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Kodai-Note https://kodainote.hatenablog.jp

耳を澄ますように古代を感じる試み。

京阪神を中心にフィールドワーク、五感を働かせて古代を感じるというコンセプトではじめました。

sakutaro
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東大阪市
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2018/05/06

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  • 古代を通じてたどりつく私達の無意識

    奈良や京都、あるいは飛鳥の地を訪ね歩き、古代について調べ、想いを巡らせていくうちに、なぜ、自分はこれらの事象に興味があるのだろいうと考えることがある。その原動力の正体を考えと、ゆかりの地を訪ね歩き、その地の古代の痕跡を感じてみようと感覚を研ぎ澄ませる。すると、稀に神秘的な心地よさ、美しさを体験することがある。 それは、例えば、法華寺の十一面観音に衝撃的な美を感た、あるいは聖林寺本堂の縁側から雷雨のなか三輪山を眺めた、春日大社につらなるささやきの小径で鹿の頭蓋骨を見つけた…。そんな、再び出会うことができないような瞬間だ。 岡寺で出会った見事な蛙 それは、かつて、古代人も経験したと思われる瞬間だ。…

  • 「十一面観音」にまみえる聖林寺で出会ったもう一つの美

    昨日、岡寺へ取材に行った際、足をのばして聖林寺を訪れた。伽藍を誇示することなく、山間の坂道、近隣の民家と木々に埋もれるように建っている。 曇り空、降りそうな湿気を感じながら、山門に繋がる階段を上った。 聖林寺は白洲正子著「十一面観音巡礼」で知りながら、なかなか足を運べないでいたが、法華寺の「十一面観音菩薩」に感銘を受けてから、聖林寺のそれも確かめたいと常々思っていた。 拝観料を払い、本堂に上がると「子安延命地蔵菩薩」にまみえる。丈六(立像で一丈六尺)、八尺(約2.4m)の大きな石像。お顔が大きく、包み込むようなたおやかなお地蔵さま。 お堂の奥をみやると、襖が開け放たれ、飛鳥の地と周辺の山々の風…

  • 岡寺:法力で龍を退治した奈良仏教のルーツ、義淵僧正創建の寺

    観音の申し子として生をうけ 良弁や行基を育てた傑僧義淵 明日香村の東、岡山の中腹にまみえるのが西国三十三ヶ所観音霊場*の第七番札所となる岡寺。 坂道を登り、門前町を横目に息を切らせて歩き、重要文化財に指定されている仁王門へ。 境内にはいると堂々たる風格の本堂が目をひく。 本堂は一八〇五年(文化二年)の上棟されたものだが、岡寺自体は古く、一千三百余年の歴史がある。子宝に恵まれない夫婦のもとにつかわされ、観音の申し子といわれた義淵を天智天皇が引き取り、岡宮で草壁皇子と共に育てたことがはじまりだ。 仏教の指導者となった義淵に天智天皇は岡宮を与え、六六三年(天智天皇二年)663年に岡寺を創建した。 義…

  • 興福寺に隣接する、東向商店街の真実とは?

    東に位置する興福寺を忖度して生まれた東向き商店街? 近鉄奈良駅を地上にあがると、出迎えてくれるのが東大寺に向いて立つ行基像だ。そのかたわらには、「東向き商店街」という名の商店街が南北に延びている。商店街を南に少し歩くと東側に興福寺へつながる傾斜のある近道がある。傾斜を登りきると広がるのが広々とした興福寺の伽藍。 ちなみに、商店街をそのまま南へ下ると和風教会の幼稚園がある。そこは急な傾斜で、坂の途中は大きな段差になっている。ちなみに、東向き商店街という名前について、「ブラタモリ」では西側に興福寺に忖度し、背中を向けてお店を建てることをはばかったと紹介されていたが、じつはそれは事実ではない。 平城…

