるような異なる種族の侵入を拒むとき、 彼らの好物と心地よい暫しの眠りが用意されたり 時には、 自分を囲む光に「自分の個性」の賛美が縫い止められていたり、 時には、 繊細な力加減と、放出する情熱のコンビネーションで 無効化を図ったり、 その都度であり、決まった「カタチ」はなく 対峙する瞬間に生まれる 魂のやりとりだったりするのだろう。 にほんブログ村
自分の周りを シャボン玉のように透明で薄い膜のようなものが囲んでいる そこには あらゆる景色が映し出された 2次元的な映像のようでもあり臨場感ある 4D画像のようでもあった。 どちらにしても 自分が居るのはその景色の中ではないということがわかっている。 別のバージョンもある。 シャボン玉ごと 景色の中に溶け込み既に薄い膜は消えそれでも その場と自分が元居た場所との両方に存在していることがわかる。 細かく言えば、これら以外の 状況もあり 私達が感知できうる世界は思いのほか広いようだ。 にほんブログ村
城の中か船の中なのか 壁いっぱいの大きな窓も柱も 高く 見上げた先は 天井の 小さな光が瞬く碧の中に消え足元にも 同じように 深淵な藍の世界を湛えていた そんな大広間があった 自身の純度を更に高め澱みない響きを 内に多次元のゲートを透過させ また 空間へと 還していく 彼は、大きな決断のあとにここを訪れてはそのことを幾度も 繰り返していたのだった にほんブログ村
その少年は星を見ていました。 星を見て そこから送られてくるエネルギーを管理するのです。それが彼の仕事でもありました。 かつて天上にある星々は 少年のように地上に住むものにとって身近にあり実際にサポートしてくれるものだったのです。 そして一方的ではなく彼らの方から働きかけることができました。星から届いたエネルギーを地上で加工するのではなくここに届くまでの段階で干渉しエネルギーを調整するのです。 少年はその仕事が大好きでした。 エネルギーの読みとりや地上との調整の難しさ、繊細な作業はいつまでも飽きることなく彼を魅了し続けました。 この時の少年の熱は、彼らの全体の中で今も息づき特定の座標はそこに心…
ここに来たのは もう何度目かもわからない この星の片鱗が誕生したばかりでまだカタチも定まっていなかった頃、 様々な種族が入植し、こぞって実験を始めた頃、 打ち捨てられ 流刑地となった頃、 そのずっとあと。 あらゆる層で あらゆる姿で関わった。 そうして どのタイムラインでも ここは一過程に過ぎず 閉じられた先へと既に駒は進められており 固定する杭を全て回収する際に必要な ここは、特別でもなければ特別にするものでもない という視点に立ち返ることを 知ってはいても忘れがちな杭たちが思い出す為の 号令は 時限装置的に 段階的にハートに灯る「愛」の中に込められている。 にほんブログ村
ふと見上げた 空と風の間に 透明に広がる福々しく 柔和な笑顔と目の奥に宿る 決して 甘くはない光 初めて出逢う顔と歩きながらやりとりをするのは 求める手助けと それに対する断りとならばと 差し出される引き換え案件にでしたらと 返す 最終条件 互いの対等な敬いの上にある信頼を確認し交わした約束は 今は まだ。 にほんブログ村
深い海がある。 濃厚なエネルギーに満ち 羊水のように 温かく けれども 生命の律動が希薄な 海だ。 纏わりつく宇宙(ソラ)のような静けさの中を ついとこのセカイの住人が渡っていく。 圧の存在を感じさせないほどに優雅にその身を翻して。 この音の無いセカイにも震え 奏でるものは溢れ 彼女たちの耳に届いていた。 そうして 彼女たちは自分が次に取る行動を決めることができたのだった。 だから このセカイに居た事があるものは今も、聴くように 現象を拾っていくのだろう。 連なる特性の現れとしてそこに生まれ 場を移しても また 海を懐かしく想い 時に 恐ろしくも感じつつも 離れがたくもあるのだろう。 にほんブ…
もともとクルーの多い船では無かったが 今はほとんどいつも独りだ。 居る場所も、大方決まっている。 心地よく整えられあえて「生活感」という不必要かつ 「本来は無いもの」が導入された場所で寛いでいることが多い。 外では嵐が吹き荒れていた。 その中に出ていき活動することもあったが今回はおさまるのをじっと待っていた。 いろいろなものが吹き飛ばされ流されていくのが船の中にいてもよくわかった。 この嵐が過ぎたあとはまた少し様子が変わっているのだろう。 彼が動くのはその後のこと のようだった。 にほんブログ村
彼と重なるとき 私は彼の内にあるのではなく 彼の大きさのままに 自身を感じ 確かに自分の温もりの範疇ではない もっと深く 安らぐものに 全身を包まれている クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村
