関節リウマチのEULARリコメンデーション 2016のPhase II以降についてです。 生物学的製剤
関節リウマチの治療において 世界的にはEULARリコメンデーションが 最も基本となっているのではないかと思います。 前回まで述べてきた沢山の治療薬の 選択の順番について参考になります。 2010年、2013年、2016年と改訂され、 現在は2016が最新だと思います。 (Ann Rheum Dis. 2017 Jun;76(6):960-977.) RA診療に携わるなら一読が必要です。 まずはPhase Iについて。 とりあえずMTXの単剤をしっかり使うと…
関節リウマチの関節保護目的に デノスマブ(プラリア)も使用することが 近年できるようになりました。 エビデンスとしては以下です。 まずRAの血中RANKL濃度は高値です。 (Arthritis Rheum. 2002 Jul;46(7):1744-53.) DESIRABLE試験 国内第3相試験 csDMARDs ± プラリア 60 mgを6ヶ月毎 プラリア有りでΔTSSが小さかった DRIVE試験(Ann Rheum Dis. 2016 Jun;75(6):983-90.) 国内第2相試験 …
関節リウマチの関節炎治療における ステロイドの量についてです。 ヨーロッパのガイドラインでは 初期に大量のステロイドを用いて 治療しているようですが、 日本ではまだそのような使い方は 普及していないと思います。 具体的にはCOBRA試験などです。 日本での従来の使い方について今回は書きます。 プレドニゾロン換算で 5 mg/dayまではbenefitが大きい 10 mg/day以上はriskが大きい 5-10 mg/dayが患者に…
関節リウマチの関節炎の治療として ステロイドを使うことがあります。 特に近年のヨーロッパのRAのガイドラインでは ステロイドを初期に使うこと!となっています。 日本でも初期にある程度の量を 短期間の投与することが増えるかもしれません。 使用する上で知っておくべき超重要なことは、 ステロイドは破骨細胞を抑制できず 関節破壊は止まらない! ということです。 つまり、、、 ステロイドは関節リウマ…
バリシチニブの関節リウマチに対する エビデンスについてまとめてみました。 RA-BEGIN(Arthritis Rheumatol. 2017 Mar;69(3):506-517.) DMARDs未使用 MTX vs バリシチニブ 4 mg/day vs MTX + バリシチニブ 4 mg/day Arthritis Res Ther. 2017 Sep 18;19(1):208. RA-BUILD(Ann Rheum Dis. 2017 Jan;76(1):88-95.) csDMARDs不応例 MTX vs バリシチニブ 2 mg/day vs バリ…
バリシチニブは関節リウマチへの 第二のJAK阻害薬として 2017年7月に承認されました。 適応については全例市販後調査の為の使用ガイドラインでは、 MTX > 8 mg/wを3ヶ月以上でもコントロール不良 圧痛関節 ≧ 6、腫脹関節 ≧ 6、CRP ≧ 2 or ESR ≧ 28 mm/h DAS28-ESR、SDAI、CDAIでmoderate activity以上 ※MTX投与不可能例は適応なし となっております。 望ましい条件として WBC ≧ 4000、リンパ球 ≧…
バリシチニブはトファシチニブと並ぶ JAK阻害薬の一つです。 ただし全く同じではなく、 バリシチニブはJAK 1/2の阻害薬です。 gp130ファミリー分子(IL-6、IL-20、IL-22など)シグナルと II型IFNシグナルを阻害するとされています。 また代謝についてもTOFとは 少し異なります。 バリシチニブは腎排泄なのです!
トファシチニブを使うときは 併用薬で注意すべきものがあります。 それはCYP3A4に関わるものです。 具体的には以下の通りです。 グレープフルーツ 薬剤 代謝阻害効果あり→併用の場合は5 mg/dayに減量も マクロライド ノルフロキサシン アゾール系抗真菌薬 カルシウム拮抗薬 アミオダロン シメチジン フルボキサミン 抗HIV…
トファシチニブの副作用についてです。 上気道感染など感染症がやはり多い印象です。 重大な副作用は6%程度と言われています。 しかし、80歳以上、感染症 (帯状疱疹を含む)・間質性肺炎の既往、 間質性肺炎合併、糖尿病、RA class 4、 PSL 5 mg/day以上、リンパ球数 500-100 /mm3といった 重大な副作用リスクがある人では10%以上と言われています。 好中球減少 リンパ球減少 ヘモグロビン減少 帯状疱疹(Arthr…
トファシチニブの関節リウマチに対する エビデンスについてです。 ORAL studyシリーズです。 バイオは皮下注射や点滴でしたから、 経口投与に戻るという意味の oralなのでしょうか。 印象深い名前です。 ORAL scan(Arthritis Rheum. 2013 Mar;65(3):559-70.) 国際共同第III相試験 MTX効果不十分 MTX + プラセボ vs MTX + TOF TOF追加群でACR20が改善、1カ月でHAQは改善 O…
トファシチニブの関節リウマチに対する 使い方については トファシチニブ使用ガイドラインが 策定されていますので一読してください。 �@MTX投与が難しい場合は原則投与しない。 �A疼痛関節6以上、腫脹関節6以上、 CRP 2以上 or ESR 28 mm/h以上で推奨。 DAS28ESR・SDAI・CDAIで moderate以上の場合も考慮。 �BWBC ≧ 4000 /mm3、 リンパ球数 ≧ 1000 /mm3、 βDグルカン陰性が望ましい。 とTOFの適応…
トファシチニブの薬物動態についてです。 半減期は3時間ととても短いです。 代謝は7割が肝臓で行われます。 主にCYP3A4で代謝され、 一部はCYP2C19で代謝を受けます。 TOFの3割は腎排泄です。 ですから禁忌事項に重度の 肝機能障害という項目が 入っているのだと思います。
トファシチニブはJAK阻害薬の一つです。 作用機序はJAK 1/3の阻害です。 JAK1はそもそもは狙ってなかったようです。 そのためCD4陽性細胞の活性化が弱くなる という副作用が出てしまっているようです。 TOFは関節リウマチの治療では 少し前までは最後の砦的なポジションにいました。 今後はもう少し早く登場するかもしれません。
JAK阻害薬はとても新しいお薬です。 tsDMARDsに分類されています。 IL-2, 4, 7, 9, 15, 21のシグナル伝達で ヤヌスキナーゼ(JAK)という リン酸化酵素が共通して下流にあるため JAK阻害薬が開発されたそうです。 JAKにはJAK1、JAK2、JAK3があり、 それぞれ発現している細胞などの差から、 JAK3を特異的に抑制したかったようです。 しかしそう簡単に問屋はおろしてくれなかった。 現在のところ関節リウマチに…
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