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2018/09/24

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  • 無音の時に漂うものは~2019年11月29日 Gallery 美の舎 無音の時 西田あやめ~

    一切の藝術は無窮を趁ふの姿に他ならず 藝術は感情を主とす 世界最高の情趣を 顕現するにあり 『日本美術院綱領第一項』或いは岡倉天心の言葉 プロローグ いづかたより来て鳴らされた音か。 遠くにて鳴る鈴の音を聞く。わんおんわんおんと鳴る音が耳に届き、ひととせの音が『和音』となりて唐突に頭を揺らした。響き、輪廻、転生の後の、覚醒。 ハッとして目を覚ますと、窓外には触れれば罅割れるかの如き空がある。ふいに「あそこから落ちてきたのか」と予感めいたものを感じるが、即座に、『海』と声がする。 吾いづかたより生まれ、いづこへ辿りつくのか。 此岸に立ちながら、眼前に彼岸を捉えようとする。 たった一人で。 何も持…

  • You Get What You Give~2019年11月24日 すみっコぐらし~

    You've got a reason to liveCan't forget we only get what we give 君には生きる理由がある忘れちゃいけないよまずは差し出さなくちゃ何も与えられない New Radicals『You Get What You Give』 君の素敵な人生のすみっこ 新宿ピカデリーで映画『すみっコぐらし~とびだす絵本とひみつのコ』を見てきました。1時間ちょっとの映画なのですが、結論から言いますと、 大号泣! もうすぐ齢三十に差し掛かろうというロンリー・ボーイが、ぼろっぼろに瞼を濡らす感動の名作でした。笑いあり、涙あり、えっ?と驚く展開から、ラスト。そして…

  • 堪忍と進化~2019年11月24日 新宿末廣亭 夜の部 神田松鯉~

    世の中のことはなんでも我慢できるが 幸福な日の連続だけは我慢できない。 ゲーテ『格言と反省』 モテア・マーシー きょんスズを終えて、持て余した時間をどう潰せば良いのか。人は時間を持て余すと潰したくなる生き物であるらしい。顔に出来たにきびを潰したくなるみたいに(にきび出来たこと無いけど) 幸い、一人が好きだから時間の潰し方は心得ている。決まって喫茶店かファミレスに入ってのんびり食事をする。本も読む。音楽も聴く。気分が乗ると詩まで書く。「暇か暇かと問われてみれば、うるせいタコだと日間賀島」と、くだらない戯言も増える。 考えたり、ぼーっとするにはファミレスがうってつけで、意気揚々と入ったのだが、混雑…

  • 人生の採点者~2019年11月24日 きょんスズ30 14時回~

    起きあがって、窓からからだをのりだしてごらんよ。 いま、ほんとうに自由で、生きている時間がはじまるのだから。 夏の最初の朝だ。 Ray Bradbury『Dandelion Wine』 Pretender 気取っている人と気取らない人の違いは眉毛に出るのだそうだ。気取っている人の眉毛はダイナミックに、回数も多く、まるで生きている毛虫のように動く。反対に、気取らない人の眉毛は殆ど動かない。微動だにせず毛虫はじっとしているのだそうだ。 眉毛の曲線も異なる。気取っている人は、自らを実際よりも大きく見せたいという気持ちが働き、太く、横へ広がる。逆に、気取らない人は自分で大体の長さが分かっているため、細…

  • 転ばぬ先の杖すら捨てて~2019年11月23日 新宿末廣亭 深夜寄席~

    土砂降りの雨の中 今日もトラブル抱えて走り出してゆく その男はおれだ バカにつける薬はどこにもないんだ トータス松本『あーだこーだそーだ!』 不格好の輝き 食器洗浄機の中の皿かと思うほどびしょ濡れになって、僕は新宿末廣亭までやってきた。夜の部は人間国宝・神田松鯉先生が赤穂義士伝を語られている。松之丞さんは『山田真龍軒』をやられたようで、会場もさぞ盛り上がっただろうと思う。 大勢の注目を集め、数多の異名を持つ講談師が輝きを放つ一方で、日の目を見ることのない芸人も大勢いる。まして、数の多い芸の世界。たった一握りの噺家しかメディアに取り上げられない世界。 でもね、僕は知ってる。 たとえメディアに取り…