彼は…彼は今、自分には何ができるのだろうとどうすればいいのだろうかと。考えに考えている。 狭間にいるものとして狭間世界にいる自分と同じくするもの達のことを思い、どうすればいいのかと助けを求めるように 天に、自分の内に息づく今では兄のように感じる 自分の系譜の存在たちに想いを馳せる。 例えば、頭上高く見上げた星空の向こうに居るかのような不敵に微笑むすぐ上の兄ならば、思考を、迷いを一切挟むことなくかつよどみなく 動くのだろう あの暖かく眩しく そのカタチもわからぬ兄ならば軽く手を挙げ微笑むことで周りの景色も輝き始め安らぐのだろう。 更にその先の・・・・・となれば自分には計り知れなく、感知する事すら…
どこまでも 静寂だけが支配する世界。 その空間に 彼は広がり 存在した。 広大な空間に、核を持たない光としてそれを響かせ そんな自分に満足もしていた。 周囲にはときどき、澄んだな水面に落ちる滴のように、まだ儚げで無邪気にふるふると全体を震わせ輝く小さな存在たちが現れた。 それを感じていることも心地よく興味深く、彼の喜びでもあった。 彼は他にも、様々なものを自らに内包していた。それらは多種多様であり、異なるものたちもそのままに来るものは優しく包み込みその場を提供し また去る者もそのままに解き放っていた。 そうして彼はあり続けていた。 それが 彼が 本来の輝きを放っている姿だった。 クリック♪応援…
命懸け ということもある。 彼は自分のシップにある、白い部屋にいた。この船の「回復室」であり、中心部の近いところにある。つまり、彼自身の中心近くにあるということだ。船は彼自身なのだから。 白い部屋にポツンと出現している縦長な空間に彼は横たわり段々と心地よさへと移って行く気怠さに身を任せていた。 彼はよくこの部屋に様々なものたちを招き入れた。小さくコロコロと可愛いものから大きな図体で、のっそりと動きながら押しつぶしにかかるもの、大暴れで身体についた泥を部屋中に巻き散らかすものまでいろいろだ。 だいたいは、酷く汚れておりそんな自分の姿に怯え一時的に我を見失い途方に暮れているものたちだった。 (深い…
久しぶりに訪れたその場所は 彼が主として近隣のものたちを治めていた土地だった。 足を一歩踏み入れると、もうそこには旧知の顔たちが両脇にずらりと、 恭しくも喜びに満ちた表情で並んでいた。 「よう戻られました」 目に涙を浮かべているものもあった。 それはそうだろう。 人では無い彼らは、主のいない場所で、 主からの「この土地を守れ」といういいつけのままに いつ終わるともわからない時の中で、 ただただ主との再会を待ちわび過ごしていたのだから。 「すまなかったね」 柔らかな暖かさを感じさせる笑みで、彼は答えた。 人では無いが、人のように熱を持ち 時に姿カタチを変えながら存在する彼は この土地を、人々を、…
腰くらいまでに伸びた草がいちめんに広がっている。 どこまでも青々とした草原と その上を渡る爽やかな風が このセカイの全部だ。 ところどころ、なだらかな丘になっていて 時折そこに寝転がって眠ることがある。 誰にも邪魔されない 僕の密かな楽しみだ。 揺れる草の音 通り過ぎていく風 ここの風は 体の細部を通り抜けて行き そして 目覚めた時には 癒され 程よく力が抜け 完全にチャージされている。 ここは 誰もが訪れることのできる それぞれの 草原なんだ。 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村
ゴツゴツとした岩に覆われた大地 たまに突き出る 山も 乾き赤茶けた色をしている。 その星は小さく 彼が竜に乗り飛べば、僅か二日で全てを見て廻ることができた。2日という単位もまた、ところによりその長さを変えるのだが。 辺境の地であるそこで、彼は守り手として独りきりで永らく暮らしている。この星に彼ら以外に住まう者は無い。独りではあるが、他の地に居る仲間とは意識下では繋がっており、必要であれば情報交換などはしている。 唯一の同居人である竜との関係は淡々としており主従でもなく、友でもなくあえて言うなら、仕事仲間のような距離感であり、 彼が跨り竜は飛ぶ、それ以上でもそれ以下でもない関係だ。 そうして彼ら…
彼がその窓から覗いているのは 13番目のセカイだろうか。 「 まあそれにしても 随分と育ったものだねえ 」 既に在るものは 厳密には決して消えてしまったりはしない。 痕跡は、必ず残るもの。 どうしても無かったことにはならない。 影響はついてまわる。 「 詰まるところ、ヤリヨウだな。 」 どうしていけばいいのか。 問い続ける。 できることは そこを諦めないこと、ぐらいだろう。 それが、これまでの これからの 彼らが出した結論だ。 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡 にほんブログ村
何度眺めても同じものとしか思えない けれども今しがた届けられた新しい報告書の束を 無造作にテーブルに放り出し、 いつものようにその上で足を組んで大きく伸びをする。 彼のいるセカイは、どこの軸にも行く事が容易く、 彼自身はそれを得手としていたため、 上からも下からも重宝がられ、 仕事を選んでいるつもりが結局何でも屋のようになっている状況である。 まるで中間管理職のようだな。 彼の旧知の仲間のセカイを真似て呟いてみる。 彼のいるセカイは全体の中でも、 その特性ゆえ他のセカイから大きな期待をかけられていた。 しかし、そもそも、 そのような処置、処理が必要になった原因はもっと上の方とはいえ、 より混乱…
