何と、「博物館」から一歩外へ。館長の緋色冴子、関係者からの聞き取りがうまくできるのか?大山誠一郎さんの「記憶の中の誘拐 赤い博物館」を読む。
記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫) 作者:大山 誠一郎 文藝春秋 Amazon 「赤い博物館」シリーズの二作目。 未解決事件の捜査資料を読んだだけで、 真相を解明してしまう緋色冴子。 二作目の今回、少々、違うのは、 完全なる安楽椅子探偵で、 「博物館」から一歩も外へ出ずにいた緋色が、 寺田の聞き取り調査に同行するところ。 コミュニケーションに難ありの緋色が、 関係者と、一言二言でも、言葉を交わそうとするシチュエーションだ。 トリック解明に終始するのは、前作と同じ。 これに、動機だの、人間関係だのが加わってしまうと、 ひょっとしたら、緋色本来の魅力が削がれる、のかもしれない。
2022/01/31 08:24