  • 大阪の都心を貫ぬく大川、堂島川、安治川は人工の水路だった

    難波堀江はどうしてつくられた? 大阪の都心を貫いて高層ビルやホテル、高速道路を水面に映し、大川、堂島川、安治川へと名を変える。豊かな水量を湛えて流れるこの川のはじまりが、人工的に掘られた水路だったということをご存じだろうか。 高層ビルが並ぶ、大川 堂島界隈 人工的に掘削されたこの水路は古代、「難波堀江」と呼ばれていた。じつは約6千年前の大阪平野の地形は現在と全く異なり、一面は大海原だった。上町台地だけが半島のように突き出ていたのだ。縄文時代中期には、上町台地の先端の砂州が北へ延びたことで、弥生時代には上町台地の東側が大きな湖となっていた。 洪水が多発水難に悩まされ あの人物が腰を上げた 5世紀…

  • かっては「岸辺の道」だった?「山辺の道」

    「山辺の道」とは春日山の麓から奈良盆地の東に連なる小高い山やまの裾にそって南下し三輪山の麓まで続く大和の古代道路のひとつ。 全長35キロメートルの道の周囲には古寺社や古墳など、名所・名跡が点在し、四季折々の趣があって美しく、「美しい日本の歩きたくなる道500選」にも選ばれている。 写真はイメージです ルートはふたつあり、天理から奈良までのルートはほとんど消滅しているが、大神神社から石上神社までの15キロのルートは、三輪山を仰ぎみながら、西方に広がる奈良盆地と大和三山や二上山。遙かに葛城山、金剛山をまみえるハイキングコースとしても知られる。「山の辺の道」という言葉に相応しく、道は縫うようにという…

  • 十一面観音という仏教世界の入り口

    古刹を見つけると、十一面観音の姿を探す。仏教関連書籍を紐解くと、十一面観音の名前を探す。盧舎那仏、大日如来、不動明王、数々の如来、菩薩、明王、天部がいるなかで、私にとって十一面観音菩薩は特別な存在だ。 十一面観音に惹かれる理由、一つにはそこにアニミズムの傷痕を感じる点にある。山間部の泉、河川部などに人智を越えた力や神秘的な気配、畏怖の念を感じた人たちが幻視するホログラムのような願いや畏怖。そうした情念のシルエットに十一面観音というデザインとコンセプトを与えられたものが十一面観音の姿なのだと私は感じている。 そのアニミズムから、仏教世界に紐付けられる仕組みに自分はとても興味があるのだと思う。菩薩…

  • 「頭塔」が私たちに語りかけるもの

    それは、民家のすき間から姿を見せた 春日山原始林を取材した帰り道、高畑界隈にさしかかった民家の家々の隙間から不自然な瓦が視界に飛び込んだ。あれはなんだろう?と訝しみながら近付くと、それは不可解な建物だった。ピラミッドのような四角錐、 5段ほどの石段で築かれ、所々に屋根が設えてある。建物というより、堂宇のフリークのような禍々しさがあった。新興宗教のモニュメントのようなものかと思ったが、Google Mapで調べて見ると「頭塔」と表示される。どうやら奈良時代に作られたもので、歴史のある建造物のようだ。 奈良町にある元興寺を東に進むと民家に隠れて姿を現す。東大寺の寺域を元興寺の旧寺域から守っているよ…

  • 平城宮跡のなかを電車が走る理由

    奈良体験、最初のクライマックスなのだが。 大阪、難波駅から奈良に向かう近鉄奈良線の電車が大和西大寺駅を出てしばらくすると、車窓に壮大な歴史パノラマが広がる。 まず、右手に艶やかな朱塗りの朱雀門、そして左手には近年整備された平城宮跡と荘厳な大極殿が現れる。視界を邪魔する障害物はなく、復元された建築物の他には遺構と緑の空間が広がる。奈良を訪れる人はまずここで一つ目のクライマックスを体験することになる。 同時に、脳裏をかすめるのは「こんな貴重な場所を横切っていいのだろうか?」というかすかな罪悪感。それを感じるのは私だけではないだろう。 西大寺駅から奈良へ走る近鉄電車。ゆったりとした弧を描いているのが…

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