ある日私はペットショップを転々していた先のない売れ残りの猫(ロミ)と出会う。ロミの擬人化で使っている広島弁は忘れつつある故郷の言葉を思い出しながら書いているもの。
庭の生垣に沿って金木犀が植えられていた。季節は秋で、裏口に進んで行くと甘い香りが押し寄せてきた。四方八方に伸びた剪定されていない金木犀の枝をかき分けながら進むと、白衣の肩にオレンジ色の小さな花がついた。裏口のすぐ横に犬小屋があった。塗装のしていない木製の犬小屋は湿気で木の一部が腐り、苔の生えた屋根は抜けていた。犬小屋の中にはバケツやホースなどが入れてあり、犬はいないようだった。「失礼いたします」といいながら裏口を開けたが、足の踏み場がないぐらい靴が散乱していた。靴の上に靴を乗せる訳にはいかないので、自分の靴は外に出すことにした。「お邪魔します」びっしりと敷き詰めた靴の山をまたいで薄暗い台所に入った。川田愛子さん(82歳)は専業主婦だった。夫亡き後は共働きの息子夫婦を支え、孫たち二人の世話もしてきた。二人の孫たち...治療師師か詐欺師か(8)川田家の犬
【怒ったけん、PCから動かんど!】【…はぁ。怒り疲れたの】もともとエネルギーが溜まりにくい私は、自分のエネルギーが減る方に向かって行動しない。だから一緒にいると疲れるような人とは友人にはならない。友人の世間的なステータスなどはどうでもいいし、「自分に何かしてくれる、してくれない」も関係ない。友人の性格がネガティブでもポジティブでもどちらでもいい。一番重要なことは「お互い疲れない」ことだと思っている。一緒にいて私のエネルギーが減らない人(相手のエネルギーも減らないこと)が、私にとっての人間関係の基準である。(…ずいぶん勝手な話だが。)エネルギーのチャージの仕方は人それぞれである。スポーツをしたり、人とワイワイすることでチャージする人もいるだろう。私の場合はひとりでボーっとしていることで、エネルギーが自然とチャージ...治療師か詐欺師か(7)そして川田家へ
ノエルさんとラッキーさんは、雰囲気が対照的だった。私は2回手術をしたが、左右の内頚動脈という血管に巻き付いている腫瘍は取り残しになった。その部分にはガンマーナイフという放射線をかけた。そのことにより「下垂体前葉機能低下症」になった。 ノエルさんとラッキーさんの病状は、あるところまでは私とそっくりだった。私は自分の病気に対する情報収集をしたくて、ネットでふたりに接触した。 愛妻家。病気がわかってから、(男性不妊治療を開始し)子供を作ろうとする。病気がわかってから、すぐに恋人と入籍する。妻に財産を残す方法を考えまくる。 付き合っているパリピがいたが、病気がわかってから、速攻で振られる。(瞬殺) 下垂体前葉機能低下症により分泌できなくなるもの。(一部~全部)・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)・甲状腺刺激ホルモン(TS...治療師か詐欺師か(6)エロスか愛か、二択
日テレに苦情が殺到している。「あなたの番です」の最終話に対する苦情である。 私は最終回にそれほど期待をしていなかった。ただ、最後は変化球(せめてナックル)ぐらいは投げてくれてもよかったのになぁ、とは思ったが…。 上からのコンプライアンスがうるさいテレビ界は(たとえ製作者側が良いものを作りたくても)、結果「つまらないもの」になることが多いようだ。19話までに期待が膨らんでた視聴者にとって、20話の「出来栄え」は納得できるものではなかったのだろう。 今回のことで、テレビが衰退していき、5Gに進んでいく未来への予感はますます強まった。 【『ラジオ・スターの悲劇』を歌う「バグルス」のトレヴァー・ホーン】(ニュー・ウェーブの先駆けだが、今でも新鮮。)歌詞は、テレビの出現により仕事がなくなったラジオスターの話。 【現在...治療師か詐欺師か(5)新しい波が来る
私のストレス解消はSF小説やミステリー小説を読むことである。束の間、日常生活とは離れた世界に自分を置けるからだ。ミステリーの場合、大抵「なぜ、そんなことで殺人を?」と犯人の動機に対して思うことが多い。しかしミステリー小説で重要なのは「謎解き」の部分である。私は紙に図を描きながらコツコツと謎解きをしたいので、できればノックスの十戒を破っていないものを読みたいと思う。さて、huluでも公開されている「あなたの番です」の考察を重ねてきた私だが、そのドラマもあと1回で終わってしまう。現代では(良くも悪くも)短時間のうちに「数多くの意見」を聞くことができる。単に好き嫌いで推理している人、製作者側の意図を読んで推理する人、ディティールを見のがさない人(ミスリードを検証する人)、心理学的に分析する人、過去の(実際にあった)犯...治療師か詐欺師か(4)有害な人格
出典USATODAY 【ロシアの動物園にいるヤマネコの元に毎日通う三毛猫】出典LoveMeow 妹は口癖のように私に言っていた。「あんたは『美容師』か『ファッション業界』に進んだらいいと思う」 私は美容師になりたいと思ったこともないし、ファッション業界に進むことを考えたことはない。ただ、妹が私にそう言うのは理由がある。 私の両親はファッションセンスがゼロだった。 中学生時代、私は家で陸上部のユニホームを着て過ごしていたが、妹は母親のお古の洋服を着ていた。「私服」という無駄なものに対してお金を掛ける必要がないと考えていた両親なので、「子供の洋服を買う」ということは無駄だと考えていたからだ。 その上、母親は妹がオシャレをしてモテることを警戒していた。若い頃の自分と同じような過ちを犯さないように、と考えていたの...治療師か詐欺師か(3)職業選択の自由
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