  • まちがってまちがって、正しさに当たる~2019年11月23日 うららか亭落語教室から深夜寄席~

    She knows there's no success like failure And that failure's no success at all 失敗のような成功はなく 失敗は成功じゃないことを知っている ボブ・ディラン『Love Minus Zero』 寒すぎる 大雨との出会い 世良公則の『燃えろいい女』どころの寒さではない。『萎えろダメ男』と世悪秘則が歌ってもおかしくない寒さである(わからないよね) 金曜日を終えて、燃え尽きたダメ男である私は、荒んだ男心を誰にも奪われることなく抱えていた。疲れ切っていた。連日連夜、毎晩のように処理しなければならぬ雑事に追われ、海に行かずして溺れ…

  • 何もわからないけれど~2019年11月20日 新宿末廣亭 夜の部~

    But there's one thing I knowThe blues they send to meet meWon't defeat me, it won't be longTill happinessSteps up to greet me でも一つだけ分かったことがある憂鬱なことに出会ったって俺は負けたりはしないんだ幸せが俺のもとにやってくるのも遠くない大きな幸せが俺を迎えてくれる Hal David『Raindrops Keep Fallin' On My Head』 誰にも奪えぬこの思い~They Can't Take That Away From Me~ ひどくつかれていた。…

  • 12月こそ、忙しくても寄席に行け!~2019年11月19日 森野的オススメ寄席情報~

    寄席なんて行かなくてもいい。 そんなことを思っている人のために、 この記事はある。 きっとあなたも名演に 12月が近づいている。ワクワクの、ドキドキの、12月が。大人は子供に帰り、子供は大人になる12月がやってくる。サンタクロースも寄席にいる。トナカイだって寄席にいる。目には見えないプレゼントが与えられるとき、体験という名のプライスレスが記憶に刻まれるとき、あなたの過去と今と未来は七色に輝く。 そんな12月が、いよいよやってくる。 あなたの握りしめている紙を、あなたはどんなものに変えたい? 宝くじを買って夢に賭けてもいい。何か好きな皿でも買って棚に収めてもいい。大好きな人に指輪を買ったり、自…

  • ずっとあなたを愛している~2019年11月17日 きょんスズ30 14時回~

    恋してるんだ。 ごめんね。 生きて、いたいんだ 高橋しん『最終兵器彼女』 二度目のきょんきょん すっかり季節は寒くなって、体調管理が難しくなった。少しでもバランスを崩せば、一気に熱を出して寝込んでしまいそうなくらいに、寒暖差が激しい。朝と昼では10℃くらい違うんじゃないかと思う(言い過ぎ?) 寒くなってくると、布団から出たくない。なるべく外出は避けたいと思う私だが、こと演芸に限っては反対である。家にいても暇だから外に出たい。誰かに会いたい。会って話がしたい。なんて、人の温度がある場所を求めてしまう。 だから、今日は下北沢に来た。というか、チケット取ってたので、来ることは決まっていた。 ぼんやり…

  • 上方落語のフルスロットル~2019年11月16日 桂米紫ひとり会~

    万有引力とは ひき合う孤独の力である 宇宙はひずんでいる それ故みんなはもとめ合う 谷川俊太郎『二十億光年の孤独』 感謝、感謝やでぇ ひょんなことから、TwitterでDMを頂き、桂米紫さんの会に参加することを決めた。教えてくれたのはPOBOXさんという方で、桂米紫さんを一押ししている方である。 私のようなどこの馬の骨とも豚の骨とも分からない若造(髭剃り忘れて無精)に、とても真摯に挨拶をしていただき、恐縮至極の気持ちだった。眼は優しく、声もやわらかく、とても真面目な雰囲気のお方のように見えた。落語が好きで、米紫さんや小満ん師匠や喬太郎師匠の会にも行かれ、東京の二ツ目(落語家の身分)が出演する連…

