「身分け」「言分け」
本願寺発行の月刊「大乗」8月号が送られてきました。今年の4月~連載している「なるほど仏教ライフ」8月号の執筆原稿、いつも書いているこのなので最初の部分だけ転載します。哲学や言語学の分野で「身分け」「言分け」という用語があります。身分けとは、世界の認識を、つねに「身体」を通して、あるいは、身体感覚を通して行われているということです。言語哲学者の丸山圭三郎氏(1933年1993)が記している話ですが、ある種のダニは、嗅覚、触覚、温度覚の3つの感覚しか所有していない。彼らは、自分の近くを哺乳動物が通りかかるのを、嗅覚と温度覚を使って知覚して、触覚を使って血を吸うべき皮膚を探り当てる。つまり、このダニにとっては、この3つの感覚から成る世界がすべてであり、それ以外の情報はダニの生存に無関係なものとして、一切知覚され...「身分け」「言分け」
2024/07/30 07:10