彼の別名は 韋駄天、もしくは strider(足早に大股で歩く人)なのではないだろうか。 というほどに、彼はその広い活動領域をいつも駆け抜けている。 神出鬼没。 どこにでも、行く。 プロジェクト全体の中で、 細かく分かれた段階を管理、運営している。 具体的に材料を揃え動かし、 目標へと誘う。 機動部隊の要。 彼はその分かれた「段階」から全体を読み、知り得た事を精査分析し、また、自らの動きへと還元していく。 そんな彼の視界には 遥か遠くの点滅と 何も無い空間に張り巡らせるように交差する無数のライン。 その中を彼は今日も至って地味にさり気なく、 けれど韋駄天の如く駆け抜ける。 クリック♪応援してい…
白い砂 細かい泡に縁どられた水際に 彼は立っていた 足首に茶色い標識が巻き付いている他は 何も身に着けていない 彼は一日に数回この浜を訪れ 身についた 不浄というにはまだその予感ほどの 汚れのようなものを洗い流すのだった 華奢でありながらも長身で 髪は薄い色で肩の下まで伸び 肌は白く美しく 涼やかな面に控える瞳は 透明な光を放ち静かだった 彼はヒーラーだった 乞われるままに 人に、生き物に、空間に、事象に 癒しを施していた いつの頃からだろうか 人々が 自ら癒すことをやめ 繰り返した実験の結果 ヒーラーとしてのみ生まれ存在し早くに去って行くものに 全ての癒しの力を託すようになったのは そうして…
この世界では ソラを飛ぶ事は容易だった。 それができるものにとっては、だが。 意識を、ほんの数ミリ動かす。いや、その必要すらない。 飛びたい。そう思う前に、既に身体はソラの中にあった。 彼は、 浮き上がった一瞬の静けさが好きだった。 其処には、平穏 があった。 今までの何もかもが嘘のような、 此れから起こる事など、太古の種族の遠い記憶のように感じられた。 彼は味わう。 味わわずにはいられない。 この静寂の瞬きに 恍惚と魅せられる。 が。 それは もうそこに居る。 流れるような動きと共に彼が繰り出す 衝撃。 と。 四方より一斉に襲いかかる 殺意の刃。 彼が常に身を置く世界は 彼を愛して離さない。…
そこは 一時的保護の為に用意された場所だった。 自分はどれほど眠っていたのか。 随分と永いときが流れたようだ。 そのままでは彼と云う欠片は、 全体の中から消滅してしまう程のダメージを受ける事が懸念され、 打開策が出るまで凍結されていたのだ。 そうして長い時間見守られようやく解放された彼は、 かつて幾度となく立った丘のホログラムの中で、 心地よく穏やかな風を感じていた。 彼が居た世界は、あらゆる世界の歪みが集積され、 そこからまたその歪みと混沌が 各世界へと運ばれて行くようなところだった。 つまり、低位、高位クリエーション界の皺寄せが この中位クリエーション界に押し寄せていたのだ。 勿論、同じ次…
彼女の欠片たちは押並べて、その人生を一族の為に捧げていた。 それは時に、統べる者の責務であったり、 仕える者の義務としてであったりとその立ち位置は都度変化したが、 結局のところ彼女の犠牲の上に彼女の在する集団が消滅を免れたり、延命されたりしたのだった。 それを彼女や彼らは、自分の使命として何ら迷いもなく受け入れ、 真っ当することに大きな意義を見出していた。 が、そこに喜びはあっただろうか? 本来なら、自らの強い好奇心のままに自由に数々の土地を訪れ、 様々な出逢いに心を震わせていなかったか? 深く追求し形として成したいものはなかったか? その仕上がりを、自分に宇宙に捧げたくはなかったか? いずれ…
この星での調査も 今までにこなしてきた多くのものと差異は無く、 なるべくその星に適したカタチで なるべく少ない人数で(今回は2名 )降り立ち、 調査しデーターを持ち帰るというものだった。 相棒と、幼い姿でその役目をこなしているうちに 彼はあることに気づいたのだった。 ここはどこか、知っている今はもう無い星と似たところがある。 豊かな可能性の中に、 今は片鱗すら見せなくともしっかりと根付く 危うさが確かに存在していた。 だから彼は決めた。 それらを調和の中で回避していく助けとなる装置を できる限りの中で設置して行こうと。 そして、たまたまその装置は彼の得意としているものでもあった。 相棒を見送り…
そこにあるのは 鉱物のような形態の ものたちだった。 動かず、時にほのかに揺れる光を放ち 音もなく歌うように声をかけあう。 そんな存在が、このセカイの住人だった。 彼らは 彼女たちは 動かず自ら何かをするという意志をあまり持たないため 容易く採取され 移植されていった。 映されたのちも 彼らの性質は変わらない。 微かなゆらぎで歌い、自発的意思を持たず、ただじっと 風を 宇宙(そら)を 星を 受け止め ただ ただ 僅かに 首をかしげ それらを見つめ続ける。 それが、彼らの在り方だった。 クリック応援していただけると励みになります
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