  • 熱燗のみのみ 流れ流されゆらゆらり シブラク レビューあとがき~2019年11月13日 20時回~

    ソフィー・アムンセンの家は、街の一番外れにあって、 庭の向こうには、もう大きなノルウェーの森が始まっている。 ヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』 落語のカッコ良さ 渋谷らくご、今月のレビューはこちら http://eurolive.jp/shibuya-rakugo/preview-review/20191113-2/ 今回は、思いっきりリラックスして書きました。会を終えて、二時間くらいぼんやりしながら、三時間くらいダーッと書いたんですよ。書く前のぼんやり段階で、熱燗飲んで、五目麺をつまみながら、「うめぇなぁ、おい。うめぇぜぇ、おい」みたいなことを壁に向かって言ってました。壁と友達にな…

  • 死ぬこたぁねぇやな~2019年11月11日 新宿末廣亭 夜の部~

    余談ですけど 今日はちゃんとやります 江戸会話教室 生きろ! One Too Many 『会いたいか、会いたくないか、それが距離を決めるのよ』と書いたのは森博嗣先生で、私はずっとこの言葉に従って生きている。 今日はあの人に会いたい。今日はあの人の噺が聴きたい。気づけば走り出している。気づけば私は、私の足で、私の意志で、会いたい人に会いに行っている。それの何が悪いの?会いたい人に会って、ああ、素敵だなって思って、その気持ちを言葉にすることの何がいけないっていうの?全然、いけないことなんかじゃない。私には会いたい人の素敵な部分しか見えないから、素敵な部分を書きたいだけ。 誰かは言う。「あいつは良い…

  • いつまでも少年のままで~2019年11月10日 渋谷らくご 17時回~

    毎日を生きよ。 あなたの人生が始まった時のように。 ゲーテ 将棋 渋谷らくごの行われるユーロスペースへと続く道を歩いていると、『将棋の最善手』を選んでいる感覚に近いものを感じた。 坂を下ると、色んな姿の若者達が群れている。クラブがあったり、ライブハウスがあったり、欲望のビルがあったり、匂いのキツイ店があったり。そういう、色んな選択肢を省いて、最善の一手が『ユーロスペース』なんじゃないだろうか。僕が選択せずに候補にもあげなかった選択肢が、あちこちにある。でも、僕が選んだ一手は間違いなく、僕にとって『最善手』であるような気がしたのだ。 どうして急にそう思ったかは分からない。それでも、渋谷らくごへと…

  • 生きて生きて~2019年11月9日 古今亭文菊独演会 なかの芸能小劇場~

    はて、「てんしき」とな? 忘れてきちゃった いっそ殺してくれよ 七つの穴 中国の神話に不思議な話がある。宇宙の始めのまだ形の無い混沌に通ずる名を持つ渾沌に、形を与えようとしたがために渾沌が死んだというお話である。 南海の帝『儵(しゅく)』と北海の帝『忽(こつ)』は、中央の帝『渾沌(こんとん)』の領地へ赴き、手厚いもてなしを受けた。渾沌の恩に報いようと、儵と忽は話し合い、「どんな人間にも七つの穴がある。見たり、聞いたり、食べたり、呼吸をしたりする穴だが、渾沌にはそれが無い。ならば我々で与えてやろう」と決め、毎日一つずつ穴を開け、七日かけて渾沌に七つの穴を拵えた。ところが、七つの穴が開くと渾沌は死…

