乗代雄介「それは誠」
★京都新聞、渡邉英理さんの「いま、文学の場所へ」で紹介されていたので、乗代雄介さんの「それは誠」(「文学界」6月号)を読んでみた。★現代日本版「スタンド・バイ・ミー」という印象を感じた。高校の修学旅行。1人の少年は自由時間を利用してある冒険を試みる。最初一人で行動するつもりだったが、彼には数人の仲間が伴った。★作品のほとんどは高校生たちのたわいもない(ある意味ナチュラルな)会話で進められる。★私には作品そのものより、渡邉英理さんの解説の方が魅力的だった。★「いま、文学の場所へ」では、他に永井みみさんの「ジョニ黒」(「すばる」6月号)、滝口悠生さんの「反対向き」(「新潮」6月号)、九段理江さんの「しをかくうま」(「文学界」6月号)が紹介されている。★紹介文はともかく、渡邉さんの中上健次論が興味深かった。乗代雄介「それは誠」
2023/05/30 23:43