「芭蕉はがまんできない」 関口尚
「芭蕉はがまんできないおくのほそ道随行記」(関口尚著2025年4月集英社文庫431p)を読みました。芭蕉はおじいさんだと思っていたけれど「おくのほそ道」の時はまだ50前だったとは驚いた。(弟子たちに「翁」と呼ばせている)変な人なのだ芭蕉は。それが弟子の曾良の目を通して描かれる。芭蕉は矛盾に満ちている。そしてそれを隠しもしない。漂白の旅をしているつもりなのに宿はちゃんとしたところでないと絶対に嫌。組織として一派を立てるなんて煩わしいと言いながらもちやほやされたり褒められることが大好き。あんまり丈夫ではないのにがりがりと先を急いでみたり(結構健脚)孤独を好むと言いながら寂しがり屋だったり旅先で出会った「人」に惚れ込んだり……読みどころは芭蕉の「改作」ぽろっと出来た句をなおす。そのなおしたものが素晴らしい。改作...「芭蕉はがまんできない」関口尚
2025/07/03 06:46