  • シブラクの未来、或いは男女の心の重畳~2019年11月8日 渋谷らくご 18時回~

    他の女の話はやめてっ! 二人で一つ 恋に師匠なし 私の友人で、中学生の頃に付き合い始め、そのまま成人して結婚した夫婦がいる。中学生の頃から美男美女のカップルとして有名で、男連中はみな「あいつがあの子と付き合ってるなら、諦めようぜ」と口にしていたし、女連中のほうも「あの子が彼と付き合ってるなら、手出しは無用ね」という感じで、昔からお似合いのカップルだった。 誰も知りたくないと思うので私のことは書かないが、当時、そんな二人の関係を私は羨望の眼差しで見ていた。清らかであり、穢れが無く、運命という言葉がふさわしいと思って見ていた。なぜなら、私の父も、母との出会いは運命のようなものだったから。 両親の出…

  • 上方の風に吹かれて浪に乗る~11月4日 神田連雀亭 桂紋四郎の上方落語・浪曲最前線~

    上方落語の仕掛け人!? 勢いで押す!! よぉ~ 上方の風と浪 桂華紋さんがNHK新人落語大賞を取った。2018年は桂三度さんが取り、2017年は三遊亭歌太郎さん、2016年は桂雀太さん、2015年は桂佐ん吉さんと、この五年間で上方落語家が4人も賞を受賞している。 私は落語初体験が桂枝雀師匠の『代書』ということもあって、上方落語には思い入れが強い。江戸の落語を聞くよりも先に上方落語に心酔した私にとって、落語の本場と言えば上方という思いがどうしても強いのだ。 特に桂米朝師匠や笑福亭松鶴師匠に代表されるような、上方の最高峰とも呼ぶべき流麗な語りの調べを聴いているだけで心が穏やかになる。枝雀師匠の落語…

  • NHK新人落語大賞を存分に楽しむ~ニーヌさん主催会 11月4日~

    おおー、すごーい カードゲーム『真打』 権太楼師匠、こええええ 華紋さん、おめでとう!!!!! 延期の縁 本来であれば、10月26日に放送されるはずだった『NHK新人落語大賞』。ところが、ラグビーの放送により延期となり、11月4日に放送されることとなった。 縁とは本当に不思議なもので、ニーヌさんが『NHK新人落語大賞』をみんなでライブビューイングする会を企画された。私も、スケジュールが空いており、行くことに決めた。 そして今日。そのライブビューイングが行われた。集まったのは総勢7人。貸スペースで行われた会は、とても、とても、とても楽しかった。どう言葉で表現して良いか分からないが、世の中の落語好…

  • 有益デストラクション&ファイヤー~黒門亭二部 11月3日~

    ピョコピョコ感 じんわり感 さらさら感 ぽつぽつ感 バリバリ感 目が覚めてOh No 自分に関する残念なニュースを見ると、テンションがダダ下がりして、ウルトラ怪獣ダダになることが、しばしばである。この前は私の書いたレビューの誤用コメントを見てダダに変身。今朝は唐突な別れを知りダダに変身。昨晩飲み過ぎて体がダルい自分に嫌気がさしてダダに変身。 鏡を見て「ダ・・ダ・・・」と呟きながら、ダダをこねることも出来ず、ただただ茫然とする。いっそ、ダダをこねて饅頭にして店を開き、木下優樹菜に脅されて、その脅迫文を出版社に売り込んだ金で幸せになれたらいいのに。 現実は、そんなに甘くない。事実が放った矢は確実に…

  • 我逢人~ザ・スズナリ きょんスズ30 11月2日 14時回~

    My Heart Is Filled With Gold 人と出会うことから全てが始まる どうして柳家喬太郎師匠を好きになったんだろう。きっかけは、大学生の頃、Youtubeで見た『夜の慣用句』だった。桂枝雀師匠を知り、枝雀師匠が亡くなられたという情報を目にしたとき、私は「じゃあ、生きている噺家で誰が一番面白いんだ?」と思い、インターネットで『落語 最高 一番』みたいな言葉を検索した。すると、広瀬和生氏の記事が出てきて、その時の1位が喬太郎師匠だった。 すぐにYoutubeに上がっている落語を聞いて、すぐにハマった。これは見に行かなければならないと思い、近くのホールでやっている会を探した。そこ…

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