第196話 AI革命
吾輩はカメである。名前はカメ子。せっかくの機会ゆえ、我が家の近況について一筆認める(したためる)としよう。 さて、吾輩の住まう家では、近頃夜がひどく明るい。否、それは単に照明の話ではない。奥さんが、夜な夜なパソコンに向かい、何やら熱心に作業をしているからである。その姿は、まるで深夜の書斎で兵法書を繙(ひもと)く軍師のごとし。眉間に皺を寄せ、鬼気迫る様相でキーボードを叩いている。無論、その影響で我が家は「不夜城」と化し、吾輩もついに慢性的な寝不足に陥ってしまった。 主人が、奥さんに声をかけようものなら、「しっ。黙って」と、まるで修行僧のように一喝する。やれやれ、主人も懲りぬものだ。奥さんの研究対…
2025/03/17 00:31